JPS5916310Y2 - 紙葉収納箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は紙葉収納箱に関し、特に立位状態で収納された
紙葉類を取出し装置により１枚ずつ分離して取り出すの
に適した紙葉収納箱に関する。

紙葉を収納箱から１枚ずつ分離して取り出し、搬送路に
供給するようにした従来の紙葉供給装置の概略を第１図
に示す。

図において、紙葉２は収納箱１に収納され、押圧板３の
バネ３′の力により吸着口４の方へ押し付けられている
。

吸着口４により紙葉２は１枚ずつ吸着され、吸着軸５の
揺動運動により分離される。

吸着軸が一定角度だけ回転すると、これと同期して回転
するかみ込みローラ７に紙葉２が受は渡され、搬送路８
へ送り出される。

紙葉２を収納箱１に装填するときは、押圧板３を後へ引
き、前ストッパ６との間に紙葉を入れる。

この場合、装填する前の紙葉の揃え方、あるいは装填時
の紙葉の入れ方により、第２図ａに示すように紙葉の両
サイドが不揃いになる場合がある。

特に上記紙葉が現金自動支払装置の支払紙幣である場合
には、折り目や曲りぐせのあるもの、新券と流通券の如
く腰の強さに違いがあるもの等、種々雑多なものが含ま
れるため、紙幣を収納箱に装填する時に、両サイドを均
一に揃えることは難かしい。

収納箱に不揃のまま紙葉が収納されると、収納箱１の側
壁に接触した紙葉には摩擦抵抗が働き、背後から押圧板
で押しても紙葉が吸着口まで到達することができず搬送
路に供給されないという不都合が生じる。

また、吸着口まで到達できた場合でも、第３図に示すよ
うに、吸着軸５が回転運動したとき、側壁に接して抵抗
を受ける側では紙葉が吸着軸５の回転に追従できず、収
納箱１から出おくれることがある。

この場合、かみ込みローラ７に紙葉が受は渡される時に
、かみ込みローラ７とのタイミスグが狂い、かみ込みロ
ーラ７の先端で紙葉が折り曲げられた状態で搬送路８へ
送り込まれる。

紙葉が収納箱の途中に停滞し吸着口がから振り動作をす
る前者の場合には、分離動作異状として検出され装置全
体が停止することになる。

また、紙葉に折れが発生する後者の場合は、折れた紙葉
が、搬送路途中にある紙葉ガイドに衝突してジャムを誘
発したり、あるいは搬送路終端にある紙葉堆積箱でジャ
ムを起す可能性が強い。

上記問題を解決するためには、例えば収納箱の幅を紙葉
幅よりも広くすることにより紙葉の両端が収納箱の側壁
に接触しないようにすればよいが、この方法では収納箱
の大きさが大きくなること、また紙葉を装填するとき必
ずしも両側壁の中央部に紙葉が収納できるという保障は
なく、単に収納箱の幅を広げるだけでは問題点の解決に
はならないことは明らかで゛ある。

本考案はこれらの問題点に鑑み、収納箱に装填された時
の紙葉状態にかかわりなく、紙葉の分離、供給動作が確
実に行なわれる紙葉収納箱の提供を目的とする。

この目的を達成するために、本考案では紙葉収納箱の側
壁が部分的に紙葉をガイドするよう収納箱側壁に突起状
の紙葉ガイドを設けることにより、側壁からの抵抗をで
きるだけ少なくし、紙葉取出し口に近い一定領域まで案
内された後は上記紙葉ガイドから解放されて側面からの
抵抗を全く受けない状態で紙葉が取り出し装置に対向で
きるようにしたことを特徴とする。

以下本考案の詳細を第４図ａ、ｂに示す実施例によって
説明する。

第４図ａに示すように、本考案による紙葉収納箱１は、
取り出し口１０から離間したＡ領域に、第４図すに示す
ように側壁１１より突起して紙葉２の両端に部分的に接
触しうる紙葉ガイド９を設け、取り出し口近傍のＢ領域
では上記紙葉ガイド９が途切れるようにしである。

紙葉を収納箱に装填するときは、押圧板３を引いてＡ領
域で紙葉を装填する。

Ａ領域では左右に紙葉ガイド９があるため、はぼこれに
ならって紙葉が装填され、第２図ａで示した従来とほぼ
同じ状態になるが、従来と異なり各紙葉の両端は突起状
の紙葉ガイド９と部分的に接触するため、側壁から受け
る抵抗は極めて小さくなっている。

また、上記紙葉ガイド９を紙葉の腰が比較的弱くなる紙
葉の上端に近い位置に設けることにより、さらに抵抗を
少なくできる。

側壁との接触による摩擦抵抗が少なくなれば、押圧板３
からの押圧力は紙葉全面にほぼ一様に働くため、紙葉は
吸着口の前面ストッパ６に一定の圧力で押し付けられる
ことになり、分離動作が確実になる。

Ａ領域で装填された紙葉は、Ａ領域からＢ領域に移った
とき、両端が側壁１１から離間した状態となる。

この場合、紙葉は押圧板３と前ストッパ６の間に挾まれ
ているので左右にずれることはない。

従って取り出し口に近いＢ領域では紙葉は両端からの抵
抗が全くなくなり、左右がバランスして吸着口に吸着さ
れるため、かみ込みローラ７とのタイミング遅れに起因
する紙葉先端の折れ曲がり現象は起らない。

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、収納
箱の側壁に突起状の紙葉ガイドを設けることにより側壁
からの抵抗をできるだけ少なくし、さらに一定領域をガ
イドされた後は、紙葉両端の接触抵抗を皆無にしている
ため、押圧板によって各紙葉を取り出し口に確実に押し
出すことができ、従来装置の欠点であった紙葉を押し切
れず吸着口がから振りすることや、分離動作時に紙葉が
側壁からの抵抗を受は収納箱から出おくれで生じる紙葉
の先端折れを防ぎ、分離動作不良による装置停止や紙葉
ジャムを未然に防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は紙葉取り出し装置に装着された紙葉収納箱を示
す図、第２図ａは従来の紙葉収納箱の上面図、第２図す
は上記従来の紙葉収納箱の正面図、第３図は従来の紙葉
収納箱において側壁の抵抗により紙葉が出おくれた状態
を示す図、第４図ａは本考案による紙葉収納箱の一実施
例を示す収納箱上面図、第４図すはその正面図である。 １・・・・・・紙葉収納箱、２・・・・・・紙葉、３・
・・・・・押圧板、４・・・・・・吸着口、５・・・・
・・吸着軸、６・・・・・・前ストッパ、７・・・・・
・かみ込みローラ、８・・・・・・搬送路、９・・・・
・・紙葉ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 立位状態に収納した紙葉を背後から押圧し、前面部に設
   けた開口から紙葉取出し手段により１枚ずつ分離して取
   り出すようにした紙葉収納箱であって、収納箱の側壁内
   面に紙葉の両端と部分的に接触する突起状のガイドを設
   け、収納箱前面の開口近傍において上記ガイドが途切れ
   て紙葉両端が収納箱側壁と非接触の状態で紙葉取り出し
   手段に対向するようにしたことを特徴とする紙葉収納箱
   。