JPS5926409Y2 - 回転ノブの照明装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転ノブの照明装置に関し、特に車両における
車内計器用のコントロール回転ノブなどの回転ノブに、
その後方端面より少なくとも前方端面まで光を誘導する
光導体を設けて、該回転ノブの少なくとも前面から光を
放射させることによって、暗所においても回転ノブの位
置を確認し得て、回転ノブの操作ならびに計器表示板に
対する指示を支障のないようにした回転ノブに関するも
のである。

従来より、車両内のインストルメントパネルに設けられ
る計器制御装置において計器をコントロールする回転ノ
ブが配設されており、この回転ノブの位置および指示を
暗所においても視認し得るように、かかる回転ノブを照
明することが考えられたのである。

例えば回転ノブ自体に発光源を内蔵する方法や、外部の
発光源からの光によって該回転ノブを照らし出す方法等
があったのである。

しかし従来の発光源内蔵型の回転ノブにあっては、回転
ノブ自体が大型化して使用箇所に制限を受けたり、構造
が複雑となるため故障の場合のメンテナンス性が悪かっ
たり、更に組立工程が煩雑となるためコスト高にもつな
がる等の欠点があった。

他方、外部の発光源にて照明を行なう方法にあっても、
回転ノブは不透明な合成樹脂から形成されており、しか
も重厚さを得るために黒色を主体とした色調が採用され
ているため、照射された光が吸収されてしまい、回転ノ
ブの存在位置並びに回転による指示位置を充分に確認し
難いのである。

それ故、この形式のものでは照明効果を向上させるため
に、より高い光度の発光源を使用しなければならず、従
って発光源の消費電力が増加し、また他のメータ類との
明るさのバランスが失なわれたり、運転者に眩しさを感
じさせるなどの問題を惹起しており、またこれらの問題
を回避しようとすれば照明効果不充分のまま使用しなけ
ればならないという不具合があったのである。

ここにおいて、本考案はかかる事情に鑑みて為されたも
のであり、上記の問題を悉く解消するものであって、そ
の要旨とするところは、光源と、該光源から導かれた光
を一方の板面から他方の板面側に透過せしめて所定の表
示を行なう表示部分を有する表示板と、該表示板に回転
可能に嵌挿される回転ノブとを含む装置において、前記
光源と前記表示板との間に、該光源からの光を受けて該
表示板の略全面に分配せしめるための透明部材からなる
光誘導板を設けると共に、前記回転ノブに、該光誘導板
からの光を受けて該ノブの少なくとも前面に誘導し、そ
こから光を放射する光導体を、その後方端面が該回転ノ
ブを回転せしめた場合にあっても常に該光誘導板の光放
射面に対向して位置するように、該ノブを貫通して、設
けたことにある。

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を更に詳細に
説明する。

先ず、本考案の一実施例を示す第１図及び第２図におい
て、ハウジング１は、その前面に表示板２が装置され得
る開口部を有する箱形の形状を呈しており、その開口部
周辺にて車両のインストルメントパネル３に装置されて
いる。

そしてハウジング１内の後部中央部近傍に一個の光源４
が設けられ、この光源４と前記表示板２との間には光源
４からの光を該表示板２の略裏面全面に分配せしめるた
めの透明部材（例えばポリカーボネート或いはアクリル
樹脂など）からなる光誘導板５が設けられている。

この光誘導板５は中央部で厚く、両端部に向けて薄く厚
さを漸減せしめた楔形に形成されており、中央部後方の
凹部に光源４が設けられている。

この光源４に最も近い光誘導板５の前面の放射面５ａの
部分には、水平断面が鳥翼形を示す切欠面５ｂが設けら
れている。

そして、表示板２は光誘導板５と同様の透明材料からな
り、その裏面には塗装、印刷等によってＯＮ−〇ＦＦま
たは川−ＬＯＷ等の文字或いは図形が施されて、この文
字、図形のみが光を透過する表示部分２ａを有しており
、この表示部分２ａ以外の表示板２は黒色等に着色され
て不透明にされている。

そして、この表示板２には、円形の切欠部２ｂが設けら
れ、回転ノブ６が回転可能にこの切欠部２ｂに嵌挿され
ている。

そして、該回転ノブ６には、本考案に従って、後方端面
から少なくとも前方端面に至るまで、該回転ノブ６の円
形本体６ａからそのつまみ部６ｂを貫通して透明な物質
からなる光導体７が設けられている。

この光導体７は、前記表示板２、光誘導板５と同様にポ
リカーボネート或いはアクリル樹脂等からなり、光誘導
板５に近接する後方端面７ａは円形断面であり、前方端
面７ｂは細長の矩形断面となり、且つ胴部において屈曲
した形状に形成されている。

かかる構成においては、光源４から放射された光は切欠
部５ｂにおいて全反射させられて両端部へ向けて導かれ
る。

この鳥翼形の切欠部５ｂは、投射される光の入射角が切
欠部５ｂのいずれの位置においても、この構成材料たる
アクリル樹脂等の空気に対する臨界角（アクリル樹脂の
場合４２度）以上となるような形状であるため、完全に
全反射が行なわれる。

また光誘導体５の胴部においても全反射によって光度を
弱められることなく光誘導板５の両端部へ向けて光が収
斂させられる結果、光誘導板５は全体にわたって光によ
って充満され、その前面の放射面５ａから表示板２へ向
けて光が均等に放射されることとなるのである。

それ故、表示板２に設けられた透明な文字、図形等の表
示部分２ａは、前記放射面５ａがらの光を受けて暗黒な
周辺部分に対比して明るく輝くのである。

そして、本考案に従って設けられた光導体７は、その後
方端面７ａにおいて前記放射面５ａからの光を受は入れ
て、その構成材料の特性（ポリカーボネート樹脂の場合
に光透過率９０％、屈折率１゜５８６）によって光を効
率よく直進させ、または胴部周壁面で全反射させ、且つ
光導体７が先細りとなるに従って光を収斂せしめ、光導
体７の胴部において屈曲していても光度を低下させるこ
となく、また光を逸散させることなく、前方端面７ｂま
で誘導し、外部に対しては光源として光を放射するので
ある。

この光導体７の前方端面７ｂは回転ノブ６ （具体的に
はつまみ部６ｂ）の前面、または前面と端面とにかけて
設けられているので、回転ノブ６の回転に従って表示板
２の所定の表示部分２ａを指し示しつつ明るく輝くので
ある。

しがも、本実施例にあっては、光誘導板５の介在によっ
てその光の放射面５ａが、回転ノブ６が回転せしめられ
た場合においても、常時前記光導体７の後方端面７ａに
相対向しているために、該光導体７内に有効に光が導き
入れられ、それ故前方端面７ｂの輝きは回転ノブ６の回
転によっても変化することなく常に均一な光度で輝くの
である。

なお、回転ノブ６の回転は、ロッド８によって諸計器（
ヒータ、クーラ、ファン、内外気切替等の作動機構）に
伝達されて諸計器の調整、切替等を行なわせることとな
るのである。

本考案は、上記実施例に何等限定されるものでなく、本
考案の趣旨を逸脱しない限りにおいて当業者の知識に基
づいて種々なる変更、改良等を加え得るものである。

例えば、第６図に示す光導体７′は円形断面の後方端面
７′ａと細長の矩形断面の前記端面７’ｂを有し、且つ
胴部はほぼ直線的であって屈曲していない。

このような形状の他、また、単なる棒状のものであって
も使用可能であり、更に回転ノブ６の形状、大きさ等に
応じて種々なる形状の変更が可能である。

更に、前記実施例では、光導体７は回転ノブ６の円板状
本体６ａ並びにつまみ部６ｂをそれぞれ貫通して設けら
れており、このような態様で設けることが本考案にとっ
て最も望ましいものであるが、他方円板状本体６ａ部分
を貫通して前面へぬけるように配置しても何等差支えな
いものである。

更にまた、前述の実施例では回転ノブの回転によって諸
計器をコントロールし得るコントロール回転ノブについ
て述べたのであるが、単なる回転ノブであってもよく、
本考案はそのような態様を除外するものではない。

以上詳記したように、本考案に係る回転ノブ照明装置は
、暗所において明るく浮き出す光によって回転ノブの位
置とその指示を確認し得て、その操作に支障なからしめ
るものであり、他のメータ類との明るさのバランスを保
ち、運転者に眩しさを感じさせることがない。

また一個の光源から複数個の回転ノブの照明が可能であ
って消費電力が微少ですみ、光の有効利用ができるもの
であり、運転席のパネルデザインが自動車のセールスポ
イントとして重要視される今日、その幻想的な照明手段
によって極めて優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る一実施例の一部欠截斜視図であ
り、第２図はその断面図である。 第３図は本考案に係る回転ノブの正面図であり、第４図
はその一部断面側面図であり、第５図はその下面図であ
る。 第６図は回転ノブに貫通して設けられる光導体の別の実
施例を示す斜視図である。 １：ハウジング、２：表示板、２ａ：表示部分、３：イ
ンストルメントパネル、４：光源、５：光誘導板、５ａ
：放射面、５ｂ：切欠面、６：回転ノブ、７：光導板、
７ａ：後方端面、７ｂ：前方端面、８：ロッド、。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 光源と、該光源から導かれた光を一方の板面から他方の
   板面側に透過せしめて所定の表示を行なう光透過性の表
   示部分を有する表示板と、該表示板に回転可能に嵌挿さ
   れる回転ノブとを含む装置において、 前記光源と前記表示板との間に、該光源からの光を受け
   て該表示板の略全面に分配せしめるための透明部材から
   なる光誘導板を設けると共に、前記回転ノブに、該光誘
   導板からの光を受けて該ノブの少なくとも前面に誘導し
   、そこから光を放射する光導体を、その後方端面が該回
   転ノブを回転せしめた場合にあっても常に該光誘導板の
   光放射面に対向して位置するように、該ノブを貫通して
   、設けたことを特徴とする回転ノブの照明装置。