JPS5915593Y2 - 新、旧窓枠の結合装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、建造物基台に残存されている出窓枠に新窓
枠を嵌め入れて、新、旧窓枠相互を結合する装置の改良
に関する。

かなり以前に構築された建造物にあっては、周知のよう
に木製或いは鉄製の窓枠が取付けられている。

これら以前の窓枠は近時公害問題のひとつとしてクロー
ズアップされている騒音に対する防音能力が著しく低い
こと、および長年使用の結果雨水等の天然現象によって
腐朽化が進んでいることから、耐触性および気密性に秀
れたアルミニウム製の新窓枠に改装する時期にきている
。

この改装に際し、既設の出窓枠を建造物基台より除去す
ることなく残存せしめておき、この出窓枠に嵌め入れら
れるように枠組みされた新窓枠を前記出窓枠に嵌め入れ
、新、図画窓枠を結合具の介入により止ねし、溶接等し
て結合固定する改装手段が採用されている。

ところで、この改装に当り、出窓枠に新窓枠を嵌め入れ
た時、改装後の窓開口量を可及的に大にする必要性から
、出窓枠の内周と新窓枠の外周との間隔を可及的に小に
しなければならず、この狭小空間において結合具を介入
し、これを止着ねし、溶接等で固定することが非常に困
難であった。

この考案は出窓枠外周との間の間隙が狭小空間であって
も新、旧窓枠相互の結合作業を簡易となし、又強固な結
合状態を得ることのできる新、出窓枠の結合装置を提供
しようとするものであり、従ってその特徴とするところ
は、建造物基台より除去することなく残存させた既設の
出窓枠の内周面一部もしくは、前記出窓枠中に嵌め入れ
た新窓枠の外周一部のうち何れか一方に固定壁部を、他
方に切記固定壁部と間隔を置いて対向する軸をそれぞれ
直角に突設し、軸には回転結合子を該軸回りに回転自在
に備えるとともに、該回転結合子の外周面には軸より固
定壁部までの間隔よりも僅かに大きい距離をもつ壁接触
部と、前記間隔よりも距離をもって前記壁接触部と連続
する非接触部とを形成し、壁接触部は固定壁部に密着さ
せるとともに止着ねし等の固着手段で固定した点にある
。

以下、この考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は改装された窓を室内側より見た全体図を例示し
、第２図は第１図におけるＩＩ −ＩＩ線拡大断面図を
示しである。

第２図において、１は建造物基台、２は既設の旧窓枠の
上梓材である、旧窓枠は鉄製であって、建造物基台１よ
り除去されることなお残存せしめ、建造物基台１より露
出されている。

３は旧窓枠の上梓材２の内周側に溶接、止着ねじ７、ボ
ルト等の固着手段にて固着された鉄製の取付台板であり
、上梓材２の長手方向に所定間隔おきに固着される短尺
ものに構成される。

この取付台板３は平板基板４と、基板４の一端縁を上梓
材２の室外面に沿うよう立上げた立上片６と、他端縁を
下向きに直角に曲成した固定壁部６と、同基板４の中間
部に前記固定壁部６と間隔を置いて対向するよう下向き
に突設した固定壁部６とから成る。

８はアルミニウム製の新窓枠の上梓材であり、この新窓
枠は上、下枠材と１対の縦枠材とを旧窓枠内に嵌め入れ
可能に予め枠組みされている。

新窓枠の上梓材８の外周側上面にに鉄製のアンカー金具
９が適数個装着されている。

アンカー金具９は第４図に示す如く、基板１０の対向辺
に１対の掛止翼片１０ ａ、 １０ ｂを切込み等にて
形成し、基板１０の上面中央部には軸１１を直角に立設
するとともに、楕円形断面で中実状又は中空状の回転結
合子１２（図示例では中実状）を該軸回りに回転自在に
備えがある。

該回転結合子１２の外周面上における長径方向と直交す
る部分には第３図に示すように壁接触部１３を、短径方
向と直交する部分には非接触部１４をそれぞれ具有する
とともに、壁接触部１３と非接触部１４とは曲面で連或
しである。

回転結合子１２の断面長径方向の長さ、即ち相対向せる
壁接触部１３，１３間の長さは、上記取付台板３の固定
壁部６，６間の間隔よりも僅かに大きく設定しである。

即ち、この回転結合子１２の断面中央に位置する軸１１
と壁接触部１３との間の距離ａは、軸１１の固定壁部６
，６間の中央位置に配備したときその軸１１と固定壁部
６との間の間隔よりも僅かに大きくなるように設定しで
ある。

また非接触部１４と軸１１間の距離すは、軸１１を固定
壁部６゜６間の中央位置に配備したときその軸１１と固
定壁部６間の間隔よりも小さくなるように設定しである
。

上記アンカー金具９は新窓枠の上梓材８の上面に該枠材
長手方向全長にわたり形成しよ溝部１５に、金具９の掛
止翼片１０ ａ、 １０ ｂをこじ入れるように係合せ
しめて溝１５上方へ抜止め状にかつ溝長手方向に摺動自
在に適数個装着されるのである。

１６は室外側の外額縁材であって、アルミニウム材、プ
ラスチック材等を押出成形して断面概ね丁字形に形成さ
れている。

この外額縁材１６は窓枠の枠全長にわたる長さを有し、
化粧材、雨仕舞材となるウエヴ部１６ａの上半部を旧窓
枠の上梓材２室外側に添接させるとともに、脚部１６
ｂを室内側へ向けが突入させ、該脚部１６ｂを取付台板
３の基板４に止着ねし、リベット等の固着手段で固着し
である。

このように外額縁材１６を旧窓枠側に取付けた後、新窓
枠が上記アンカー金具９を取着した状態で旧窓枠に室内
側より嵌め入れられ、この新窓枠の上梓材８の室外側を
上記外額縁材１６のウェブ部１６ ａの下半部内側にバ
ッキング１７を介して密接させる。

この新窓枠を嵌め入れた状態で室内側よりアンカー金具
９を溝長手方向に摺動させて該金具９上の回転結合子１
２を取付台板３の固定壁部６と６間に位置せしめてから
、室内側より上梓材２，８間の間隙に差し込まれる回動
工具で前記回転結合子１２を掴持して回転させることに
より、結合子１２外周面の壁接触部１３を固定壁部６に
密接固定する。

この固定壁部６と回転結合子１２の壁接触部１３との密
着部分は止着ねしくタッピングねし）１８を固定壁部６
よりねじ込むことにより固定するか、あるいは溶接等の
適宜固着手段で確実に固定するのである。

なお、上記回転結合子１２の回転操作をし易くするため
に、回転結合子１２に回動工具の先端を引掛けることの
できる工具掛合部１９を回転結合子１２に設けておくこ
とが好ましい。

新窓枠と旧窓枠とが上記のように回転結合子１２および
固定壁部６をもって結合固着された後は、第２図の様に
旧窓枠の上梓材２と新窓枠の上梓材８との室内側に、概
ねコ字形断面の肉類縁取付板２２を取付け、アルミニウ
ム等の押出成形による同額縁材２３をその取付部２２の
室内側に止着ねし２４等の固着手段で固着して上梓材２
，８間の間隙を閉塞して室内側より見て見映えよく仕上
げる。

図例で示す同額縁材２３は上梓材２，８間の間隙寸法に
合わせて幅伸縮調整を可能とする上下１対の入れ子穴額
縁材２３ａ、２３ｂから成る。

上記のようにこの考案では旧態枠に新窓枠を嵌め入れた
後、旧態枠の上梓材２の内周側に突設した固定壁部６に
、新窓枠の上梓材８の外周側に軸１１回りに回転自在に
突設した回転結合子１２を回転させてその壁部接触部１
３を強く密着させるとともに、該密着部を止着ねし１８
等の固着手段で固定するものであるから、雨上枠材２，
８相互をきわめて強固に強固することができ、また、回
転結合子１２の回転操作および止着ねじ１８の締付けは
上梓材２，８間の間隙が狭小空間であっても可能である
ため、上記結合作業は簡易に行なうことができる。

なお、第５図に示すように上記回転結合子１２は旧態枠
の上梓材２の内周側の取付台板３に、固定壁部６は新窓
枠の上梓材８の外周側のアンカー金具９にそれぞれ設け
ることもできる。

上記回転結合子１２は第６図に示すように、概ね長方形
断面形状に形成してこの外周面に上記壁接触部１３と非
接触部１４を具有したものであってもよい。

上記実施例では回転結合子１２の外周面の二点、即ち相
対する壁接触部１３．１３が固定壁部６，６で挾持状に
密着固定できるように該固定壁部６を１対、設けである
が、第７図に示す様に固定壁部６を１つだけ設け、これ
に回転結合子１２の一点のみの壁接触部１３を密着固定
するようにしてもよい。

第７図においては外額縁材１６を新窓枠の上梓材８に一
体成形して、この新窓枠を室外側より旧態枠に嵌め入れ
るとともに、回転結合子１２が固定壁部６の位置に一致
するようにしである。

この嵌め入れ後、回転結合子１２を回転させて壁接触部
１３を固定壁部６に密着させ、その密着部を止着ねじ１
８又は溶接等で固定することは上記実施例の場合と同様
である。

また、同図では回転結合子１２を新窓枠の上梓材８の上
面に直接備えてアンカー金具９を省略してあぬ。

第８図および第９図はいずれも上記回転結合子の実施例
を示すもので、第８図に示す回転結合子１２は円形断面
に形成するとともに、偏心軸１１で回転自在に設けてあ
り、その外周面の偏心軸１１より最も遠い位置で上記距
離ａと等距離にある外周一部に壁接触部１３を具有し、
該接触部１３以外の外周面を非接触部１４としである。

第９図に示される回転結合子１２は概ね長方形断面に形
成するとともに、該断面の中央より一側に偏した位置を
軸１１で回転自在に設けて該軸１１より最も離れた位置
で上記距離ａと等距離にあるその外周一部を接触部１３
とし、該接触部１３以外の外周部を非接触部１４としで
ある。

なおこの考案は、上記実施例のように旧態枠の上梓材２
と新窓枠の上梓材８とを結合する場合に適用できるほか
、旧態枠の縦枠材と新窓枠の縦棒材相互を、又旧態枠の
下枠材と新窓枠の下枠材相互をそれぞれ結合する場合に
も同様に適用することができる。

この考案は以上の通りであって、建造物基台に残存され
ている既設の旧態枠と、この旧態枠に嵌め入れられた新
窓枠とを結合するに際し旧態枠内周と新窓枠外周との間
の間隙が狭小空間であっても、その結合作業をきわめて
簡易にすることができ、かつ強固に結合することができ
、又、狭小空間での結合作業が容易であることから、新
窓枠の開口度を可及的に大きくすることができる等の利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は改装された窓を室内側より見た全体図、第２図
は第１図におけるＩ■−■■線拡大断面図、第３図に第
２図におけるＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図、第４図はアンカ
ー金具の斜視図、第５図は第２図に相応して示す本案装
置の他の実施例図、第６図は第３図に相応して示す回転
結合子の他側図、第７図は第２図に相応して示す本案装
置の更に他の実施例図、第８図および第９図はいずれも
回転結合子の他の変形実施例である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建造物基台１より除去することなく残存させた既設の出
   窓枠の内周一部もしくは、前記出窓枠中に嵌め入れた新
   窓枠の外周一部のうち何れか一方に固定壁部６を、他方
   に前記固定壁部６と間隔を置いて対向する軸１１をそれ
   ぞれ直角に突設し、軸１１には回転結合子１２を該軸１
   １回りに回転自在に備えるとともに、該回転結合子１２
   の外周面には軸１１より回定壁部６までの間隔よりも僅
   かに大きい距離ａをもつ壁接触部１３と、前記間隔より
   も小さい距離すをもって前記壁接触部１３と連続する非
   接触部１４とを形威し、壁接触部１３は固定壁部６に密
   着させるとともに止着ねし１８等の固着手段で固定した
   ことを特徴とする新、出窓枠の結合装置。