JPS5928029Y2 - 熱風炉のドラフト向上装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、熱風炉のドラフト向上装置に関し、とくに
休風時における熱風弁取替えに際しての熱風の吹出し防
止を有利に解決できる装置について提案するものである
。

近年、省エネ対策の一環として、熱風炉燃焼排ガスのも
つ熱エネルギーを、排熱回収装置を使って回収して燃焼
用空気の予熱に使用したり、蓄熱れんがを２炉代にわた
って使用するというような技術が開発されている。

ところが、このような技術の採用は、排ガス系統の圧損
を大きくする。

このため、煙突にあってはドラフトが不充分になって排
ガスの引きが悪くなり、煙道内が正圧となって排ガスが
煙道コンクリートに浸透してコンクリートが弱くなり、
くずれてしまうおそれが出てくる。

さらに、このような技術設備を最初からレイアウトに組
込んであればよいが、一般的に既存レイアウトに追加す
る形となるので、狭いスペースに各種装置を設置するこ
とになり、空気・排ガス側ともにダクトの引きまわし距
離が長くなる。

このことは、既存設備をかわしてダクトルートを設定す
るため、曲がりくねったダクトルートにしなければなら
ないからで、これがダクト内の圧損を極めて大きいもの
にしているのである。

一方、設備投資削減を目的とした前述のギツターれんが
の２炉代使用にあっては、ここでの圧損が顕著になり、
前述の排ガス系統の圧損と加えると、その影響は極めて
大きいものとなる。

このような熱風炉煙道支管系での圧損は、例えば、休風
のときや熱風炉乾燥のときに熱風弁を取替えようとする
とき、煙突でのドラフトが不充分になっていることから
、熱風の吹出しを招きその取替え工事を困難にするとい
う問題点があった。

従来、このような問題点に対し、 ■ 休風直前の操業状態：すなわち熱風弁を取替える熱
風炉を送風状態にしておき、ギツターレンガの温度を下
げておく、 ■ 排熱回収装置を休風前に停止させておき、排ガス温
度を高いままで煙突に導き、煙突でのドラフトを大きく
しておく、 ■ 煙突下部に取付けであるバーナに点火して、排ガス
温度を上げてドラフトを増加させる、などの対策を講じ
ていた。

しかし、■の場合送風状態を続けてもドーム温度がそれ
ほど低下しないし、万−下ったとしてもれんがの収縮に
よるクラック発生の危険がでるし、■の場合効果が薄い
し、■の場合排ガス温度を上げるのにバーナーを使用す
るため燃費が嵩むという欠点があった。

そこで、本考案は上述のような熱風弁取替え時の熱風吹
出しをなくすための有利な装置の提供を目的とする。

例えば、煙道支管から分岐させた煙突に向う均排圧前途
中に、エジェクター等のガス吸引装置を設置して、その
装置のもつエジェクター効果により、均排圧管中の空気
を強制的に噴出させ、そのことによって熱風炉内の熱風
を吸引して熱風弁取替時の熱風吹出しが起らないように
したものである。

以下にその構成の詳細を実施例とともに説明する。

第１図は、均排圧管１に対し、ガス吸引装置として蒸気
あるいは圧縮空気を利用するエジェクター２を設置し、
大気開放時の熱風炉内が常時負圧となるように構成した
本考案の一実施態様で、図示の４は熱風炉、５は煙突で
あり、その両者は煙道６にて連通している。

この煙道６と熱風炉４との間は、通常煙道弁８を具える
煙道支管７が連結しである。

一般に、操業中炉内燃焼排ガスは前記煙道６、煙突５を
通じて大気中に放散しているが、たとえば、熱風炉を送
風期から燃焼期に切換える場合にあっては、送風完了後
の熱風炉内圧を利用し、送風開始熱風炉の充圧又は排気
の目的で熱風炉相互さらには煙突を接続する均排圧管１
を設けておき、この均排圧管１を通じて熱風を炉内から
抜いている。

この第１図示の本考案実施例では、均排圧管１中に高圧
蒸気噴射ノズル２ａを具えるエジェクター２を設け、そ
れのエジェクター効果により熱風を効率よく煙突５から
放散するように構成してなるものであり、休風の時に、
熱風支管９に取付けた熱風弁１０を取替える場合に、前
記噴射ノズル２ａから蒸気を噴射させることによるその
エジェクター効果により、炉内の熱風を吸引する。

なお、この時は煙道弁８および均排圧管１中の煙突側バ
ルブ１１は閉じておく。

このような装置を使うと休風の時は炉内に流れる空気量
は僅かであり、前記エジェクター効果がきいて熱風炉内
を負圧にでき、弁取替え時の熱風吹出しが完全に防止で
きる。

上述の実施例の他に、本考案の場合第１図図示のように
、均排圧管１から煙突５に分岐させたバイパス管１２中
にガス吸引装置として例えば誘引ファン３を設置し、こ
の誘引ファン３を使って炉内空気を吸引してもよい。

その作動時バイパス弁１３．１４は開にするが、その他
の時は閉にしておく。

また、第２図の例は、煙道支管７中の煙道弁８よりも蓄
熱室４′寄りに、直接前記エジェクター２を取付けて、
前述と同じように熱風炉４内空気を吸引してもよい。

この場合、煙道支管７とエジェクタ−２との間に放出バ
ルブ１５を設け、また煙道弁８′は小弁つきのものを使
用するのが好ましい実施の態様である。

上述した本考案の実施例は、ガス吸引装置を、煙道支管
に直接取付けた例の他、間接的なものとして排ガスを大
気に放散するための均排圧管あるいはバイパス管中に該
ガス吸引装置を設置した例があるが、その他にも間接的
なものの例として排ガスを熱回収装置を経て煙突に導く
ような例において、煙道弁よりも蓄熱室側の位置に該ガ
ス吸引装置を設置し、その下流側を熱回収装置に接続し
た構成でもよく、本考案はかような熱エネルギー回収設
備を設けている燃焼排ガス放散設備に対しても使える。

第３図の例は、排熱回収装置１６設置ルートに誘引ファ
ン２“を配して熱風炉４内空気を吸引する実施例である
。

これは、弁の煙突５側煙道支管７から分岐する熱回収管
１７に排熱回収装置１６を設置してなるものに対し、煙
道弁ぎの蓄熱室４′側から吸引管１９を分岐させて前記
熱回収管１７に接続した構成のものである。

一方、該熱回収管１７には排熱回収装置１６をバイパス
させるバイパス管１８を設けておき、前記吸引管１９中
には誘引ファン２ を設置するとともに、管１７，１８
中には遮断弁２０ 、２０’、切換弁２１を設置する。

この実施例において、常態操業時での排熱回収に際して
は、遮断弁２０ 、２０’、切換弁２１は閉で、排熱回
収装置１６前後の遮断弁２２．２２’は開で操業し、一
方体風待の吸引に際しては、前記弁操作は全く逆にして
、炉内空気を吸引管１９、誘引ファン２匁バイパス管１
８を介して煙突５にドラフトさせる。

ここで、バイパス管１８は排熱回収装置１６の故障にも
熱風炉操業を阻害させない目的のものである。

なお、本考案は実施例の熱風弁の取替えのみならず、空
気弁やガス弁さらには耐火物補修時等の＝萱に当って必
要となるドラフトに対しても効果作用する。

以上説明したように本考案によれば、排熱回収装置の設
置やギツターれんがの再使用の場合に見られる排ガスル
ートでの圧損が高い熱風炉設備に対し、煙突へのドラフ
トを向上させることができ、休風のときの熱風弁取替え
時に熱風の吹出しを防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、その第１図は均排
圧管にエジェクターを取付けた例の熱風炉配管まわりの
配置図、第２図は煙道支管に直接エジェクターを取付け
た配置図、第３図は排熱回収装置系路中に強制吸引手段
を設けた例の配置図である。 １・・・・・・均排圧管、２・・・・・・エジェクター
、２ａ・・・・・・エジェクターの噴射ノズル、３・・
・・・・誘引ファン、４・・・・・・熱風炉、４′・・
・・・・熱風炉の蓄熱室、５・・・・・・煙突、６・・
・・・・煙道、７・・・・・・煙道支管、８・・・・・
・煙道弁、９・・・・・・熱風支管、１０・・・・・・
熱風弁、１１・・・・・・バルブ、１２・・・・・・バ
イパス！、１３，１４・・・・・・バイパス弁、１５・
・・・・・放出バルブ、１６・・・・・・排熱回収装置
Ｘ １７°°°°°°熱回収管、１８・・・・・・バイ
／ ｓｏス管、１９・・・・・・吸引管、２０ 、２０
’・・・・・・遮断弁、２１・・・・・・切換弁、２２
，２グ・・・・・・遮断弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱風炉における燃焼排ガス放散設備に対し、該排ガスを
   煙突へ導く煙道支管中の煙道弁より蓄熱室側の位置に、
   ガス吸引装置を設置し、大気開放時の熱風炉内が常時負
   圧となるように構成したことを特徴とする熱風炉のドラ
   フト向上装置。