JPS5929866Y2 - 包装用カ−トン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は光沢処理の板紙（コート紙）などを材料とする
カートンの改良に係わり、例えばコンパクトカセットの
包装用として好適なものであるが、その主たる目的は、
この種のカートンを簡便に開封し得る新規な手段を提案
せんとするにある。

第１図は本考案を施したカートンの一例を示す斜視図で
あり、これは周知の如く予め型抜された展開シートを折
曲げて例えば図示のような横長矩形輪郭の箱体に組立て
られる。

即ち第２図はその展開シートの型抜き形状を示し、第１
図カートンの全体をＡ、展開シートをＢとして両図を参
照しながらその組立て構造を説明するも、まず順序とし
て第２図に示す展開シー）Ｂの各部片（区分シート）の
連結配置及び部片間の折曲げ線並びに本考案と直接関係
のあるミシン目、開封用指掛は等につき述べる必要があ
る。

第２図において、１は例えばカートンの上面となる蓋シ
ート、２はその左辺に連なる細巾のフラップ、３，４及
び５は順次右辺に連なる背面シート、底面シート及び正
面シー） 、６．６は蓋シート１０両側の対称的な側片
、７，７及び８，８並びに９，９は同様にして背面、底
面及び正面の各シー） ３，４．５の両側に形成された
対称的な夫々の側片を示し、以上各４対宛の側片間は図
示の如くスリットにより分離され、かつ側片６，６を除
く他の側片とその連なる各面のシートとの間には一点鎖
線で示す折曲げ線１０，１０，１１．１１及び１２．１
２が夫々型押しされている。

また、同様な一点鎖線１３，１４．１５及び１６は蓋シ
ート１とフラップ２の間、蓋シート１と背面シート３と
の間、背面シート３と底面シート４との間及び底面シー
ト４と正面シート５との間を夫々区切る型押し加工の折
曲げ線を示す。

ところで本考案は、最終的に上述のようなカートンＡと
して組立てられる例示の如き展開シー）Ｂに独特な工夫
を施し、もってカートンの開封手段を合理化したもので
あるが、具体的には蓋シート１とこれに連なる双方の側
片６，６との間に夫々ミシン目１７．１７を施すと共に
、蓋シート１と折曲線１３を介するフラップ２には展開
シートの巾中央に位置する特殊なオープナ−１８（指掛
け）を形成して、後述の如き開封作用を奏し得るように
なされている。

この指掛け１８は折曲線１３の隣接位置に例えば円弧状
の切込み線１９（実線）を打抜き、かつその円弧中心線
に沿う折曲げ線２０と円弧切込み線両側の接線方向に略
倣う如き折曲げ線２１．２１（いずれも一点鎖線）とを
型押してベル類似の形状となさしめたものである。

なお、図中２２は指掛け１８に対応して正面シート５の
縁辺に形成された半円状の切欠、側片７，７及び９，９
に付された斜線はこれらの側片の一面がカートン組立て
時の糊付は部となることを示す。

そこで、上述の展開シー１− Ｂを定められた順序に従
って各４面のシート１，３，４．５とこれらに連なる８
個の側片とを互に内方へ折曲げ、がっ糊付けして組立て
れば第１図に示す如きカートンＡとなるのであり、この
カートンＡの各部には第２図に準じて同一符号が付され
ている。

そして斯るカートンＡの内部には一例として１０〜１２
個のコンパクトカセットなどが収納される。

なお、図示の状態では蓋シート１に連なるフラップ２が
正面シート５の内面側に重畳しているため、カートン内
への塵埃等の侵入は殆どない。

因みに従前のカートンは開封の手段として蓋体の一部に
指先などを挿し込む透孔類を設けたものが多く、このよ
うなカートンでは保存及び運搬時に塵埃の侵入を回避し
得ない。

ともあれ本考案の主眼とするところは、例えば第１図の
ようなカートンの開封手段に存することは言うまでもな
く、第３図はその開封操作の説明に供する正面斜視図で
ある。

既に明らかな如くカートンＡの正面シート５の縁辺に設
けられた半円状の切欠２２の内側には指掛け１８の一部
が露呈している。

故にいま蓋シート１を開封せんとする場合、指掛け１８
の部分を押圧しながらフラップ２を開き方向へ若干引き
出せば、指掛けの切込み線１９が離間すると共に、中心
の折曲げ線２０を境に両側の折曲げ線２１．２１で囲ま
れた部分が内方へ凹み、フラップ２及びこれに連なる蓋
シート１の前縁部が図、の如く山形状を呈し、これに伴
って蓋シート１には力点Ｐを生ずる。

従って蓋シート両側のミシン目１７．１７には力点Ｐに
集中するテンションｔが作用し、双方のミシン目はスム
ースがっ迅速に分離して無理なく開封されるがら、蓋シ
ート１を開くことができる。

以上により本考案の奏する作用及び効果は略明らかであ
るが、要するに本考案の長所はこの種のカートンの蓋シ
ートを何等の無理もなく殆ど一挙に開封し得るという点
であり、加えて開封後におけるミシン目の分離面もカー
トンの体裁を損うことがないから店頭陳列に適しており
、カートンの材料を冒頭に述べた如きコート紙などとし
て適切な表示及びデザインを施せば露呈された商品の宣
伝効果も増すであろう。

但し、被包装品はコンパクトカセットに限ることはない
し、またカートンの材料は薄手の段ボールとかあるいは
その他の材料となすも差支えない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わるカートンの一例を示す斜視図、
第２図はその展開シートを示す平面図、第３図は開封操
作の説明に供する正面斜視図である。 図中、Ａはカートン、Ｂは展開シート、１は蓋シート、
２はフラップ、３，４．５は背面シート、底面シート及
び正面シート、１７はミシン目、１８は指掛け、１９は
その切込み線、２０及び２１は同じく折曲げ線、２２は
半円状切欠を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カートンの上面を閉じる如く背面シートの上縁に連続し
   て形成され、その互に対応する両側縁辺にミシン目が施
   された蓋シートと、該蓋シートの前側端縁に連なり、か
   つ直角方向へ折曲げられるフラップとを有し、該フラッ
   プの略中央位置には、切込み線を設は該切込み線の両端
   及び中央からフラップ端縁まで折曲げ線を型押して内面
   側へ凹ませ得る指掛けを形成すると共に、正面シートの
   内側に上記フラップを重畳させてなり、その開封に際し
   て、上記フラップの指掛けを押圧しながらフラップを引
   出すことにより、上記蓋シートの一部に上記両側のミシ
   ン目を分離する力点を生せしめるようにした包装用カー
   トン。