JPS5924034Y2 - 写真複写機における複写フイルム圧着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複写機において、複写フィルムを原画に対し
均一な力で抑える圧着装置に関し、特にマイクロフィッ
シュの如く高解像力を必要とする密着焼付機における複
写フィルムと原画との圧着装置に関する。

従来より、複写機において、複写フィルムを原画に対し
均一な圧力を以て抑える手段として気嚢を用いることは
、よく知られている。

しかしながら、この種複写機においてよく知られる如く
、複写の迅速性を高めるため、複写機枠の一端に圧着板
の一端を枢着して開閉可能となし、複写フィルムと原画
との交換を容易となすよう構成すると、確かに閉じられ
た状態ではパスカルの原理により、均一な圧力を以て複
写フィルムは原画に圧着されるか、開いた状態で如何に
原画と複写フィルムとを完全に重ね合わせても、閉じる
行程において両者に微細なずれを生じ、更にこのずれが
生じることは、複写フィルムに対しその方向に歪力を加
えることを意味し、原画に対して僅かな歪を生じる。

このようなことは、高解像力が要求されるマイクロフィ
ルム、マイクロフィッシュの複写においては、画像に歪
を生じその解像力を低下せしめる原因となるものである
。

本考案は、上記従来の欠点を除去することを目的とし、
高解像力の複写を行ない得る複写機における圧着装置を
提供せんとするもので、複写機の器枠の一端に対し、開
閉可能に圧着板の一端が枢着され、該圧着板には通気孔
が少なくとも１個穿設されると共に、その上下面に、ゴ
ム薄膜等の柔軟にして弾力性があり、且つ気密性のある
アンダーラバーとアッパーラバーとを互に気密に設け、
両ラバー内に所定量の気体を封入せしめた圧着装置にお
いて、上記アンダーラバーの中央部に乳房状に突出する
薄肉部６を形成した写真複写機における複写フィルム圧
着装置に係り、複写機の密栓上に複写フィルムと原稿と
を重ねて載置し、圧着板を閉じて行くと、先ず、複写フ
ィルムの中央部にアンダーラバーの乳房状に突出する薄
肉部が当接し、両ラバー内の気体の圧力が高められるに
従って、中央部から次第に周縁部の厚肉部が複写フィル
ムを圧着せしめるので、複写フィルムと原画との間にず
れを生じることなく、複写フィルムは原画上において中
央から周縁へと略同じ力で拡げられるよう原画に圧着さ
れるものである。

図面について本考案の一実施例を詳述すると、第１図は
圧着装置Ａの組み立てを示す分解斜視図で中央（上から
４番目）の圧着板３は圧着装置Ａのメインプレートをな
すもので、その中央部には、多数の通気孔５が穿設され
、圧着板３の周囲には、略等間隔にラバー取付けねしピ
ン２３が上下に突出する如く植設されている。

上記圧着板３の上下面に配設されるアッパーラバー２と
アンダーラバー４とは、共に柔軟性があって弾性に富み
、且つ気密性の大きいゴム薄膜等より戊るもので、その
面積は圧着板３の面積と略等しいか、これより若干広く
、両ラバーの周縁には、上記ねしピン２３に嵌合する小
孔が多数形成され、両者を嵌合せしめる。

アッパーラバー２の上面には気体を供給排出する空気バ
ルブ１５が形成されると共に、その中央部は、第２図に
示される如く厚肉部分８となっており、周縁部は薄肉部
９となっている。

またアンダーラバー４の中央部には、両ラバー２．４間
に気体が封入されるとき、その圧力により乳房状に突出
する薄肉部６が形成され、その周縁部におよぶに従って
厚肉部７を形成している。

上記アッパーラバー２の上面及びアンダーラバー４の下
面に配設されるラバー抑え１１．１２は、共に金属等の
硬質材より戊る角枠状をなす抑え板で、その周縁には、
前記ねしピン２３と嵌合する小孔が多数穿設されていて
、両ラバー２，４を圧着板に対し両抑え板１１．１２に
よりサンドイッチ状に挾持せしめ、アッパーラバー締付
用のワッシャー１８、スプリングワッシャー１７、締付
ナツト１６と、アンダーラバー締付用のワッシャー１９
、スプリングワッシャー２０、締付ナツト２１により締
付け、両ラバー２，４を気密に接合させる。

１３は、圧着装置Ａのカバーで上記アッパー抑え板１１
上を蓋い、これらと取付ねじ２２により一体的に構成さ
れるものである。

上記カバー１３の後方には、第２図乃至第４図に示す如
く、圧着装置Ａを複写機の蓋枠Ｂの一端に開閉可能に軸
１０で枢着するための第１図破線で示す蝶番いが固設さ
れ、その前方には、上記開閉操作を行なう把手１４が突
設されていて、第１図には図示されさ゛るも第２図乃至
第４図に示される如く、蓋枠Ｂに形成されるフック２８
と係脱可能な鉤部２４が形成されている。

蓋枠Ｂには、その一端に上記軸１０に軸支される蝶番い
が形成され、他端には上記フック２８が固設されており
、その上面には、複写のための拡散板２７が載置され、
内部に図示せざる光源が配設されている。

そして蓋枠Ｂに対し圧着装置Ａは上記した軸１０により
開閉可能に枢着されている。

上記の如く構成されたものにおいて、空気バルブ１５に
より両ラバー２，４間に適量の気体を封入すると、第２
図示の如く、両ラバー２，４は僅かにふくらみ、アンダ
ーラバー４の薄肉部６は乳房状に僅かに突出する。

そこで第２図に示す如く、拡散板２７上に原画２６と複
写フィルム２５とを互に重ね合わせて載置し、第３図に
示す如く、把手１４により圧着装置Ａを蓋枠Ｂに対して
閉じてゆくと、先ず複写フィルム２５に上記した乳房状
突出部が略垂直に当り、複写フィルム２５の中央部を原
画２６に対して略垂直に先ず圧接せしめ、両者が載置さ
れた状態から互にずれ合うのを防ぎ、次に開き角を次第
にせは゛めて行くと、アンダーラバー４は次第に複写フ
ィルム２５の背面全面に当接し、ラバーの気体は通気孔
５内を流通して第４図示の状態へと移行し、圧着装置Ａ
が蓋枠Ｂ上に完全に重なって閉じると、フック２８と鉤
部２４とは互に係合し、この状態において、圧着装置Ａ
は蓋枠Ｂの拡散板２７に対して、アンダーラバー４が均
一な圧力で複写フィルム２５全面を原画２６と圧接し合
うよう圧着して係止する。

そこで、図示せざる光源を点灯して複写を行なうもので
ある。

複写終了後、光源を消灯し、フック２８と鉤部２４との
係合を脱すと、圧着装置Ａは、図示せさ゛るバネ等の力
で第２図に示す如く開き、次の複写に備えるものである
。

上記作用効果を奏する本考案において、上記実施例にお
ける両ラバー２，４の厚肉部７，８と薄肉部６，９との
肉厚比及び面積比を種々変えて、複写フィルム２５と原
画２６とのずれが生じることなく、しかも両者の全面が
均一な圧力で接着される状態を実験的に求めたところ、
アッパーラバー２の厚みは、周辺部を２ｍｍとし、中心
部を３乃至４ｍｍとなした肉厚比が１：１．５乃至ｌ：
２の場合が最も良好であり、且つアンダーラバー４の厚
みは、周辺部３乃至４ｍｍに対して中心部を１ｍｍとな
した、肉厚比３：１乃至４：１の場合が最も良好であり
、またアンダーラバー４の中心薄肉部の面積をその全面
積に比して５０％乃至１０％となした場合が最も良好で
あり、アッパーラバー２の厚肉部と薄肉部との面積比を
種々変えてみても殆んど変化は見られなかった。

以上のことから上記数値範囲となすのが最良と考えられ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は圧着装置Ａを
構成する各部材を堆層状に分解して示した斜視図、第２
図は同上圧着装置を器枠に装着して開いた状態を示す側
断面図、第３図は、同上半閉状態を示す側断面図、第４
図は、同上全閉状態を示す側断面図である。 Ａ・・・・・・圧着装置、Ｂ・・・・・・蓋枠、２・・
・・・・アッパーラバー、３・・・・・・圧着板、４・
・・・・・アンダーラバー、５・・・・・・通気孔、６
・・・・・・乳房状突出部を形成する中央薄肉部、７・
・・・・・周縁厚肉部、８・・・・・・厚肉部、９・・
・・・・薄肉部、１０・・・・・・軸、１１．１２・・
・・・・抑え板、１３・・・・・・カバー、１４・・・
・・・把手、］５・・・・・・空気バルブ、２４・・・
・・・鉤部、２５・・・・・・複写フィルム、２６・・
・・・・原画、２７・・・・・・拡散板、２８・・・・
・・フック。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 蓋枠に対し開閉可能に一端が枢支される圧着板３に
   通気孔５を設けると共に、上記圧着板３の上下面にゴム
   薄膜等の柔軟にして弾力性があり、且つ気密性のあるア
   ンダーラバー４とアッパーラバー２とを互に気密に設は
   両ラバー２゜４内に所定量の気体を封入せしめた圧着装
   置において、上記アンダーラバー４の中央部に乳房状の
   薄肉部６を形成した写真複写機における複写フィルム圧
   着装置。 ２ アンダーラバー４における中央乳房状の薄肉部６と
   その周縁部７との肉厚の比率を１：３乃至１：４となし
   た実用新案登録請求の範囲１記載の写真複写機における
   複写フィルム圧着装置。 ３ アンダーラバー４における中央乳房状薄肉部６の面
   積と、全面積の比とを１０％乃至５０％となした実用新
   案登録請求の範囲ｌ又は２記載の写真複写機における複
   写フィルム圧着装置。 ４ アンダーラバー４の乳房状薄肉部６に対向してアッ
   パーラバー２の中央部８をその周縁部９に比して厚肉と
   なした、実用新案登録請求の範囲１乃至３のいずれか１
   つ記載の写真複写機における複写フィルム圧着装置。 ５ アッパーラバー２における中央厚肉部８とその周縁
   薄肉部９との肉厚比を１．５：１乃至２：１となした実
   用新案登録請求の範囲４記載の写真複写機における複写
   フィルム圧着装置。