JPS5919578B2 - 耐衝撃性ポリスチレンの製法 - Google Patents

耐衝撃性ポリスチレンの製法

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JPS5919578B2
JPS5919578B2 JP11646180A JP11646180A JPS5919578B2 JP S5919578 B2 JPS5919578 B2 JP S5919578B2 JP 11646180 A JP11646180 A JP 11646180A JP 11646180 A JP11646180 A JP 11646180A JP S5919578 B2 JPS5919578 B2 JP S5919578B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、耐衝撃性および剛性が優れ、特に押出成形に
有用な耐衝撃性ポリスチレンの製造方法に関するもので
ある。
ポリスチレン樹脂は、剛性、透明性、光沢等が優れ、か
つ成形性が優れているため各種用途に広く使用されてい
るが、耐衝撃性が劣ることが大きな欠点である。
かXる欠点を改良する方法として、ポリスチレンにゴム
状重合体を機械的にブレンドするか、またはゴム状重合
体のスチレン溶液を塊状重合するか、あるいは塊状一懸
濁重合する方法が知られている。特に塊状重合あるいは
塊状一懸濁重合する方法は、得られる重合体の物性が優
れ、工業的に広く実施されている。かXる方法において
、強靭化剤として用いられるゴム状重合体には、ポリブ
タジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム等が
あるが、特にポリブタジエンゴムは、優れた常温および
低温耐衝撃性を付与するため広く使用されている。
しかしながら、ポリブタジエンゴムは耐衝撃性ポリスチ
レンの重合の際、まずスチレンに溶解させるが、この溶
液粘度が比較的高いため、工業的製造時に攪拌、輸送の
面で好ましくないこと、また耐衝撃性ポリスチレンの重
合の際、ポリブタジエンゴムに帰因するゲル状物質が生
成しやすく、それが最終生成物に混入し、フイツシユア
イとなつて好ましくない性状を与えること等の問題があ
る。さらに、ポリブタジエンゴムを強靭化剤として用い
た耐衝撃性ポリスチレンは、物性の面で、耐衝撃性は優
れているものの、剛性、特にシート 3成形物にした場
合の剛性、腰の強さが今一歩不足している。一方、その
成形加工性の面では、押出成形によるシート成形時、押
出機ダイから押出された直後のシートが、いわゆる1だ
れ8を生じやすく、また成形収縮性も大きいため成形安
定性が 4劣り、さらに射出成形による成形品では、ウ
エルドラインが目だち易い等の欠点がある。このため、
適度な耐衝撃性を有し、特に剛性、腰の強さが要求され
、かつ成形性が重要な耐衝撃性ポリスチレンが必要な場
合は、しばしばスチレン−ブタジエン共重合体ゴムが用
いられている。
耐衝撃性ポリスチレンの強靭化剤として用いられるスチ
レン−ブタジエン共重合体ゴムとしては、通常乳化重合
によるものと(以下乳化重合SBRと称す)、有機リチ
ウム系触媒による溶液重合のもの(以下溶液重合SBR
と称す)が一般的であるが、特に溶液重合SBRを強靭
化剤として用いて、押出成形性、射出成形性等の加工性
、および耐衝撃性、剛性を改良し、バランスのとれた耐
衝撃性ポリスチレンを得るべく種々の努力が払われてい
る。例えば、英国特許1045421号では、モノビニ
ル芳香族化合物重合体プロツクと共役ジエン重合体プロ
ツクの各々少なくとも1個以上よりなるプロツク共重合
体を、耐衝撃性ポリスチレンの強靭化剤として用いるこ
とが示されている。
しかし、このようなプロック共重合体を強靭化剤として
用いた耐衝撃性ポリスチレンは、乳化重合SBRを用い
た場合と比して剛性は優れているものの耐衝撃性が劣つ
ている。また特公昭46−15017号では、スチレン
含量が15〜30重量%で、ブタジエン部分の結合様式
が1・2−ビニル結合5〜25%、シス一1・4結合2
5〜45%、残部がトランス1・4結合である、1・3
−ブタジエンとスチレンのランダム共重合体を用いる方
法が示されている。
このようなランダム共重合体を強靭化剤として用いた耐
衝撃性ポリスチレンは、乳化重合SBRを用いた場合と
比較して、低温における耐衝撃性は優れているものの、
剛性は劣つている。また、前述のプロツク共重合体を用
いた場合と比較して、耐衝撃性は優れているものの、剛
性は劣つている。以上のように、従来の溶液重合SBR
および乳化重合SBRは、相互に一長一短があり、さら
に加工性と物性のバランスがとれた耐衝撃性ポリスチレ
ンが強く要求されていた。かXる状況下で、本発明者ら
は、特に押出成形品用樹脂に好適な耐衝撃性ポリスチレ
ンを得るべく鋭意検討した結果、特定の分岐構造を有す
るランダム共重合体を強靭化剤として用いることにより
、押出成形時に押出機ダイから押し出されたシートの6
たれ゛がなく、成形収縮性が小さく、シート成形安定性
に優れ、かつ剛性と耐衝撃性の優れた耐衝撃性ポリスチ
レンが得られることを見出し、本発明を完成するに到つ
た。
すなわち本発明は、多官能性有機リチウム化合物を含む
有機リチウム基材触媒を用いて、モノビニル芳香族化合
物と共役ジエンを重合し、次いで得られた重合体の活性
リチウム末端と反応し得る少なくとも2個以上の反応性
部位を有する、多官能性処理剤にてカツプリングした、
実質的に網目構造を有し、かつ実質的にスチレンに可溶
なモノビニル芳香族化合物一共役ジエンランダム共重合
体ゴムを、スチレンに溶解し、該溶液を塊状重合あるい
は塊状懸濁併用重合方式によりラジカル重合させること
を特徴とする耐衝撃性ポリスチレンの製法である。
本発明によつて得られる耐衝撃性ポリスチレンは、多官
能性有機リチウム化合物を含む有機リチウム基材触媒を
用いて、モノビニル芳香族化合物と共役ジエンを共重合
し、次いで多官能性処理剤にてカツプリングした特定の
分岐構造を有するランダム共重合体を強靭化剤として用
いることにより、従来の共役ジエン重合体、乳化重合S
BRおよび溶液重合SBR等を用いた場合と比較して、
シートの押出加性に優れ、かつ耐衝撃性と剛性が共に優
れるという、バランスのとれた従来の一般常識を打破し
たものであり、極めて画期的な特性を有するものである
また、本発明によつて得られる耐衝撃性ポリスチレンを
射出成形した場合、従来の強靭化剤を用いた場合と比較
して、前述の押出成形品と同様な特徴を有する以外に次
のような優れた特徴を有する。
すなわち、従来の乳化重合SBRや溶液重合ランダム共
重合体SBRを用いた耐衝撃性ポリスチレンを射出成形
すると、成形時ゲートから流れ出た樹脂流が合流した所
にウエルドラインと呼ばれる接合部分が若干残つてしま
うが、本発明の耐衝撃性ポリスチレンでは、このウエル
ドラインが殆んど認められないことである。このように
本発明によつて得られる耐衝撃性ポリスチレンは、物性
加工性のバランスがとれたものであり、特に押出成形に
適しているが、射出成形、圧縮成形、中空成形など他の
成形方法でも良好に使用できる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明でいうモノビニル芳香族化合物とは、ス)チレン
、ビニルトルエン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシ
レン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレン等である
が、特にスチレンが好ましい。
また、これらは一種のみならず二種以上の混合物であつ
てもよい。本発明でいう共役ジエンとは、分子当り4な
いし12個の炭素原子を有する共役ジエンであり、例え
ば、1・3−ブタジエン、イソプレン、2・3−ジメチ
ル−1・3−ブタジエン、ピペリレン、1・3−オクタ
ジエン、4・5−ジエチル−1・3−オクタジエン等で
あるが、特に1・3−ブタジエンが好ましい。
また、これらは一種のみならず二種以上の混合物であつ
てもよい。本発明に用いられる特定の重合方法によるモ
ノビニル芳香族化合物一共役ジエンランダム共重合体ゴ
ムは、多官能性有機リチウム化合物を含む有機リチウム
基材触媒を重合開始剤として溶液重合したものである。
ここでいう多官能性有機リチウム化合物を含む有機リチ
ウム基材触媒とは、実質的に多官能性有機リチウム化合
物触媒であり、かつ多官能性処理剤にてカツプリングし
た重合体が、実質的にスチレンに溶解する程度の多官能
度を有する有機リチウム基材触媒であれば、公知のいか
なる多官能性有機リチウム化合物触媒であつてもよく、
また多官能性有機リチウム化合物とモノ有機リチウム化
合物との混合物であつてもよい。ある種の高度の多官能
度を有する有機リチウム化合物で重合し、次いで高度の
多官能度を有する処理剤にてカツプリングしたものは、
高度の網目構造を有するため、実質的にスチレンに不溶
となり、本発明の対象外となる。モノビニル芳香族化合
物共役ジエンランダム共重合体ゴムが、実質的にスチレ
ンに可溶か不溶かは、用いる有機リチウム基材触媒の多
官能度と、用いる多官能性処理剤の多官能度および使用
量によつて決定されるが、実質的にスチレンに可溶なも
のは本発明の範囲に属する。ここでいう多官能性有機リ
チウム化合物とは、化合物中に少なくとも2個以上のア
ニオン重合性リチウム原子を含むものであり、一方、モ
ノ有機リチウム化合物とは、化合物中に1個のアニオン
重合性リチウム原子を含むものである。
多官能性有機リチウム化合物の適当な例としては、ジリ
チオメタン、1・4−ジリチオブタン1・6−ジリチオ
ヘキサン、1・4−ジリチオシクロヘキセン、1・4−
ジリチオ一2−エチルシクロヘキサン、1・3−ジリチ
オ一4−フエニルブタン、1・2−ジリチオ一1・2−
ジフエニルエタン、1・10−ジリチオデカン、1・2
0ジリチオエイコサン、1・1−ジリチオジフエニレン
、1・4−ジリチオベンゼン、1・5−ジリチオナフタ
レン、ジリチオポリブタジエン、ジリチオイソプレン、
ジリチオジイソプレン、ジリチオポリイソプレン、2・
2′・2″一トリリチオ一Pーターフエニル、1・3・
5−トリリチオベンゼン、1・3・5−トリリチオ一2
・4・6−トリエチルベンゼン等がある。
一方、モノ有機リチウム化合物の適当な例としては、n
−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、Sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチ
ウム、n−ペンチルリチウム、リチウムトルエン、ベン
ジルリチウム等がある。
本発明の有機リチウム基材触媒として、多官能性有機リ
チウム化合物とモノ有機リチウム化合物との混合物は、
しばしば使用されるが、多官能性有機リチウム化合物と
モノ有機リチウム化合物との混合比は、それぞれの化合
物中のリチウム原子を基準として、多官能性有機リチウ
ム化合物としてのリチウム原子が5重量%以上でなけれ
ばなら Cない。5重量%未満では、得られた耐衝撃性
ポリスチレンの剛性と耐衝撃性の向上効果が小さい。
本発明に用いられる多官能性有機リチウム化合物を含む
有機リチウム基材触媒としては、上記の他にモノ有機リ
チウム化合物と他の化合物を反応 5させることによつ
て、実質的に多官能性有機リチウム化合物を含む有機リ
チウム基材触媒となり得るものも本発明の範囲に属する
。これらの例のうち、特に代表的な触媒は、少なくとも
モノ有機リチウム化合物とポリビニル芳香族化合物の二
者を 5含む反応生成物であり、本発明に用いられる特
定の重合方法によるモノビニル芳香族化合物一共役ジエ
ンランダム共重合体ゴムを得る触媒として最も優れたも
のである。例えば、モノ有機リチウム化合物とポリビニ
ル芳香族化合物との反応生成物 4(特開昭48−10
3690号)、モノ有機リチウム化合物と共役ジエンま
たはモノビニル芳香族化合物を反応させた後、ポリビニ
ル芳香族化合物を反応させた反応生成物、あるいはモノ
有機リチウム化合物、共役ジエンまたはモノビニル芳香
族化合物、およびポリビニル芳香族化合物の三者を同時
に反応させた反応生成物(西独特許2003384号)
等が本発明に使用される。
さらに、特公昭50−37078号に示されるように、
モノ有機リチウム化合物とモノビニル芳香族化合物との
反応生成物に、ポリビニル芳香族化合物を反応させ、次
いでさらにモノビニル芳香族化合物を反応して得られた
触媒も本発明に有効である。ここでいうポリビニル芳香
族化合物とは、ジビニルベンゼン、1・2・4−トリビ
ニルベンゼン、1・3−ジビニルナフタレン、1・3・
5一トリビニルナフタレン、2・4−ジビニルビフエニ
ル、3●5●4−トリビニルビフエニル等であり、特に
ジビニルベンゼンが好ましいが、ジビニルベンゼンには
、o−、m−、p−の異性体があり、これら異性体の混
合物である商業的に得られるジビニルベンゼンで事実上
満足される。またモノビニル芳香族化合物としては、ス
チレンが一般的である。しかし、上述のように少なくと
もモノ有機リチウム化合物とポリビニル芳香族化合物と
の二者を含む反応生成物が、いかなる多官能度を有する
多官能性触媒であるかを定量的に把握することは極めて
困難である。
したがつて、現状では、上記のようにして得られた多官
能性触媒を用いて、例えば1・3」ブタジエンを重合し
、得られた重合体ゴムのムー[メ[粘度の大小によつて多
官能度のメジヤ一としたり、あるいは上記のようにして
得られた多官能性触媒を用いて1・3−ブタジエンを重
合し、次いでスチレンを重合することにより得られたプ
ロック共重合体のグリーン強度の大小により、その多官
能度のメジヤ一とする方法が知られているが、本発明に
おいては、ポリビニル芳香族化合物とモノ有機リチウム
化合物とのモル比が0.1:1以上が好ましく、0.1
:1以下では押出加工性、耐衝撃性および剛性のいずれ
も向上効果が小さくなる、一方、ポリビニル芳香族化合
物とモノ有機リチウム化合物とのモル比が0.1:1以
上の場合、モル比が大きくなるにつれて、得られた多官
能性触媒がゲル化し、重合溶媒に不溶となつたり、また
最終的に得られるモノビニル芳香族化合物一共役ジエン
ランダム共重合体ゴムが実質的にスチレンに不溶になつ
たりするが、得られた多官能性触媒が実質的に重合溶媒
に可溶であり、また最終的に得られたモノビニル芳香族
化合物共役ジエン重合体ゴムが、実質的にスチレンに可
溶なものは本発明の範囲に属する。本発明で用いる特定
の重合方法によるモノビニル芳香族化合物一共役ジエン
ランダム共重合体ゴムにおいて、多官能性有機リチウム
化合物を含む有機リチウム基材触媒を用いることと、次
いで得られた重合体の活性末端と反応し得る少なくとも
2個以上の反応性部位を有する多官能性処理剤にてカツ
プリングすることは重要な要件である。
すなわち、本発明の方法におけるモノビニル芳香族化合
物一共役ジエンランダム共重合体ゴムは、特定の有機リ
チウム基材触媒と特定の多官能性処理剤を用いることに
よつて、実質的に網目構造を有し、かつ実質的にスチレ
ンに可溶な重合体となるからであり、この網目構造を有
するモノビニル芳香族化合物一共役ジエンランダム共重
合体ゴムを用いることが本発明の重要な要件である。し
たがつて、モノビニル芳香族化合物一共役ジエンランダ
ム共重合体ゴムが、単に多官能性有機リチウム化合物を
含む有機リチウム基材触媒によつて重合されたものであ
る場合(すなわち、多官能性処理剤によつてカツプリン
グされていないもの)、または単にモノ有機リチウム化
合物によつて重合され、多官能性処理剤によつてカツプ
リングされたものである場合(すなわち、多官能性有機
リチウム化合物を含む有機リチウム基材触媒を用いない
もの)のいずれも、網目構造を有した重合体とならない
ため、得られる耐衝撃性ポリスチレンの押出加工性、耐
衝撃性および剛性が本発明のような向上を示さない。
本発明における多官能性処理剤は、その反応性部位が少
なくとも2個以上含まれていればよく、また2個以上の
ものの混合物であつてもよいが、好ましくは平均2〜4
個のものがよい。
反応性部位がいたずらに多い多官能性処理剤を用いると
、生成するモノビニル芳香族化合物一共役ジエンランダ
ム共重合体ゴムのムー[メ[粘度が増大し、かつスチレン
に不溶となるため、本発明の対象外となる。多官能性処
理剤としては、例えば、J.pOlym.Sci.、A
−1、旦、93(1965)に示されるごとく、トリメ
チルクロロシラン、ジメチルジグ』フ ロロシラン、シリコンテトラクロライドのごときシラン
化合物や、英国特許第1223079号に示されるごと
く、アジピン酸ジエチル等のジエステル類等、公知のも
のが使用可能である。
多官能性処理剤の使用量は、用いる有機リチウム基材触
媒の多官能度、および多官能性処理剤の多官能度によつ
て異なり、得られた重合体が実質的にスチレンに可溶と
なる範囲内で使用されるが、一般的には、有機リチウム
基材触媒によつてモノビニル芳香族化合物と共役ジエン
を重合させ、得られたリチウム末端重合体のリチウムを
基準として、0.1〜2当量とを反応させる。
リチウム末端重合体のリチウムを基準として0.1当量
未満および2当量を超えると、得られた耐衝撃性ポリス
チレンの押出加工性、耐衝撃性および剛性の向上効果が
小さくなる。本発明の方法におけるモノビニル芳香族化
合物と共役ジエンの重合において、モノビニル芳香族化
合物含量が10〜30重量%となるように重合すること
が好ましい。
モノビニル芳香族化合物含量が少なすぎると、得られた
耐衝撃性ポリスチレンのシート押出し時、いわゆる1だ
れ1が生じやすく、また成形収縮性も大きくなり、さら
に剛性が低下する。モノビニル芳香族化合物含量が多す
ぎると、得られた耐衝撃性ポリスチレンの耐衝撃性が低
下する。本発明の方法におけるモノビニル芳香族化合物
共役ジエンランダム共重合体ゴムは、そのミク口構造、
特にビニル結合の含量によつて、得られる耐衝撃性ポリ
スチレンの耐衝撃性に若干の影響がある。
例えば、本発明におけるスチレン−ブタジエンランダム
共重合体ゴムの場合、1●2−ビニル含量が極端に多く
なると、耐衝撃性は低下してくるため、一般には、1・
2−ビニル調整剤を用いることにより、1・2−ビニル
結合を35%以下となるようにスチレン−ブタジエンラ
ンダム共重合体ゴムを重合しなければならない。1・2
−ビニル結合の調整は、従来公知のいかなる方法によつ
て調整してもよいが、具体的には、本発明におけるモノ
ビニル芳香族化合物一共役ジエンランダム共重合体ゴム
の重合時、重合系にジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルアミ
ン等のアミン類、ジメチルサルフアイド、ジエチルサル
フアイド等のチオエーテル類を添加して重合を行なうこ
とによつて達成される。
さらに、ヘキサメチルフオスホルアミド(HMPA)を
添加する方法(特公昭43−5904号)、テトラメチ
ルエチレンジアミン(TMEDA)を添加する方法(特
公昭42−17199号)およびジエチレングリコール
ジメチルエーテルを添加する方法等がある。また、1・
2−ビニル結合は、分子鎖中に均一になるように重合し
てもよく、あるいは特公昭48−875号に示されるよ
うに分子鎖に沿つて漸減的に変化するように重合しても
よく、さらにはプロツク的に結合するように重合しても
(USP33Ol84O号)よい。本発明の方法におけ
るモノビニル芳香族化合物一共役ジエンランダム共重合
体ゴムにおいてランダムに共重合するためには、若干の
工夫が必要である。
一般に、炭化水素溶媒中で、有機リチウム基材触媒のみ
を用いて、例えばスチレンと1・3−ブタジエンと共重
合させる時、両モノマーの重合反応速度の差に起因する
プロツク共重合体が生じる。
このため、ランダム共重合体を得るには、最初に調整す
るスチレンと1・3−ブタジエンとの混合液中のスチレ
ン含有量を最終的に生成する共重合体中のスチレン含量
よりも大にし、1・3−ブタジエンを添加しつつ共重合
を行なう方法、または両モノマーの反応速度より遅い速
度でスチレンと1・3−ブタジエンとの混液を添加しつ
つ共重合を行なう方法(例えば英国特許903331号
)などがある。 .
′またランダム共重合体の他の製造方法は、モノビニル
芳香族化合物と共役ジエンとの混液を有機リチウム基材
触媒で重合する際に、ランダム化剤を添加する方法であ
る。ランダム化剤としては、公知のものが用いられるが
、一般に前述したビニ 5ル結合調整剤が効果がある。
しかし、上記のランダム化剤を用いる場合は、ビニル結
合の含量も増加するため、ビニル結合量のそれほど増大
しないランダム共重合体を製造するには、例えばJOu
malOfPOlymerScience、4Part
A−1、VOl746l(1969)に示される第三級
一ブチルアルコールのカリウム塩や、特公昭45−22
338号に示されるドデシルベンゼンスルホン酸カリウ
ム等を用いるのも好ましい〜 また、モノビニル芳香族化合物一共重役ジエンランダム
共重合体ゴム分子鎖中のモノビニル芳香族化合物の分布
は、分子鎖中に均一になるように; 重合してもよく、
また分子鎖に沿つて漸減的に変化するように重合しても
よく、さらにはモノビニル芳香族化合物含量が多いラン
ダム共重合体とモノビニル芳香族化合物含量が少ないラ
ンダム共重合体が分子鎖結合するように重合してもよい
本発明に用いる特定の重合方法によるモノビニル芳香族
化合物一共役ジエンランダム共重合ゴムは、ある程度プ
ロツクモノビニル芳香族化合物が存在しても、本発明の
耐衝撃性ポリスチレンの物性および加工性上の特徴が維
持できることが判つた。すなわち、該ランダム共重合体
中の全モノビニル芳香族化合物重量に対して、プロック
モノビニル芳香族化合物含量が25重量%以下になるよ
うに重合した場合は、実質的に完全ランダム共重合体ゴ
ムになるように重合した場合の効果と本質b的な差がな
い事が判つた。本発明の強靭化剤である特定の方法によ
るモノビニル芳香族化合物一共役ジエンランダム共重合
体ゴムは、通常2〜30重量%スチレンに溶解し、耐衝
撃性ポリスチレンを製造する。
溶解量が2重量%未満では、ポリスチレンの耐衝撃性向
上効果が実質的にみられない。一方、溶解量が多いとこ
ろは、該ランダム共重合体ゴムをスチレンに溶解した時
の溶液粘度によつて、その溶解量の限界が決定され、溶
液粘度が高すぎると耐衝撃性ポリスチレンの重合が,撹
拌、除熱などの点で実用的に不可能となるが、本発明に
おける特定の方法によるランダム共重合体ゴムでは、そ
の溶解量が約30重量%である。また、本発明の範囲内
の特定の方法によるモノビニル芳香族化合物一共役ジエ
ンランダム共重合体ゴムならば2種以上の混合物として
用いてもよく、若干量の他のゴム、例えば溶液重合SB
R、乳化重合SBR、ポリブタジエンゴム等と併用して
もよい。本発明の耐衝撃性ポリスチレンの実際の製造方
法としては、塊状重合または塊状懸濁併用重合が工業的
に有利に用いられる。
一般に塊状重合においては、本発明の特定の方法による
ランダム共重合体ゴムをスチレンに溶解し、無触媒の場
合は通常95ないし200℃において加熱重合し、触媒
重合あるいは照射重合においては、一般に、より低温に
おいて、すなわち20ないし150℃において実質的に
スチレンの重合が完了するまで重合操作が継続される。
この塊状重合に際しては、しばしば公知の内部潤滑剤、
例えば流動パラフインが、重合体100重量部に対して
1ないし5重量部添加される。重合終了後、生成ポリマ
ー中に少量(1〜5%)の未反応スチレンを含有する場
合は、かかるスチレンを公知の方法、例えば減圧除去あ
るいは揮発分除去の目的に設計された押出装置で除去す
るなどの方法によつて除去することが望ましい。かかる
塊状重合中の攪拌は、必要に応じて行われるが、スチレ
ンの重合体への転化率、すなわちスチレンの重合率が3
0%以上になるまで進んだあとは、攪拌は停止するか緩
和するのが望ましい。過度の攪拌は、得られる重合体の
強度を低下させることがある。また、必要なら少量のト
ルエン、エチルベンゼン等の希釈剤の存在下で重合し、
重合終了後に未反応スチレンとともにこれら希釈剤を加
熱除去してもよい。また、塊状懸濁併用重合も本発明の
耐衝撃性ポリスチレンの製造に有用である。
この方法は、まず前半の反応を塊状で行い、後半の反応
を懸濁状態で行うものである。すなわち、本発明の特定
の方法によるランダム共重合体ゴムのスチレン溶液を、
先の塊状重合の場合と同様に無触媒下で加熱重合または
触媒添加重合し、あるいは照射重合してスチレンの通常
50%以下、特に好ましくは10ないし40%までを部
分的に重合させる。これが前半の塊状重合である。次い
でこの部分的に重合した混合物を懸濁安定剤またはこれ
と界面活性剤の両者の存在下で、撹拌下水性媒体中に分
散させ、反応の後半を懸濁重合で完結させ、最終的に洗
浄、乾燥し、必要によりペレツトまたは粉末化し実用に
供するものである。以上の他、これらの方法の改変、改
良を行なつた従来公知の方法によつても、本発明の耐衝
撃性ポリスチレンが得られる。
また、本発明における特定の重合方法によるモノビニル
芳香族化合物共役ジエンランダム共重合体ゴムとともに
耐衝撃性ポリスチレンを形成するスチレンの一部を、ス
チレン以外のスチレンとラジカル共重合可能な単量体で
置換してもよい。かかるスチレン以外の共重合可能な単
量体は、スチレンを含む全単量体中の50重量%以下の
範囲で用いられる。このようなスチレン以外の共重合可
能な単量体としては、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニル
ナフタレン等のモノビニル芳香族炭化水素、ブタジエン
、イソプレン等の共役ジエン類、またはアクリロニトリ
ル、メタクリル酸メチルなどから選ばれた1種または2
種以上の単量体が用いられる。このようにして得られる
本発明の耐衝撃性ポリスチレンは、従来のスチレンまた
はスチレンを主成分とする耐衝撃性ポリスチレンに比較
し、押出成形、射出成形、圧縮成形、中空成形に好適で
あるが、特にシート押出成形性に優れ、かつ耐衝撃性お
よび剛性が優れており、実用上の意義は極めて大きい。
本発明の耐衝撃性ポリスチレンは、必要に応じて酸化防
止剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、充填剤等、さらに
他の熱可塑性樹脂、例えば一般用ポリスチレン、メタク
リル樹脂等と混合して用いてもよい。
以下、若干の実施例を挙げて、本発明の具体的な実施態
様を説明するが、これは本発明の主旨をより具体的に説
明するものであつて、本発明を何ら限定するものではな
い。
実施例 1 表1−1に示す方法によつて、実験例A.B、C.Dの
ポリマーを重合した。
実験例Aは、内容積101の撹拌装置、ジヤケット付の
オートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製、
乾燥したスチレン25重量部、1・3−ブタジエン75
重量部、n−ヘキサン700重量部を加え、ランダム化
剤としてテトラヒドロフラン2.1重量部を加えた後、
触媒として1・2−ジリチオ一1・2−ジフエニルエタ
ンとn−ブチルリチウムの混合物を用い、かつそれぞれ
の化合物中のリチウム原子を基本としてリチウム原子の
比が1:4である有機リチウム基材触媒0.15重量部
を5重量%n−ヘキサン溶液としたものを加え、70℃
にて2時間重合した。
得られたゴムに多官能性処理剤として四塩化ケイ素0.
037重量部を加えて1時間反応させた。得られたゴム
溶液に、安定剤として、2・6−ジ一Tert゛−ブチ
ル−4−メチルフエノール(BHT)を0.5重量部加
え、溶媒を加熱除去して、本発明のスチレン−ブタジエ
ンランダム共重合体を得た。実験例Bは、実験例Aと同
様の要領にて、スチレン25重量部と、1・3−ブタジ
エン75重量部をn−ブチルリチウムにて重合したスチ
レンーブタジエンプロツク共重合体であり、実験例Cは
市販の乳化重合SBR(NipOllOO6日本ゼオン
社製)である。また実験例Dは、実験例Aと同様の要領
にて1・3−ブタジエン100重量部をテトラヒドロフ
ランの存在下、n−ブチルリチウムにて重合した溶液重
合ポリブタジエンゴムである。得られた各種ゴムの特性
は表1−1に示す。5重量%スチkン溶液粘度は、キヤ
ノンフエンスケ型粘度計を用いて、25℃にて測定した
さらにミクロ構造は、赤外分光々度計を用いてモレロ法
〔LaChimicaEL′Industria±ユ、
758(1959)〕にて測定した。また、フロツクス
チレン量は、次の方法により求めた。ゴム2重量部を、
四塩化炭素100重量部に溶解し、ジTert−ブチル
ハイドロパーオキサイド24重量部を加え、さらにオス
ミウムテトラオキサイドを0.004重量部添加し、1
00℃にて30分間加熱し、共重合体中の二重結合を完
全に切断する。かくして得られた溶液を多量のメタノー
ル中に沈澱させたものがプロツクスチレンである。この
沈澱をP過し、真空乾燥して秤量し、ポリマー中のプロ
ツクスチレン量を重量%として算出し、プロツクスチレ
ン含有量とした。また、スチレン含有量は、紫外線吸収
スペクトル法により、262mμのスチレンに基づく吸
収から算出した。表1−1のゴムを用いて、以下に述べ
る塊状重合法によつて、耐衝撃性ポリスチレンを得た。
表1−1の各種ゴム7重量部とスチレン93重量部、※
トルエン8重量部、2・6−ジ一Tert−ブチル4−
メチルフエノール0.5重量部を室温で攪拌し、各種ゴ
ムの溶液を作成した。これを反応器に移し、4時間で1
00℃より130℃に攪拌しつつ昇温し、次に6時間で
130℃より150℃に昇温攪拌を行ない、最後に15
0℃より180℃まで2時間で昇温し重合を行つた。次
いで230℃に昇温して、未反応物を真空除去した後、
粉砕し押出機にてペレツト状にした。得られた耐衝撃性
ポリスチレンをJISK−6871の測定法にしたがつ
て圧縮成形し、アイゾツト衝撃強度を測定した。
さらに40mmφ押出機にてダイス温度200℃で肉厚
約21Lmのシートを押出した。このシートをJISK
−6872の測定法にしたがい、降伏応力、破断時伸び
および剛性を判定するための曲げ弾性率を測定した。ま
た射出成形は、射出温度200℃で、150mmX15
0mI×311のフイルムゲート金型を使用して実施し
、ウエルドラインの程度を判定した。耐衝撃性ポリスチ
レンの加工性および物性の結果を表1−2に示す。表1
−2から明らかなように、実験例Aは、アイゾツト衝撃
強度が実験例B.Cより優れており、実験例Dとほy同
等である。
しかも曲げ弾性率は、実験例C.Dより優れており、実
験例Bとほ〜同等であるという優れた耐衝撃性一剛性バ
ランスを有している。一方、加工性については、押出加
工時の゛だれ゛も少なく、また成形収縮性も少なく、成
形安定性に優れ、外観、光沢なども申し分ない。また射
出成形品のウエルドラインも殆んど見られず、物性、加
工性共に優れたものであることが明らかである。実施例
2 表2−1に示す方法によつて、実験例Aに対する実験例
E.Fを重合した。
重合の要領は実施例1と同様にして実施し、得られた共
重合体の基本特性を表2−1に示すが、実験例Eは実験
例Aと比較して触媒種は同じであるが、カツプリング反
応を実施していないもの、実験例Fはカツプリング反応
は実施しているが、触媒が異なり、単にnイh−ブチル
リチウムを用いたものである。表2−2には、実施例1
と同様の方法にて重合したゴム含量7重量%の耐衝撃性
ポリスチレンの物性、加工性を示すが、この表から明ら
かなように、実験例Aは、実験例E.Fと比して、物性
面では耐衝撃性、剛性共に優れ、かつシート押出加工性
も優れている。
実施例 3 表3−1に示す方法によつて、有機リチウム基材触媒の
1・2−ジリチオ一1・2−ジフエニルエタンとn−ブ
チルリチウムの混合比が異なる触媒を用いて、実験例G
.H.I.Jの共重合体を重合した。
重合の要領は、実施例1と同様にして実施し、得られた
共重合体の基本特性を実施例1と同様にして測定し、そ
の結果を表3−1に示す。この表によれば、1・2−ジ
リチオ一1 ・2−ジフエニルエタンの混合比が高くな
るにつれて得られる共重合体のムー[メ[粘度、5重量%
スチレン〉〈溶液粘度が大きくなつているが、これは共
重合体中の網目が増加したことを意味する。かくして得
られた各種共重合体を実施例1と同様の方法にて重合す
ることにより、ゴム含量7重量%の耐衝撃性ポリスチレ
ンを得た。
表3−2に、得られた耐衝撃性ポリスチレンの加工性お
よび物性を示す。表3−2から明らかなように、実験例
H、、Jと実験例Gとを比較すると、ジリチウムの含量
が減少すると、剛性および耐衝撃性のいずれも低下する
ことが判る。
実施例 4 表4−1に示す方法によつて、有機リチウム基材触媒と
して1・2−ジリチオ一1・2−ジフエニルエタンとn
−ブチルリチウムの混合物であり、かつそれぞれの化合
物中のリチウム原子を基本としてリチウム原子の比が1
:4である触媒を用いて、スチレン−イソプレンランダ
ム共重合体、実払Mlirij4人114^^實鯉目
↓磨′―−磨私V′JJLlsνζ患口し′戸0呈一白
−VノヌLSよ、犬厖vり1と同様にして実施し、得ら
れた共重合体の基本特性を表4−1に示す。
次に、これらの共重合体を用いて、実施例1と同様に重
合することにより、ゴム含量8重量%の耐衝撃性ポリス
チレンを得た。
表4−2に、得られた耐衝撃性ポリスチレンの加工性お
よび物性を示す。表4−2から明らかなように、実験例
Kは、実験例Lと比較して押出加工性に優れ、かつ剛性
、耐衝撃性いずれも優れていることがわかる。
実施例 5表5−1の方法によつて、ブタジエン部の1
・2−ビニル含量の異なる各種スチレン−ブタジエンラ
ンダム共重合体を重合した。
重合の具体的な方法は、実施例1と同様の要領にて実施
したが、1・2−ビニル含量の少ないランダム共重合体
を得る方法として、低ビニル化ランダマイザ一であるド
デシルベンゼンスルホン酸カリウムをテトラヒドロフラ
ンと併用した。また、多官能性処理剤として、メチルト
リクロルシランを用いた。得られたランダム共重合体の
基本特性を表5−1に示す。表5−1の各種ランダム共
重合体を用いて、以下に述べる塊状懸濁併用重合によつ
て、耐衝撃性ポリスチレンを得た。
各種ランダム共重合体6重量部をスチレン94重量部に
加えて、室温で攪拌、溶解後、Tertドデシルメルカ
プタン0.06重量部を添加して、該溶液を無触媒下に
120℃で5時間攪拌しつつ加熱し、スチレンの約35
%が重合した溶液に、該溶液100重量部当りトリスノ
ニルフエニルホスフアイト0.3重量部とジ一Tert
−ブチルパーオキサイド0.1重量部を添加した。
一方、0.15重量部の懸濁安定剤ポリビニルアルコー
ルおよび0.05重量部の界面活性剤ドデシルベンゼン
スルフオン酸ナトリウムを100重量部の水に溶解し、
上述の部分重合体100重量部を懸濁させ、この懸濁混
合物を攪拌しつつ120℃で4時間、次いで130℃で
2時間、最後に150℃で2時間加熱してスチレンの重
合を実質的に完了させ、懸濁粒子状の耐衝撃性ポリスチ
レンを得た。これを遠心分離により反応混合物より分離
し、温水で洗浄※来し空気乾燥した。得られた耐衝撃性
ポリスチレンの物性、加工性を表5−2に示す。
表5−2より明らかなように、実験例M.N.Oは、実
験例Pと比較して1・2−ビニルが増加すると耐衝撃性
が低下することが判る。実施例 6 少なくともモノ有機リチウム化合物とポリビニル芳香族
化合物の二者を含む反応生成物である有機リチウム基材
触媒を調製し、これを用いて本発明に用いる各種スチレ
ン−ブタジエンランダム共重合体を重合した。
有機リチウム基材触媒の調製方法を表6−1に示すが、
ジビニルベンゼンは商業的に手に入るジビニルベンゼン
を用いた。
この製品は、57%のジビニルベンゼン異性体を含有す
る混合物であり、その残部はエチルビニルベンゼン、ジ
エチルベンゼンであつた。表6−1の方法で調製された
触媒は、いずれも、次いで実施するスチレン−ブタジエ
ンランダム共重合の溶媒であるn−ヘキサンに可溶であ
つた。表6−1の方法で調製された触媒を用いて、実施
例1と同様な要領にてスチレン−ブタジエンランダム共
重合体を重合した結果を表6−2に示すが、実験例Uは
、多官能性処理剤にてカツプリング後ゲル化したため、
以後の耐衝撃性ポリスチレンの重合には用いなかつた。
さらに、上記の各ランダム共重合体を用いて、実施例1
と同様な方法でゴム含量7重量%の耐衝撃性ポリスチレ
ンを重合し、その加工性、物性を表6−3に示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 多官能性有機リチウム化合物を含む有機リチウム基
    材触媒を用いて、モノビニル芳香族化合物と共役ジエン
    を重合し、次いで得られた重合体の活性リチウム末端と
    反応し得る少なくとも2個以上の反応性部位を有する、
    多官能性処理剤にてカップリングした、実質的に網目構
    造を有し、かつ実質的にスチレンに可溶なモノビニル芳
    香族化合物−共役ジエンランダム共重合体ゴムをスチレ
    ンに溶解し、該溶液を塊状重合あるいは塊状懸濁併用方
    式によりラジカル重合させることを特徴とする耐衝撃性
    ポリスチレンの製法。 2 有機リチウム基材触媒が多官能性有機リチウム化合
    物とモノ有機リチウム化合物との混合物であり、その混
    合比は、それぞれの化合物中のリチウム原子を基準とし
    て、多官能性有機リチウム化合物としてのリチウム原子
    が5重量%以上である特許請求の範囲第1項記載の耐衝
    撃性ポリスチレンの製法。 3 有機リチウム基材触媒が少なくともモノ有機リチウ
    ム化合物とポリビニル芳香族化合物の二者を含む反応生
    成物である特許請求の範囲第1項記載の耐衝撃性ポリス
    チレンの製法。 4 ポリビニル芳香族化合物とモノ有機リチウム化合物
    とのモル比が0.1:1以上である特許請求の範囲第3
    項記載の耐衝撃性ポリスチレンの製法。 5 ポリビニル芳香族化合物がジビニルベンゼンであり
    、共役ジエンが1・3−ブタジエンである特許請求の範
    囲第3項記載の耐衝撃性ポリスチレンの製法。 6 モノビニル芳香族化合物と共役ジエンの重合に際し
    、モノビニル芳香族化合物含量が10〜30重量%であ
    る特許請求の範囲第1項記載の耐衝撃性ポリスチレンの
    製法。 7 モノビニル芳香族化合物がスチレンであり、共役ジ
    エンが1・3−ブタジエンである特許請求の範囲第1項
    記載の耐衝撃性ポリスチレンの製法。 8 1・2−ビニル結合調整剤を用いることにより、1
    ・2−ビニル結合を35%以下としたスチレン−ブタジ
    エンランダム共重合体を用いる特許請求の範囲第1項記
    載の耐衝撃性ポリスチレンの製法。 9 活性リチウム末端と反応し得る多官能性処理剤の反
    応性部位が平均2〜4である特許請求の範囲第1項記載
    の耐衝撃性ポリスチレンの製法。 10 多官能性処理剤の使用量が、有機リチウム基材触
    媒によつて共役ジエンを重合させ、得られたリチウム末
    端重合体のリチウムを基準として、0.1〜2当量であ
    る特許請求の範囲第1項記載の耐衝撃性ポリスチレンの
    製法。 11 モノビニル芳香族化合物−共役ジエンランダム共
    重合体を2〜30重量%スチレンに溶解する特許請求の
    範囲第1項記載の耐衝撃性ポリスチレンの製法。
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