JPS5915636B2 - 安定なオキシダ−ゼ試薬溶液 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は安定なオキシダーゼ試薬溶液、さらに詳しくは
、ことに酵素、チトクロームオキシダーゼを生産するナ
イセリア属（Ｎｅ１ｓｓｅｒｉａ ）のコロニー確認に
有用な新規無水オキシダーゼ試薬溶液に関する。

ナイセリア・ゴノリア（Ｎｌｇｏｎｏｒｒｈｏｅａｅ
）またはナイセリア・メニンジチデス（Ｎｏｍｅｎ ｉ
−ｎｇｉｔｉｄｉｓ ）のようなナイセリア属のコロニ
ーの存在を確認するためにオキシダーゼ試薬溶液を用い
ることはよく知られている。

アメリカ合衆国公衆衛生局はナイセリア・ゴノリアの推
定および確定試験法を確立している。

推定試験は、ナイセリア・ゴノリア用の選択培地上で培
養した菌が典型的なコロニー形態を示すオキシダーゼ陽
性、ダラム陰性の双球菌として固定されることが必要で
ある。

さらに、確定試験は糖醗酵および／または蛍光抗体テス
トも行なう必要がある。

ナイセリア・ゴノリアの標準的な試験方法では、検体を
滅菌綿棒で採取する。

ついで、該綿棒の側面および先端を選択培地上に塗布す
る。

ナイセリア・ゴノリア培養に用いる代表的な固体培地は
ジエイ・イー・マーチン・ジュニアおよびエイ・レスタ
ー（Ｊ、Ｅ６Ｍａｒｔｉｎ Ｊｒ、およびＡ、Ｌｅｓｔ
−ｅｒ、Ｈ８ＭＨ８Ｈｅａｌｔｈ Ｒｅｐｏｒｔｓ、
８６巻、３０〜３３頁（１９７１年）〕により開示され
ている。

ついで、この培地を２４〜４８時間インキユベートシ、
コロニーの発育を検査する。

オキシダーゼテストに付して、酵素、チトクロームオキ
シダーゼの生産が判明すればナイセリア・ゴノリアコロ
ニーが存在する疑いがある。

オキシダーゼ陽性テスト反応は５〜３０秒間の暗紫色の
発色により見分ける。

培地を注意深く検査しても、何ら発育が認められない場
合は、培地全体にオキシダーゼ試薬を用いる。

これにより、見のがしてしまうような極めて小さいオキ
シダーゼ陽性コロニーが見えるようになる。

オキシダーゼ陽性コロニーの発育はナイセリア・ゴノリ
ア存在の信頼すべき予備的証拠となる。

陽性の確定は、該培地上の未処理コロニーまたはもう１
つ別の未処理培地をさらに、確定試験、すなわち、糖醗
酵および蛍光抗体テストに対して行なう。

ナイセリアのコロニーの存在確認用に従来市販されてい
るオキシダーゼ試薬はＮ、Ｎ、Ｎ’、マーテトラメチル
−ｐ−フェニレンジアミン・ジ塩酸塩の１係水性溶液か
らなる。

この溶液は非常に不安定である。

新たに調製したときは淡青色を呈するが、２〜３日で黒
色に変化し、該ジアミン塩が速やかに劣化するので、も
はやオキシダーゼの検出効力がなくなる。

このため、該市販試薬溶液は１日ごとに調製することが
推奨されている。

従来のオキシダーゼ試薬が不安定なゆえ、すぐに使用し
ない場合は、窒素雰囲気下、密封したガラス容器中で保
存することも推奨されている。

さらに、該試薬の青色は放置すると深まり、ナイセリア
菌に用いたときに得られる深紫色と拮抗し、検査員を混
乱させる。

しかして、本発明の目的は、比較的寿命の長い微生物コ
ロニー検出用の無色の安定なオキシダーゼ試薬を得るこ
とにある。

この本発明の新規なオキシダーゼ試薬組成物は思いもよ
らぬことに、従来のオキシダーゼ試薬にともなう安定性
の問題を克服できる。

本発明のオキシダーゼ試薬溶液は無色で安定である。

例えば、該試薬溶液は８週間もの間無色を保ち、すぐれ
た活性を保持する。

この溶液は滴下瓶中で保存でき、窒素雰囲気下での密封
は必要ない。

さらに、本発明の安定なオキシダーゼ試薬溶液はコロニ
ーと培地の間のきわめて良好なコントラストも与える。

無色の試薬溶液を採用することは試薬溶液の存在で暗紫
色に変化するコロニーを目で見て見分けることを容易に
する。

本発明の安定な無水オキシダーゼ試薬溶液はテトラメチ
ルまたはジメチル−ｐ−フェニレンジアミンのジメチル
スルホキシド溶液からなる。

このフェニレンジアミンは組成物全量中、約０．１〜１
．０係（重最多、以下同じ）存在させる。

好ましくは、該フェニレンジアミンは約０．２〜０．５
％存在させる。

もつとも有利には、本発明の安定な試薬溶液はＮ、Ｎ、
Ｎ’、Ｎ’−テトラメチル−ｐ−フェニレンジアミンを
含有する。

また、本発明には、該塩基と有機または無機酸との非毒
性の医薬上許容される付加塩も包含する。

該塩は公知の方法で容易に製造される。

該塩基を、アセトンまたはエタノールのような水相溶性
溶媒中で化学量論量の有機または無機酸と反応させ、濃
縮および冷却して該塩を単離するか、あるいはエチルエ
ーテルまたはクロロホルムのような水弁相溶性溶媒中過
剰の酸を用いて所望の塩を直接分離する。

有機酸との塩としては、マレイン酸、フマール酸、安息
香酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチ
ル酸、クエン酸、ステアリン酸またはパルミチン酸との
塩などが挙けられる。

無機酸との塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン
酸または硝酸との塩などが挙げられる。

これらの塩はまた、適当な塩の二重分解法のような公知
の古典的方法によっても製造できる。

つぎに実施例を挙げて本発明の組成物をさらに詳しく説
明する。

実施例 １ 該遊離塩基をジメチルスルホキシドに溶解して透明な無
色の溶液を得る。

該ジ塩酸塩をジメチルスルホキシドに溶解して透明な無
色の溶液を得る。

この塩基をジメチルスルホキシドに溶解する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 Ｉ Ｎ、Ｎ、Ｎ’、Ｎ’−テトラメチル−ｐ−フェニ
   レンジアミンまたはＮ、Ｎ−ジメチル−ｐ−フェニレン
   ジアミンまたはこれらの酸付加塩のジメチルスルホキシ
   ド溶液からなることを特徴とする微生物コロニー検出用
   の安定なオキシダーゼ試薬溶液。 ２ 該ジアミンがＮ、Ｎ、Ｎ’、Ｎ’−テトラメチル−
   ｐ−フェニレンジアミンである特許請求の範囲第１項の
   試薬溶液。 ３ 該ジアミンが約０．１〜０．５重最多存在する特許
   請求の範囲第２項の試薬溶液。 ４ 該ジアミンがジ塩酸塩として存在する特許請求の範
   囲第２項の試薬溶液。 ５ 該ジアミンがＮ、Ｎ−ジメチル−ｐ−フェニレンジ
   アミンである特許請求の範囲第１項の試薬溶液。