JPS5920862B2 - オ−トチヨ−ク式気化器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内燃機関等に使用される気化器に係り、特に暖
機時人為的操作を必要としないオートチョーク式気化器
に関するものである。

一般に内燃機関の暖機時に人為的操作を必要としないオ
ートチョーク式気化器は、サーモワックスの発生する大
きな力で絞弁とチョーク弁を同時に駆動する方法が採用
されている。

しかしながら、このようなオートチョーク式気化器にお
いては、１個のサーモワックスでチョーク弁、絞弁の開
度を制御するとどちらかの弁の特性にサーモワックスの
特性をマツチングさせなければならない。

例えば絞弁の特性に合せた場合サーモワックスの作動が
遅く、このためチョーク弁が長い間閉じ方向にあるため
混合気が不必要に濃くなり暖機中のＨＣ，ＣＯの発生が
増加するようになる。

逆にチョーク弁の特性に合せた場合絞弁が急速にアイド
ル開度に閉じられ混合気量が不足して機関回転が不円滑
になり、はなはだしい時は機関停止という問題を生じる
。

また、サーモワックスが破損した場合、もはやオートチ
ョーク装置の機能がなくなるという問題がある。

本発明の目的はチョーク弁の開き割合を早くして暖機中
のＨＣ，ＣＯの発生を少な（し、かつ絞弁の閉じ害拾を
チョーク弁の開き割合より遅くして機関の回転を円滑化
できるようなチョーク弁および絞弁の開度特性を得、ま
たオートチョーク機能の喪失という問題をなくしたオー
トチョーク装置を提供することにある。

本発明の特徴は、 （ａ） 吸気筒内に回転可能に設けられた絞弁；（ｂ
） 前記絞弁に固定された絞弁レバー；（ｅ） 前
記絞弁レバーが当接するカム面を有し前記カム面が前記
絞弁を暖機進行に応じてファーストアイドル開度からア
イドル開度まで閉じるように形成されている回転可能な
ファーストアイドルカム； （ｄ）前記絞弁を暖機進行に応じて閉じるように前記フ
ァーストアイトフレカムを回転駆動するサーモワックス
； （ｅ） 前記絞弁上流の前記吸気筒内に回転可能に設
けられたチョーク弁； （ｆ） 前記チョーク弁に固定されたチョークレバー
；（ｇ） 前記ファーストアイドルカムと接離可能で
かつ暖機進行に応じて回転する前記ファーストアイドル
カムの回転方向に対してなんら拘束されずに回転するこ
とができるカウンターレバー；（ｈ） 前記チョーク
レバーと前記カウンターレバーを連動するリンク： （ｉ） 前記チョーク弁を暖機進行に応じて全閉付近
から全開まで開（と共に前記リンクを介して常に前自己
カウンターレバーを前記ファーストアイドルカムから離
脱先行して回転させるように前記チョーク弁を回転駆動
するバイメタル とよりなるオートチョーク式気化器にある。

これによれば、チョーク弁の開き割合を絞弁の閉じ割合
に比べて早くできるので排気中のＨＣｌＣ０の発生を少
なくしかつ機関の円滑な回転を得ることができるととも
に、バイメタルあるいはサーモワックスの一方が破損し
た場合でもオートチョーク機能を喪失することがないも
のである。

以下本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。

第１図において１は気化器本体で、この気化器本体に給
気筒２が形成されている。

給気筒２内にはチョーク軸３に固定されたチョーク弁４
が配され、その下流には絞弁軸５に固定された絞弁６が
配されている。

チョーク弁４は気化器本体１に取り付けられた熱によっ
て変位するバイメタル７と連動し、バイメタル７の変位
にのみ応じてチョーク弁４は機関暖機に応じてその開度
を決められる。

更にチョーク弁軸３にはチョークレバー８が固定されて
おり、このチョークレバー８はリンク９を介して気化器
本体１に取り付けられたチョークピストン１００ロツド
１１と連動している。

チョークピストン１０はダイヤフラム１２等で形成され
、ダイヤフラム１２の一面はロッド１１が固定され、他
面は負圧通路１３を介して絞弁６の下流に連通しダイヤ
フラム１２に絞弁６下流の負圧を印加させるようになっ
ている。

気化器本体１には更にファーストアイドル軸１４が植立
されており、このファーストアイドル軸１４にはファー
ストアイドルカム１５、カウンターレバー１６が各々回
動自在に軸支されている。

そしてカウンターレバー１６はファーストアイドルカム
１５とある条件下で係合するような爪部１６Ａが形成さ
れており、更にカウンターレバー１６はリンク１７によ
ってチョークレバー８と連動している。

すなわちカウンターレバー１６はチョーク弁４の開きに
のみ追従して回転するものであるが、このカウンターレ
バー１６はチョーク弁４の開き方向に対しファーストア
イドルカム１５の制限をなんら受けないものである。

ファーストアイドルカム１５はカム面１５Ａが形成され
ており、このカム面１５Ａはファーストアイドルカム１
５の回転によってファーストアイドル軸１４かもの半径
が減じるように形成され、これにアジャストスクリュウ
１８が当接する。

ここでアジャストスクリュウ１８は絞弁軸５に固定され
た絞弁レバー１９に取り付けられ、図示しないリターン
スプリングによりカム面１５Ａにある所定力をもって接
触して（・る。

このカム面１５Ａは実施例においては４段であるが、段
をつけず連続的にファーストアイドル軸１４からの半径
が変化するいわゆる無段カムとしても良い。

２０は気化器本体１に取り付けられた絞弁６制御用のサ
ーモワックス組立体であり、このサーモワックス組立体
は膨張力の大きいサーモワックス２１、このサーモワッ
クス２１を加熱する正特性温度係数加熱素子２２、サー
モワックス２１の出力を伝えるロッド２３、ロッド２３
をサーモワックス２１に接触押圧するスプリング２４よ
り構成されている。

そして正特性温度係数加熱素子２２はターミナル２５に
よりバッテリーに電気的に接続されている。

ロッド２３は一端が気化器本体１に軸支されたレバー２
６と連動し、更にリンク２７を介してファーストアイド
ルカム１５に設けられた長孔１５Ｂと連動している。

ここで重要なことはサーモワックス組立体２０で制御さ
れるファーストアイドルカム１５の回転変位はチョーク
弁４０回転変位より常に遅れて変位するように構成され
ていることである。

このようにチョーク弁４の開き害拾より絞弁６の閉じ割
合を遅くした理由は、チョーク弁４を早く開いて排気中
のＨＣ，ＣＯの発生を少な（し、これと同期して絞弁６
を早く閉じすぎると機関回転が低下して円滑な回転が得
られないという不具合をなくすためである。

そして、サーモワックス組立体２０の変位はレバー２６
を介してファーストアイドルカム１５へ伝えられるよう
に構成されているためサーモワックス２１の膨張力を更
に増大してファーストアイドルカム１５へ伝えることが
でき、ファーストアイドルカム１５をリターンスプリン
グによるアジャストスクリュウ１８の押圧力に対して回
転させることが可能となる。

以上のような構成において次に始動から暖機終了までの
動作を説明する。

第１図は始動時の状態を示しており、今始動のためアク
セルペダルを踏むとチョーク弁４が全閉され、ファース
トアイドルカム１５が反時計方向に回転されアジャスト
スクリュウ１８がファーストアイドルカムの最上段と接
触する。

この開度がファーストアイドル開度であり、チョーク弁
４が全閉にされかつ絞弁開度がアイドル開度より大きい
ため給気筒２内に形成されたベンチュリ部に開口したメ
インノズル（図示せず）に高負圧が印加されるように準
備される。

次に始動スタータを回転するとメインノズル、バイハ、
ｚ、アイドルホール（図示せず）よす燃料が供給され機
関は回転しはじめる。

次に機関が自刃回転を始めると第２図に示すようにチョ
ークピストン１０のダイヤフラム１２に絞弁６下流の負
圧が負圧通路１３を介して印加されダイヤフラム１２は
図中左側へ変位し、ロッド１１、リンク９を介してチョ
ークレバー８を時計方向に回転させチョーク弁４を完爆
開度まで開（。

この時加熱素子２２にはバッテリーより電力を供給され
サーモワックス２１に熱を供給している。

この状態で機関が暖機されていくとバイメタル７は機関
温度に応じて変位し、チョーク弁４はバイメタルの変位
にのみ追従してその開度を徐々に増していく。

これに並行してサーモワックス２１が加熱素子２２によ
って加熱されるためサーモワックス２１が膨張し、この
変位はロッド２３、レバー２６、リンク２７を介してフ
ァーストアイドルカム１５へ与えられ、ファーストアイ
ドルカム１５は時計方向へ回転しアジャストスクリュウ
１８はカム面１５Ａ上を滑動し絞弁６の開度をサーモワ
ックス２１の変位のみに応じてアイドル開度に近づける
。

ここでファーストアイドルカム１５はチョーク弁４０回
転変位より常に遅れて変位するためチョーク弁４にサー
モワックス組立体２０の影響を与えることはない。

次に機関が更に暖まるとバイメタル７は第３図に示すよ
うにチョーク弁４を全閉付近まで開き、サーモワックス
組立体２０はファーストアイドルカム１５を回転させ絞
弁６をアイドル開度まで閉じ暖機を終了する。

以上説明したように本発明においては暖機時チョーク弁
、絞弁を各々別の感熱体で制御するようにしたためなん
ら人為的に絞弁を開いてやる必要がなく自動的に絞弁を
アイドル開度まで閉じてやることができ、暖機運転の煩
雑な操作をな（すことが可能となる。

更に重要なことはチョーク弁、絞弁を各々別の感熱体で
独立して制御するため適正な混合比、混合気量を供給す
ることが可能となる。

すなわち１個のサーモワックスでチョーク弁、絞弁の開
度な制御するとどちらかの弁の特性にマツチングさせな
ければならない。

例えば絞弁の特性に合せた場合感熱体の作動が遅く、こ
のためチョーク弁が長い間閉じ方向にあるため混合気が
不必要に濃くなり暖機中のＨＣ，ＣＯの発生が増加する
ようになる。

逆にチョーク弁の特性に合せた場合絞弁が急速にアイド
ル開度に閉じられ混合気量が不足して機関回転が不円滑
になり、はなはだしい時は機関停止という問題を生じる
。

これに対し本発明においてはチョーク弁と絞弁を別々の
感熱体で制御する。

すなわち、絞弁はサーモワックスで、チョーク弁はバイ
メタルで制御し、更にファーストアイドルカムの回転方
向に対してチョーク弁と連動したカウンターレバーがな
んらファーストアイドルカムの制限を受けないように構
成すると共にカウンターレバーの動きをファーストアイ
ドルカムの動きより先行するようにしたため、チョーク
弁は理想的なチョーク弁開度特性に、絞弁は理想的な絞
弁開度特性に制御でき適正な混合比、混合気を供給でき
排気ガスの有害成分の発生を抑制し、かつ円滑な機関回
路を得ることができるものである。

また、本実施例においてはチョーク弁制御用と絞弁制御
用の感熱体の一方が作動不能におちいってもオートチョ
ークの機能を失なわないという効果をも有している。

すなわち絞弁制御用の感熱体力故障した場合、チョーク
弁はバイメタルで制御されているため通常の作動を行う
が、この時機関回転が上昇すると、操縦者が異常に気付
きアクセルペダルを踏むと図中１５Ｂで示した長孔があ
るためファーストアイドルカム１５ば、チョーク弁に連
動したカウンターレバー１６の爪部１６Ａと接触するま
で回転でき従来のオートチョークと同様の動作を行う。

逆にチョーク弁制御用のバイメタルが故障した場合には
絞弁制御用の感熱体がファーストアイドルカムを回転さ
せるためファーストアイドルカム１５とカウンターレバ
ー１６の爪部が係合し、カウンターレバー１１、リンク
１７を介してチョーク弁を制御可能とする。

このように一方の感熱体が故障してもオートチョーク機
能を失うことなく、オートチョーク機能の喪失という重
大な問題を生じることがない。

尚実施例においては絞弁制御用の感熱体は電気的に加熱
されるものを示したがこの他排ガス、冷却水等の機関に
関連した加熱要素を使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例になるオートチョーク式気化
器の始動時の状態を示す縦断面図である。 第２図は完爆状態を示す縦断面図である。 第３図は暖機終了前の状態を示す縦断面図である。 ４・・・・・・チョーク弁、７・・・・・・バイメタル
、６・・・・・・絞弁、１５・・・・・・ファーストア
イドルカム、１６・・・・・・カウンターレバー、２０
・・・・・・サーモワックス組立体、２１・・・・・・
サーモワックス、２３・・・・・・ロッド、２６・・・
・・・レバー、２７・・・・・・リンク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １（ａ）吸気筒内に回転可能に設けられた絞弁；（ｂ）
   前記絞弁に固定された絞弁レバー；（ｃ） 前記
   絞弁レバーが当接するカム面を有し前記カム面が前記絞
   弁を暖機進行に応じてファーストアイドル開度からアイ
   ドル開度まで閉じるように形成されている回転可能なフ
   ァーストアイドルカム； （ｄ） 前記絞弁を暖機進行に応じて閉じるように前
   記ファーストアイドルカムを回転駆動するサーモワック
   ス； （ｅ）前記絞弁上流の前記吸気筒内に回転可能に設けら
   れたチョーク弁； げ）前記チョーク弁に固定されたチョークレバー；（ｇ
   ） 前記ファーストアイドルカムと接離可能でかつ暖機
   進行に応じて回転する前記ファーストアイドルカムの回
   転方向に対してなんら拘束されずに回転することができ
   るカウンターレバー；（ｈ） 前記チョークレバーと
   前記カウンターレバーな連動するリンク； （ｉ） 前記チョーク弁を暖機進行に応じて全閉付近
   から全開まで開くと共に前記リンクを介して常に前記カ
   ウンターレバーな前記ファーストアイドルカムから離脱
   先行して回転させるように前記チョーク弁を回転駆動す
   るバイメタル とより構成されたことを特徴とするオートチョーク式気
   化器。