JPS5916655Y2 - ガスバ−ナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、強制通気式の湯沸器や風呂釜等に用いられる
ブンゼン式の高負荷燃焼を行なわせることができるガス
バーナに関するものである。

従来のこの種通気式バーナの炎孔部は、その性能上２強
度上および製作上から、必要な炎孔深さをもつ固定式の
ものが多く慣用されている。

このものは炎孔深さを増す程炎孔部のガス通過抵抗が増
し、空気調節部からの一次空気の吸引は低下する。

従って、通常の通気式バーナは大燃焼能力にて最も良好
な燃焼を達成させるために、その炎孔幅を広くとるが、
炎孔数を増やすかして一次空気の吸引低下を防止する必
要があった。

またこの種のバーナでの高負荷燃焼において、送風機等
で二次空気が強制的に送気されている場合には、バーナ
端縁の火炎基部に剥離現象を生起し易く、そのため燃焼
開始時に隣接するバーナへの火移りが著しく悪くなると
いう問題がある。

さらに、複数個のスリット炎孔や円形炎孔等を設けたス
リット式バーナでは、長時間の使用において燃焼中での
熱的歪等により炎孔形状が変形することがあり、そのた
め炎孔幅が広がると逆火を起し、反対に炎孔幅が狭くな
ると一次空気の吸引量が低下して火炎中に炭素微粒子が
出る所謂イエローチッピングの不完全燃焼を生じ、良好
な高負荷燃焼が得られなくなるという問題がある。

本考案は、上述の如き従来ガスバーナの有する諸問題を
克服することができるガスバーナを提供せんとするもの
である。

以下、本考案ガスバーナの実施の一例を添付図面により
説明する。

図において、ｍは扇形部分ａとそれに続く直立部分すが
形成されたバーナ本体で、プレス加工を施した二枚の成
形板を互に向き合うように、その上縁以外の周縁を溶着
または折曲加工などにて一体的に接合してなる中空構造
のものである。

上記バーナ本体ｍについて更に詳しく説明すると、該バ
ーナ本体ｍの面対称母材には、上方の前記扇形部分ａに
膨出せる混合気室１およびバーナヘッド２と、下方の前
記直立部分すにベルマウス３．混合管４をそれぞれ膨出
形成させ、前記混合管４の下端をバーナ支持板Ｃに固着
させて図示しないが一次空気調節部やノズルに対設する
ようにしている。

前記バーナヘッド２の上縁部には、両壁部５により複数
個（実施例は２個）に分割されて、前記バーナ本体ｍの
横長手方向に延びるほぼ矩形状のガス噴口６を形成せし
め、該ガス噴口６は前記混合気室１の上部空間部７と連
通されている。

更に前記ガス噴口６の基端部には、後述する炎口部材１
２が前記バーナヘッド２に着脱自在に摺動される横長手
沿いに延びた凹溝８を対向状に形成させている。

また前記混合管４の上方で前記混合気室１の中復部には
、前記混合管４の中心を中央とする逆三角形状の内向き
に突設した整流部９を設け、該整流部９内は狭窄したガ
ス流通路１０が形成されている。

また、前記ガス噴口６間の前記画壁部５に後述する上固
定杆１６が貫挿される小透孔１１が穿設されている。

更に前記バーナヘッド２の上縁部に、前記ガス噴口６の
全面を覆う長手寸法を有し、かつ前記ガス噴口６の両側
壁６ａ、６ｂの外面に左右いずれかの端部より着脱直往
に保谷される炎口部材１２を設け、該炎口部材１２は図
示するように断面が円形を呈して、その雨下端縁には装
着係止用の折曲縁を有し、装着の際には、その折曲縁を
前記凹溝８に摺動させ、前記ガス噴口６の上縁と密接さ
せるようにする。

また前記炎口部材１２の上面には前記ガス噴口６の出口
と合致する位置に複数個の長孔状の噴出孔１３が単列も
しくは複列（実施例は単列）開設されてあり、かつ該噴
出孔１３の下面には使用するガス種の燃焼速度に適した
炎孔負荷の面積を有するように少なくとも一枚もしくは
一枚以上を適宜に積み重ねた耐熱、耐蝕性素線よりなる
短冊状の金網を張設させ、それにより極小方眼状の炎孔
１４群を形成させる。

更に前記炎口部材１２の両縁部には、対向状に貫通せる
小透孔１５を前記画壁部５に設けた前記小透孔１１と合
致する位置に穿設している。

そして、前記ガス噴口６の上縁部に前記炎口部材１２を
装着して単位バーナ組立体を構成し、その単位バーナ組
立体を任意所要数適宜の間隔をおいて並列させ、その各
単位バーナ組立体の前記両生透孔１１と１５へ上固定杆
１６を串差し状に貫挿させて各単位バーナ組立体を固定
すると共に、前記上固定杆１６により後述のように隣設
せる単位バーナ組立体の点火炎からの火移りを助勢する
ようにする。

また下端部の前記ベルマウス３の両側の前記直立部分す
の適所に小透孔１１ ａを穿設し、その小透孔１１ ａ
に下固定杆１６ ａを貫挿させて各単位バーナ組立体の
下端部を固定せしめる。

なお、前記複数個の単位バーナ組立体の外周はほぼ中間
部を囲む如く枠状のバーナ保持金具ｄで固定され、バー
ナ群Ｍを一式として纒めている。

次に上記の構成よりなる本考案のガスバーナの作用を説
明する。

本考案に係るガスバーナは、第２図および第３図に示す
如く、混合管４の下部を止着したバーナ支持板Ｃの一次
空気調節部の前方にノズルを配設してガスを供給すると
、ガスはベルマウス３より混合管４内に噴出する。

この噴出ガスはエゼクタ−作用により一次空気調節部の
空気口から導入される空気と混合される（以下混合ガス
という）。

この混合管４を通った混合ガスは混合気室１を経て各ガ
ス噴口６に分配され、その出口の各炎孔１４群より噴出
する。

この噴出混合ガスを適宜の点火手段にてバーナ群山中の
予め所定したバーナの炎孔１４の上端に直接またはパイ
ロットバーナを介して点火し、その単位バーナ組立体を
燃焼させると、これに隣接する他の単位バーナ組立体に
順次にかつ確実に火移りが行なわれる。

即ち、第３図に示す如く、各単位バーナ組立体の間隙部
に露出せる上固定杆１６の所では、実線矢印の如く真す
ぐに上方に吹き上がる送風機からの送気の一部の流れが
上固定杆１６に当ってＹ字状に広がりつつ渦流を生じる
ため、先に着火されている単位バーナ組立体の火炎がそ
の渦流の影響で隣設するバーナ組立体の炎孔１４より噴
出する混合バスに接近し、かつ、混合ガスも同様に接近
するため、その部分のガスと空気の割合が燃焼し易い混
合気となり、これにより隣接する各バーナ組立体に確実
に着火される。

従って、上記のような着火作用が瞬時にそれぞれ順次連
鎖的に行なわれ、バーナ群Ｍは燃焼を始める。

ここでの渦流の炎孔部はバーナ群Ｍの炎孔１４群のほん
の一部のみ行なわれるのであるから、この部での火炎が
互に干渉してもバーナ全体として何等不完全燃焼を起す
には至らない。

以上述べたように、本考案のガスバーナによれが、次の
ような効果が得られる。

（１）本考案は、各バーナ本体のバーナヘッド部に全網
から成る適数個の炎孔群を設けた炎口部材を摺動的に装
着させ、かつその装着後、固定杆にて並列状に容易に固
定するコンパクトな構成としたので、従来のこの種の例
えばスリット炎孔式や円形炎孔式等のバーナの如き、バ
ーナ本体と炎孔部とが一体的に固定化したるものに比較
し、固定杆の貫挿、引き抜きにより主要部ρ炎口部材を
簡単に着脱することが可能となり、このため、供給ガス
の熱量変更や経年使用時での掃除または修理等の場合に
、炎口部材を極めて容易に着脱することができる。

（２）前記（１）で述べた如く、炎口部材をバーナヘッ
ドの画壁部に貫挿せる固定杆は、位置決めを行なう他に
、隣設せる各バーナ間の上固定杆の下端で一部の送気に
渦流を起させて炎孔噴出の混合ガスと空気を燃焼し易い
ように混合せしめると共に、その渦流作用にて点火炎を
着火させるべき隣設バーナ側へ接近させて火移りが迅速
かつ確実に行なわれるよう助勢するため、従来のこの種
のバーナの如き、送気域中における着火不良が解消され
る。

（３）前記（１）項で述べた如く、炎孔に金網を使用し
ているため、金網の積重数を変えることにより使用する
ガスの燃焼速度に適応する炎孔負荷に合わせることがで
き、これにより良好な高負荷燃焼が得られると共に、各
炎孔群に形成される火炎は相互に安定しているから、火
炎の逆火や不完全燃焼のない良好な燃焼を維持すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるガスバーナ本体の実施の一例を示
し、同図イは一部欠截正面図、同図口は側面図、同図ハ
は一部欠截上面図である。 第２図は第１図のガスバーナ本体を複数個横方向に並列
して一個の炎孔部材を取り外して成るガスバーナ一式の
斜視図、第３図は同バーナの要部である上方部分の垂直
方向の一部切断面図である。 １・・・・・・混合気室、２・・・・・・バーナヘッド
、３・・・・・・ベルマウス、４・・・・・・混合管、
５・・・・・・画壁部、６・・・・・・ガス噴口、６
ａ 、６ ｂ・・・・・・ガス噴口の両側壁、７・・・
・・・上部空間部、８・・・・・・凹溝、９・・・・・
・整流部、１０・・・・・・ガス流通路、１１．１５・
・・・・・小透孔、１２・・・・・・炎口部材、１３・
・・・・・噴出孔、１４・・・・・・炎孔、１６・・・
・・・上固定杆、１６ａ・・・・・・下固定杆、ａ・・
・・・・扇形部分、ｂ・・・・・・直立部分、Ｃ・・・
・・・バーナ支持板、ｄ・・・・・・バーナ保持金具、
Ｍ・・・・・・バーナ群。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス加工した二枚の成形板を接合させて、ベルマウス
   に連なる直立状の混合管と、該混合管に対しＴ字状を呈
   し中復部に整流部を有する混合気室と、画壁部により複
   数個に分割された略矩形状のガス噴口を有すると共にそ
   のガス噴口の基部両側壁に横長手方向に凹溝を設けたバ
   ーナヘッドとからなるバーナ本体を一体的に構威し、前
   記バーナ本体とは別に、前記ガス噴口の全部を覆い、各
   々のガス噴口に対応する上面に複数個の長孔状の噴出口
   を開設すると共にその噴出口の下面に任意所要数の金網
   を張設した炎口部材を構成し、該炎口部材の両側下縁に
   前記バーナヘッドの凹溝と係合する折曲縁を形威し、そ
   の折曲縁を前記凹溝に係合させて前記炎口部材をバーナ
   ヘッドに長手方向から着脱自在に装着させて単位バーナ
   組立体とし、該単位バーナ組立体を適宜の間隙をおいて
   複数個所並列させ、その各単位バーナ組立体の前記画壁
   部に前記炎口部材を固定すると共に各単位バーナ組立体
   間の火移り促進手段を兼ねる固定杆を貫挿させたことを
   特徴とするガスバーナ。