JPS5921698B2 - 溶融金属表面へのフラックス供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は溶融金属とくに溶鋼の表面にフラックスを供
給する装置に関するものである。

連鋳鋳込み作業等においては、鋼片の品質を向上する目
的で、オープン注入方式からイマージョンノズルを用い
た注入方式に変ってきている。

このイマージョンノズルを用いる場合には、溶鋼表面の
酸化を防止し、またスカム等の浮遊物を処理するため、
ＣａＯ，５ｉ０２等を成分としたフラックスを、溶鋼表
面に投入している。

このフラックスは溶鋼表面上に１０〜１５藺程度の均一
の厚さで散布するのが望ましい。

しかし、ただ単にフラックスを投入しただけでは、フラ
ックスの厚さを均一にすることは困難であり、フラック
スがない個所すなわち溶鋼が大気に接している個所があ
ると、溶鋼が酸化してしまう。

このため、従来においては、作業員がフラックスの厚さ
の小さな個所にフラックスを供給しているが、この作業
は高温下で行なわれ、危険でありかつ重労働である。

この発明は上述の問題点を解決するためになされたもの
で、溶融金属の表面に厚さが均一になるようにフラック
スを供給する装置を提供することを目的とする。

この目的を達成するため、この発明においてはレール上
を走行する装置支持走行体に円筒体を吊下固定し、フラ
ックスホッパおよび第１のシリンダをそれぞれ配して、
上記円筒体のロンドの上記第１のシリンダのピストンロ
ンドと連結した端部に第２のシリンダを取付け、その第
２のシリンダのピストンロンドの端部にフラックス供給
筒を接続した接続管およびフラックス表面検出器を取付
け、その接続管と上記フラックスホッパのフラックス供
給機構とを接続するフラックス供給用パイプを設ける。

すなわち、発明者等の実測によれば、溶鋼表面上のフラ
ックスの厚さが１０〜１５ｗｌ１の場合には、放射温度
計を用いて表面温度を測定すると、１００°Ｃ程度であ
るが、フラックスの厚さが敢闘の場合には、フラックス
が赤熱されて、その表面温度は９００°Ｃ以上になって
いる。

したがって、フラックスの表面温度が高い個所はフラッ
クスの厚さが小さい個所であるから、その個所にフラッ
クスを供給すれば、フラックスの厚さを均一にするコト
ができる。

また、フラックスの厚さが小さい個所はフラックスが赤
熱されているから、フラックスの光度が高い個所にフラ
ックスを供給すれば、フラックスの厚さを均一にするこ
とができる。

なお、温度を測定する場合には、放射温度計の代わりに
赤外線温度計を用いてもよい。

第１図はこの発明に係る溶融金属表面へのフラックス供
給装置を示す斜視図である。

図において１はＸ方向に設けられたレール、２はレール
１上を走行する装置支持走行体３は走行体２に設けられ
たモータで、走行体２はモータ３の動力により走行する
。

４は走行体２に２方向に固定された円筒体、５は円筒体
４に取付けられたフラックスホッパ、６はフラックスホ
ッパ５に設置られたフラックス供給機構で、フラックス
供給機構６としてはスクリュー機構、圧縮エアー機構等
を用いる。

７は円筒体４に固定されたシリンダ、８は円筒体４に移
動自在に嵌合したロッドで、シリンダ７のピストンロッ
ドの先端はロッド８の下部に取付けられている。

９はロッド８の下部にＸ方向に取付けられたシリンダ、
１０はシリンダ９のピストンロッドの先端に固定された
接続管、１１は接続管１０に取付けられたフラックス表
面検出器すなわち温度計あるいは光度計、１２は接続管
１０に取付けられたフラックス供給筒、１３は一端がフ
ラックス供給筒１２に接続され、他端がフラックス供給
機構に接続されたフラックス供給用のフレキシブルパイ
プである。

なお、１４は溶鋼容器、１５は溶鋼容器１４内に入れら
れた溶鋼である。

つぎに、この装置の動作について説明する。

まず、走行体２を溶鋼容器１４の上方に位置せしめたの
ち、シリンダ７を作動して、フラックス供給筒１２の高
さを調整する。

そして、まず走行体２とシリンダ９を順次作動すること
により、接続管１０（フラックス供給筒１２）を第２図
の矢印のように移動しながら、フラックス供給機構、６
を作動して、フラックス供給筒１２から溶鋼１５表面に
フラックスを供給する。

なお、この場合には検出器１１を作動させない。

また、接続管１０のＸ方向の移動幅ｌは、第３図に示す
ように、フラックスの広がりが重さなるように定める。

さらに、溶鋼１５内にイマージョンノズル１６が浸漬さ
れている場合には、接続管１０とイマージョンノズル１
６とが干渉しないように、接続管１０を移動する必要が
ある。

すなわち、第１図に示すように、第２図紙面下方をシリ
ンダ９が移動する場合には、第２図紙面下方において接
続管１０がイマージョンノズル１６を横切るように、接
続管１０を移動すべきである。

このようにして、溶鋼１５の全表面にフラックスを供給
したのち、検出器１１を作動して接続管１０を第２図の
矢印に示すように移動し、すなわち溶鋼１５表面上に検
出器１１を走査せしめて、温度あるいは光度が所定値よ
り高い個所を検出した場合には、走行体２あるいはシリ
ンダ９を停止し、フラックス供給機構６を作動すること
により、フレキシブルパイプ１３を介してフラックス供
給筒１２から一定量のフラックスを供給したのち、走行
体２あるいはシリンダ９を動作する。

このようにすれば、温度あるいは光度が高い個所、すな
わちフラックスの厚さの小さな個所にフラックスが供給
されるから、フラックスの厚さを均一にすることが可能
である。

なお、上述実施例においては、レール１上に走行体２を
Ｘ方向に走行させることによって、接続管１０をＸ方向
に移動したが、床面を走行する台車上にシリンダ７．９
、接続管１０等を取付けて、上記台車をＸ方向に走行す
ることにより、接続管１０をＸ方向に移動してもよい。

また、上述実施例においては、フラックス供給筒１２と
検出器１１とが一体になって移動するように構成されて
いるが、検出器をフラックス供給装置とは別に設置し、
上記検出器を溶融金属表面上に走査せしめ、フラックス
の厚さが小さな個所をあらかじめ検出してその個所を記
憶しておき、その記憶された個所までフラックス供給筒
を移動して、その個所に一定量のフラックスを供給する
ようにしてもよい。

さらに、温度あるいは光度の高さによって、フラックス
供給筒を制御してもよい。

すなわち、温度あるいは光度が高いほど多くのフラック
スを供給すれば、フラックスの厚さが小さい個所はど多
くのフラックスが供給されることになる。

以上説明したように、この発明に係る溶融金属表面への
フラックス供給装置においては、作業員が悪環境におい
て作業することなく、溶融金属表面に均一にフラックス
を供給することかり能である。

このため、溶融金属が酸化するのを確実に防止すること
ができるとともに、フラックスの使用量が少なくなる。

このように、この発明の効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る溶融金属表面へのフラックス供
給装置を示す斜視図、第２図、第３図は第１図に示した
装置の動作説明図である。 １・・・レール、２・・・走行Ｌ ５・・ヴラツクスホ
ッハ、６・・・フラックス供給機構、７・・・シリンダ
、９・・・シリンダ、１０・・・接続管、１１・・・検
出器、１２・・・フラックス供給筒、１３・・・フレキ
シブルパイプ、１４・・・溶鋼容器、１５・・・溶鋼。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ レール上を走行する装置支持走行体に円筒体を吊下
   固定し、フラックスホッパおよび第１のシリンダをそれ
   ぞれ配して、上記円筒体のロンドの上記第１のシリンダ
   のピストンロンドと連結した端部に第２のシリンダを取
   付け、その第２のシリンダのピストンロンドの端部にフ
   ラックス供給筒を接続した接続管およびフラックス表面
   検出器を取付け、その接続管と上記フラックスホッパの
   フラックス供給機構とを接続するフラックス供給用パイ
   プを設けたことを特徴とする溶融金属表面へのフラック
   ス供給装置ら