JP3023513B2 - 電気機器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、変圧器等を有する電気機器であって、雷等
に対する保護手段を備えたものに関する。

［従来の技術及び発明が解決しようとする課題］ 第２図は、家庭用交流電源に接続されるプラグ刃ａか
ら入力した100V交流を６〜12Vの直流に変換するための
アダプタ（コンバータ）のハウジングｂを省略した状態
を示す側面図である。ｃは、入力した100V交流をまず降
圧するための変圧器である。

このアダプタのような電気機器或はこのようなコンバ
ータを内蔵した前記機器のプラグ刃ａが交流100Vのコン
セントに接続されている場合、雷等によって交流100Vの
電源ラインに高電位のパルス状電圧が載ると、これによ
って、変圧器ｃの巻線、特に一次巻線ｄの絶縁低下や巻
線同士のレアーショートを発生させたり、変圧器ｃを介
して回路部品ｅの破損を惹き起こしたりするという不都
合が生ずることがあった。

このような不都合を回避するための方策としては、従
来種々の手段が知られているが、何れもそのために要す
るコストやスペースの点で必ずしも満足し得ないもので
あった。

本発明は、従来技術に存した上記のような問題点に鑑
みて行われたものであって、その目的とするところは、
電磁手段における一次巻線及び二次巻線並びに電子部品
等の保護を、コスト及びスペースを節約しつつ実現する
ことができる電気機器を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明の電気機器は、導
電性強磁性材料を少なくとも主体とするコアにより一次
巻線と二次巻線とが電磁的に結合されてなる電磁手段を
有する電気機器において、 電源に接続される入力部と一次巻線との間の導電路に
電気的に接続され、前記コアに近接して直接的に相対す
るよう突設された突起電極と、前記コアに近接して直接
的に相対するよう設けられた、アースに電気的に接続さ
れる接地電極とを備えるものとしている。

［作用］ 接地電極はコアに近接して直接的に相対するよう設け
られ、突起電極は、コアに近接して直接的に相対するよ
うに突設されているので、接地電極をアースに電気的に
接続しておくことにより、雷等によって入力部に高電位
のパルス状電圧が入力された場合、そのパルスは、入力
部及び一次巻線との間の導電路を経て、突起電極から放
電によってコアに流れ、コアを経て、放電により接地電
極に流れ、アースに導かれる。

［実施例］ 本発明の実施例を、第１図を参照しつつ説明する。

第１図は、本発明電気機器の１実施例としてのアダプ
タを、ハウジングを省略した状態で示す側面図であっ
て、このアダプタは、家庭用交流電源に接続されるプラ
グ刃から入力した100V交流を６〜12Vの直流に変換する
ためのものである。

10は、入力した100V交流をまず降圧するための変圧器
（電磁手段）、12は、変圧器10によって降圧された交流
を直流に変換するための変換装置である。

14は変圧器用の巻枠であって、絶縁性合成樹脂を主材
料としている。

巻枠14において、16は、一次巻線18が捲回された第１
巻胴部、20は、二次巻線22が捲回された第２巻胴部であ
って、第１巻胴部16と第２巻胴部20は、直列状に設けら
れている。第１巻胴部16は、前鍔部24と中間鍔部26によ
り挟まれており、第２巻胴部20は、中間鍔部26と後鍔部
28により挟まれている。

前鍔部24、第１巻胴部16、中間鍔部26、第２巻胴部20
及び後鍔部28の内側を通って巻枠14を貫通するコア収容
孔には、両側に張り出した状態で成層コア30が配装され
ている。31は、その成層コア30を構成する鋼板であっ
て、各鋼板31は絶縁材料により互いに絶縁されている。
なお、コアは必ずしも成層コアであることを要しない。
コアは導電性強磁性材料を少なくとも主体とするもので
あればよく、導電性強磁性材料のみからなるものであっ
てもよい。またコア側にも放電用の電極部を設けても良
い。

前鍔部24の第１図における上部左側には、プラグ刃32
の基部を埋め込んでそれを固定するためのプラグ保持用
突部34が設けられている。36は、プラグ刃32の基部の一
部を構成する端子であって、プラグ保持用突部34の上方
に突出し、一次巻線18の端部18aが接続されている。

38は、プラグ保持用突部34において成層コア30の前方
張り出し部30aに近接して相対する部分に設けられた電
極露出穴、40は、プラグ刃32の基部の一部を構成する突
起電極である。突起電極40は、その尖端部40aを電極露
出穴38に露出させることにより、成層コア30の前方張り
出し部30aに近傍して直接的に相対するように突設され
ている。この実施例では、尖端部40aと前方張り出し部3
0aとの間に空気以外の絶縁材料が介存しない状態となっ
ている。

42は、後鍔部28の下方に設けられた端子である。この
端子42には、二次巻線22の端部22a及び変換装置12の回
路基板44における回路が接続されている。46及び48は、
変換装置12の回路基板44に設けられた電子（電気）部品
である。

50は、第１図における後鍔部28の下部右側に設けられ
た隔壁、52は接地電極である。この接地電極52は、隔壁
50に設けられた貫通孔54を通じて成層コア30の後方張り
出し部30bに近接して直接的に相対するよう回路基板44
の一端部に設けられており、回路基板44における接地用
導電路（図示を略す。）を経てアース56に電気的に接続
されている。なおこの実施例では、接地電極52と後方張
り出し部30bとの間に空気以外の絶縁材料が介存しない
状態となっている。

58は、アダプタのハウジングである。

接地電極52は成層コア30の後方張り出し部30bに近接
して直接的に相対するよう設けられ、突起電極40は成層
コア30の前方張り出し部30aに近接して直接的に相対す
るよう突設されており、而も、接地電極52がアース56に
電気的に接続されているので、プラグ刃32が交流100Vの
コンセントに接続されている場合、雷等によって交流10
0Vの電源ラインに高電位のパルス状電圧が載り、プラグ
刃32から高電位のパルス状電圧が入力されると、そのパ
ルスは、突起電極40から放電によって成層コア30の前方
張り出し部30aに流れ、成層コア30の各鋼板31を経て、
成層コア30の後方張り出し部30bから放電により接地電
極52に流れ、回路基板44における接地用導電路を経てア
ース56に導かれる。

そのため、変圧器10における一次巻線18及び二次巻線
22並びに電子部品46及び48等は保護される。

［発明の効果］ 本発明の電気機器では、特別な分流路を設けることな
くコアを功みに利用することによって、雷等によって入
力部に高電位のパルス状電圧が入力された場合のパルス
を、一次巻線に悪影響を及ぼさずに突起電極から放電に
よってコアに流し、コアを経て、放電により接地電極に
流し、アースに導くことができる。従って、電磁手段に
おける一次巻線及び二次巻線並びに電子部品等の保護
を、コスト及びスペースを節約しつつ実現することがで
きる。

【図面の簡単な説明】 第１図は、本発明電気機器の１実施例としてのアダプタ
をハウジングを省略した状態で示す側面図、第２図は、
従来のアダプタをハウジングを省略した状態で示す側面
図である。 図面中、10は変圧器、18は一次巻線、22は二次巻線、30
は成層コア、32はプラグ刃、40は突起電極、52は接地電
極、56はアースである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】導電性強磁性材料を少なくとも主体とする
   コアにより一次巻線と二次巻線とが電磁的に結合されて
   なる電磁手段を有する電気機器において、 電源に接続される入力部と一次巻線との間の導電路に電
   気的に接続され、前記コアに近接して直接的に相対する
   よう突設された突起電極と、前記コアに近接して直接的
   に相対するよう設けられた、アースに電気的に接続され
   る接地電極とを備えることを特徴とする電気機器。