JPS5914681Y2 - 室外ユニツト等の把手構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、空気調和機の室外ユニット等における把手構
造に関するものである。

一般に、この種の室外ユニット等においては、その軽量
化および加工容易化を図るべく本体ケーシングの側板等
は合成樹脂により成形したものが広く使用されている。

従来、このような樹脂製側板における把手構造としては
、第８図に示すように、側板との一体同時成形性を考慮
して、側板ａに抜き勾配形状の把手凹部すを形成したも
のがよく知られている。

しかしながら、上記従来の構造では、手が掛かる部分で
ある把手凹部すの上面部ｂ１が抜き勾配により開口部ｂ
２に向かって上方に傾斜しているため、樹脂製と相俟っ
て手が滑りやすく、充分に把持し得ないという欠点があ
った。

そこで、上記のような欠点を解消すべく、把手凹部を、
その上面部が把持し易いように開口部に向かって下方に
傾斜した形状に形成するには、型成形性（すなわち抜き
勾配性）に拘束されて、第９図に示すように上記形状の
把手凹部ｂ′を側板ａ′とは別体に形成する必要があり
、組立性、意匠外観の向上の点で難がある。

また、あえて一体成形しようとすれば、第９図に示すよ
うに側板ａ″および把手凹部ｂ″を多数の型Ｃ１〜Ｃ４
を用いて成形しなければならず、成形性が悪くなるとい
う問題がある。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであり、多数の
型を用いることなく、一体成形によって樹脂製側板に、
開口部に向かって下方に傾斜した手掛部を有する把手凹
部を成形し得るようにした室外ユニット等の把手構造を
提供せんとすることを目的とするもので゛ある。

上記目的の達成のために、本考案の解決手段は、本体ケ
ーシングの樹脂製側板に、下面部が開口部に向かって下
方に傾斜するとともに上面部が開口部に向かって上方に
傾斜する抜き勾配形状の把手凹部を設け、該把手凹部内
に、上記下面部に対して開口部に向かって拡開する抜き
勾配形状で且つ開口部に向かって下方に傾斜する樹脂製
手掛部を一体に突設してなるものである。

このことにより、本体ケーシングの樹脂製側板の成形時
には、樹脂製手掛部を成形する１つの抜き型を合せ型に
対してセットした状態で把手凹部を側板と一体に成形す
るようにしたものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。

第１図ないし第４図は本考案に係る室外ユニットを示し
、１は室外ユニットの本体ケーシングであって、該本体
ケーシング１は天板２と左右の側板３，４と底板５とか
らなり、本体ケーシング１の前後面には、吸込グリル６
および吹出グリル７が装着されている。

上記本体ケーシング１内には室外側熱交換器８、モータ
９および該モータ９により駆動される室外ファン１０が
内蔵され、また本体ケーシング１内の側方には仕切板１
１によって国威された圧縮機室１２が形成され、該圧縮
機室１２内には圧縮機１３が設置されている。

１４は本体ケーシング１の側方に突設された連絡配管用
接手、１５は本体ケーシング１の底部（底板５）下面の
両側に固定された脚である。

上記側板３，４は合成樹脂によって一体成形されてなり
、該側板３（および４）には、第５図および第６図に示
すように、上端部に天板２と係合する係合部１６が内方
に突設され、下端部に底板５にビス止めされる固定部１
７．１７が設けられ、また表面に縦縞状の波状凹凸模様
部１８が設けられている。

そして、上記側板３（および４）の上部中央には内方へ
凹陥した把手凹部１９が設けられている。

該把手凹部１９は、その下面部１９ ａが開口部１９
ｅに向かって下方に傾斜し、上面部１９ ｂが開口部１
９ ｅに向かって上方に傾斜し、且つ左右側面部１９Ｃ
１１９ｄが開口部１９ｅに向かって左右に拡開した抜き
勾配形状に形成されている。

さらに、上記把手凹部１９内には左右側面部１９ Ｃ，
１９ｄを横架する樹脂製の手掛部２０が一体に突設され
、該手掛部２０は把手凹部１９の下面部１９ ａに対し
て開口部１９ｅに向かって拡開する抜き勾配形状で、且
つ開口部１９ ｅに向かって下方に傾斜するように形成
されている。

したがって、上記実施例においては、把手凹部１９を抜
き勾配形状に設けているとともに、樹脂製の手掛部２０
を把手凹部１９の下面部１９ａに対して開口部１９ ｅ
に向かって拡開する抜き勾配形状に設け、且つ開口部１
９ ｅに向かって下方に傾斜しているので、把手凹部１
９の上面部１９ ｂに対しても抜き勾配形状となること
により、第７図に示すように３つの型２１．２２．２３
によって、側板３に把手凹部１９および手掛部２０を一
体成形することができ、従来例（第１０図参照）では抜
き型Ｃ２，Ｃ４を２つ要するに較べて抜き型２２が１つ
少なくて済む利点を有する。

しかも、上記手掛部２０は把手凹部１９の開口部１９
ｅに向かって下方に傾斜しているので、室外ユニットを
把持する際、手が滑ることなく、該手掛部２０にて確実
に把持することができる。

尚、上記実施例では、室外ユニットの本体ケーシング１
の側板３および４に適用した場合について述べたが、本
考案はその他各種ケーシングの樹脂製側板に対する把手
構造にも適用できるのは勿論のことである。

以上説明したように、本考案によれば、少ない型でもっ
て成形性を高めつつ、樹脂製側板との一体成形によって
把持し易い把手構造を提供することができ、把手構造に
おける所要型数の低減による成形性の向上と一体成形に
よるコストダウン化および意匠外観の向上との両立を図
ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示するもので、第１図ない
し第４図はそれぞれ室外ユニットを示す正面図、平面図
、側面図および背面図で、第５図は側板の正面図、第６
図は第５図のＶＩ−ＶＩ線断面図、第７図は成形状態を
示す断面図であり、第８図ないし第１０図はそれぞれ従
来例を示す断面図である。 １・・・・・・本体ケーシング、３，４・・・・・・側
板、１９・・・・・・把手凹部、１９ ａ・・・・・・
下面部、１９ ｂ・・・・・・上面部、１９ ｅ・・・
・・・開口部、２０・・・・・・手掛部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケーシング１の樹脂製側板３，４に、下面部１９
   ａが開口部１９ ｅに向かって下方に傾斜するとともに
   上面部１９ｂが開口部１９ｅに向かって上方に傾斜する
   抜き勾配形状の把手凹部１９を設け、該把手凹部１９内
   に、上記下面部１９ ａに対して開口部１９ ｅに向か
   って拡開する抜き勾配形状で且つ開口部１９ ｅに向か
   って下方に傾斜する樹脂製手掛部２０を一体に突設して
   なることを特徴とする室外ユニット等の把手構造。