JPS5916796Y2 - ロ−タリ−キルン内張り炉材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はロータリーキルン内張り炉材に関する。

セメントロータリーキルンをはじめ、各種回転炉におい
ては、炉の鉄皮からの熱放散を低減するため種々の対策
が採られている。

上記対策としては、周知のように鉄皮側に低熱伝導性炉
材を配設した２層巻き方式、煉瓦の鉄皮側を低熱伝導性
物質とした同時製造からなる２層煉瓦（いわゆるぼかし
煉瓦）方式、煉瓦の鉄皮側に窪みを設け、この窪みに無
機繊維等の低熱伝導性物質を貼りつけた、いわゆる下駄
ばき形状の方式、および耐用性を加味した多孔質の直接
内張り煉瓦方式等がある。

本考案においては、上記下駄ばき方式の内張り炉材の改
良に関するものである。

従来のこの種の内張り炉材として用いられる内張り煉瓦
は、第１図および第２図に示すように、断面くさび状を
なすせり形のもの、あるいは側面形状が扇形をなすもの
であるが、下駄ばき方式による内張り煉瓦は、第３図お
よび第４図に示すように、煉瓦本体１の鉄皮側の面２の
両端に脚部３゜３を突出してその間に窪み４を形成し、
この窪み４に無機質繊維等の低熱伝導性物質からなる断
熱材５を貼りつけた構造となっている。

ところで、上記の内張り炉材を用いて断熱効果を増大さ
せるためには、前記窪み４の深さを大きくして断熱材５
の占める容積を増加させる必要があるが、前記第３図お
よび第４図示の従来の下駄ばき方式の内張り炉材の場合
、窪み４の容積を増すためには脚部３，３の高さＨを大
きくしなければならない。

しかしながら、ロータリーキルンの内張り炉材において
は、周知のように運転中に鉄皮から曲げくや捩れ歪等の
機械的応力を連続的に受けるばかりでなく、慣性により
鉄皮間の滑りを生じやすく、これらが原因となって強度
劣化や破損を生じやすいものとなる。

したがって従来の下駄ばき方式の内張り炉材では、脚部
３，３の高さＨには限界があり、一般的には使用中の破
損を考慮して、脚部３，３の高さＨを１０〜２０ｍ／ｍ
として実用に供されている。

また、上記脚部３，３の高さＨを大きくするためには、
脚部３，３の厚さＴを厚くする必要があり、脚部３，３
の高さと断熱効果とは必ずしも比例関係にはならないも
のであった。

しかし、下駄ばき方式の内張り炉材は、本質的に上記の
制約を有してはいても、前記窪み４に熱伝導率のきわめ
て小さい断熱材を使用し得ることから断熱効果に優れる
利点がある。

本考案はこれに鑑み、上記従来の下駄ばき方式の内張り
炉材を改良し、一層断熱効果の向上を図ったロータリー
キルン内張り炉材を提供することを目的としてなされた
もので゛ある。

以下、本考案を第５図乃至第１０図に示す実施例を参照
し、第３図および第４図と共通する部分には同一符号を
用いて説明する。

第５図および第６図に示す実施例は、煉瓦製の炉材本体
１の鉄皮側の面２０両端に形成される脚部３，３間の窪
み４内に、該脚部３，３の高さより低く脚部３，３の巾
Ｂよりも狭い凸部６が脚部３．３の内側面に連続して一
体に形成され、この凸部６の両側に形成される窪み４ａ
および上面の全体乃至はその一部に無機質繊維等の低熱
伝導性物質からなる断熱材５が貼りつけ等の手段により
充填されてなるものである。

上記実施例の炉材本体１の形状によれば、脚部３．３間
に形成される窪み４に該脚部３，３の内側面に連続する
凸部６が設けられることにより脚部３，３の補強となり
、したがって炉材本体１の側面における窪み４ａの深さ
を従来のものに比し脚部３，３の強度を損なうことなく
大巾に増すことができる。

なお、上記凸部６は、窪み４の深さに応じその断面およ
び鉄皮に対する間隔を任意に選択することができる。

またこの凸部６の断面形状は図示の角形状に限らず、他
に半円形状等適宜な形状を選択することができる。

いずれにしても、上記の炉材本体１の構造によって生じ
る断熱材充填空間の容積が従来のものに比し大巾に増加
するため、断熱性を著しく高めることが可能となる。

上記実施例における炉材本体１の形状による断熱材充填
空間容積を、ちなみにキルン軸方向寸法２３０ ｍ／ｍ
、厚さ寸法２００ ｍ／ｍ、鉄皮側巾寸法１００ｍ／ｍ
、加熱面側巾寸法９Ｑ ｍ／ｍのアーチ形状とした場合
で比較すると、脚部３，３の軸方向長さを各々４０ｍ／
ｍ、窪み４の深さく脚部３，３ノ高さＨ）を１５ｍ／ｍ
とする一般形状の容積が２２５ ＣＩＩ＋３であるのに
対し、上記実施例において窪み４の深さを４５ｍ／ｍ拡
大して６０ｍ／ｍとし、凸部６の各辺の長さをいずれも
４５ｍ／ｍとしたときの空間容積は約５８３ｃｍ３とな
り、従来形状に比し約２．６倍に増加し、それだけ断熱
材５の充填容積が増して断熱効果を高めることができる
。

第７図乃至第１０図には前記実施例における脚部３，３
の上面、あるいは凸部６の上面に凹部７を設け、前記空
間容積をさらに増加させるようにした実施例であり、窪
み４および凹部７に断熱材５を貼りつけ等により充填し
たものである。

この実施例によれば、脚部３，３の強度を減することな
く断熱材５の充填量をさらに増すことができ、一層断熱
効果を高めることができる。

以上説明したように、本考案は、炉材本体の鉄皮側とな
る面の両端に脚部を突設してその間に窪みを形成し、こ
の窪みの加熱面側を削落して前記両脚部の内側面に連続
しかつ脚部の巾よりも小さく鉄皮に直接接触しない凸部
を一体に形成し、これら脚部および凸部により形成され
る空間部分の全部または一部に無機質繊維等の低熱伝導
性物質を充填した構成としたので、従来のこの種の内張
り炉材に比し上記低熱伝導性物質の充填量を著しく増大
することができ、断熱効果を大巾に向上することができ
る。

また脚部間に凸部がこれと一体に設けられているので、
前述のように低熱伝導性物質の充填量が増すにもか・わ
らず脚部の強度を損なうことがなく、脚部の厚みを増大
させる必要もないなどの種々の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は内張り煉瓦の一般形状を示す斜視
図で、第１図はくさび形（せり形）、第２図は扇形であ
り、第３図および゛第４図は第１図、第２図の内張り煉
瓦に断熱構造を施した従来例の斜視図、第５図および゛
第６図は本考案による内張り炉材の一実施例を示す斜視
図、第７図は同他の変形例を示す斜視図、第８図は同断
面図、第９図および第１０図はさらに他の変形例を示す
斜視図である。 １・・・炉材本体、２・・・鉄皮側の面、３・・・脚部
、４゜４ａ・・・窪み、５・・・断熱材、６・・・凸部
、７・・・凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内張り炉材本体の鉄皮側となる面の両端に脚部を突設し
   てその間に窪みを形威し、この窪みの加熱面側を所要深
   さに削落して前記両脚部に連続しかつ脚部の巾よりも小
   さく鉄皮に直接接触しない凸部を一体に形威し、これら
   脚部および凸部により形成される空間部分の全部または
   一部に無機質維持等の低熱伝導性物質を充填してなるロ
   ータリーキルン内張り炉材。