JPS61176443A - 中空鋼塊の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は中空鋼塊の製造方法に係り、特に１００ｔを越
えるような大型中空鋼塊の製造方法に関し、大型中空鋼
塊の製造分野に利用される。

〔従来の技術〕

一般に圧力容器などに加工される筒状またはリング状の
鍛造粗材は、従来中実鋼塊の中央を鍛造で打ち抜く工程
を経て作られていたが、そのため多大の加熱、鍛造を必
要とするばかりか、得られた中空粗材の内面に大径の中
実鋼塊において発生を抑制しがたい逆■偏析等の欠陥が
露出することが多く、機械加工後の製品段階で問題にな
っていた。

一方、上記中実鋼塊より中空状粗材を得る方法の欠点を
解消するため、特公昭５０−２８８９８では鋳造時に中
子を使用して造塊過程において中空状の粗材を得る方法
が提案されており、この方法によると凝固が鋼塊の内外
面から同時に進行するため、得られる中空状粗材の内表
面近傍の逆Ｖ偏析部の存在を防止できる長所がある。

しかしながら、上記中空粗材を更に大波げして作る大型
圧力容器等においては、粗材内面近傍の逆Ｖ偏析のない
層が著しく引き伸ばされて薄くなるため、鍛造打上かり
後の真円度不足により削り代が増加すると、機械加工後
の製品内面に逆Ｖ偏折線が露出することがある。この偏
析線の露出は中実鋼塊を用いた場合に比べれば、軽微な
ものが得られるものの用途によっては完全な露出防止を
要求される場合もある。このため、中空状粗材を鋳造す
る段階で中子の冷却を強化し、逆Ｖ偏析のない内面側の
層をより厚くする技術が望まれている。

中子を強冷する方法として中子内を水冷する案があるが
、これは漏水すると溶鋼と接触して水蒸気爆発を起こす
危険があり、安全性の確保が難しく、また、凝固初期の
強冷により、鋼塊内面に割れが発生する等の問題があっ
た。

〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は上記従来技術の問題点を解決し、安全で
かつ内部まで急冷できる中空鋼塊の製造方法を提供する
にある。

〔問題点を解決するための手段および作用〕本発明の要
旨とするところは次の如くである０すなわち、定盤上に
看かれた金属鋳型の中央に内部冷却機能を備えた中子を
設置し該中子と金属鋳型の間に溶鋼を注入して凝固させ
る中空鋼塊の製造方法において、外筒、中間筒および内
筒より成る三重筒体で該中間筒および内筒の形成する空
間に冷却媒体導入管を設けた前記中子を使用し、溶鋼の
全凝固期間を通じであるいは、凝固前期のみに気体もし
くは気体と液体との混合物を前記内筒を介して前記中間
筒と内筒の形成する空間に供給して該中間筒を冷却する
とともに凝固前期に気体を前記冷却媒体導入管を介して
前記外筒と中間筒導入管を介して前記外筒と中間筒の形
成する空間に供給して該外筒を強冷する段階と、を有し
てなることを特徴とする中空鋼塊の製造方法である。

まず、本発明で使用する中空鋼塊の鋳造装置を第１図お
よび第２図により説明する。本定盤２および上定盤４に
は湯道耐火物６により湯道が設けられ、鋳型８および本
発明の中子９が載置されている。鋳型８および中子９の
溶鋼１０の表面と接触する部分には断熱スリーブ１２が
ライニングされている。

次に、中子９は本発明の独特のもので外筒１４、中間筒
１６および内筒１８の三重筒体でそれぞれ底を有する鋼
管から構成されている。内筒１８の上部は冷却媒体配管
２０と接続し、その下部もしくは、湯面下に相当する側
壁には放出口２２が設けられている。外筒１４と中間筒
１６との間隔は通常５〜３０＋ｍ程度である。中間筒１
６と内＠　１８の形成する空間には冷却媒体導入管２４
が設けられ、中間筒１６の下部側壁に設けられた放出口
２６を介して、外筒１４と中間筒１６が形成する空間に
冷却媒体を供給できる構成となっている。

次に上記の如き鋳造装置を使用する本発明方法について
説明する。溶鋼１０の鋳造に際しては、まず冷却媒体配
管２０から空気、Ｎ２ガス、水蒸気などの気体あるいは
、水滴を含む水蒸気や、噴霧状の水等の、気体と液体の
混合物から成る冷却媒体が内筒１８．放出口２２を介し
て中間筒１６と内筒１８が形成する空間に供給され、中
間筒１６を冷却した後上部から大気中に放散される。こ
の中間筒１６の冷却は少なくとも外筒を弱冷している期
間は必要である。

一方、凝固前期には、冷却媒体導入管２４、放出口２６
を介して空気、Ｎ２ガス等の気体が外筒１４と中間筒１
６の形成する空間に導入され外筒１４を弱冷し、次に偏
析が発生しやすくかつ凝固シェルが溶鋼圧に対して十分
な強度を有する凝固後期には冷却媒体を水などの液体に
切替えて外筒１４を強冷する。

鋳型８に注入された溶鋼１０により外筒１４は加熱され
軟化し溶鋼１０の静圧により座屈するが、その過程で初
期凝固シェルの凝固収縮歪を吸収し、凝固時の鋼塊内面
の割れを防止すると共に、外筒１４は鋼塊の内部清浄度
を維持するのに有効である。中間筒１６は座屈した外筒
１４を内側から支持し座屈量を制御するが、高温になる
外筒１４と接触した状態で支持するため、十分な冷却を
行って強度を保つ必要があり、前記の如く内筒１８から
の冷却媒体で冷却される。

冷却媒体導入管２４を中間筒１６と内筒１８の間に設け
たのは、外筒１４が座屈しても損傷を受けないようにす
るためである。従って凝固終了後は外筒１４以外の部分
は回収して再使用することができる。なお、この回収に
際しては、外筒と中間筒の間に木片等のスペーサーを設
けておくと外筒と中間筒の直接接触がなく、作業が容易
に行える。

本発明は外筒１４の冷却媒体として、凝固シェルが十分
に形成されていない凝固前半には気体を使用し、凝固シ
ェルが形成され万一漏水しても爆発の危険の少ない後半
には液体を使用し、冷却媒体を使い分けることによって
安全に凝固速度を十分大きく保って偏析を防止すること
ができた。

〔実施例〕

第１表に成分を示した溶鋼を第２表に示す本発明方法で
鋳造し鋼塊内径７１１■、外径２３００第　　１　　表 第　　２　　表 ■、１００ｔの中空鋼塊を製造した。すなわち、外筒、
中間筒、内筒から成る三重筒体の中子を使用し、全凝固
期間を通じて中間筒は６０　Ｎｄ１−にの空気で冷却し
、外筒は凝固前期の２時間を３ＯＮｄｌ−のＮ、ガス、
後期を最大２ｎｌ／―の水で強冷した。

鋳造は順調に終了し、鋼塊内面には割れもなく、破断調
査では同クラスの鋼塊に比して著しく逆Ｖ偏析の少ない
ことが確認された。

〔発明の効果〕

本発明は上記実施例からも明らかな如く、三重筒体の中
子を使用し、外筒は凝固前期を気体で弱冷し、後期を液
体で強冷することにより、安全に内部の偏析を防止し内
部品質のすぐれた中空鋼塊を得ることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明で使用する鋳造装置の断面図、第２図は
本発明で使用する中子の断面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）定盤上に置かれた金属鋳型の中央に内部冷却機能
   を備えた中子を設置し該中子と金属鋳型の間に溶鋼を注
   入して凝固させる中空鋼塊の製造方法において、外筒、
   中間筒および内筒より成る三重筒体で該中間筒および内
   筒の形成する空間に冷却媒体導入管を設けた前記中子を
   使用し、溶鋼の全凝固期間あるいは、凝固前期のみに気
   体もしくは気体と液体との混合物を前記内筒を介して前
   記中間筒と内筒の形成する空間に供給して該中間筒を冷
   却するとともに凝固前期に気体を前記冷却媒体導入管を
   介して前記外筒と中間筒の形成する空間に供給して該外
   筒を緩冷する段階と、前記緩冷後の凝固後期に液体を前
   記冷却媒体導入管を介して前記外筒と中間筒の形成する
   空間に供給して該外筒を強冷する段階と、を有してなる
   ことを特徴とする中空鋼塊の製造方法。