JPS5920987Y2 - モ−ルデイング成形用金型 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車等の装飾、保護などのために用いられ
るモールディングを射出成形するための金型に関するも
のである。

自動車用バンパーモールディング、サイドプロテクタモ
ールディングなどの装飾、保護などのために用いられる
モールテ゛イングとして、スキン部とコア部とを別の樹
脂により射出成形するものがあった。

第１図はこのようなモールディングを示す斜視図、第２
図はＡ−Ａ断面図である。

モールディング１は底面が平滑で、外表面に向けて肉薄
部および肉厚部を有し、内部にコア部１１が形成され、
周辺部にスキン部１２が形成されており、図示した例で
はコア部１１は発泡性樹脂、スキン部にはソリッド状樹
脂により成形されている。

このようなモールディング１を射出成形するために、従
来は金型を回転させる方式のものなどを採用していたが
、機構が複雑で、高価であった。

この考案は以上のような従来のものの欠点を除去し、簡
単な構造で、安価に上記モールディングを射出成形する
ことのできるモールディング成形用金型を提供すること
を目的としている。

この考案は底面が平滑でかあ外表面に向けて肉薄部およ
び肉厚部を有するモールテ゛イングの射出成形用の金型
において、鉛直方向に開閉できるように隣接して設けら
れたモールディングのコア部を形成するキャビティおよ
びモールテ゛イングのスキン部を形成する別のキャビテ
ィと、これらのキャビティの対応する位置に設けられた
位置決め手段と、前記キャビティを相対向する方向に設
けられた別の樹脂供給源へ連絡するようにモールディン
グの底面側部に向けて形成された樹脂通路とを有するモ
ールディング成形用金型である。

第３図はこの考案の一実施例による金型の開いた状態を
示す斜視図、第４図は射出後の状態を示すＢ−Ｂ断面図
、第５図は射出前の状態を示すＣＣ断面図であり、２は
雄型で、鉛直方向に開閉できるように配置されている。

Ｎ、 Ｎ’は対向する方向に設けられた別のノズルであ
る。

雌型２にはコア部１１形成用のキャビティ２１．および
スキン部１２形戊用のキャビティ２２が隣接して設けら
れて、それぞれスプルー２３および２４に連絡するとと
もに、台座２０によりインジェクションマシン（図示省
略）に取付けられるようになっている。

キャビティ２１．２２はほぼ相似形で、キャビティ２２
の方が若干大きくなっている。

雄型３にはキャビティ２１，２２に対向する部分の対応
する位置に複数のピン３１および４１が同間隔で設けら
れているとともに、それぞれ反対側に設けられたノズル
Ｎ、 Ｎ’に対向する別の射出口３２゜４２から、それ
ぞれ別のスプルー３３．４３、ランナー３４、４４およ
びゲート３５．４５を経てキャビティ２１および２２に
連絡するようにモールディング１の底面側部に向けて別
の樹脂通路が設けられている。

雌型２にもこれらの通路に対応する通路が設けられ、両
者が合わさって完全な通路が形成されるようになってい
るが、細部の図示は省略されている。

また雄型３は台座３０によりインジェクションマシンに
取付けられるようになっている。

以上のように構成された金型によりモールディング１を
成形するには、まず雌型２および雄型３をインジェクシ
ョンマシンに取付けて型締めし、ノズルＮを前進させて
射出口３２から樹脂を射出すると、樹脂はスプルー３３
、ランナー３４、ゲート３５を経てキャビティ２１に至
り、コア部１１が形成される。

次いで型開きして、成形されたコア部１１をキャビティ
２２に移してピン４１により位置決めしたのち、ノズル
ＮおよびＮ′を前進させて樹脂を射出すると、ノズルＮ
から射出される樹脂は前棚と同様にキャビティ２１に入
ってコア部１１を形成するが、ノズルＮ′から射出され
る樹脂は射出口４２、スプルー４３、ランナー４４、ゲ
ート４５を経てキャビティ２２に至り、ここでコア部１
１の周りにスキン部１２が形成される。

以後この操作がくり返されてモールテ゛イング１が成形
される。

以上の成形において、ノズルＮおよびＮ′から別の樹脂
を供給すると、例えばコア部１１を発泡性樹脂、スキン
部１２をソリッド状樹脂で形成することができる。

この場合相溶性の樹脂を使用すると、両者を一体的に成
形することができる。

またコア部１１およびスキン部１２はそれぞれ薄肉状で
成形することができるので、ひけ等の変形を防止するこ
ともできる。

なおコア部１１をモールディング１の肉厚部にのみ形成
するようにキャビティ２１を設けてもよいが、図示のよ
うにキャビテソ２１および２２を大きさの異なる相似形
とすると、均一な成形を行うことができ、変形を防止す
ることができる。

またコア部１１を形成するキャビティ２１として大きさ
の異なる数個のものを設け、順次重さなものから成形を
行うようにしてもよい。

さらにこれらの複数個のキャビティ２１．２２を小さい
ものから順次隣接させて並べておくと、型開きのたびに
順次隣りのキャビティに移すだけでよいから、作業能率
が極めて良くなる。

またピン３１．４１の代りに、線状の突出物などの他の
位置決め手段を採用することもできる。

以上の通りこの考案によれば、コア部を形成するキャビ
ティとスキン部を形成するキャビティを同一の金型に設
け、別々の樹脂供給源に連絡したので、同一の金型で成
形されたコア部を移動させるだけで、異なった樹脂によ
りコア部およびスキン部を形成することができ、成形作
業が能率的であるとともに、ひけ等の変形の発生も少な
くすることができる。

またコア部とスキン呉の成形を同一金型により行うこと
ができるため、中間仕掛りが発生せず、原料投入から製
品まで一貫して作業を行うことができる。

そして金型構造が簡単なため、安価で故障が少なく、ま
た作業者が両方を見ながら成形を行えるので、不良の発
生が少なく、管理が容易である。

さらに金型は鉛直方向に開閉するので、モールテ゛イン
グは平面上で成形されることになり、金型から脱落する
ことがないとともに、樹脂通路がモールテ゛イングの底
面側部に向けて形成されているため、モールディングの
外観を損うことがない。

また樹脂供給源が相対向する方向に設けられているので
、金型にかかる押圧力は相殺され、バランスがとれるな
どの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はモールディングを示す斜視図、第２図はＡ−Ａ
断面図、第３図はこの考案の一実施例による金型の開い
た状態を示す斜視図、第４図は射出後の状態を示すＢ−
Ｂ断面図、第５図は射出前の状態を示すＣ−Ｃ断面図で
ある。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示し、１はモ
ールディング、１１はコア部、１２はスキン部、２は雌
型、２１．２２はキャビティ、３は雄型、３１゜４１は
ピン、３２．４２は射出口、３３．４３はスプルー、３
４、４４はランナー、３５．４５はゲート、Ｎ、 Ｎ’
はノズルである。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 底面が平滑でかつ外表面に向けて肉薄部およ
   び肉厚部を有するモールディングの射出成形用の金型に
   おいて、鉛直方向に開閉できるように隣接して設けられ
   たモールディングのコア部を形成するキャビティおよび
   モールテ゛イングのスキン部を形成する別のキャビティ
   と、これらのキャビティの対応する位置に設けられた位
   置決め手段と、前記キャビティを相対向する方向に設け
   られた別の樹脂供給源へ連絡するようにモールディング
   の底面側部に向けて形成された樹脂通路とを有するモー
   ルテ゛イング成形用金型。
2. （２）コア部を形成するキャビティおよびスキン部を形
   成するキャビティはそれぞれ１個設けられている実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のモールテ゛イング成形用
   金型。
3. （３）コア部を形成するキャビティは複数個設けられ、
   それぞれ大きさが異なっている実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のモールディング成形用金型。
4. （４）各キャビティは相似形である実用新案登録請求の
   範囲第１項ないし第３項のいずれかに記載のモールディ
   ング成形用金型。