JPS5920246Y2 - 足形採集装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は犯罪捜査に必要な足形、特に畳、カーペットな
どに残留せる目視困難な靴、草履の様な履物等による足
形を確実に採集するための足形採集装置に関する。

一般に従来の足形採集装置は第１図及び第２図に示す様
に、内部に電極箔１を備えた足形採集用ビニールシート
２を絶縁性パイプ３のスリットに挿み込んで該パイプに
固定し、ビニールシートを除去して露出せられた部分の
電極箔１を、絶縁性パイプ３のほぼ中心軸線に沿って設
けられた金属パイプ４に巻き付けである。

そして金属パイプ４は高圧リード線５により外部の直流
高圧電源６の高圧端子７に接続され、斯かる直流高圧電
源６はプラグ８を図示しないコンセントに挿し込むこと
により商用交流電源により付勢されるものである。

斯かる構成の足形採集装置にあっては、商用電力を昇圧
整流して直流高電圧を得ているために直流高圧電源６が
必然的に大型になると同時に重くなり、従って犯罪捜査
の上で機動性に欠けると共に商用電源の得られない場所
、或いは停電の場合には使用出来ず、捜査時に高圧リー
ド線５又は低圧コードを引きずり回ささ゛るを得ないの
で、足形、つまり足跡を乱してしまうと１．−）う大き
な欠点があった。

特に高圧リード線５が長い場合にはそのケーブルの静電
吸着力により足形の撤物が高圧リード線５の絶縁被覆に
吸着されてしまい、足跡を大幅に乱す原因になっていた
。

更にまた高圧リード線５によって直流高圧電源６の高圧
端子７と導電性パイプ４とを接続しているために足形採
集中に感電事故が生じたり、高圧リード線５に足を引っ
掛けて装置を破損することがあった。

また絶縁上の問題から導電性パイプ４を絶縁性パイプ３
の中央に保持せねばならないので、製作上に難点があっ
た。

本考案は斯かる従来装置の欠点をすべて除去し得る足形
採集装置を提供するために、導電性シートを内部に備え
た絶縁性採集シートの一端に取付けられた絶縁性ケース
内に電池と高周波発振器と昇圧整流回路のすべてを収容
し、直流高圧出力端子がケース内から露出しない様に構
成することにより、アース導体を除き一切の導線がこの
装置から露出しない様にしたことを特徴とするものであ
る。

以下第３図及び第４図により本考案の一実施例を説明す
る。

これら図において、１０は乾電池或いは再充電可能な電
池（以下電池という）、１１は電池１０からの直流電力
に付勢されて高周波発振動作を行う高周波発振部、及び
１２は直流高圧発生部であり、高周波電力で直流高圧発
生部１゛２を付勢しているので直流高圧発生部１２を十
分に小型化できる。

従って電池１０、高周波発振部１１及び直流高圧発生部
１２は、従来の絶縁性パイプと同程度の大きさの絶縁性
ケース３′内に図示の如く一列の配置で収容される。

ここで絶縁性ケース３′は電池１０などを収納するケー
スとしての役割を果すだけでなく、不使用時或は足形採
集装置を持ち運ぶ際には、足形採集シート１を絶縁性ケ
ース３′に巻き付けることが出来る程度にケース３′の
太さを選んであるので、持ち運びが簡便であるばかりで
なく、持ち運びの際に足形採集装置を他にぶつけたり、
或は落したりした場合にも足形採集シート１が衝撃力を
弱めるためにケース３′内で結線の断線が生じたり、回
路部品を破損する様な危険性を十分に小さく出来る。

なお、電池１０と高周波発振部１１と直流高圧発生部１
２とを可撓性のビニールチューブで一体的に保持すると
、これら回路を絶縁性ケース３′内に着脱する際に極め
て好都合である。

直流高圧発生部１２の直流高電圧を足形採集シートの電
極１に印加する高圧リード線５と電極１との接続部分Ａ
は、第４図に示す様に、絶縁性足形採集シート１の内部
に狭幅の細い銅板の様な導体１３を設けてこれを電極１
に電気的に結合し、この導体１３に高圧リード線５を半
田付けされている。

この点について更に詳しく述べると、絶縁性ケース３′
が取付けられる側の採集シート１の上、下部層１ａ、ｌ
ｂを適当なだけ剥離させて電極１を露出させる。

次にこの電極の露出部分を別途準備した導体１３に巻付
けるなどしてこれらを電気的に結合する。

次に導体１３に高圧リード線５の導線を半田付けし、し
かる後シート１の上、下部層１ａ、１ｂを合わせ、必要
があれば接着剤などを用いて貼り合せる。

次にこの様なシートの一端を長手方向にスリットを備え
た絶縁性ケース３′のスリットに挿し込み、必要があれ
ばシート１と絶縁ケースとを接着剤で接着する。

ここで通常、スリットは足形採集シートの厚みより細く
形成されているので、絶縁性ケース３′の筒状部の弾性
を利用して足形採集シートをスリット部分でかなり強く
挾むことが出来、従って組立てが非常に容易であると同
時に、接着剤で接着させない場合には着脱が簡便である
ため保守が容易である。

尚、上述において、導体１３を別途設けずに高圧リード
線５の導体を適当な長さだけ露出させてこれを導体１３
の代りに用いても良い。

この様な接続構成を採用すれば電極１を破損することが
なく、シかも従来の様に必らずしも電極として金属箔を
用いる必要がなく、少くとも一方の一面に電極として導
電性塗料を塗布してなるシートを貼り合わせた構造の足
形採集シートにできるので、足形採集シートを安価なも
のにできる。

しかし高圧リード線５と電極１との接続は必らずしも前
述の様な構成によらなくともよく、絶縁ケース３′内に
電池１０、高周波発振部１１及び直流高圧発生部１２な
どを収納後、ケース３′の両端を絶縁性蓋１４．１４’
で密閉すれば高圧部がケース３′外に存在しないので、
安全性は極めて高くなる。

以上述べた様に本考案によれば、不使用時又は持ち運び
の際に便利なように足形採集シートを巻き付ける筒状の
絶縁ケース内に電池、高周波発生部及び直流高圧発生部
などを収納しているので、電源のスペースが全く不要と
なると共に安全性に極めて優れていることは勿論のこと
、ケースに巻き付けた足形採集シートにより衝撃力を弱
めることが出来るため持ち運びの際に落したり、ぶつけ
ても破損する危険性が少く、また絶縁性ケースの長手方
向に設けたスリットを介して足形採集シートを挿し込み
、把持するようにしているので組立てが簡単で保守も容
易である。

更にまた、捜査の際に高電圧及び低電圧のコードを引き
ずり回すことが皆無なので、静電的にも機械的にも犯罪
現場における足跡を乱すことがなく、また足跡ばかりで
なく毛髪や衣服の繊維の様な撤物の採集も可能になった
のである。

また十分に小型軽量化し得たので犯罪捜査の機動性の向
上に役立ち、また商用交流電源の得られない場合でも十
分に足形の採集を行うことが出来、しかも装置全体を安
価なものとすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の足形採集装置の斜視図、第２図は従来装
置の一部分の断面図、第３図は本考案の足形採集装置の
一実施例を示す図、第４図は本考案装置の部分的は断面
を示す図である。 １−電極、２−絶縁性足形採集シート、３′−絶縁性ケ
ース、５−高圧リード線、１〇−電池、１１−高周波発
振部、１２−直流高圧発生部、１３−導体、１４．１４
’−蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁性シートと該絶縁性シートに挾まれた電極とからな
   る足形採集シート、該足形採集シートの巻付けが可能な
   程度の太さを有すると共に長手方向に沿ってスリットを
   備えた絶縁性ケース、及び該絶縁ケース内に配設される
   、電池とこの電池からの直流電力を高周波の交流電力に
   変換する高周波発振部と該発振部からの交流電力を直流
   高電圧に変換する直流高電圧発生部とを備え、前記足形
   採集シートの一端が前記絶縁性ケースのスリットから挿
   し込まれてその内部まで延び、前記ケース外に高電圧部
   が露出することなく前記足形採集シートの電極と前記直
   流高電圧発生部の高圧出力端子とが接続されているよう
   になしたことを特徴とする足形採集装置。