JPS5920765B2 - 交互撚糸法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は交互撚を付与してなる糸束の集束法に関するも
のである。

従来、連続糸、あるいは短繊維フリースを糸状に集束す
る目的で実撚を付与することが知られている。

特に短繊維の集束方法においては実撚法が簡便かつ確実
な糸形成法であるため古典的な技術とはいえ、今もって
普面的に用いられている。

かかる加熱機構には、リング精紡機、フライヤ精紡機、
キャップ精紡機などあるが撚掛装置のうちリフティング
機構などは複雑であるばかりでなくスピンドル回転数、
巻取パッケージ、トラベラの耐久性などの制約により、
生産性が著しく低い。

一方連続糸の集束法として、圧搾空気を利用して単繊維
を交絡させる方法があるが、末法を短繊維からなるフリ
ースなどに応用するのはきわめて困難である。

また特公昭３９−１２８９１には交互撚糸法により糸に
集束を与えることが記載されているが、特に短繊維の集
束に適用することは糸強力の点で問題がある。

また同知例には交互撚糸機をピラミッド型に配置し、合
糸して双糸を得る方法が記載されているが、末法はきわ
めて複雑であり工業的実施には困難をともなう。

本発明の目的はかかる従来技術の欠点を改良せんとする
もので、複数本の連続糸、あるいは少なくとも一部に短
繊維を含む糸条、あるいはステープル群からなるフリー
スを簡便な方法でかつ、高能率的に、しかも確実に集束
する方法を提供せんとするものである。

本発明は上記目的達成のため次の構成を有する即ち、複
数本の繊維束を給糸装置、仮ヨリ装置、および糸送出し
装置を用いて仮ヨリするに際し、該繊維束を個々に該送
出し装置より排出せしめ次いで、該繊維束中、少なくと
も１本に関し、前記給糸装置と仮ヨリ装置との間の施撚
域に、間歇的に施撚域の長さを変動させ、あるいはそれ
と同時に給糸装置と、糸送出し装置とおフィード率を変
動させる手段を介在せしめ、次いで該繊維束を含む複数
本の繊維束を合体して仮ヨリ集束せしめる交互撚糸法で
ある。

さらに本発明を詳述するならば、本発明にあっては、繊
維束とは、連続糸、あるいは少なくとも一部に短繊維を
含む糸条、あるいはステーブル群からなるフリース、も
しくはそれらからなる引揃糸条であって、該繊維束を構
成する単繊維の太さ、断面形状、摩擦、光沢、収縮特性
、強伸度等、何ら制約されるものでなく、さらに天然繊
維、半合成繊維、合成繊維等例れの素材をも供給可能で
ある。

本発明は、仮ヨリ装置で挿入されるヨリ密度を個々の糸
条に関し間歇的に変動せしめた後、該糸条を仮ヨリ集束
を施すもので、その際望ましくは各糸条の交互ヨリの周
期が糸軸に対して位相差を有するごとくせしめることに
より、特に、短繊維で構成する糸条に対しては糸条の強
度面から有効となり得る。

本発明のヨリ密度を間歇的に変動せしめるための機構を
記述する′ならば、前記各供給系は個々に間歇的に把持
せしめる系に供され、かつ、場合によっては、該把持−
非把持時に付加されるフィード率（糸条に対しては張力
）が異なる態様とする。

間歇把持方法はいかなる方法装置であっても良いが該方
法を記述するならば、把持ローラの一部に切かき溝、も
しくは突起を有するローラ対、あるいは把持ローラの一
方もしくは両方のローラが移動あるいは振動する機構、
あるいは常時把持しているローラ対に対し、個々の糸条
もしくは該ローラ対そのものを移動もしくは振動する機
構等がある。

このように糸束に挿入されるヨリ密度が糸軸方向に対し
変動せしめる方法、装置であれば、本願を容易に達成
らしめるものであって該方法装置には何ら限定されるも
のでない。

仮ヨリ密度を間歇的に変動せしむることにより仮ヨリが
非定常状態下にあり、その結果仮ヨリ系内の解撚域に、
間歇的に実撚が実在し、しかも該実撚の撚方向は無ヨリ
部を介してＳ、Ｚ交互の配列すなわち交互撚となるもの
である。

該交互撚が生起する状態下におかれた複数本の糸束は仮
ヨリ装置による仮ヨリにより集束され、仮ヨリ系の施撚
域で集束された該複数本の繊維束は完全解撚されること
なく、該交互撚により集束される。

本発明に用いる仮ヨリ装置は供給素材、糸形態等により
若干具にするが、合成繊維でかつ連続糸である場合はス
ピンドル型、フリクション型でもよい。

しかしながら、糸束の一部にステープルを有する糸束、
また天然繊維、または合成繊維からなる糸束、または連
続糸であっても強度の弱い繊維等については空気仮ヨリ
を用いると糸切れが少ない。

さらに空気仮ヨリ装置の場合、糸掛操作上、ヨリ掛は効
率上からも優れた効果を奏する。

本発明において該仮ヨリ装置は、被処理系束の性質によ
り、一系列内に複数個用いる場合もある。

特にステープルの処理においては、供給されるフリース
の撚回に対し本発明の間歇把持機構以前に仮ヨリ装置を
設置する方がローラへの巻付防止の点から好ましい。

本発明では上記したごとく、施撚域の長さを変えること
により、また場合によってはそれと同時にフィード率を
変えることにより、糸束の単位長さ当りの撚（撚密度）
を変動せしめ、高能率的に糸束に交互撚を付与し得る。

ここで本発明を図面によりさらに詳細に説明する。

第１図は本発明の実施態様を示す工程の側面図であって
、複数本の連続糸あるいは少なくとも１部に短繊維を含
む糸条、あるいはステーブルからなるフリースなどの繊
維束１はフィードローラ２に供給され該ローラを出た糸
条１は個々に間歇把持−非把持作用を付与する把持ロー
ラ３に供されるが、この際糸束１は仮ヨリ装置５により
挿入される撚を該ローラ３が把持したとき、該ローラ３
を越えて撚伝播が起こり、非把持のとき撚伝播が妨げら
れるという作用を間歇的に受ける。

即ち、施撚域の施撚域の長さが間歇的に変動するもので
、換言すれば、該ローラ３で糸束が把持と同時に仮ヨリ
装置の施撚長は、該仮ヨリ装置５の施撚点から該ローラ
３の把持点までの距離となり、続いて該ローラ３が非把
持状態になった際仮ヨリ装置５の施撚点から、フィード
ローラ２の把持点までの距離となる。

これにより仮ヨリの施撚密度が間歇的に変動し、仮ヨリ
装置５の解撚域で無撚部を介して交互の撚を生起せしむ
る。

該変動を受けた個々の糸束１は前記把持ローラ３、県東
分離案内板４を経て複数本の糸束１を一体となし仮撚装
置５に供す。

該仮ヨリ装置５により挿入される撚は該案内板４に妨げ
られることなく個々の糸束に仮ヨリ装置５と同一方向の
撚が挿入される点が重要であり、この撚を変動させた状
態下で撚込み、該撚変動を受けた糸束は仮ヨリの撚平衡
の関係により仮ヨリ装置５の解撚域および該域外、すな
わち該仮ヨリ装置５の解撚点を越えても、無撚部を介し
てＳ。

Ｚ交互撚が発生するものであり、該交互撚により糸束１
を交絡せしめ得るものである。

かくして交絡した糸束１はデリベリローラ６にて送出さ
れ１巻取ローラ７で巻取られる。

本発明における間歇把持ローラ３はフィードローラ２と
デリベリローラ６を介して存在しており、間歇把持ロー
ラ３と該両者ローラ２，６間のフィード率も把持ローラ
３が間歇的に把持することによって可変となる。

ここでフィード率を次の通りとするならば、Ｆ（Ａ）：
フィードローラ２とデリベリローラ６間のフィード率 Ｆ（Ｂ）：フイードローラ２と間歇把持ローラ３間のフ
ィード率 Ｆ（Ｃ）：間歇把持ローラ３とデリベリローラ間のフィ
ード率 本発明を達成するためのフィード率は −１０％＜Ｆ（Ａ）＜＋１０％ −５％＜Ｆ（Ｂ）＜＋ １０係 −５係＜Ｆ（Ｃ）＜＋ ｌｏ係 の範囲が好ましい。

本発明で得る交互撚糸１は、無撚部を介して交互撚によ
り交絡しているものであって供給系束１の形態が糸束１
の一部に短繊維を含むもの、またはステーブルからなる
フリース等の繊維束においては糸束１の強力を考慮に入
れるならば、無撚部同志が合糸されることは好ましくは
ない。

無撚部同志の合糸、すなわち、交互撚の位相の一致を避
けるためには、該撚の位相をずらせる必要がある。

この位相差は、間歇把持ローラ３の切かき溝、あるいは
突起を個々の糸条毎にずらせておくことで容易に達成で
きる。

すなわち、把持ローラ３に複数本の溝をその周方向に位
置をずらせて切かくか、あるいは突起を付けるか、ある
いは把持ローラ３を同期駆動させ個々のタイミングが異
なるように切かくか、突起を付けるかすれば良い。

範囲が好ましい。

本例の仮撚装置５は複数本の糸束１を集束する上で、ヨ
リを利用しているため有効な集束手段である。

第２図は第１図の上面図であり、糸束１の走行糸道の態
様が明確である。

第３図は仮ヨリ装置５に供さ紅る複数本の糸束１−ａ
、 １−ｂ 、 １−ｃの撚形態を示すもので、糸束ｉ
−ａ 、 ｌ −ｂ 、 ｉ−ｃは仮ヨリ装置５の燃
量始点８を境にして間歇把持ローラ３により撚密度が変
動している挙動が明らかである。

本図は各々の糸束の撚密度の変動はそれぞれ位相差を有
しているものである。

以下本発明の実施例について記述する。

実施例 １ ポリエチレンテレフタレートからな２る３本の仮ヨリ加
工糸、５０Ｄ−２４ｆｉｌを空気仮ヨリ装置を用い加工
した。

空気圧は３．０ ｋｇ／ａｒｔ、で、糸束１２５ｍ／ｍ
ｉｎ で加工した。

フィードローラとデリベリローラ間フィード率＋２係、
フィードローラと間歇把持ローラ間フィード率ｏ％、間
歇把持ローラは半周の切かき溝を有する構造のものを用
いた。

各糸条間のヨリ位相はπ／３とした。本実施例で得られ
た糸条は集束性がきわめて良好であった。

該糸条を編機に供し編地を作成したところ、単糸割れ、
あるいは編機上での単糸毛羽の発生はきわめて少なかっ
た。

得られた編地は糸条がコンパクトに集束しているため従
来にない表面効果と新規な風合を呈したものとなった。

実施例 ２ ポリエチレンテレフタレートの原着５０Ｄ−２４ｆｉｌ
ポリアミド７０Ｄ−２４ｆｉｌセミダル糸、ポリアクリ
ロニトリル４０Ｄ−２４ｆｉｌの仮ヨリ加工糸３者の連
続糸を１５０ ｍ／ｉｎ ｉ ｎで加工した。

なお仮ヨリ装置は、スピンドル型とフリクション型の両
者を用いた。

フィード率はＦ囚ニー１係 Ｆ（Ｂ）＝０係とした。

仮ヨリの定常状態時の仮ヨリ数は１５４０ Ｔ／Ｍとし
た。

間歇把持装置は切かき溝型を採用し、各糸束の態位相差
はそれぞれπ／６とした。

本実施例で得られた糸条は霜降り調のものとなり、交互
撚によるその効果は一段と犬となった。

本糸条を編織物に供したが新規な霜降りによる高級な編
地を得た。

なお、スピンドル型とフリクション型の仮ヨリ装置によ
る霜降効果にきわたった差は認められなかった。

実施例 ３ 平均繊維長１２０ｍ１ｍ ｉ ｎのポリエチレンテレフ
タレート、単繊維デニール３ｄのステープルを従来の梳
毛方式で粗糸を作り通常のドラフトを行ないＮｍ＝２Ｚ
４８（Ｎｍ−メートル番手）を１０５ ｍ／ｍ ｉ ｎ
で紡出した。

２条のフリースはニューマ機能を有する空気仮ヨリノズ
ルに供し間歇把持ローラに供した後、２本の糸条を空気
仮ヨリノズルに集めて交互撚糸糸を得た。

前記空気仮ヨリに供した空気圧は前者の場合２．０ｃｍ
７’ｃｕｔ後者の場合３．５ｋｙ／ｆｆｌとした。

間歇把持ローラは２条のみぞ付ローラを用いた。

位相差はπ／２、撚ピッチ１２０ｍｍａ半周切りかき溝
とした。

本実施例で得た糸条は強力伸度とも後工程で問題になら
ない程度の高品位なものを得た。

糸ムラＵ％は１２．３％となった。

本糸条を追撚（１５０Ｔ／ＭＺ ）Ｌ、編織物に供した
ところ従来のリング精紡による紡績糸とほとんど変りな
い表面効果および風合を有する優美な製品を得た。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の１実施態様を示す全体の側面図、第２
図は第１図の上面図、第３図は間歇把持ローラから仮ヨ
リ装置に供される複数本の糸束の撚挙動の態様を示す。 ２・・・・・・フィードローラ、３・・・・・・間歇把
持装置、４・・・・・・糸分離案内板、５・・・・・・
仮ヨリ装置、６・・・・・・デリベリローラ、７・・・
・・・巻取ローラ、８・・・・・・燃量始点。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数本の繊維束を給糸装置仮ヨリ装置および糸送出
   し装置を用いて仮ヨリするに際し、繊維束を個々に、該
   送出し装置により排出せしめ、次いで該繊維束中少なく
   とも１本に関し前記給糸装置と仮ヨリ装置との間の施撚
   域に、間歇的に施撚域の長さを変動させ、あるいはそれ
   と同時に給糸装置と糸送出装置とのフィード率を変動さ
   せる手段を介在せしめ、次いで該繊維束を含む複数本の
   繊維束を合体して仮ヨリすることを特徴とする交互撚糸
   方法。