JPS5917800B2 - 核燃料集合体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は原子炉の燃料集合体、特に高速増殖炉に使用さ
れる核燃料集合体に関するものである。

以下添付図を参照しながら説明を行なって行くものとす
る。

第１図は、従来の高速増殖炉で使用されている燃料集合
体を示す縦断面図である。

多数の燃料棒１は冷却材流路を形成するラッパ管２の中
にツイヤスペーサ３を介して規則正しく収納されている
。

前記ワイヤースペーサ３は、隣接する燃料棒１が接触す
ることなく、ある一定間隔をおいて保持されるよう、燃
料棒１外周にら旋状に巻回されている。

燃料棒１はその下端枠部４を固定バー５によってラッパ
管２に固定されるのが普通である。

ラッパ管２の上端には取扱用の・・ンドリングヘッド６
、下端には、冷却材の流入孔であるエントランスノズル
Ｔを有して燃料集合体を構成する。

しかして、燃料棒１はその内部に下部軸方向ブランケッ
ト燃料ペレット柱８、炉心燃料ペレット柱９、上部軸方
向ブランケット燃料ペレット柱１０およびガスプレナム
部１１が下方より順次設けて構成されている。

前記ラッパ管２外面の長手方向の中央部に隣接燃料集合
体との間隔を保持するスペーサパッド１２が設けられて
いる。

この様な構造をした高速炉の燃料集合体では、ラッパ管
２の肉厚は内部の冷却材圧力に耐え得るように設計され
るのが普通であり、しかして、この冷却材圧力は第２図
に示す如く、燃料棒１の下端部近傍で最大で、燃料棒１
の上端に行くに従って、冷却材流動等による圧力損失で
、大体直線的に減少する。

高速炉炉心部における増殖比を高くして、炉心性能を良
くするためには、このラッパ管２の肉厚を減じて炉心を
構成する構造材の量を少くする必要がある。

上述した構造の燃料集合体においては、冷却材圧力損失
は大体燃料棒束の全長によって決まり、肉厚を減するこ
とによって圧力損失をある程度以上に低減することはで
きない。

更に別の問題点として集合体のわん曲変形がある。

通常高速炉の炉心部はその水平断面内で、ある出力分布
を有しているが、ラッパ管２の管壁のうち炉心部分は、
対面間で温度差を有することになる。

これによって燃料集合体はラッパ管２の炉心相当部にお
いて熱膨張およびスエリング膨張差によるわん曲（曲が
り変形）を生じる。

この部分に曲げモーメントを生ずると燃料集合体１全体
は第３図に示すように燃料集合体上部に設けられたハン
ドリングヘッド６０頂部で最大変位を示すように変形す
る。

しかし実際には、該燃料集合体の周囲は隣接する燃料集
合体によって囲まれているので、その上端がぶつかって
干渉し合い、ラッパ管２に曲げ拘束応力を発生すること
になる。

これは燃料集合体そのものは勿論、原子炉の安全性から
も好ましくない事である。

本発明は上記の点を考慮し、ラッパ管２肉厚を艙＜シて
炉心部における増殖比を高くし、かつ、熱膨張およびス
エリング膨張差によるわん曲によって生ずる曲げ拘束応
力を緩和した核燃料集合体を得ることを目的としたもの
である。

第４図は本発明による燃料集合体の一実施例を示す断面
図、第５図は第４図のＶ−Ｖ部の矢視図で、第１図と同
一箇所には同一符号を付して説明する。

下端をエントランスノズルＴに装着された角筒状のラッ
パ管１６内には、多数の炉心燃料棒１４が規則正しく配
列されて収納されている。

この炉心燃料棒１４外周には、隣接する炉心燃料棒１４
と接触しないようワイヤースペーサ３が巻回されている
。

炉心燃料棒１４下端栓部４は固定バー５によってラッパ
管２に固定されている。

ラッパ管１６上方の外周には隣接燃料集合体との間隔を
保持するためスペーサパッド１２が設けられ、内側には
中心部に設けられたハンドリングヘッド１１より放射状
に配置された連接部材１８が設けられている。

前記ハンドリングヘッド１Ｔは棒状であれば良くその形
状は限定しない。

このハンドリングヘッド１γ上端近傍には固定子１９が
取り付けられ、固定子１９には複数の上部軸方向ブラン
ケット燃料棒１５が固定され、下端が前記連接部材１８
間に位置するよう垂設されている。

すなわち、上部軸方向ブランケット燃料棒１５を炉心燃
料棒１４より長手方向上方に分離した分離型燃料集合体
とし、エントランスノズルγに装着されたラッパ管１６
内には炉心燃料棒１４のみが収納された型の原子炉燃料
集合体とするものである。

ラッパ管１６の上端は炉心燃料棒１４の上端枠部以上ま
でとし、ラッパ管１６下部のエントランスノズル１より
流入し、炉心燃料部よす流出する冷却材は上端部でラッ
パ管１６より開放され、隣接燃料集合体からの冷却材と
連通可能になる。

ラッパ管１６内に配列された炉心燃料棒１４はその内部
上方より順に炉心燃料ペレット部９、下部１１［ｆｌ方
向ブランケット燃料ペレット部８、その下方にガスプレ
ナム部２０を構成している。

一方、ラッパ管１６上方に配設された上部軸方向ブラン
ケット燃料棒１５は充填ブランケット燃料体積比を大き
くするため炉心燃料棒１４より太い燃料棒径とする。

従って一燃料集合体当りの上部軸方向ブラケット燃料棒
１５本数は炉心部燃料棒１４の本数より少なくなる。

該上部軸方向ブランケット燃料棒１５は上部軸方向ブラ
ンケット燃料ペレット部１０およびその上部に形成され
るガスプレナム部２１及び端部の端栓２２によって構成
されている。

以上説明した様に本発明による燃料集合体においては、
燃料棒を下方のラッパ管１６内に設けた炉心燃料棒１４
と、ラッパ管１６上方の上部軸方向フランケラト燃料棒
１５の２つに分離し、しかもコントランスノズル１より
流入した冷却材は炉心燃料棒１４の上端でラッパ管１６
より開放されるので、圧力損失は大体炉心燃料棒１４の
長さで定まり、従来の燃料集合体と比較すると上部軸方
向ブランケット燃料棒１５に相当する割合だけ圧力損失
を減じることができるためその分ラッパ管１６肉厚を薄
くして、増殖特性の増加に寄与せしめることが出来る。

又、炉心流量を循環せしめるポンプも、圧力損失を考慮
して選定されるが、圧力損失か低減される分だけポンプ
揚程、ポンプ動力も少なくて良いことになる。

また、燃料集合体にわん曲変形が生じても従来に比ベラ
ツバ管１６が短かいため、その上端の変位量は少なくな
り、隣接する燃料集合体上端部での干渉も少なく、曲げ
拘束応力も小さい。

又、仮にラッパ管１６外面に設けられたスペーサパッド
１２０面で隣接集合体と干渉し合っても、曲げ拘束によ
って発生するラッパ管の応力は少なくなる。

本発明の燃料集合体に設げられた・・ンドリングヘッド
１１も燃料集合体のわん曲に伴なって変位するがラッパ
管１６上方の中央部にあるので、隣接燃料集合体のそれ
と干渉することはない。

以上、説明したように、ラッパ管１６を従来に比べ短か
クシ、該ラッパ管１６内に規則正しく配列された炉心燃
料棒１４と、ラッパ管１６上方に放射状に上部軸方向ブ
ランケット燃料棒１５を設けて、燃料棒を二分割するこ
とによって炉心流量の圧力損失の改善が図られ、その分
だけラッパ管１６の肉厚を薄くして増殖特性が向上させ
得ると共に、ラッパ管１６のわん曲による曲げ拘束応力
を小さくでき、機械的強度、安全度を大巾に改善するこ
とが出来る。

以上、本発明をその具体例について説明したが本発明は
これら特定の実施例に限定されるものではなく、本発明
の精神を逸脱しないで幾多の変化変形ばなし得ることは
勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃料集合体で燃料棒の一部を切裁して内
部を示した縦断面図、第２図、第３図は第１図に示す燃
料集合体の軸方向の静圧力分布及び変形を定性的に示す
説明図、第４図は本発明による燃料集合体の一実施例で
、燃料棒の一部を切裁して内部を示した縦断面図、第５
図は第４図Ｖ−Ｖ部矢視図である。 ５・・・・・・固定バー、γ・・・・・・エントランス
ノズル、８・・・・・・下部軸方向ブランケット燃料ペ
レット部、９・・・・・・炉心燃料ペレット部、１０・
・・・・・上部軸方向ブランケット燃料ペレツ）部、１
１，２０．２１・・・・・・ガスプレナム部、１２・・
・・・・スペーサパッド、１４・・・・・・炉心燃料棒
、１５・・・・・・上部軸方向ブランケット燃料棒、１
７・・・・・・ハンドリングヘッド、１８・・・・・・
連接部材、１９・・・・・・固定子、２２・・・・・・
端栓。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 冷却材の流路を形成する角筒と、内部に核分裂性物
   質を内蔵する多数の燃料棒から構成される燃料集合体に
   おいて、下端部がエントランスノズルに連接された角筒
   と、該角筒内に配列され内部に炉心燃料ペレット部、下
   部軸方向プランケラ鴫料ペレット部および最下段にガス
   プレナム部を構成してなる多数の炉心燃料棒と、前記角
   筒上方に１部軸方向ブランケット燃料ペレット部および
   ガスプレナム部を構成してなる複数の上部軸方向ブラン
   ケット燃料棒よりなることを特徴とする核燃料集合体。 ２ 複数の上部軸方向ブランケット燃料棒は、角筒上部
   中心に設けられ、角筒内面より放射状に連接された連接
   部材で下端が保持された・・ンドリンクヘッドと、その
   上端近傍に固定子で固定、支持されていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の核燃料集合体。 ３ 角筒は、その上端近傍の外周全面に沿って、隣接す
   る燃料集合体との間隔を保持するスペーサバットが設け
   られていることを特徴とする特許請求の範囲第１項およ
   び第２項記載の核燃料集合体。