JPS5926152Y2 - 粉末移送用二重管構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、放射性物質粉末をグローブボックス間を移
送する連結管に使用される粉末移送用二重管構造に関す
るものである。

一般に放射性物質粉末から発生する放射線洩れを防止す
るために、装置や移送管には種々の封じ込め機能の措置
が採られている。

そこで放射線物質を取扱うグローブボックス間の移送管
は二重構造にしていた。

従来の二重管構造は、溶液の移送を目的としたものであ
り、第１図に示すように、グローブボックス１内に導入
される放射性物質の移送管２は溶接部３で溶接されてお
り、その外周に所定間隔を有する外管４が配設された二
重管構造であり、上記外管４は、グローブボックス１の
外壁１ａに溶接部５にて溶接された外管保持部６に溶接
部７にて溶着された構造になっている。

また上記移送管２及び外管４は、グローブボックス１の
外側において、所定の勾配を有して全体が傾斜しており
、移送管２の溶接部３から洩れが発生すると、外管４の
勾配によりグローブボックス１内に落し込むようになっ
ている。

しかしながら、上記従来の二重管構造では、粉末移送を
対象とした場合、洩れた粉末は、配管勾配程度ではグロ
ーブボックス内に流れ込む事は期待できず、移送管の亀
裂等の発見ができなかった。

また、上記移送管２の洩れ試験の実施は困難であった。

この考案は、上述した事情に基づいてなされたものであ
り、放射性物質粉末の移送あるいは気送する際に、移送
管の洩れ検査が容易である粉末移送用二重管構造を提供
するものである。

かかる目的を達成するため本考案では、連結すべき内管
を接続するための内管連結部と、該内管連結部の外周部
にフランジ状に取り付けた鍔部と、該鍔部より前記内管
連結部の外周を囲繞するごとく同心円に延設された外管
連結部とからなる二重管連結部品を用いて、グローブボ
ックス間の内管を前記内管連結部と接続し、内管を囲繞
して密閉状の二重管を構成するための外管を前記外管連
結部と接続し、且つ鍔部をグローブボックスの外壁と接
続することによって、放射性物質粉末を気送する内管と
この内管を囲繞して空隙部を形成する外管からなる密閉
状の二重管構造となし、さらに前記空隙部の圧力変動を
測定するための枝管を内管と外管の間に形成される空隙
内に接続している。

以下、この考案の実施例を第２図ないし第４図に基づい
て具体的に説明する。

第２図は本実施例の全体図であり、第３図は第２図にお
ける粉末移送用２重管とグローブボックスとの連結部で
ある本考案の要部Ａを示したものであり、第４図は粉末
移送用２重管とグローブボックスとの連結に使用される
２重管連結部品の斜視図を示す。

図において１０はグローブボックスであり、放射性物質
粉末を取扱う容器である。

１０ ａはグローブボックス１０の外壁、１１は他のグ
ローブボックス１０又は他の部署へ連結される外管、１
２は上記外管１１内に配設される内管であり、放射性物
質粉末等を気送により移送するものである。

また１３はグローブボックス１０内の内管であり、二重
管連結部品１４を介して内管１２と１３及び外壁１０
ａと外管１１が、それぞれ溶接部１５ａ、１５ｂ及び１
６．１７にて溶着されている。

また、上記外管１１の所定位置には枝管１８が固着され
ている。

上記二重管連結部品１４は、内管連結部１４ ａ及び外
管連結部１４ｂが設けられており、内管連結部１４ ａ
とグローブボックス１０の外壁１０ ａとを溶着する鍔
部１４ Ｃから外管連結部１４ｂが延設された形状に一
体成形されている。

以上のように構成された二重管の構造は、まず二重管連
結部品１４が内管１２と１３の間に介在して溶接部１５
ａ、１５ｂにて接続した後、鍔部１４ Ｃがグローブボ
ックス１０の外壁１０ ａに溶接部１６にて溶着し、最
後に外管連結部１４ｂに外管１１を溶接部１７にて接続
して構成されるものである。

従ってこの考案による二重管構造では、内管と外管との
間の空隙は密閉状態になっており、枝管１８の側管２１
に接続した圧縮ガスによる加圧装置（とくに図示しない
）により内管と外管との間の空隙内１９を加圧後、枝管
の２２方向に取り付けた圧力センサにより （とくに図
示しない）空隙部の圧力変動を測定することにより、配
管からの洩れを連続的に監視することができる。

また、常時は枝管をバルブ２０等で閉止しておき、随時
試験を実施することもできる。

また同時に外管に対してエアソープ試験を実施すれば内
外管いずれが原因の洩れかを知ることができる。

上記試験はヘリウムガスで加圧されればより高精度な試
験が期待できる。

なお、本実施例において、加圧装置は枝管１８の側管２
１に接続する例を示したが、加圧装置接続専用の枝管を
枝管１８とは別に外管１１に設けても良いことはもちろ
んのことである。

以上詳細に説明したように、この考案によれば簡単な構
造で取扱いも容易であり、内管、外管のいずれにおいて
も配管に亀裂が生じたり、溶接部が破壊した場合圧力の
低下により洩れが直ちに検出できると共に外管に対して
エアソープ試験を併用することにより内管、外管のいず
れかが洩れているか容易に知ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の実施例を示す要部の断面図、第２図はこ
の考案の一実施例の全体図、第３図はこの考案による一
実施例を示す要部の断面図、第４図はこの考案による二
重管連結部品の斜視図である。 １０・・・グローブボックス、１０ ａ・・・外壁、１
１・・・外管、１２、１３・・・内管、１４・・・二重
管連結部品、１．４ ａ・・・内管連結部、１４ ｂ・
・・外管連結部、１４ Ｃ・・・鍔部、１５ａ。 １５ ｂ、 １６．１７・・・溶接部、１８・・・枝管
、１９・・・内管１２と外管１１の間の空隙、２０・・
・弁、２１・・・側管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 放射性物質粉末を気送するグローブボックス間の移送管
   に使用される内管と外管とからなる二重管において、連
   結すべき内管を接続するための内管連結部と、該内管連
   結部の外周部にフランジ状に取り付けた鍔部と、該鍔部
   より前記内管連結部の外周を囲繞するごとく同心円に延
   設された外管連結部とからなる二重管連結部品を用いて
   、グローブボックス間の内管を前記内管連結部と接続し
   、内管を囲繞して密閉状の二重管を構成するための外管
   を前記外管連結部と接続し、且つ鍔部をグローブボック
   スの外壁と接続することによって、放射性物質粉末を気
   送する内管とこの内管を囲繞して空隙部を形成する外管
   からなる密閉状の二重管構造となし、さらに前記空隙部
   の圧力変動を測定するための枝管を内管と外管の間に形
   成される空隙内に接続してなる粉末移送用二重管構造。