JPS592693Y2 - 給食トレ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は学校、病院、工場その他の集団給食システムに
おいて使用する給食トレーに関する。

近年、学校・、病院、工場その他の集団給食システムに
おいては、米飯等の主食と複数の副食とをそれぞれ食器
に入れたままで収納でき、給食料理の保温保冷と配膳と
に兼用できる給食トレーが使用され出している。

この種の給食トレーは、保温保冷効果のために断熱性が
必要であるは勿論、繰返し簡便に使用するためにある程
度の保形性と強度をもちかつ軽量であることが望まれる
。

また主食および副食等の食物はその料理の種類によって
温度が異なっており、そのためこれらの食物を容器に入
れたままで収納するにしても、各料理つまり各食器ごと
に断熱壁で仕切っておかないと、料理ごとの保温保冷が
効果的に行なえないことになる。

本考案は、上記に鑑みて、各食器を受けるトレ一本体と
これに被せる蓋との組合せからなる給食トレーとして、
軽量でかつ丈夫で断熱性があり、しかも食物の入った複
数の食器を個々に隔して収納でき、保温保冷効果に優れ
るとともに、トレ一本体上面にこぼれた汁液がトレ一本
体の側面を伝い流れ見苦しくなったりテーブルを汚した
りするのをトレ一本体と蓋との嵌合構造を利用して防止
できる好適なものを提供すべく考案したものである。

すなわち本考案は、合成樹脂発泡体の外側に非発泡の合
成樹脂よりなる成形体を包被せしめたトレ一本体と蓋と
からなるもので、トレ一本体は水平の上面に食器類と略
対応した複数の収納凹部を有するとともに上面層縁部に
おける外周端よりやや内方位置に周方向連続状の突縁が
設けられ、他方蓋のトレ一本体の上面と接触もしくは近
接状態で相対する下面には前記収納凹部との対応位置に
凹部が設けられるとともに、周縁部に前記突縁が嵌入で
きる凹溝が形威されてなることを特徴とするものである
。

次に本考案の実施例を図面に基いて説明する。

１０は水平の上面１１に複数の収納凹部１２ ａを有す
るトレ一本体であって、各収納凹部１２ａはそれぞれ主
食および副食用等の椀状または皿状の食器ａに対応した
深さ及び大きさに形成され、各収納凹部１２ ａにそれ
ぞれ対応する食器ａを個々的に嵌合収納できるようにな
っている。

食器ａとしては図のように給食システムにおいて従来か
ら使用の食器を用いる場合のほか、トレ一本体１０とセ
ットにして特別に製作した食器を用いることができる。

また食器ａはアルミニウム等の金属薄板、ポリプロピレ
ン等の合成樹脂、陶器その他の種々の素材よりなるもの
を使用できる。

１２ｂは湯茶わん。コツプ等の載置凹部である。

上記のトレ一本体１０は、内部材である合成樹脂発泡体
１３の外側に外被として非発泡の合成樹脂成形体１４を
包被せしめてなるものであり、特に図示する実施例の場
合、前記成形体１４は収納凹部１２ ａを有するトレ一
本体上部に相応する上部体１４ ａとトレ一本体下部に
相応する下部体１４ ｂとに分割形成しておき、この上
下両部体１４ ａ 、１４ ｂを発泡体１３の外側に上
下から被着して周囲部で適宜溶接手段によって突し合せ
接合し、成形体１４内部を密封構造となし、熱湯消毒や
洗滌等におけろ水密性を良くしている。

１５はその接合部を示す。

上記合成樹脂発泡体１３としては、ポリスチレン樹脂、
ポリエチレン樹脂、スチレンと無水マレイン酸との共重
合樹脂その他の合成樹脂を主として発泡ビーズ成形した
ものを用いる。

発泡倍率は４０〜５０倍程度が程度化、保形性等の点か
ら好適である。

また非発泡の合成樹脂成形体１４としては、ポリプロピ
レン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ＡＢ
Ｓ樹脂、スチレンと無水マレイン酸との共重合樹脂等を
用いる。

中でも比較的耐熱性のある合成樹脂が好適である。

２０は上記トレ一本体１０とは別に形成した蓋であって
、トレ一本体１０の上面１１と接触もしくは近接状態で
相対する下面２１にはトレ一本体１０の各収納凹部１２
ａとの対応位置に凹部２２を有している。

各凹部２２はこれと対応する収納凹部１２ ａに嵌合収
納する食器ａの形態に応じてその深さおよび大きさを設
定するもので、食物の盛付けに支障なきよう形成する。

また、この蓋２０についても、上記したトレ一本体１０
と同様に内部材である合成樹脂発泡体２３の外側に非発
泡の合成樹脂成形体２４を包被せしめる。

前記合成樹脂発泡体２３と合成樹脂成形体２４の材質の
点および合成樹脂成形体２４を上部体２４ ａと下部体
２４ ｂとに分割形成しておいて合成樹脂発泡体２３に
被着した後溶接手段により接合する点についても、トレ
一本体１０の場合と同様である。

そして本考案においては、上記トレ一本体１０の上面周
縁部には外周端よりやや内方位置に連続状の突縁１６を
形成し、他方蓋２０の下面周縁部には前記突縁１６が嵌
入できる凹溝２６を形成してなるものである。

図示する実施例の場合は、トレ一本体１０の突縁１６外
方の若干幅の上面を突縁１６内方の上面１１より僅かに
段落した対接面１７として、また蓋２０における凹溝２
６の外側下面を前記対接面１７に対応して凹溝２６内方
の下面２１より僅かに突出した対接面２７として形成し
、前記突縁１６と凹溝２６の嵌合と前記側対接面１７．
２７同士の対接をもって蓋２０をトレ一本体１０に対し
被嵌できるよう設けている。

特に側対接面１７．２７同士が対接したとき、トレ一本
体１０の上面１１と蓋２０の下面２１とがごく僅かな隙
間（約０．５〜１．５ｍｍ）を存して近接状態で相対す
るよう設定する。

なお上記両肘接面１７．２７をそれぞれトレ一本体１０
の上面１１および蓋２０の下面２１と同位置に形威し、
突縁１６と凹溝２６との嵌合のみをもって蓋２０をトレ
一本体１０に被嵌自在に設けることもでき、この場合ト
レ一本体１０の上面１１と蓋２０の下面２１とは通常接
触状態で相対することになる。

また、蓋２０の上面に押込み等の凹部２８を設けるとと
もに、トレ一本体１０の下面に前記凹部２８に嵌合する
凸部１８を設け、トレーを多段積みする際上層のトレ一
本体１０の凸部１８を下層の蓋２０の凹部２８に嵌合し
て安定よく積み重ね得るようにしている。

凹部２８および凸部１８は図示のものに限られない。

本考案は上記のように構成されており、例えば米飯等の
主食およびおかず、みそ汁等の入った各食器ａをそれぞ
れに対応した収納凹部１２ ａに個々的に嵌合して収納
し、これに蓋２０を被嵌して給食料理の保温状態での運
搬及び配膳に使用するものであり、各食器ａをトレー内
の所定位置に安定よく確実に保持でき、運搬及び配膳の
際に食器ａを不当にガタつかせず、容易かつ安全に取扱
うことができる。

さらに本考案は、内部を断熱性のある合成樹脂発泡体で
形成するとともに、その外側にある程度の肉厚のある非
発泡の合成樹脂成形体を包被せしめてなるものであるか
ら、軽量であるとともに充分な耐圧および保形強度をも
ち、丈夫で取扱い易く、また汚れが付着し難く、熱湯消
毒や洗滌等も容易で繰返し使用に適する。

しかも本考案は内部の合成樹脂発泡体により外部との断
熱効果に優れるは勿論、トレ一本体１０の各収納凹部１
２ ａがそれぞれ互に隔して形成されているのに加え、
蓋２０の下面がトレ一本体１０の上面１１と接触もしく
は近接状態で相対するとともに、その下面２１にも前記
収納凹部１２ ａとの対応位置に凹部２２がそれぞれ隔
して設けられているので、トレ一本体１０に蓋２０を被
せた状態ではトレ一本体側の収納四部１２ ａとこれに
対応する蓋側の四部２２とによるそれぞれの収納部空間
が各々はぼ完全に隔された状態で、前記収納部空間相互
の通気が阻止され、収納部空間同士の間が断熱壁構造と
なることとも相まって優れた断熱効果を発揮でき、例え
ば温かい料理と冷たい料理とをそれぞれ個々の収納凹部
に収納した場合、その料理による温気あるいは冷気が他
の収納部空間に流れ込むことがなく、従って食器ａごと
各収納凹部１２ａに収納された料理を、温かいもの冷た
いものそれぞれの適温に保持でき、優れた保温保冷効果
を発揮できる。

しかして本考案は、上記のような給食Ｉ・レーにおいて
、トレ一本体１０の上面周縁部に連続状の突縁１６を形
成し、他方蓋２０の周縁部に前記突縁１６が嵌入できる
凹溝２６を形成してなるものであるから、この突縁１６
と凹溝２６の嵌合によって蓋２０をトレ一本体１０上に
安定よく確実に被嵌できるばかりか、食物の入った食器
の収納作業時あるいは運搬や配膳等の際に汁液が食器か
ら溢れたりこぼれても、その汁液が外部へ流出せんとす
るのを上記突縁１６によって阻止でき、また収納された
料理の熱によって蓋２０の下面やトレ一本体１０の上面
に生じる露滴が外部へ伝い流れようとするのをも、上記
突縁１６と凹溝２６の部分で阻止できる。

それゆえ、本考案の給食トレーの場合、食器からこぼれ
た汁液や露滴がトレ一本体と蓋との接合部から滲み出し
たり、トレ一本体の側面を伝い流れるようなことがなく
、取扱者あるいは食事をする者の手や衣服を汚さず、き
れいに取扱え衛生的でもある。

従って本考案は、病院、学校、工場その他の集団給食シ
ステムにおいて、主食、副食等をそれぞれ食器に入れた
まま個々的に収納して各料理の保温保冷トレーと配膳型
を兼ねて使用する給食トレーとしてきわめて好適なもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図は蓋を被
嵌する直前の拡大断面図、第３図は蓋を被嵌した状態の
断面図である。 １０・・・・・・トレ一本体、１１・・・・・・上面、
１２ ａ・・・・・・収納凹部、１６・・・・・・突縁
、２０・・・・・・蓋、２１・・・・・・下面、２２・
・・・・・凹部、２６・・・・・・凹溝、１３．２３・
・・・・・合戊樹脂発、泡体、１４゜２４・・・・・・
合成樹脂成形体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １０合合成樹脂泡体の外側に非発泡の合成樹脂よりなる
   成形体を包被せしめたトレ一本体と蓋とがらなす、トレ
   一本体は水平の上面に食器類と略対応した複数の収納凹
   部を有するとともに上面周縁部における外周端よりやや
   内方位置に周方向連続状の突縁が設けられ、他方蓋のト
   レ一本体の上面と接触もしくは近接状態で相対する下面
   には前記収納凹部との対応位置に凹部が設けられるとと
   もに、周縁部に前記突縁が嵌入できる凹溝が形成されて
   なることを特徴とする給食トレー。 ２、成形体は、上部体と下部体とに分割形成されて突き
   合せ端部同士が溶接手段によって接合されたものである
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の給食トレー。 ３、合成樹脂発泡体が、ポリスチレン樹脂、ポリエチレ
   ン樹脂、スチレンと無水マレイン酸との共重合樹脂等の
   発泡体よりなる実用新案登録請求の範囲第１項または第
   ２項記載の給食トレー ４、合成樹脂成形体が、ポリプロピレン樹脂、ポリエチ
   レン樹脂、ポリスチレン樹脂、ＡＢＳ樹脂、スチレンと
   無水マレイン酸との共重合樹脂よりなる実用新案登録請
   求の範囲第１項、第２項または第３項のいずれか１項に
   記載の給食トレー