JPS5917276B2 - ネジ型ガス圧縮機の吐出口の調節方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はネジ型ガス圧縮機の吐出口の調節方法に関する
ものである。

ネジ型ガス圧縮機はオス・メス一対のネジ型回転子の噛
み合いによりなるもので、所定のガス圧縮が行なわれた
後の圧縮ガスは、側板の定位置に設けられた吐出口と前
記一対のネジ型回転子の回転に伴い移動する吐出部分と
が連通ずる位置より吐出が行なわれ始めるものであって
、これは押バネで押えられた吐出弁を有する往復動圧縮
機がその内部の圧縮圧力と吐出側圧力との圧力差で自動
的に吐出弁を開閉作動する方式とは機能的に全く異なる
圧縮ガスの吐出方式である。

したがってネジ型ガス圧縮機の場合には、圧縮機内の吐
出時の圧縮圧力と吐出側圧力とが等圧になったときに始
めて吐出口の開口が常に行なわれることが理想的である
が、実際には行なわれ始め１ るとは限らない。

このために従来は、吐出側の側板に高、中、又は低の圧
縮比となるような吐出口を有する各種の圧縮機を予め用
意しておき、設計値に対してそれに適応した吐出口を有
する機種を前記圧縮機中より選択して使用することが行
なわれている。

然しこのような従来方式では、初期設計値に対して運転
条件が適合している場合はよいが、冷媒圧縮機の運転の
ような場合には、負荷の大小、季節の気温などの影響で
吐出圧力が影響されるし、また後日設計変更などが生じ
た場合には吐出口がこれに適応できなくなり効率の悪い
圧縮機の運転を余儀なくされていた。

また、前記の従来技術の欠点を解消するため、ロータケ
ーシングの吐出側に固定ピース、調節ビススライドピー
ス、差圧検出器等を有する吐出口の開口度調節機構を設
け、該機構を負荷に応じて自動的に調節するようにした
調節方法が知られているが（特開昭５４−２４３０５号
公報）、その構造が複雑でその製作費も高くなる。

本発明は前記従来技術の欠点を解消し、きわめて簡単な
一部構成の変更調節によって各種の用途に適用でき、実
用上良好な運転状態を確保できるようにしたものであっ
て、オス・メヌ一対のネジ型回転子の噛み合いよりなる
ネジ型ガス圧縮機の回転子軸に直角の側板に設けられ一
対のネジ型回転子の歯の谷部の軌跡の円弧とこれよりは
大きくケーシングの内部半径よりは小さい＆とにより囲
まれた２つの帯状円弧が頂部で結合して形成される２つ
の脚部を有するΔ型形状からなる吐出口に適宜の大きさ
の閉塞板を交換設置して該吐出口の開口度を調節するも
のである。

次に、本発明を実施例に基づいて説明する。

第１図ないし第５図において、１はネジ型ガス圧縮機の
オス型回転子、２はメス型回転子、３はケーシング、４
は吸入側、５は吐出側、６は回転子軸に直角の側板、１
１は一対のネジ型回転子歯の谷部の軌跡の円弧、１２は
この円弧１１よりは大きくケーシング３の内部半径より
は小さな円弧、１６．１７は例えば半径方向の直線から
なる端縁で、メス側のこれらの線１１，１２，１６およ
びオス側のこれらの線１１，１２，１７でそれぞれ囲ま
れた２つの帯状円弧１４，１５を頂部の結合部１３で結
合してΔ型の形状の吐出口１８が形成される。

該吐出口１８は第５図のように側板６に設けられるもの
であって、１９，２０は該吐出口１８の２つの帯状円弧
１４，１５の一部を構成する左右２つの脚部である。

端縁１６，１７は半径方向の直線からなってもよいとし
たが、その輪郭を第３図及び第４図のようにネジ型回転
子の吐出側端面における回転方向に対する「歯型の後退
輪郭」とそれぞれ一致させれば効率がよくなる。

一対のオス・メスロータの回動に伴い移動する吐出部と
吐出口とが連通し始める位置と吐出側圧力と圧縮機内の
圧縮圧力とが等圧になる位置で開口し連通ずることが理
想であるがこの場合に前記のように輪郭を一致させると
理想的となり効率がよくなるものである。

前記のように形成した吐出口１８は幾何学的にも単純な
形状であり、その形状からみて加工もきわめて容易であ
る。

該吐出口１８は噛み合わされた一対のオス・メスネジ型
回転子の吐出部の回転に伴い吐出開始より吐出完了の最
終圧縮角度まで互いに連通しているもので、運転条件に
適合した任意の圧縮比を得るためには、Δ型の吐出口１
８の左右の脚部１９，２０の側より頂部の結合部１３に
向ってオス・メスロータの歯数の逆数比の割合の大きさ
で閉塞するよう順次寸法を異にした複数組の閉塞板２１
，２３又は閉塞板２２，２４等を交換取付けすればよい
。

閉塞板２１，２２のそれぞれの端縁の曲線を、メス型の
回転子の吐出側端面における回転方向に対する［メス歯
型の後退輪郭」と一致させ、閉塞板２３．２４のそれぞ
れの端縁の曲線を、オス型の回転子の吐出側端面におけ
る回転方向に対する［オス歯型の後退輪郭と一致させれ
ば前記のように効率がよくなる。

前記の閉塞板は必要数の組を予め用意しておくことによ
りその目的を達成することができる。

第４図から分るように吐出口１８は段付の拡大部を有し
ており、ここに鍔２９を有する閉塞板２３又は２４を嵌
合して適宜の手段で固定する。

前記の実施例についての説明から明らかなように、本発
明によれば、鍔付の閉塞板を段付の拡大部を有する吐出
口に嵌合により交換取付けすることにより運転条件に常
に適合したガス圧縮機の圧縮比を簡単に得ることができ
るので、ガス圧縮機の効率を上昇させ運転動力の浪費を
なくすることができる。

また圧縮機製作において吐出゛口形状を異にした各機種
を用意する必要もなく、運転条件の変更に伴って圧縮機
の据付替えなどの煩わしさも除くことができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法に使用されるネジ型ガス圧縮機の
部分的断面図、第２図は本発明の方法に使用される実施
例（閉塞板は省略）の第１図Ａ−Ａ線断面図、第３図は
第２図の吐出口近傍における説明用の部分的詳細図、第
４図は前記実施例の吐出口及びその閉塞板の正面図、第
５図は第３図のＢ−Ｂ線断面図である。 １・・・・・・オス型回転子、２・・・・・・メス型回
転子、６・・・・・・側板、１１，１２・・・・・・円
弧、１３・・・・・・結合部、１４．１５・・・・・・
帯状円弧、１８・・・・・・吐出口、１９゜２０・・・
・・・脚部、２１，２２，２３，２４・・・・・・吐出
口調節板としての閉塞板、２９・・・・・・鍔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ オス・メス一対のネジ型回転子の噛み合いよりなる
   ネジ型ガス圧縮機の回転子軸に直角の側板に設けられか
   つ一対のネジ型回転子の歯の谷部の軌跡の円弧とこれよ
   りは大きくケーシングの内部半径よりは小さな円弧とに
   より囲まれた２つの帯状円弧が頂部で結合して形成され
   る２つの脚部を有する△型形状からなる吐出口の大きさ
   を、運転条件の圧縮比に対応して調節するにあたり、吐
   出口の前記２つの脚部を該脚部の端部から前記頂部の結
   合部に向ってオス・メスロータの歯数の逆数比の割合の
   大きさで閉塞する鍔付の閉塞板の組を寸法を異にして複
   数組用意し、これらの組の内の何れかの組を段付の拡大
   部を有する前記吐出口に交換して取付けることにより調
   節することを特徴とするネジ型ガス圧縮機の吐出口の調
   節方法。