JPH0347608Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、ポリープまたは細胞塊の採取装置に
関するものである。

「従来の技術および考案が解決しようとする課
題」 医療において内視鏡検査、特に大腸フアイバー
内視鏡検査を施工するにあたり、ポリープなどは
癌発生の有無を知るため、内視鏡下でポリープな
どの切除およびその採取が行われている。

この折、内視鏡尖端の吸引孔よりポリープなど
が吸引されてしまうことがあり、吸引されてしま
うと浣腸液や便汁や洗浄水など種々なものが溜ま
つた吸引ビンに入るためその中からポリープなど
を捜し出すのは大変で、ガーゼで濾過して捜した
りするが、これは不潔であり、また、悪臭に悩ま
される。その上、ウイルスなどの汚染、感染の虞
もある。また捜し出せてもポリープなどを採取す
る際、ポリープなどが衝突し組織が破壊されてい
たり変性していて検査標本にならないことがあ
る。

また、現在の内視鏡検査時に使用できる採取用
器具ではポリープなどを１個採取する度に内視鏡
を人体外に取り出すのが通常である。大腸への内
視鏡の挿入は肛門からなされるものであるが簡単
な場合で10分間、挿入が困難な場合は２時間以上
を要し患者の苦痛を伴うものである。ポリープな
どが良性のものか悪性のものであるかを判断する
ため検査せねばならず、大腸ポリープの多発する
ような疾患においては、その採取のため何度も人
体内へ内視鏡を挿入するのは患者の苦痛も大き
く、しかも長時間を要する。

「課題を解決するための手段」 そこで、本考案は、上記の事情に鑑み、内視鏡
の吸引孔より吸引できたポリープなどの細胞組織
を破壊することなく充分病理組織学的検査に耐え
得る状態での採取装置を提供しようとするもので
ある。

「作用」 ポリープなどを採取する際は、内視鏡の吸引流
路で吸引し採取器に捕集する。

「実施例」 第１図において、ポリープまたは細胞塊の採取
器１は、上流管２と下流管３とによりなり、上流
管２と下流管３との連結部でポリープなどを捕集
する。上流管２および下流管３はポリープなどを
見易くするため透明体とする。上流管２の上流端
は内視鏡の吸引流路に差し込みポリープなどが引
つ掛からないように若干膨らませた受け入れ部４
に形成し、上流管２の下流端はポリープなどが破
壊されるのを防ぐため吸引力が弱まるように大径
に膨らませて減速室５を形成する。下流管３の上
流端は前記上流管２の下流端の減速室５に内嵌め
状に嵌合できるように大径に膨らませて連結室６
を形成し連結室６の上流端面にポリープなどが通
過できない網目の大きさで洗浄可能なネツト７を
張る。さらにガーゼなどのネツト７と同様にポリ
ープなどを採取できるフイルター８をネツト７に
当て下流管３の連結室６の外周面と上流管２の下
流端の減速室５の内周面との間で挾み込むことも
可能とする。下流管３の減速室５と上流管２の連
結室６との嵌合部は十分吸引できるように密封構
造とする。下流管３の下流端は吸引流路に直接差
し込めるように細径の差し込み部９に形成する。
上流管２および下流管３はプラスチツク、ガラ
ス、その他の材料で構成し、剛体とするか可撓体
とするかは必要に応じて選定できる。

この採取器１を内視鏡の吸引流路に、その上流
管２の受け入れ部４と下流管３の差し込み部９と
をそれぞれ差し込んで装着する。内視鏡尖端の吸
引孔より吸引されたポリープなどは上流管２の受
け入れ部４より流入し上流管２の下流端側の減速
室５で速度を落としてネツト７もしくはガーゼな
ど８＋ネツト７に当てる。上流管２の減速室５と
下流管３の連結室６とを外してネツト７もしくは
ガーゼなど８に付着しているポリープなどを取り
出す。下流管３の連結室６端面に新たなガーゼな
ど８を当てるか、それを使用しないかを選択し下
流管３と上流管２とで挾み込み、別のポリープな
どを採取できるようにする。このようにポリープ
などの付着したガーゼなど８を使用した場合ポリ
ープなどの採取が一層容易であるので、ポリープ
などの採取を短時間に行える。

上流管２および下流管３のチユーブ状部分を金
属あるいはプラスチツクなどの把持具で把持させ
たりしてこの採取器１を密封でき、デイスポーザ
ルタイプとしての使用が可能である。

従来のポリープなどをピンセツトなどで直接採
取して病理学的検査などを行うもよりも、採取器
１を用いる方が、細菌、ウイルスなどの汚染、感
染の機会が減少する。

また、上流管２および下流管３のチユーブ状部
分を注射器を差し込める内径に形成するか、注射
針の刺入できる物質で形成し、ホルムアルデハイ
ドなどの薬液を注入し病理学的検査容器とするこ
とができる。この際、採取器１にペンなどで氏
名、番号、曜日などを記入可能にするか、あるい
はこれらの事項を記載したラベルを貼り付け、そ
のまま病理学検査などの容器として使用できる。
第２図は、バイパス形式のポリープまたは細胞塊
の採取器１１であつて、ポリープなどの採取時に
内視鏡検査に必要な吸引力を中断することなく使
用できるようにしたものである。

吸引管１２にはポリープなどを捕集する分岐管
１３を設ける。分岐管１３は上流分岐管１４と下
流分岐管１５とよりなり、上流分岐管１４の下流
端を大径に膨らませて減速室１６を形成し、下流
分岐管１５の上流端を前記減速室１６に内嵌め状
に嵌合する連結室１７に形成し、連結室１７の上
流端面にネツト１８を張る。ガーゼなど１９をネ
ツト１８に当て連結室１７の外周面と減速室１６
の内周面との間で挾み込む。減速室１６と連結室
１７との嵌合部は密封構造とする。吸引管１２と
上流分岐管１４との合流箇所に三方括栓あるいは
吸引管１２の前記合流箇所のすぐ下流箇所（符号
２０で示す箇所）および上流分岐管１４の前記合
流箇所のすぐ下流箇所（符号２１で示す箇所）に
流路を塞ぐクランプなどを使用する。また、吸引
管１２の上流端は若干大径に膨らませた受け入れ
部２２に形成し、下流端は細径の差し込み部２３
に形成する。下流分岐管１５の下流端の吸引管１
２との接続部分は吸引管１２の吸引力が弱まるの
を避けるため細径部２４に形成する。

ポリープなどを採取する時は、三方括栓あるい
はクランプなどの使用により分岐管１３に流入さ
せる。ポリープなどの採取は前記実施例の場合と
同様に行う。

「考案の効果」 本考案は、上述のように、内視鏡の吸引流路に
ポリープまたは細胞塊などの採取器を接続したの
で、ポリープなどを体外に取り出すのに内視鏡を
何回も体内に挿入するようなことはなく、内視鏡
の吸引流路を通れる大きさのポリープなどの場合
１回挿入したままでポリープなどを採取するので
患者にできるだけ苦痛を与えずにすむ。また、ポ
リープなどの標本が簡単に採集できる。その上、
ポリープなどの採取器を吸引流路に着脱自在に設
けているので、デイスポーザルタイプとしても使
用でき、また細菌ウイルスなどの感染を減少でき
る。

本考案は採取器を構成する上流管および下流管
が透明体で構成されているので採取器内に収容さ
れたポリープや細胞塊の外観が分りポリープの性
状や数が容易に判定できる。また、本考案は上流
管および下流管のチユーブ状部分を注射器を差し
込める内径に形成し、注射針の刺入できる物質で
形成したので、ホルムアルデヒドなどの薬液を注
入し病理学的検査容器とするとこができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の具体的一実施例の内視鏡の吸
引流路に取付ける採取器の断面図、第２図はバイ
パスタイプの採取器の断面図である。 １，１１……ポリープまたは細胞塊の採取器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 透明上流管２の上流端を若干膨らませた受け
   入れ部４に形成し、上流管２の下流端を大径に
   膨らませて減速室５に形成し、透明下流管３の
   上流端は前記上流管２の下流端の減速室５に内
   嵌め状に嵌合できるように膨らませて連結室６
   を形成し、下流管３の下流端は細径の差し込み
   部９に形成し、連結室６の上流端面にポリープ
   が通過できない大きさの網目のネツト７を張設
   し、ネツト７にフイルター８を当て下流管３の
   連結室６の外周面と上流管２の下流端の減速室
   ５の内周面との間で挟み込むようにしてなるポ
   リープまたは細胞塊の採取器１を、内視鏡の吸
   引流路に接続してなるポリープまたは細胞塊の
   採取装置。 (2) 上流管２および下流管３のチユーブ状部分を
   注射器に差し込める内径に形成した請求項第１
   項記載のポリープまたは細胞塊の採取装置。