JPS59145036A - 硬質ハイドロゲル - Google Patents

硬質ハイドロゲル

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JPS59145036A
JPS59145036A JP58018922A JP1892283A JPS59145036A JP S59145036 A JPS59145036 A JP S59145036A JP 58018922 A JP58018922 A JP 58018922A JP 1892283 A JP1892283 A JP 1892283A JP S59145036 A JPS59145036 A JP S59145036A
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JP
Japan
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polymerization
group
hydrogel
polymer
gel
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Application number
JP58018922A
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English (en)
Inventor
Nobuhito Hoshi
信人 星
Yuzo Yanagihara
柳原 裕三
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Asahi Kasei Corp
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Asahi Kasei Kogyo KK
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Publication date
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Priority to JP58018922A priority Critical patent/JPS59145036A/ja
Publication of JPS59145036A publication Critical patent/JPS59145036A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は硬質ハイドロゲルに関し、更に詳しくは、水系
ゲル濾過クロマトグラフィー(以下GFCと表わす)用
充填剤、アフィニティークロマトグラフィー用充填剤及
び吸着剤として好適に使用することができる多孔質の硬
質ハイドロゲルに関する。
硬質ハイドロゲルは、一般には高速で用い得る水系G 
F’ C用充填剤としての用途をはじめ、アフィニティ
ークロマトグラフィー用やイオン交換クロマトグラフィ
ー用の充填剤又は各種吸着剤等の誘導体の担体として利
用される。従って、硬質ハイドロゲルは、水視和性であ
ること、水溶性有機化合物との相互作用がほとんどない
こと、高速処理に耐えるだけの強度を有することなどの
特性が要求される。実際には、これらの特性の有無は、
水系GFC用充填剤として使用することができるか否か
によって判断することができることから、以下本明細書
においてはGFCの用途を中心に説明する。
クロマトグラフィーとは、溶媒に可溶性物質(溶質)が
含まれているところの溶液が、不溶性物質(固定相)の
間を通過する間に可溶性物質が分離されるプロセスと定
義され(例えば、武内次失地、「ゲルクロマトグラフィ
ー〈基礎編〉」、講談社発行参照)、特に液体クロマト
グラフィーの一種であるGFCとは、試料混合物を多孔
質球状充填剤中を通過させることにより、充填剤内のボ
アより小さい分子号イズの成分はその大きさに応じてケ
ル内へ浸透し、大きい成分はボアの外を素通りするとい
う原理を利用して、溶質を分子の大きさのみに従って分
離し、溶媒と共に順次熔出せしめるものをいう。従って
、GFC用充填剤に求められる最も重要な性質としては
、特定の溶質と固定相との間に特異的な吸着や分配など
の相互作用の少ないことが挙げられる。
近年、GFCを含む液体クロマトグラフィーの分野では
短時間で分析を行うための高速化の技術が急速に発展し
てきたが、同時に高圧化を伴うため、クロマトグラフィ
ー用充填剤には大きな機械的強度を有することが要求さ
れるようになった。
一方、水系で用いられるGFCは、水溶性の糖類、アミ
ノ酸、蛋白質等の分離及び分析に用い得ることから、血
清等の分析に適しており、従って生化学関連分野におけ
る利用価値が特に高い。
従来、水系GFC用の充填剤としては、デキストランを
エピクロロヒドリンで架橋したもの(商品名「セファデ
ックス」、ファルマシア社、スウェーデン)や、ポリア
クリルアミドゲル(商品名「バイオゲルP」、バイオラ
ド社、USA)等が知られており、広く利用されている
。これらのゲルは、水溶液中の溶存物質を吸着しに<<
GFC用充填剤として好ましい化学構造を有するが、ボ
アは主として架橋の網目がらなっており、機械的強度の
小さい、いわゆる軟質ゲルであるため、高流速では通液
できないという重大な欠点を有していた。そのため水系
高速GFC用充填剤として、機械的強度が大きく、かつ
親水性の合成高分子ゲルを開発使用とする試みが種々な
されてきた。
このような目的で開発された例としては、酢酸ビニル架
橋共重合体をケン化して得られたゲル(特公昭44−2
0917号公報、特開昭52−138077号公報参照
)や、ペンタエリトリトールを用いたゲル(特開昭54
−160300号公報参照)やビニル基を含有するデキ
ストラン誘導体を他のビニル化合物と共重合させたゲル
(特開昭52−72783号公報参照)等が知られてい
る。これらのゲルはそれぞれ改善はみられるものの、硬
質ハイドロゲルが要求する機械的強度大、吸着性小、ボ
アの設計の容易さという三つの特性のすべてを充分に満
たしているとは言い難いものである。
そこで本発明者らは、前記した従来技術の現状を踏まえ
、はとんど吸着性を示さないという架橋デキストランケ
ルの特性が糖の構造にあるものと推定し、その機械的強
度不足の欠点を補った硬質ハイドロゲルを開発すべく、
糖類に強固な架橋を施す方法について検討してきた。
その結果、低分子量の糖類に、重合可能なビニル基を含
む官能基を導入したものを主たる単量体単位とする多孔
質球状架橋重合体又は共重合体が、充分親水性であって
吸着性がほとんどなく、水溶液中に溶解している物質の
分離及び分析に適し、かつ高流速の通液による分析に耐
え得る機械的強度を有していることをJLI、)lfi
し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、重合可能なビニル基を持つ官能基
を有する堺分子量の糖の誘導体を用い、重合と同時に架
橋構造が形成された重合体よりなり、乾燥時の比表面積
が1〜500rrr/Hの範囲にある重量平均粒径1〜
20(10μmの多孔質の硬質ハイドロゲルに関する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
まず、本発明に従った硬質ハイドロゲルは、構成単糖8
個以下の低分子量のオリゴ糖及び単糖に重合可能なビニ
ル基を持つ官能基を導入した誘導体を重合して得られる
。原料糖としては、望ましくはグルコース、フルクトー
ス、マンノース、ガラクトース、ソルビトール及びマン
ニトール等の単糖類、スクロース、マルトース及びラク
トース等の二糖頬、又ぼグルコサミン及びガラクトサミ
ン等のアミノ糖等を用いるのが良く、場合によってはこ
れらの混合物を用いてもよい。特に好ましい原料糖は単
糖類である。
本発明において重合可能なビニル基を持つ官能基とは、
具体的にはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル
基(−CH=CH5i本明細書中の他のビニル基より狭
義)、アリル基、メタクリル基及びイソプロペニル基等
をいう。特にメタクリロイル基、アリル基及びメタリル
基等のように、重合時及び重合の前後において酸や塩基
に対して比較的安定な官能基が好ましい。中でもメタク
リロイル基は官能基の導入の容易さ、単量体の重合性等
により更に好ましい。
本発明に従った硬質ハイドロゲルを構成する重合体の架
橋構造は、重合と同時に形成される。すなわち、重合可
能なビニル基を有する糖誘導体又はこれを含むビニル単
量体混合物中には、ビニル基を2個以上有する単量体を
必ず含ませておき、該単量体混合物をビニル重合させる
際に同時に架橋せしめる。従って、該架橋構造において
は、ビニル重合により生成する炭素鎖が、重合に寄与し
たビニル基を2個以上有する単量体単位部分によっての
み架橋されていることになる。後架橋のように重合以外
の段階で架橋させる場合には、重合及び架橋反応の二つ
の過程がゲルの強度やボアの構造に関与するため、その
コントロールは一般に複雑である。しかし、本発明のよ
うに重合と同時に架橋構造が形成される場合には重合時
の条件を選択するだけで強度の大きいゲルが得られ、ボ
アの設計を極めて容易に行なうことができる。
一般に、架橋された重合体においてはその架橋度及び架
橋構造が、重合体の機械的強度に最も深くかかわってい
る。特に架橋度については、用いる単量体中のビニル基
の数や架橋性の単量体の分率が多いほど大きく、より機
械的強度の大きな重合体が得られることになる。本発明
の硬質ノ\イドロゲルに要求される強度を得るために必
要な架橋度は、使用する単量体の構造や、ゲルの製法及
び使用目的等により異なるため一概には言えないが、多
くの場合ビニル基を2個以上有する単量体単位が10重
量%以上、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは
30重量%以上を占める重合体であれば良い。但し、本
発明においてはビニル基を2個以上有する単量体は、必
ずしも糖誘導体である必要はなく、他の架橋性の単量体
であっても良い。従って、本発明の重合体を構成する単
量体単位の組成としては、次の1)〜3)の場合が可能
である。
1)ビニル基を2個以上有する糖誘導体を主な単量体単
位とするもの。
2)■)の糖誘導体に加えて他のビニル単量体をも主な
単量体単位とするもの。
3)ビニル基を1個だけ有する糖誘導体と、ビニル基を
21[1i1以上有する他の単量体を主な単量体単位と
するもの。
2)及び3)の場合は、その中間的な組成とすることも
もちろん可能であるが、はとんど吸着性を示さない硬質
ハイドロゲルとするためには糖誘導体以外の単量体単位
は、重合体の80重置%以下、好ましくは60重量%以
下、更に好ましくは40ffi量%以下であるのが良い
前記単量体単位2)及び3)の場合に用いられる、糖誘
導体以外の単量体は、はとんど芳香環やイオン交換基を
持たないものであれば広く合成高分子の原料に用いられ
ているビニル単量体でよく実用上は上記糖誘導体との共
重合性を考慮して選ばれる。このような単量体の具体例
をあげれば、ビニル基を1個有する単量体として、メチ
ルアクリラート、メチルアクリラート、2−ヒドロキシ
メタクリラート等の(メタ)アクリル酸エステル類、ア
クリロニトリル等のニトリル類、メチルビニルケトン等
のエノン類等が用いられ、ビニル基を2111i1以上
有する単量体として、エチレングリコールジメタクリラ
ード、ペンタエリトリトールジメタリリラート等の(メ
タ)アクリル酸エステル類等が用いられる。
本発明の硬質ハイドロゲルは、上記のような架橋構造を
有する多孔質の硬質ゲルであるため、乾燥状態で大きい
比表面積を有する。一般に架橋構造を有する合成高分子
ではその高分子と親和性のある溶媒中で膨潤し、乾燥す
ると収縮するが、デキストランをエピクロロヒドリンで
架橋したもののようにボアが架橋の網目だけで構成され
ている軟質ゲル場合には、乾燥時にはボアはほとんどつ
ぷれてしまい、比表面積は一般に粒子の外表面だけの小
さな値を示す。一方、硬質ゲルの場合には、乾燥時にも
ボアは膨潤時の状態をほぼ維持するため、比表面積の値
はかなり大きな値を示し、本発明の硬質ハイドロゲルは
通常1〜500rrf/gの比表面積を有するが、実用
上はボアの量はなるべく多いことが望ましく、そのため
−には10〜500m/gの範囲の比表面積を有するの
が好ましい。
本発明の多孔質ゲルのボアのサイスば、排除限界分子量
(以下Mlimと表わす)で表わすことができ、ポアサ
イズが大きい程Mlimも大きい値を示す。
MlimはGFCの検量線から求めることができる。検
量線は、ゲルを充填したカラムについて横軸に溶出容量
、縦軸に分子量の対数を目盛ったグラフに、分子量既知
のサンプルの測定データをプロットして得られ、縦軸に
ほとんど平行な線と、それに続く負の勾配をもった線か
らなる。Mlimは検量線の縦軸に平行な線の延長と、
傾斜した線の延長が交わる点の縦軸の値として求められ
る。
本発明のゲルは、ポリエチレングリコールやデキストラ
ンやプルランの分子量既知の標準サンプルを用いて得ら
れた値で103〜1♂の広い範囲のMlimを有する。
本発明のゲルの重量平均粒径は通常は1〜2000μm
、好ましくは2〜500μmの範囲にあるのが良く、特
に高速GFCなどの各種高速クロマトグラフィー用ゲル
又はその担体として用いる場合には、2〜30μmの範
囲にあるのが好ましく、各種吸着剤用の担体として用い
る場合には10〜200μmの範囲にあるのが好ましい
本発明の重合体のような球状ゲルは、一般には懸濁重合
又は乳化重合により得られ、通常は連続相が水相、分散
相が単量体を含む相である順相系で行なわれる。一方、
ハイドロゲルの親水性は、主要な構成成分であるところ
の糖に由来する水酸基に起因するため、ハイドロゲルを
構成する単量体単位に相当する単量体は一般には水溶性
であって、上記のような順相系の懸濁重合や乳化重合は
できない。
このような水溶性の単量体を用いる場合には、逆の相関
係で懸濁重合することは可能で、例えば連続相として流
動パラフィン等の、水に不溶又は難溶の有機溶媒を用い
、単量体を含む分散相を水相にして行なうことで本発明
の硬質ハイドロゲルを得ることができる。しかし、重合
時の条件の選択範囲が広く、重合体粒子の粒径や粒子内
ボアの設計を容易にするためには、該単量体中の糖に由
来する水酸基が容易に水酸基に変換し得る官能基により
実質的に保護し、該単量体を親油性として、順相系で懸
濁重合又は乳化重合することが好ましい。ここで実質的
に保護するとは、保護した後の糖誘導体が、充分に親油
性を示すまで保護することをいう。容易に水酸基に変換
し得る官能基とは、具体的にはエステル基やアセタール
基やオルトエステル等を指し、特に酢酸エステル、各種
α−置換酢酸エステル、ベンジリデンアセクール、イソ
プロピリデンアセクール、エチリデンアセクール、又は
メチレンアセタール等の使用が好ましい。
上記のような保護基により保護された単量体を重合する
場合には、該単量体が充分疎水性であるため、懸濁重合
等を行なう場合の連続相に水を用いることが可能なこと
から、条件の選択範囲が広がり、粒径あるいは粒子内ボ
アの設計を容易に行ない得る。硬質ハイドロゲルに親水
性を持たせるための水酸基は、重合後に脱保護の操作を
行なうことにより再生させる。脱保護の操作とは、一般
的には酸あるいは塩基触媒による加水分解反応のことを
指す。脱保護の操作は、ビニル基を含む官能基に由来す
る部分を実質的には変化させないものでなければならな
いが、必ずしも完全に脱保護しなければならないもので
もない。実際、本発明の重合体の単量体単位の構成単糖
当り、平均で1個以上の水酸基があれば、本発明の目的
に用い得る。しかし充分な親水性を得るためには、水酸
基は上記構成単糖当り2個以上存在するのが良く、更に
好ましくは3個以上存在するのが良い。この場合、原料
糠中の他の水酸基は、保護されたままのものを含め、ビ
ニル基導入に用いられるなど、他の官能基に変換された
ことを意味している。
糖に導入するビニル基の数は、その使用方法により異な
り、他の架橋剤を用いて架橋する場合には単量体分子当
りIIIMI導入したもので良いが、糖の誘導体自体に
よって架橋する場合には必然的に単量体分子当り2(f
lit以上を導入した単量体も要求される。しかし、こ
の場合でも導入したビニル基が有効に重合に供するため
には、ビニル基の数は単量体分子当り3個までのものが
好ましい。これらの糖誘導体は、実用上は、主にそれぞ
れの混合物として用いられる。
本発明に用いられる単量体は、1例としてビニル基を含
む官能基がメタクリロイル基であり、保護基が酢酸エス
テルの場合には、次のような方法により容易に合成する
ことができる。即ち、#M頬のピリジン′溶液中に適量
の塩化メタクリロイルを加えて反応させ、次いで過剰の
無水酢酸を加えることで糖類のすべての水酸基をエステ
ル化し、適当な有機溶媒で抽出する。抽出液をよく水洗
後、溶媒を留去したものは、はとんど本発明に用い得る
単量体のみを含むものであって、これをそのまま重合に
用い得る。導入すべきメタクリロイル基の数は、用いる
塩化メタクリロイルの量により容易にコントロールする
ことができる。
前記親油性の糖誘導体を単量体として用いて硬質ハイド
ロゲルを得る方法は、懸濁重合を例にとって説明すれば
以下の通りである。
懸濁重合は、親油性の糖誘導体又はそれを含む混合物及
び単量体を溶解するが、水に熔解しにくい有機溶媒、具
体的にはへブタン、オクタン、デカン及びトルエン等の
炭化水素類、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類
、ブチルエーテル、イソブチルメチルケトンあるいはヘ
プタツール等の1種以上を含む単量体混合物を用いる。
又は必要に応じて前記他のビニル単量体、例えばメチル
メタクリラート、エチレングリコールジメタクリラード
、ジエチレングリコールジメタクリラート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリラート又はグリシジルメタクリラー
ト等を含む単量体混合物を用いる。水に溶解しにくい有
機溶媒を用いる場合には、全単量体100重量部に対し
て20〜300重量部の範囲で用い、実用上好ましくは
50〜200重量部の範囲で使用するのが良い。
車番開始剤は、通常の懸濁重合に用いられるラジカル重
合開始剤を使用することができ、例えば過酸化ヘンジイ
ルや過酸化ラウロイル等の過酸化物、又は2.2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2.2′−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)やジメチル2,2′−ア
ゾビスイソブチラード等のアブ系開始剤等を用いること
ができる。
これらの重合開始剤は、全単量体重量当り0.1〜3.
0重量%の範囲で用いるのが好ましい。¥Q濁重合を行
なう際には、水相にはポリビニルアルコール等の、通常
よく用いられる分散剤を加えておくのが良く、必要によ
りpH緩衝剤等の無機塩類を併用する。分散剤の種類や
量、さらには攪拌速度や温度の変化は粒状重合体の粒径
に影響し1.これらの諸条件の選択により粒径の制御を
行なうことができる。
重合は、重合開始剤が有効に作用する、通常の温度範囲
にて行なうことができる。また、重合によって得られた
粒状重合体は抽出操作により有機溶媒等を除き、ペース
ポリマーを得ることができる。
上記重合体は引き続いて脱保護操作を行なうが、その条
件は保護基の種類により異なるものの、一般には比較的
温和な条件を選ぶのが好ましい。本反応は、基本的には
保護基がアセクール基の場合には酸触媒、保護基がエス
テル基の場合には主に塩基触媒による加水分解反応であ
る。特に後者の場合において、更に糖誘導体中の重合可
能なビニル基を含む官能基がエステル基の場合には、選
択的加水分解が要求されるが、両エステル基の種類の組
合せ次第では、加水分解の反応溶媒、反応温度及び反応
時間の選択により、上記選択的加水分解を極めて容易に
達成することができる。このような脱保護により水酸基
を再生させた粒状重合体は充分な親水性を示す。
以上の方法により得られた重合体は、糖骨格に由来する
多くの水酸基を有し、充分に親水性であるにもかかわら
ず、水系懸濁重合時には疎水性であり、重合条件の選択
の範囲が相当に広いため、精糸やポアサイズ等の多彩な
硬質ハイドロゲルを容易に得ることができる。また本発
明においては、低分子量の糖にビニル基を導入すること
で、単量体の重量当りのビニル基の数が前述の特開昭5
2−72783号公報に記載のデキストラン誘導体ゲル
に比べてかなり多くなり、親水性を損なうことなく、高
速処理に耐えるだけの大きな機械的強度を有する硬質ハ
イドロゲルを得ることができた。
本硬質ハイドロゲルは多くの水溶性物質に対して吸着性
を示さないことから、水溶媒系GFC用充填剤として使
用した場合、溶出容量と分子量の対数の関係がほとんど
直線に近い検量線ををする。
従って、水溶性合成高分子、糖類又は蛋白質等の分離及
び分析に適しており、その利用価値は高い。
なお、本発明に係る硬質ハイドロゲルは、ゲル中に存在
する水酸基を利用してイオン交換基、疎水性基又は種々
のりガント等を導入し、例えばイオン交換クロマトグラ
フィー用充填剤やアフィニティークロマトグラフィー用
充填剤といった、より広範な機能を有するゲルに変換す
ることもできる。
以下に本発明の詳細な説明するが、本発明の範囲をこれ
らの実施例に限定するものでないことはいうまでもない
実施例1 〔単量体の合成〕 21のフラスコにソルビトール182g及びピリジンl
βを装入し、攪拌しながらこれに塩化メタクリロイル3
00m7!を滴下した。60℃で2時間加熱攪拌後、無
水酢酸420mβを滴下し、60℃に保ったまま加熱攪
拌を続けた。20時間後、反応液を室温まで放冷し、氷
水に注ぎ、イソプロピルエーテルで3回抽出した。抽出
液は稀塩酸、重曹水及び飽和食塩水で洗い、減圧で溶媒
を留去した。得られた油状物は、主にテトラアセチルジ
メタクリロイルソルビトール及びトリアセチルトリメタ
クリロイルソルビトールのtitの混合物であり、それ
ぞれの構造は、分取薄層クロマトグラフィーにより分取
後、核磁気共鳴スペクトル及び赤外スペクトルを測定す
ることにより確認した。
〔重合及び分析〕
上記反応で得られた単量体混合物80g、酢酸n−ブチ
ル56g及び2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0
.8gの均一混合液と、ポリビニルアルコール1重量%
を熔解した水450mlとを充分攪拌した後、11フラ
スコに入れ、60℃で18時間、更に75℃で5時間加
熱攪拌して懸濁重合を行ない粒状重合体を得た。濾過、
水洗、更にアセトン抽出後、得られたゲルの内50gを
、水酸化ナトリウム14g及びメタノール700mj+
からなる溶液中で、15°Cで20時間、加水分解反応
を行なった。得られた粒子を分級して、比表面積13.
6rrr/g、重量平均粒径17.4μmのゲルを得た
このゲルを内径7.5鶴及び長さ25cmのステンレス
製カラムに充填して種々の分子量を有するデキストラン
やポリエチレングリコールの水溶液を測定したところ、
それぞれ分子量の大きい順に溶出され、GFCによる分
離が行なわれていることが確認された。検量線は第1図
に示した通りであり、これから得られる排除限界分子量
は*G−1,5x104であった。サンプルの測定はす
べて流速1ml/minで実施し、いずれも10分以内
に分析を終了した。
実施例2 実施例1と同一の単量体混合物80g、酢酸n−ブチル
44g、n−デカン12g及び2.2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル0.8gの均一混合液を、実施例1と同
様にして懸濁重合し、得られた粒子の加水分解を行なっ
た。分級により得られたゲルの比表面積は51.2nr
/gであり、重量平均粒径は15.1μmであった。
このゲルを実施例1と同様のカラムに充填し、デキスト
ランやポリエチレングリコールを分析したところ、それ
ぞれ分子量の大きい順に溶出し、デキストランの排除限
界分子量は約20 X l O’であった。また、0.
3M塩化ナトリウム及び0.1Mリン酸ナトリウムを含
む水溶液を溶媒として、ハプトグロビン、トランスフェ
リン、人血清アルブミン及びミオグロビンの分析を行な
ったところ、第2図の検量線に示すように、分子量の順
に溶出され、回収率はすべて90%以上であった。サン
プルの測定はすべて流速1 m !l / minで実
施し、いずれも10分以内に分析を終了した。
実施例3 ペンタアセチルメタクリロイルソルビトール、テトラア
セチルジメタクリロイルソルビトール及びトリアセチル
トリメタクリロイルソルビトールの4:6:lの混合物
56g、メチルメタクリラート14g、酢酸n−ブチル
40g5n−デカン10g並びに2.2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.7gの均一混合液と、ポリビニル
アルコール1重量%とを溶解した水400mAとを実施
例1と同様に懸濁重合し、得られた粒子の加水分解を行
なった。分級により得られたゲルの比表面積は21.3
rrf/gであり、重量平均粒径は13.7μmであっ
た。
このゲルを実施例1と同様のカラムに大域し、デキスト
ランやポリエチレングリコールを分析したところ、それ
ぞれ分子量の大きい順に溶出し、第3図の検量線から得
られるデキストランの排除限界分子量は約80X1−で
あった。また、0.3M塩化ナトリウム及び0.1 M
リン酸ナトリウムを含む水溶液を溶媒として、ハプトグ
ロビン、人血清アルブミン、卵白アルブミン及びミオグ
ロビンの分析を行なったところ、第3図に示すように、
分子量の順に溶出され、回収率はすべて90%以上であ
った。サンプルの測定はすべて流速1 m lI/mi
nで実施し、いずれも10分以内に分析を終了した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られたゲルを充填したカラムで
、デキストラン及びポリエチレングリコールを分析した
結果を、分子量対数と溶出容量の関係で示したものであ
る。 第2図は、実施例2で得られたゲルを充填したカラムで
蛋白質を分析した結果を、分子量の対数と溶出容量の関
係で示したものであり、1・・・ハプトグロビン、2・
・・トランスフェニン、3・・・人血清アルブミン、4
・・・ミオグロビンである。 第3図は、実施例3で得られたゲルを充填したカラムで
、デキストラン及び蛋白質を分析した結果を、分子量の
対数と溶出容量の関係で示したもので、曲線はデキスト
ランの検量線であり、丸印は、それぞれ、1・・・ハプ
トグロビン、2・・・人血清アルブミン、3・・・卵白
アルブミン、4・・・ミオグロビンである。 第 1図 溶出容量(ml) 第2図 溶出容量(m2) 第3図 5678 溶出容量(ml) 手続補正書(自発) 昭和58年3月2q日 特許庁長官 若杉 和夫殿 1、事件の表示 昭和58年 特許願第18922号 2、発明の名称 硬質ハイドロゲル 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 名称(003)旭化成工業株式会社 4、代理人 住所 東京都港区虎ノ門−丁目8番lO号静光虎ノ門ビ
ル 〒105  電話(504)0721 5、補正の対象 明細書の「発明の詳細な説明」の欄 6、補正の内容 ■)(イ)明細書第6頁第9〜19行、「まず、本発明
に従った・・・単糖類である。」を削除し、その後に以
下の文を加入する。 「まず、本発明に従った硬質ハイドロゲルは、例えば構
成単糖8個以下の低分子量のオリゴ糖及び単糖に重合可
能なビニル基を持つ官能基を導入した誘導体を重合して
得られる。 原料糖としては、望ましくはグルコース、フルクトース
、マンノース及びガラクトース等の単糖類やそれらの還
元誘導体であるソルビトール及びマンニトール等の糖ア
ルコール類、スクロース、マルトース及びラクトース等
の二糖頬、又はグルコサミン及びガラクトサミン等のア
ミノ糖等を用いるのが良く、場合によってはこれらの混
合物を用いてもよい。特に好ましい原料糖は単糖類及び
それらの還元誘導体である。」 (ロ)同第14頁第14行及び第17行、「構成単糖当
り」を「構成糖当り」と補正する。 (ハ)同第24頁第13行と第14行との間に以「実施
例4 テトラアセチルメタクリロイルグルコース及びトリアセ
チルメタクリロイルグルコースの1:1混合物72g、
エチレングリコールジメタクリラード18g、酢酸n−
ブチル50g、n−デカン14g並びに2.2′−アゾ
イソブチロニトリル0゜9gの均一混合物と、ポリビニ
ルアルコール1重量%を熔解した水510m1とを実施
例1と同様にして懸濁重合し、得られた粒子を加水分解
した。 分級により得られたゲルの比表面積は15.9rd/g
であり、重量平均粒径は11.3μmであった。 このゲルを実施例1と同様のカラムに充填し、デキスト
ラン及びポリエチレングリコールを分析したところ、そ
れぞれ、分子量の大きい順に溶出し、デキストランの排
除限界分子量は、約10×10’であった。サンプルの
測定はすべて流速1ml/minで実施し、いずれも1
0分以内に分析を終了した。」 1以上 手続補正書(自発) 昭和59年5月3 日 特許庁長官若杉和夫殿 1、事件の表示 昭和58年特許I弗18922号 2、発明の名称 硬質ハイドロゲル 3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 名称 (003)旭化成工業株式会社 4、代理人 住所 〒105 東京都港区虎ノ門−丁目8番10号5
、補正の対象 明IvlII書の「発明の詳細な説明」の欄6、補正の
内容 1)明細書第6画第6〜7行[多孔質の硬質)・イドロ
ゲル」ヲ「多孔質の球状硬質/・イドロゲルJに補正す
る。 2)同第10員第5〜6行[2−ヒドロキシメタクリラ
ート」を12−ヒドロキシエチルメタクリラート」に補
正する。 3)同第10[第11行「ジメタクリラード」を「ジメ
タクリラード」に補正する。 4)同第12自第12行と第13行との間に次の文を加
入する。 「本発明の球状硬質ノ・イドロゲルの球状とは。 が15μ下、好ましくは1.2μ下、更に好ましくは1
.1μ下であるものをいう(参考;「粉体 理論と応用
」久保ら轟、第88酉、丸善(株)発行)。」5)同第
19員第3行「粗系」ヲr粒径」に補正する。 6)同第21頁第16行[N奮平均粒径17.4μmJ
t−r重量平均粒径17,4μm(円形度1.02μ下
)」に補正する。 7)同第22員第15行r l 5.1μmJをr15
.1μm(円形度1.02以下)Jに補正する。 8)同第23百第16行「1重量係とを」を11重量%
を」に補正する。 9)同第23員第19行、r 13.7μm’Jをr1
3.7μm(円形度1.02以下)」に補正する。 10) 同@24頁第13行と第14行との間に昭オ0
58年3月29日付で提出の手続補正書をもって加入し
た「実施例4」を以下の文と置き換える。 「実施例4 テトラアセチルメタクリロイルグルコース及びトリアセ
チルジメタクリロイルグルコースのl:l混合物72g
、エチレングリコールジメタクリラード18g、酢酸n
−ブチル50g、n−デカン14g並びに2,2′−ア
ゾビスインブチロニトリル0.9gの均一混合物と、ポ
リビニルアルコール1京量%を溶解した水510rIL
lとを実施列lと同様にして懸濁重合し、得られた粒子
を加水分解した。分級により得られたゲルの比表面積は
1s、9rr?/gであり、重量平均粒径は11.3μ
m(円形度1.02μ下)であった。 このゲルを実施例1と同様のカラムに充填し、デキスト
ラン及びポリエチレングリコールヲ分析したところ、そ
れぞれ、分子量の大きい1願に溶出し、デキストランの
排除限界分子量は、約10×104であった。サンプル
の測定はすべて流速1ml / mi nで実施し、い
ずれも10分以内に分析全終了した。」 以上

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、重合可能なビニル基をもつ官能基を有する低分子量
    の糖の誘導体を用い、重合と同時に架橋構造が形成され
    た重合体よりなり、乾燥時の比表面積が1〜500r+
    ?/gの範囲にある重量平均粒径1〜2000μmの多
    孔質の球状硬質ハイドロゲル。 2、重合に用いる糖の誘導体が、重合時には糖に由来す
    る水酸基が容易に水酸基に変換し得る官能基で実質的に
    保護された親油性のものであって、重合後に該重合体を
    脱保護して得られることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項に記載の硬質ハイドロゲル。
JP58018922A 1983-02-09 1983-02-09 硬質ハイドロゲル Pending JPS59145036A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4772419A (en) * 1985-03-01 1988-09-20 Pharmacia Ab Shaped article and processes for its preparation
JPH02307339A (ja) * 1989-05-19 1990-12-20 Hitachi Ltd 電機固定子

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58239A (ja) * 1981-06-24 1983-01-05 Hitachi Ltd ゲル状多孔質体の製造方法

Patent Citations (1)

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