JPS5916492Y2 - 内燃機関用弁・弁座潤滑装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関の弁・弁座潤滑装置に係り、特にテ゛
イーゼル機関（以下単に機関云う）の吸気弁・弁座の潤
滑装置に関するものである。

従来機関の吸気弁・弁座の摩耗は、弁腕室から弁棒と弁
案内との隙間を通ってくる微量の油で吸気弁・弁座を潤
滑して防止しようとしているが、その供給される油量が
少なく、また過給機関では吸気ブースト圧によって隙間
を通って落下してくる油が弁腕室の方へ吹きあげられて
潤滑が不十分となり異常摩耗が発生する。

そのため無過給機関の場合、ブローバイガスを吸気マニ
ホールドに吸わせて、その中に含まれているオイルミス
トを潤滑油として吸気弁・弁座に微量ながら給油し、過
給機関の場合、燃料弁からの漏油を直接かまたはチェッ
クバルブ等を用いて吸気マニホールドに吸わせ、吸気弁
・弁座に給油している。

上記の給油方法、特に過給機関の場合、高出力運転時の
み燃料弁からの燃料戻し油により潤滑を行なうためには
チェックバルブ等の装置が必要となり、また潤滑材も燃
料戻し油で潤滑するよりも耐荷重性能に富む潤滑油で潤
滑を行なう方が有利である。

本考案は上記の要望に対応するためになされたもので、
吸気弁座の上方またはマニホールド部に出口を有し且つ
シリンダヘッド外部に設けられた潤滑供給装置と潤滑油
滲出部材を介して連通ずる潤滑油通路をシリンダベッド
に穿設することにより、機関の給気弁・弁座を潤滑して
、吸気弁・弁座の耐久性を向上させ、また吸気弁・弁座
の材質の原価低減が可能となる内燃機関の弁・弁座潤滑
装置を提供することを目的とする。

本考案の一実施例を示す第１図及び第２図について説明
する。

１はシリンダヘッド２に固着された弁案内３の中を滑動
する弁棒４の先端に連らなる吸気弁、５は吸気ポート６
に穿設されたシリンダベッド弁座部７に嵌着された吸気
弁座である。

８は吸気弁座５の上方に出口８′を有し且つシリンダヘ
ッド２外部に設けられた潤滑油供給装置９と連通ずる潤
滑油通路で、該潤滑油供給装置９と入口８″との間に、
多孔質に形成した焼結金属または合成樹脂などから成る
潤滑油浸出部材１０が装着されている。

潤滑油浸出部材１０は、潤滑油通路８の人口８″に連通
ずるようシリンダヘッド２外側に穿設され、かつ内側に
螺設された固定孔１１にまず嵌入され、内部に油路１２
が設けられた潤滑油供給装置９の骨接ボルト１３を固定
孔１１に螺着することによリ、潤滑油通路８の入口８″
と潤滑油供給装置９との間に装着される。

１４は骨接ボルト１３の油路１２に連通する油路１２′
を内部に設けられた骨接手で、骨接ボルト１３を固定孔
１１に螺着して潤滑油浸出部材１０を装着するさいシリ
ンダヘッド２に固着される。

尚１５は骨接手１４とシリンダヘッド２及び骨接ポルＩ
〜１３のボルト頭部１３′との接する面に間挿されたパ
ツキンである。

本考案の一実施例は上記の構成なので、潤滑油または燃
料戻し油は、潤滑油供給装置９の油路１２’１２を通っ
て潤滑油浸出部材１０を滲出し、潤滑油通路８を経て吸
気弁１と吸気弁座５に供給されて両者を潤滑する。

この場合、潤滑油浸出部材１０は、潤滑油または燃料戻
し油を滲出させる程度の細孔を多数備えた板なので、両
者に含まれる寝汚やスラッジなどの固形不純物を除去す
るフィルターの役割も果している。

又潤滑油滲出部材１０の気孔率を適当に選択することに
より、吸気ポート６側に滲出する油量の制御や、ある一
定油圧以上になったとき滲出するよう気孔率及び気孔径
を選択して機関の高出力時（潤滑油圧が高くなっている
）のみ油が滲出するようにすることも可能である。

又潤滑油浸出部材１０は、シリンダヘッド２の固定孔１
１に骨接ボルト１３を螺着して装着されているので、取
り付け、取り外しが極めて容易である。

又無過給機関及び吸気ブースト圧のか・ろ過給機関のい
ずれかにおいても適用できる。

又潤滑油滲出部材１０はシリンダヘッド２の比較的低温
箇所に嵌着されているので多孔質合成樹脂の使用を可能
にした。

上記の一実施例において、潤滑油通路８の出口８′を吸
気弁座５の上方に設けたが、吸気ポート６の他の箇所或
いはマニホールド部であっても良い 本考案はシリンダヘッド外側に設けられた固定孔に嵌着
された潤滑油供給装置と、該固定孔とマニホールド部と
を連通ずる潤滑油通路と、該通路の入口で前記固定孔に
嵌着された潤滑油滲出部材とから成り、該潤滑油滲出部
材が多孔質に形成された焼結金属または合成樹脂で構成
されると共に、前記固定孔に装脱自在に嵌着されたこと
を特徴とする内燃機関用弁・弁座潤滑装置なので次の効
果を奏する。

（１）吸気弁・弁座が確実に潤滑されるので、吸気弁・
弁座の耐久性が向上する。

（２）吸気弁・弁座の耐久性が増すので従来高級な金属
を使用している吸気弁・弁座を安材質を安価な金属材料
に変換できるので、吸気弁・弁座の製造原価低減ができ
る。

（３）チェックバルブ等の装置なしに、過給機関の高出
力運転時のみ吸気弁・弁座の潤滑油の供給ができ、機関
の運転効率を高めることができる。

（４）潤滑油滲出部材は、潤滑油のフィルターとして作
動し、固形不純物を除去するので吸気弁・弁座の潤滑を
円滑に行なわせる。

（５）潤滑油滲出部材は取換えが容易なので、常に正常
な機能を保持できるため、吸気弁・弁座の作動を円滑に
行なわせしめる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部縦断面図、第２図
はＡ部拡大断面図である。 ２・・・シリンダヘッド、８・・・潤滑油通路、８′・
・・入口、９・・・潤滑油供給装置、１０・・・潤滑油
滲出部材、１１・・・固定孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダヘッド外側に設けられた固定孔に嵌着された潤
   滑油供給装置と、該固定孔とマニホールド部とを連通ず
   る潤滑油通路と、該通路の入口で前記固定孔に嵌着され
   た潤滑油滲出部材とから成り、該潤滑油滲出部材が多孔
   質に形成された焼結金属または合成樹脂で構成されると
   共に、前記固定孔に装脱自在に嵌着されたことを特徴と
   する内燃機関用弁・弁座潤滑装置。