JPS5917724Y2 - 自動車のマスタシリンダ取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車の車室外前部に、ブレーキ、クラッチ
等を油圧作動するマスクシリンダを配設すると共に、そ
れのシリンダ本体を車室の前部壁板前面に突設したブラ
ケットに支持した、自動車のマスクシリンダ取付装置に
関する。

か・る装置は、シリンダ本体の支持位置をその前部や中
間部などに自由に選ぶことか゛できるので、狭隘なエン
ジンルーム内にマスクシリンダを設置する場合、その取
付作業を容易にする利点がある。

この場合、シリンダ本体の支持部の締付は時、その支持
部に捩り力が加わっても、それによる歪みがシリンダ内
壁に波及しないように、上記支持部をシリンダ孔から可
及的遠い位置に設けることか一望よれるが、そのように
すると一般的には、シリンダ本体の駄肉が増して重量増
加を招く嫌いがある。

本考案は、上記にかんがみ提案されたもので、シリンダ
本体の無用な重量増加を招くことなく前記要求を満足さ
せるようにした、前記取付装置を提供することを目的と
する。

以下、図面により本考案の一実施例について説明すると
、Ｗは自動車の車室Ｒｐとその前部のエンジンルームＲ
ｅ間を仕切る車室前部壁板で、その壁板Ｗにはその前面
から直角に起立するブラケット板Ｂｍが溶接等により固
設されており、それにエンジンルームＲｅに配設される
タンデム型マスクシリンダＭが取付けられる。

また車室Ｒｐ内にはマスクシリンダＭを操作するブレー
キペダルＰが配設され、その基端は前記壁板Ｗに固着し
たペダルブラケットＢｐに軸支される。

上記マスクシリンダＭとその取付装置の具体的構造の説
明に入ると、１はマスクシリンダＭのシリンダ内壁で、
そのシリンダ孔２には、それに摺合する前後一対の第１
および第２ピストン３，３により互いに独立した後部の
第１油圧室４および前部の第２油圧室４′が画成され、
それら油圧室４．４′の出力ポート４ａ、４ａ’か゛ブ
ラケット８ｍと反対側のシリンダ本体１側面に開口し、
それらポートには２系統のブレーキ油圧回路が各個に接
続される。

第１ピストン３はブツシュロッドＰｒを介してブレーキ
ペダルＰと連接する。

シリンダ本体１の上側部には、第１油圧室４に隣接して
円筒状の補助油溜５が一体に突設され、その上端部に透
明の合戊樹脂製主油溜６が嵌合連結される。

主油溜６は上部開放口に単一のキャップ８を備えており
、その容積は補助油溜５より大きく、そこに公知のフロ
ート弐油量減少警報装置Ａが設けられ、主油溜６内の油
面が規定レベル以下に低下すると、図示しない警報ラン
プを点灯するようになっている。

補助油溜５ば、シリンダ本体１と一体の隔壁９により、
内部を後部の第１油溜室５ａと前部の第２油溜室５ｂと
に区分され、両油溜室５ａ、５ｂは共に主油溜６と連通
ずる。

而して、第１油溜室５ａは第１ピストン３の前端部に隣
接し、その底壁に第１油圧室４の逃し孔１０および補給
孔１１が穿設される。

また、シリンダ本体１の上側部には、補助油溜５からシ
リンダ本体１前端に向って延びる中空突条１２が一体に
隆起形成され、その突条１２の中空部は第２油溜室５ａ
を第２油圧室４′の逃し孔１０および補給孔１１′に連
通ずる油路１３を構成する。

上記油路１３は、突条１２の前端面より錐を以て穿孔さ
れ、その穿孔口に球状盲栓１４が打込まれ、また上記逃
し孔１０′および補給（Ｌｌｌは突条１２の頂面より錐
を以て穿孔され、それらの穿孔口にも球状盲栓１５．１
６が打込まれる。

さらに、突条１２の頂部には上部取付ボス１７が、また
シリンダ本体１の後方下側部には下部取付ボス１８がそ
れぞれ一体に突設され、これら両取付ボス１７．１８が
、それらを貫通するボルト１９．２０により前記ブラケ
ット板Ｂｍに締付けて固着される。

而して、両取付ボス１７．１８のブラケット板Ｂｍへの
締付は時、それらの製作誤作に起因して両取付ボス１７
．１８間に捩り力が働くと、中空突条１２がその力を吸
収して僅かに変形するだけで、シリンダ孔２の内壁には
歪みを生起させない。

次にマスクシリンダＭの作用を説明するに、ブレーキペ
ダルＰの踏込操作によりブツシュロッドＰｒを介して第
１、第２ピストン３，３′を前方（図では左方）に押動
したとき、逃し孔１０．１０’は各ピストン３，３′に
より閉じられ、各油圧室４，４′で発生する油圧はそれ
ぞれ対応するブレーキ油圧回路に伝達され、各ブレーキ
を作動することができる。

また第１および第２ピストン３，３′の後退時には、第
１、第２油圧室４，４′への作動油の補給が第１、第２
油溜室５ａ、５ｂから補給孔１１．１１’を通して行わ
れ、それらの過剰補給骨は逃し孔１０．１０’から第１
、第２油溜室５ａ、５ｂにそれぞれ戻されるが、」−記
機能は従来のものと変らない。

以上のように本考案によれば、マスクシリンダＭのシリ
ンダ本体１上側部に油溜５と、その基部よりシリンダ本
体先端に向って延び中心部に油溜５からシリンダ本体１
内の油圧室４′に至る油路１３をもつ中空突状１２とを
それぞれ一体に形成し、その中空突条１２の頂部に一体
に突設した取付ボス１７を車室前部壁板Ｗ前面のブラケ
ット板Ｂｍにボルト１９により結合して、シリンダ孔２
と取付ボス１７間に中空突条１２を介在させたので、ボ
ルト１９の締付けにより取付ボス１７に捩り力が加わっ
た場合、中空突条１２がその捩り力を吸収してシリンダ
孔２内壁の歪みを防止することができ、ピストン３，３
′を常に円滑に摺動させることができる。

しかも中空突条１２は、本来油溜５と油圧室４′間の油
路１３を形成するためのものであるからシリンダ本体１
の駄肉とはならず、シリンダ本体１に無用な重量増加を
招くこともない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示すもので、第１図は要
部を縦断した側面図、第２図は正面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の車室Ｒｐ外前部にマスクシリンダＭを配設する
   と共に、それのシリンダ本体１を車室Ｒｐの前部壁板Ｗ
   前面に突設したブラケット板Ｂｍに支持した、マスクシ
   リンダの取付装置において、前記シリンダ本体１の上側
   部に油溜５と、その基部よりシリンダ本体先端に向って
   延び中心部に前記油溜５からシリンダ本体１内の油圧室
   ４′に至る油路１３をもつ中空突条１２とをそれぞれ一
   体に形成し、その突条１２の頂部に一体に突設した取付
   ボス１７を前記ブラケット板Ｂｍにボルト１９により結
   合したことを特徴とする、自動車のマスクシリンダ取付
   装置。