JPS5919992B2 - 浴洗装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は金属表面処理としての、例えば酸洗い等の自
動化に伴う装置の改良に関するものである。

而して従前に於けるこの種の浴洗装理は、概ね人力をも
つて浴液に対する漬込み、揺すり、引上げ、水切乾燥処
理が施され、金属表面処理に於ける大きなネックとされ
てきたものである。

かゝる点よりして一部浴洗に於いては被浴洗物を収納し
たパケットを順次浴液に対する漬込み、揺動、引上げ水
切乾燥と云つた一連の工程中に組込み、浴洗処理の自動
化を期したものが見受けられたものであるが、かゝる手
法に於いては遂一被浴洗物をパケット内に装填し、ある
いはこれを取出すことを要し、又浴洗能力に応じた被浴
洗物の装填量の調節が必要とされたものである。

又、かゝる手法に於いては被浴洗物が相互に密着して重
なり合う不都合を誘起し、これが浴洗効果を著しく減殺
して金属表面処理にムラを誘起すると共にこれが金属表
面の曇ないし発錆あるいはメッキ乗り不良を誘起したも
のである。

本発明に係る浴洗装置は斯かる従前例に於ける不都合に
鑑み特に案出されたものであつて、その構成の要旨を漸
次下側方に緩傾するコンベアを上下に揺動する如く架台
上に設置せしめるようになすと共に該コンベアの上側端
より下側端方向に向けて該コンベア上に被浴洗物を提供
するホッパー装置と、水洗装置及び中和装置並びに乾燥
装置とを順次設置し、且つ該ホッパー装置並びに水洗装
置間に於けるコンベアー部を割欠し、この割欠コンベア
部を囲繞してコンベアの非割欠部に到る回転筒を、該回
転筒下部が処理槽液内を回転通過する如く設置せしめる
ようになすと共に該回転筒内周面に被浴洗物の掻揚げ用
螺旋翼を設けるようにした点に置き、以下の具体的な実
施例と、これ等実施例に附随する相当の設計変更を予定
したものである。

以下本発明に係る装置の詳細を図面に示す曲型的な一実
施例について説明するに、１は一体に構成されたコンベ
アであり、基本的には平箱を細長とした所謂樋状に構成
され、被浴洗物２の供給端を上側端として漸次下側方に
傾斜する被浴洗物２の流通経路とされたものである。

而して、このコンベア１は、該コンベア１の上側端上方
に設置されるホッパー装置３より定量的ウーに供給を受
けた被浴洗物２を該コンベア１の傾斜と、このコンベア
１に於ける上下揺動とをもつて漸次収納容器４に案内、
取出されたものであり、先ずコンベア１の両側を立上り
縁１ａとして被浴洗物２の落下を防止するようになすと
共に減速モーター５をもつて駆動されるカム６にコンベ
ア１の作動桿１ｂを係当して、これが上下揺動をなすよ
うにしたものである。

尚、か＼るコンベア１の上下揺動に於、いては必らずし
もコンベア１端部を軸支１ｃすることなく、該端部を架
台側面等に適宜係当することのみにより該コンベア１の
上下揺動が約束されたものであるが、コンベア１自体が
短かい場合あるいは設置傾斜の強い場合ないしは係当架
台等の存しない場合に於いては、か＼る軸支１ｃを特に
必要としたものである。

か＼るコンベア１を通例架台上に設置するようになすと
共にこの設置コンベア１の下方に浴洗槽７洗滌液の受液
槽８中和液の受液槽９、洗滌液の受液槽１０を順次設置
し、これに対応する浴洗用回転筒１１、洗滌ノズル１２
、中和液撒布ノズル１３、洗滌ノズル１４をコンベア１
を囲繞し又はコンベア１を挟んで設置し、この洗滌ノズ
ル１４に次いでエアーノズル１５と熱風ノズル１６を順
次設置したものである。

尚、叙上に於いて設置される浴洗用回転筒１１は、周面
に多数の液抜き孔１１ａ〜１１ａを多数開設したステン
レス筒を基調とし、これを浴液１８中に設置された回転
コロ１７〜１７上に回転自在に支承せしめるようになす
と共に筒１１の周側面に被嵌したギヤ１１ｂに減速モー
ター２０の原動軸ギヤ１９を噛合して定速回転をなすよ
うにしたものである。

尚、この筒１１は筒１１に於ける回転抵抗を少なくし、
同時に洛液１８を円滑に筒１１外に排出し得るかぎり必
らずしも叙上構成に特定されることなく種々の駆動手法
とステンレス網等の素材形状面に於ける変更が予定され
たものである。

次いで筒１１の内周壁面に被浴洗物２の掻揚げ翼１１ｃ
を短上立上り翼伏に設け、しかも筒１１の両側開口端を
コンベア１の挿通設置を許容する空隙以外を側板１１ｄ
で閉塞するようにしたものである。か＼る筒１１に対し
、その中間を貫通して設置）されるコンベア１は、その
底面を網あるいはパンチングボードその他の処理液の円
滑な滴下を約束する構造体のものとし、これがエアーノ
ズル１５による被浴洗物２の表面附着液の吹きとばし位
置まで設けられると共に、該コンベア１の終端にパネル
ヒーター１ｄを設置し、熱風ノズル１６と共に被浴洗物
２の急速な加熱乾燥をなすようにしたものである。

又、コンベア１は、筒１１内に被浴洗物２を落下供給す
るものとして筒１１内に於いて割欠１ｅし、ホツパ一装
置３よりする被浴洗物２を順次筒１１内に供給すると共
に掻揚げ翼１１ｃをもつて掻揚げられた被浴洗物２をコ
ンベア１の割欠１ｅの側端に於いて受け取り、更に次の
工程にコンベア１を介して送られたものである。

又先のコンベア１の上下揺動の駆動手段は必らずしも図
示例に特定されることなくコンベア１端にクランク軸を
軸装し、あるいは一般的なダンパーを附設する等の種々
の手法が予定されたものである。

か＼る構成よりなる本発明に係る浴洗手法の実際的な動
作について説明するに、ホツパ一装置３をもつて定量的
に調整供給される被浴洗物２はコンベア１の上下揺動と
、コンベア１の設置傾斜とをもつて漸次筒１１内に移送
、落下供給され、この筒１１の回転と、掻揚げ翼１１ｃ
をもつて浴洗槽７内に於いて浴液１８に漬込まれ、所期
の浴洗処理をなしたものであつて通例浴液１８を塩酸液
とすることによりメツキ前処理としての酸洗い処理がな
されたものである。

か＼る浴洗処理は筒１１の設置長さ寸法と、掻揚げ翼１
１ｃの螺回の緩、強並びに筒１１の回転周速とをもつて
、その浴洗量が自在に決定されたものである。

次いで浴洗筒１１の終端に於いて掻揚げ翼１１ｃに支承
された被浴洗物２は、その中心軸と同一の水平レベル位
置より上方に回動するにつれて翼１１ｃよりコンベア１
上に落下し、次工程へと案内されたものであり、この次
工程に於いては受液槽８と、洗滌ノズル１２が対設され
て、先の浴液１８を洗滌したものであり、一般的な酸洗
工程に於いては該ノズル１２より洗滌水を供給するよう
にしたものである。

次いで、洗滌処理の施された被浴洗物２に対し、先の浴
液１８の処理端面を中和すべく通例該浴液１８とＰＨを
異にする中和液をノズル１３より撒布し、処理表面のＰ
Ｈを整えるようになすと共にノズル１４よりする洗滌液
の撒布をもつて、この中和液の洗滌をして処理表面のＰ
Ｈを守るようにしたものである。

か＼る中和剤は一般的な酸洗い前処理に於いては弱アル
カリ水溶液の使用が予定されたものである。

尚、叙上に於いて槽８〜１０を各別に設置したことより
して、これ等槽に於いて受け取られた処理液の再使用が
特に可能とされ、浴洗操作に伴う廃液の処理量を極力減
じたものである。

かくして、浴洗、洗滌、中和、洗滌の一連の処置を受け
た被浴洗物に附着した処理液は、コンベア１の上下揺動
に伴う衝撃とノズル１５よりする圧力エアーをもつて迅
速に消去されたものであり、特にコンベア１の揺動衝撃
に伴う被浴洗物の移動に伴い、その密着面に於ける付着
水滴をも確実に除去し得たものである。

かくして被浴洗物２面上に於ける附着液体が充分に取り
除かれた後に於いて該被浴洗物２面上の湿りをノズル１
６よりする熱風とパネルヒーター１ｄによる直接的加熱
とをもつて迅速に蒸散、消去したものである。

本発明に係る浴洗装置は叙上に於ける特殊な夫夫の洗滌
処理工程に必要な装置を配設したことよりして、被浴洗
物は連絡して供給、処理され各処理工程間に於ける空間
的並びに時間的な空きを一切なくし、効果的な浴洗処理
を可能としたものである。

又、駆動手段を筒１１と、コンベア１部分のみに特定し
、しかもこれ等の駆動を単純な構成としたことにより設
備の小型化と、１駆動部分に於ける故障発生を極力抑止
し得たものである。

尚、か＼るコンベア１に於ける被浴洗物２の移送システ
ムに於いては被浴洗物２自体の移動と同時に浴洗効果あ
るいは洗滌効果並びにこれ等洗滌液の除去効果を特に助
長したものである。

本発明に係る装置に於いては叙上に於けるように被浴洗
物の供給並びに取出しが完全に自動化されると共に被洗
滌物の密着あるいは重なり合いに伴う浴洗効果の減殺を
有効に回避し、簡素な浴洗構造による連続浴洗を特に可
能とした浴洗装置の提供に係わるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の要部破截側面図、第２図は同要部
破截平面図、第３図は浴洗部の断面図である。 尚、図中１・・・・・・コンベア、２・・・・・・被浴
洗物、３・・・・・・ホツパ一装置、４・・・・・・収
納容器、５・・・・・・モーター、６・・・・・・カム
、７・・・・・・浴洗槽、８〜１０・・・・・・受液槽
、１１・・・・・・回転筒、１２〜１６・・・・・・ノ
ズル、１７・・・・・・コロ、１８・・・・・・浴液、
１９・・・・！・ギヤ、２０・・・・・・モーターを示
したものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 漸次下側方に緩傾するコンベアを上下に揺動する如
   く架台上に設置せしめるようになすと共に該コンベアの
   上側端より下側端方向に向けて該コンベア上に被浴洗物
   を提供するホッパー装置と、水洗装置及び中和装置並び
   に乾燥装置とを順次設置し、且つ該ホッパー装置並びに
   水洗装置間に於けるコンベアー部を割欠し、この割欠コ
   ンベア部を囲繞してコンベアの非割欠部に到る回転筒を
   、該回転筒下部が処理槽液内を回転通過する如く設置せ
   しめるようになすと共に該回転筒内周面に被浴洗物の掻
   揚げ用螺旋翼を設けるようにしたことを特徴とする浴洗
   装置。 ２ 前記コンベアに於ける上側端より乾燥装置に到る間
   を金網又はこれと同効素材としたことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載に係る浴洗装置。