JPS5918628Y2 - 電子レンジの高周波遮蔽機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は調理素材である被加熱物に高周波エネルギーが
均一に照射されるように被加熱物が載置されて回転する
回転テーブルを備えた電子レンジにおいて、回転テーブ
ルの回転軸部分から高周波が漏洩しないようにした高周
波遮蔽機構に関するものである。

回転テーブルは通常加熱室の底部に、その加熱室の底壁
との間に若干の間隙を設けて装設され、回転テーブルの
下面に突設した回転軸が軸受部材に支承されるとともに
、加熱室外へ突出してその突出部において駆動機構の駆
動軸と連結されている。

従って、回転テーブルを金属製とした場合には、高周波
エネルギーが前記の間隙から回転軸に達し、この回転軸
がアンテナの役目を果たして高周波エネルギーを加熱室
外へ放射したり、軸受部材が合成樹脂の場合には高周波
エネルギーがその軸受部材内を通過して漏洩したりする
。

このため、モータやその関連機構が焼損されたり、電子
レンジの使用者に危険が及ぶおそれがある。

本考案の目的は、回転テーブルを金属製とした場合でも
、回転テーブルと加熱室との底壁との間に設けられた多
数の垂下片及び起立片によって、あらゆる方向からの侵
入電波も効果的に反射し、かつそれらの間隙によって電
波を効果的に減衰吸収することができ、回転テーブルと
加熱室との間隙から軸受部を通って高周波エネルギーが
漏洩するのを防止することができ、前記のようなモータ
等が焼損したり、使用者に危険が及んだりする問題点を
解消し得、しかも垂下片及び起立片の位置や大きさの設
定を容易に行い得るとともにそれらを打抜きによって簡
単に作ることができる電子レンジの高周波遮蔽機構を提
供するにある。

以下本考案を具体化した一実施例を第１図及び第２図に
ついて説明すると、図面中１はこの電子レンジのケース
、２はケース１の内底面に固設されたモータであって、
減速ギヤ機構３を介して駆動軸４が上方へ向かって突出
されている。

５はケース１内に固設された加熱室であって、前面が開
放され、その開放部には扉体６が一側において開閉可能
に支持されるとともに、底壁部５ａの中央には取付孔７
が透設されている。

８は取付孔７に固定された軸受部材、９は加熱室５の底
部に回転可能に装設された金属製の回転テーブルであっ
て、その下面中央には連結部１０を介して回転軸１１が
一体状に固着され、その回転軸１１が軸受部材８内を回
転可能に挿通して下方へ突出し、絶縁性を有する連結部
材１２によって前記駆動軸４に電気的に絶縁した状態で
回転伝達可能に連結されている。

１３は回転テーブル９の下面内周部から外周部にわたっ
て回転軸１１と同心の複数の各円周上に位置するように
、回転テーブル９に互いに独立してクシ歯状に打抜き形
成された多数の矩形状の垂下片である。

１４は前記回転テーブル９の下部において、加熱室５の
底壁部５ａ上面に固着された金属製の遮蔽板であって、
前記垂下片１３の列の中間に位置する同心の各円周上に
おいて各垂下片１３と対向する多数の矩形状の起立片１
５がそれぞれ独立してクシ歯状に打抜き形成されるとと
もに、その最外縁部１６が環状に連続して起立形成され
ている。

そして、前記各垂下片１３は遮蔽板１４の起立片１５と
間隔をおいて対向するとともに、回転テーブル９の回転
にともない起立片１５間をその起立片１５に接触するこ
となく移動し得るようになっている。

さらに、この起立片１５と垂下片１３との関係は、回転
テーブル９の回転時に垂下片１３がどのような位置にき
ても、高周波エネルギーが回転軸１１側へ通過しないよ
うに、使用高周波の波長の４分の１以上の間隔が形成さ
れないような位置関係及び大きさであって、チョークを
構成するようになっている。

１７は耐熱ガラスよりなり、被加熱物を載置するための
電子レンジ用の調理皿であって、回転テーブル９の上面
に載置される。

従って、加熱室５内の上方から照射された高周波エネル
ギーは回転テーブル９の表面によって、反射され、側方
からの高周波エネルギーは、いずれの方向から侵入する
ものでも起立片１５及び垂下片１３に反射されるととも
に、両片１３，１５間の間隙によって減衰吸収され、軸
受部には達しない。

このため、回転軸１１がアンテナとなって高周波エネル
ギーが加熱室５外へ放射されたり、軸受部材８内を通っ
て加熱室５外へ漏洩したりすることはなく、モータ等が
焼損したり、電子レンジの使用者に危険を及ぼすおそれ
はない。

以上詳述したように本考案は、回転テーブルを金属製と
しても、回転テーブルと加熱室の底壁との間に設けられ
た多数の垂下片及び起立片によって、あらゆる方向から
の侵入電波も効果的に反射し、かつそれらの間隙によっ
て電波を効果的に減衰吸収することができ、回転テーブ
ルと加熱室との間隔から軸受部へ高周波エネルギーが漏
洩するのを確実に防止することができ、前記のようなモ
ータ等が焼損したり、使用者に危険が及んだりする問題
を解消できる優れた効果を奏する。

又、本考案は、前記垂下片及び起立片の位置や大きさを
使用者高周波と正確に関連合致させて作る必要がなく、
それらの位置や大きさの設定を容易に行うことができる
とともに、その垂下片及び起立片を打抜きによって簡単
に作ることができるという実用的な効果もある。

なお、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、
考案の趣旨を変更しない範囲内で任意に変更してもよい
。

【図面の簡単な説明】

第１図は垂下片と起立片との関係を示すこの実施例の電
子レンジの縦断面図、第２図は回転テーブルを破断して
示す同じく横断面図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 加熱室５の底面中央に配置され、被加熱物が載置される
   金属製回転テーブル９を有する電子レンジにおいて、 前記回転テーブル９には、その下面内周部から外周部に
   わたって回転軸１１と同心の複数の各円周上に互いに独
   立した矩形状の垂下片１３をクシ歯状に多数打抜き形成
   するとともに、 その回転テーブル９の下面に対向する加熱室５の底壁５
   ａ上面には、前記垂下片１３の列の中間に位置する同心
   の各円周上に前記各垂下片１３と対向する矩形状の起立
   片１５をクシ歯状に多数打抜き形威し、 かつそれら各起立片１５及び垂下片１３を使用高周波の
   ４分のｌ波長以上の間隙が形成されないような位置及び
   大きさに形成することにより、回転テーブル９の回転軸
   １１部分からの高周波漏洩を防止したことを特徴とする
   電子レンジの高周波遮蔽機構。