JPS59153548A - 造塊用鋳型およびその造塊方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は造塊用鋳型およびその造塊方法に係り。

特に極厚板材用鋼塊製造用の組立鋳型およびこれを使用
する造塊方法に関する。

従来、極厚板材用の大型偏平鋼塊は通常の鋳鉄製鋳型と
定盤を使用し、上注ぎもしくは下注ぎ法で造塊していた
が次の如き欠点が避はカことができなかった。すなわち
、溶鋼注入後比較的早い時期に凝固殻の熱収縮に伴い凝
固殻と鋳型内壁との間に空隙が発生するので、鋳型によ
る抜熱が抑制され凝固完了までの時間が延長されるだけ
ではなく、鋼塊内部に逆■偏析が発生し、更に鋼塊中心
部に通常「ザク」と称されている空隙の発生を防止する
ことはほとんど不可能であった。これらの鋼塊の内部欠
陥を防止するため従来次の如き対策が講じられていた。

すなわち。

（イ）上広鋳型を使用する方法 （ロ）鋳型上部の押湯枠に断熱材等全貼付は十分の押湯
を供給する。

しかし、（イ）の方法は鋼塊中心部が凝固する時の凝固
界面が形成する凝固プロフィルをより凹型にする効果が
あるが未だ十分とは言い難く、かつ逆■偏析の防止には
なんらの効果もない欠点がある。

（ロ）の方法は鋼塊上部の凝固が遅れるので鋼塊中心部
の凝固プロフィルをより凹型とし、また凝固最終期に発
生するひけ巣が鋼塊内部に侵入することを防止する効果
があるが、「ザク」防止には不十分であり、かつ逆■偏
析を防止することは全く不可能である。更に（イ）、（
ロ）の方法を併せ用いても従来の鋳型装置では鋼塊の「
ザク」および逆Ｖ偏析の防止効果はなお不十分であった
。

かくの如く１通常の鋳型による従来の造塊方法によって
製造した鋼塊は、一般に鋼塊の厚み５００〜６００ｍ以
上になると逆■偏析が現れ、鋼塊の厚みが更に増加する
に従い逆■偏析帯の範囲が広まり、ザク性欠陥も顕著に
現われ、鍛造もしくは圧延によってもザクは圧着せず、
空隙性欠陥として成品に残るという欠点がある。

従来の造塊法による上記の如き欠点を軽減しようとして
最近試みられている方法には次の如きものがある。その
−例は鋼塊の高さを極端に低くし、かつ鋼塊上面の保温
を十分にし、主として定盤からの冷却による鋼塊底面か
らの凝固によって鋼塊を製造する方法である。しかしこ
の方法では上部の切捨量が非常に太きいため歩留が極度
に悪化するほか、最終成品の鋼板に圧延した際表と裏と
でその特性が異なるという欠点がある。

次に鋼塊の形状は従来どおり縦長状として内部品質の向
上を狙ったものに次の如き方法がある。

（イ）鋼塊の凝固収縮による鋳型内壁との空隙部に水等
の冷却媒体を吹込む方法。

（ロ）上広鋳型としておき底部に十分の凝固殻が生成し
た時機に底板を除去し１鋼塊自重による降下により鋼塊
と鋳型との接触を良好にしようとする方法。

（ハ）　内部水冷銅板鋳型から成る４辺組合わせ鋳型を
用い、溶鋼注入完了後短辺側に十分な凝固殻が生成した
時点で短辺鋳型を撤去し、長辺鋳型を強制的に内側へ押
圧する方法。

上記各方法の目的とするところは鋼塊の凝固速度を速め
ることにより内質を改善せんとするものである。しかし
上記（イ）の方法は水蒸気爆発の危険性があり、（ロ）
の方法は鋼塊の自重によるため制゛御性に欠けるほか、
鋼塊が大型化した場合、底部凝固殻が十分となって定盤
による底部の支持が不要になるまで待つと、定盤を外し
て鋼塊の自重降下による鋳型と接触させる時機が遅れ、
効果が薄くなる欠点がある。（ハ）の方法も同様に鋼塊
が大型化した場合、短辺の支持が不要になる寸で待つと
長辺を内側へ押圧する時機が遅ね、効果薄となる欠点が
ある。

かくの如く最近試みられている上記各方法とも欠点があ
り、特に鋼塊が大型化した場合、底板もしくは短辺を取
外す方法は溶鋼静圧による外ふくれ現象の危険もあり、
いずれの方法も満足できるものではない。

本発明の目的は、上記従来技術の欠点全解消し、特に大
型化した鋼塊においても逆Ｖ偏析およびザク性欠陥等の
鋼塊の内部欠陥の発生を防止ないしは極度に軽減し得て
、しかも安全確実に造塊作業を行い得る造塊用鋳型およ
びその造塊方法を提供するにある。

本発明による造塊用鋳型の要旨とするところは次の如く
である。

すなわち、上広にテーパを有する１組の長辺側鋳型と、
前記長辺側鋳型に内接する水冷銅板と。

前記長辺側鋳型および水冷銅板を挾持する１組の短辺側
鋳型と、前記長辺側鋳型を外側から内側へ押圧する押付
は装置と、を有して成ることを特徴とする造塊用鋳型、
である。

また本発明による造塊方法の要旨とするところは次の如
くである。

すなわち、相対する長辺側鋳型が相対する短辺入 側鋳型によって挾持される如く構令された造塊用鋳型に
溶鋼を注入する工程と、前記溶鋼注入後膣溶鋼の凝固過
程で前記長辺側鋳型を外側から内側へ押圧して移動させ
る工程と、を有して成ることを特徴とする造塊用鋳型の
造塊方法、である。

本発明の詳細ならびに実施例を添付図面を参照して説明
する。先ず第１図および第２図によって本発明による造
塊用鋳型の構成を説明する。

本発明による鋳型は、−上広にテーパを有する相対する
１組の長辺側鋳型２と１組の短辺側鋳型４を有し、長辺
側鋳型２の内側にはそれぞれ水冷銅板６Ａが設けられ長
辺側鋳型２に内接している。

短辺側鋳型４も必要により水冷銅板６Ｂを有するが、Ｃ
れを省いても効果に差異がない場合には省略することが
できる。例えば鋼塊の長短辺比が大きい場合や鋼塊の厚
みが小さい場合であって、かかる場合には短辺側鋳型か
らの凝固の促進効果が小さく省略することができる。長
辺側鋳型２および長辺側水冷銅板６Ａは、第２図に明示
される如く、短辺側鋳型４によって挾持されている。す
なわち、相対する１組の短辺側鋳型の外側に設けられた
それぞれの締付はシリンダー８によって長辺側鋳型２お
よび水冷銅板６人を締付けて固定する。

長辺側鋳型２の外側には複数個の押付は装置１０が設け
られ、各々単独に外側から内側に向って長辺側鋳型２を
押圧して移動させることができる。

この際長辺側鋳型２の押付は移動に先立って、短辺側鋳
型４の締付はシリンダー８の締付は全解除してやらねば
ならぬことは轟然である。押付は装置１０としては油圧
シリンダー等が適当であるが、その他の装置でもよい。

かくの如く構成された本発明による組立て鋳型は通常の
鋳型と同様に定盤１２上に置かれた２重定盤１４上に立
設される。この組立て鋳型への溶鋼１６の注入は上注ぎ
法でも可能であるが、第１〜２図に示される如く注入管
１８から定盤１２中に埋設された湯道２０を経由する下
注ぎ法の方が好適である。

次に上記本発明による鋳型を使用する造塊作業手順につ
いて説明する。

注入管１８上り湯道２０を経由して本発明による鋳型１
に溶鋼１６が供給されると、通常の鋳型と同様に先ず鋳
型内壁および２重定盤１４に接する部分から凝固が始ま
シ上面保温層１５よシ下部に凝固殻１６Ａｌ形成するが
溶鋼１６の注入完了後２〜３分経過すると、凝固殻１６
Ａの収縮により凝固殻１６Ａと水冷鋼板６との間に空隙
が発生する。そこで先ず長辺側鋳型２および水冷銅板６
Ａを挾持している短辺側鋳型４の締付はシリンダー８を
緩め１次に長辺側鋳型２の押付は装置１０を作動せしめ
て相対する長辺側鋳型２を相互に外側から内側の鋼塊へ
押付けて移動させる。この長辺側鋳型２の内側への移動
により、凝固殻１６Ａと水冷銅板６Ａの内壁間に生成さ
れていた空隙が解消もしくは著しく縮少して凝固殻１６
Ａは水冷銅板６Ａの内壁に接着し、再び凝固速度が速め
られる。

一般に造塊時の熱収縮は溶鋼の凝固の進展および凝固殻
１６Ａの温度降下に伴い連続的に凝固完了捷で継続する
。従って上記長辺側鋳型２および水冷銅板６Ａの内側へ
の押付は動作完了後も再び凝固殻１６Ａと水冷銅板６Ａ
との間に空隙が発生するので上記押付は移動動作全連続
的もしくは断続的に複数回繰返し行なうことが必要であ
って、この動作全組かいピッチで行えば行なうほど水冷
銅板６Ａと鋼塊表面との接触が連続的に保持されて鋼塊
の凝固速度を速くすることができる。この場合の凝固殻
１ｆｉＡと水冷銅板６Ａとの間の空隙生成状況は水冷鋼
板６Ａｉ冷却する冷却水の出入口の温度差によって検知
することができる。かくの如く本発明による組立て鋳型
を使用し本発明による造塊方法により長辺側鋳型を凝固
の進展と共に内側へ押圧して移動させることにより鋳型
内壁と水冷銅板間に生成する空隙を解消もしくは最小限
に抑制することにより凝固速度を促進し、逆Ｖ偏析およ
び鋼塊中心部に発生するザクを消滅ないしは最少銀に抑
制することができた。

実施例 第１表にて示す如き組成の溶鋼１６を第２表に示す如き
形状の本発明による鋳型に注入し１本発明による造塊方
法によって平均厚さ１０１００Ｏ幅１８００　ｍ　Ｘ高
さ２５００ｍの重量約３５脛の鋼塊を製造した。

この造塊に際しては、凝固過程で短辺側鋳型４第　　１
　　表 第２表 の外側に設けられた長辺側鋳型２の締付はシリンダー８
を緩め、長辺側鋳型２および水冷銅板６Ａの押付は装置
１０全作動して長辺側鋳型２および水冷銅板６Ａｉ相互
に外側から内側へ移動させる動作を繰返し７回行った。

なお、比較のため同一組成の溶鋼を本発明による鋳型と
ほぼ同一寸法の従来の鋳鉄鋳型を用いて従来法によって
鋳込み、上記本発明法によるものと鋼塊中心部のザクの
発生状況を比較した結果は第３図のとおりである。第３
図において実線で示すへ曲線は本発明による結果であ９
１点線で示す８曲線は従来鋳型を使用し従来方法による
ものである。第３図より明らかなとおり、鋼塊中心部の
ザクの発生状況は本発明による場合は従来−型忙よる場
合の６０％程度と著しく軽減さｊ、ている。

また従来鋳型による鋼塊は鋼塊表面から２００〜２５０
摩程度の深さにおいて逆Ｖ偏析が認められたに対し、本
発明による鋼塊ではほとんど観察されなかった。

上記実施例より明らかなとおシ、本発明では相対する１
組の長辺側鋳型と、これに内接する水冷銅板全１組の短
辺側鋳型によって挾持する如き組立て鋳型を使用し、溶
鋼注入後凝固殻の進展によって短辺側鋳型による長辺側
鋳型の締付けを緩めると共に長辺側鋳型の外側に設けら
れた複数個の押付は装置全作動して長辺側鋳型および水
冷銅板を外側から内側へ押圧して移動させることにより
鋼塊表面と水冷銅板内壁間に生成した空隙全解消ないし
、最小限に抑制し、この長辺押付は動作を複数回繰返す
ことによって鋼塊の完全凝固時捷でほとんど空隙の発生
を阻止することができ、その結果凝固速度を従来鋳型に
よる従来の造塊方法より著しく促進することができ、従
来法による場合通常鋼塊表面から２００〜２５０＋ｍ程
度の深さに発生する逆Ｖ偏析をほとんど皆無とすること
ができ、また鋼塊中心部に発生するザクも従来法よシ半
減させ内部欠陥の極めて少い健全な鋼塊を製造すること
ができた。本発明は特に極厚板用大型偏平鋼塊の製造に
効果が発揮できる。

本発明の説明は専ら鋼塊製造用鋳型およびその造塊法に
ついて記載したが１本発明は単に鋼塊製造時のみならず
他の金属鋳塊製造時にも適用できることは明らかである
。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本発明による造塊用鋳型の構成を示す
そね、それ正面断面図および平断面図、第３図は本発明
の実施例における従来の鋳鉄鋳型による造塊とのそれぞ
れ鋼塊底面からの距離に上るザク発生指数との関係を比
較する相関図である。 ２・・長辺側鋳型、　　　４・・・短辺側鋳型、６（６
Ａ、６Ｂ）・・水冷銅板。 ８・・・締付はシリンダー、１０・・・押付は装置。 １２・・・定盤、　　　　　　１４・・・２重定盤。 代理人　弁理士　中　路　武　雄

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）上広にテーバを有する１組の長辺側鋳型と。 前記長辺側鋳型に内接する水冷銅板と、前記長辺側鋳型
   および水冷銅板を挾持する１組の短辺側鋳型と、前記長
   辺側鋳型を外側から内側へ押圧する押付は装置と、を有
   して成ることを％徴とする造塊用鋳型。
2. （２）相対する長辺側鋳型が相対する短辺側鋳型によっ
   て挾持される如く構成きれた造塊用鋳型に溶鋼を注入す
   る工程と、前記溶鋼注入後膣溶鋼の凝固過程で前記長辺
   側鋳型を外側から内側へ押圧して移動させる工程と、を
   有して成ることを特徴とする造塊用鋳型の造塊方法。
3. （３）前記短辺側鋳型は必要により内接する水冷銅板を
   有する特許請求の範囲の第１項に記載の造塊用鋳型。
4. （４）　　前記長辺側鋳型を外側から内側へ押圧して移
   動させる工程を連続的もしくは断続的に複数回繰返す特
   許請求の範囲の第２項に記載の造塊用鋳型の造塊方法。