JPS5914168Y2 - 可搬式木造建築用仕口加工機の作業台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、可搬式木造建築用仕口加工機の作業台に関
するものである。

従来、木材にそれらの結合用柄および補講などの仕口を
加工成形する仕口加工機は、比較的大型かつ大重量で木
材加工工場内の所定場所に設置されるいわゆる固定式の
ものであった。

このため、木材加工を木材加工工場においてしか行なう
ことができず、したがって例えば現場で木材を加工成形
する必要が生じてもこれを行なうことができず、極めて
不便であった。

また、仕口加工機に対し加工すべき木材を移動させてセ
ットしなければならないから、広い加工作業スペースが
必要であった。

そこで、この考案者は、小型軽量で持ち運び可能ないわ
ゆる可搬式で、木材に対する柄および補講の加工成形を
広い作業スペースを必要とせず簡単に行なうことができ
る可搬式木造建築用仕口加工機を開発した。

この考案は上記開発に関連してなされたもので、加工機
自体をバランスウェイトを利用して移動自在に吊り下げ
保持すると共に、被加工木材を仕口の加工成形に適する
状態に適宜位置決め可能とすることにより、可搬式木造
建築用仕口加工機の作業操作性を一層向上させることが
できて極めて便宜な作業台を提供することを目的とする
。

以下、この考案を説明するに先立ち、まず可搬式木造建
築用仕口加工機を第１図ａ、ｌ）、ｃおよび第２図に基
づいて簡単に説明する。

すなわち、この加工機１は、モーター２によって回転さ
れる組みカッター３を有していて、この組みカッター３
の回転軸線Ａが被加工木材Ｗの長さ方向に対して直交ま
たは一致するような形態でこの被加工木材Ｗ上にセット
されるものである。

前者のセット状態（以下第１のセット状態という）にあ
っては、組みカッター３を被加工木材Ｗの右側面または
左側面に対向させる２つの形態がある（第１図ａ参照）
。

そして、この第１のセット状態において、組みカッター
３を昇降操作することにより、被加工木材Ｗの右側面ま
たは左側面に対し、第２図中符号Ｗ１で示すような補講
Ｗ０を一工程で自動的に成形する。

なお、被加工木材Ｗを回転変位させることにより、その
全ての側面に対する補講Ｗ１の成形が可能である。

他方、後者のセット状態（以下第２のセット状態という
）にあっては、組みカッター３を被加工木材Ｗの一端面
または他端面に対向させる２つの形態がある（第１図す
、Ｃ参照）。

そして、この第２のセット状態において、組みカッター
３を単に昇降操作することにより、被加工木材Ｗの端面
に対し、第２図中符号Ｗ２で示すような補講を一工程で
１動的に成形する。

また、この第２のセット状態において、組みカッター３
をＵ字形の軌跡を画くように昇降操作することにより、
被加工木材Ｗの端面に対し、第２図中符号Ｗ３で示すよ
うな柄を自動的に成形する。

なお、各補講Ｗ１．Ｗ２およびＷ３の形状は、組みカッ
ター３の組み形体に対応する。

ところで、このような可搬式木造建築用仕口加工機１は
、その本体上側の左右部分に把手４，４を備えている。

しかしながら、比較的大重量のモーター２を備えている
ため、および加工機１自体の強度的な配慮から、その軽
量化には自ずと制約がある。

そのため、特に仕口加工を連続的に行なう場合、本加工
機１自体を把手４，４によって把持して被加工木材Ｗに
セットするために、多大な労力を必要とすることが予想
される。

この考案に係る作業台は、上記のような可搬式木造建築
用仕口加工機１のためのものである。

以下、この考案の一実施例を第３図および第４図に基づ
いて詳細に説明する。

図中符号５は、正面形状が略Ｈ型のスタンドベースを示
す。

このスタンドベース５の左右の脚部６．６の下端には、
第４図中左右の水平方向に基台７．７が設けられており
、このことにより、スタンドベース５が安定良く自立す
るようになっている。

スタンドベース５の左右の脚部６，６の上端には、一対
のバイス８，８が設けられている。

各バイス８は、第４図に示すようにハンドル９による締
付けねじ１０の回転操作で、あご１１を横方向から本体
１２側に押し付けるいわゆる横万力を構成している。

これら一対のバイス８，８は、第３図中左右方向の１つ
の水平線に沿って被加工木材Ｗを互いに挟持できるよう
になっている。

また、スタンドベース５の左右の脚部６，６の上端にお
いて、互いに対向する内側には、各バイス８の本体１２
の底面よりも若干低く位置する補助的な被加工木材Ｗの
ガイドローラ１３．１３が設けられている。

また、これら左右の脚部６，６の上端において、互いに
離間する側には、第４図中左右方向に沿う左右の連結ピ
ン１４．１４が設けられている。

上記スタンドベース５の左右の連結ピン１４．１４のそ
れぞれには、１対のローラコンベア１５．１５が第３図
中左右対称に取付けられている。

各ローラコンベア１５は、水平搬送部１６の一端側に、
下方へ延出する脚部１７を有すると共に、その搬送部１
６の他端の両側に、上記連結ピン１４に対しその上方か
ら合致するフック状の連結具１８を有していて、スタン
ドベース５の両側に連結されて安定良く立つようになっ
ている。

各水平搬送部１６には、前記各バイス８，８の本体１２
の底面よりも若干高く位置する複数のガイドローラ１９
が回転自在に配備されていて、第３図中水平の左右方向
に沿って被加工木材Ｗを移動自在に支持できるようにな
っている。

また、各脚部１７の下端のそれぞれには、下端部が水平
とされた基台２０が上下方向移動調整可能に取付けられ
ている。

すなわち、各基台２０には上下方向に沿って２つの長溝
２１，２１が設けられていて、この長溝２１゜２１を通
るねし２２．２２が脚部１７側にねし合わされている。

したがって、長溝２１，２１内におけるねし２２．２２
の遊嵌範囲内で、基台２０の上下方向への移動調整が可
能である。

また、各脚部１７の底面部には、その上方から移動調整
ねじ２３がねじ合わされており、その下端は各基台２０
の下側部に当接している。

したがって、この調整ねじ２３により、各基台２０を上
下方向に簡単に移動調整することができる。

ゆえに、床面の起伏に関係なく、確実に各搬送部１６を
水平状態に設定できるようになっている。

前記スタンドベース５の一方の脚部１７には、上方へ延
出するスタンドアーム２４がブラケット２５を介して回
転自在に取付けられている。

このスタンドアーム２４の下端は、通常、セットボルト
２６によってブラケット２５に回り止めされている。

スタンドアーム２４は、鉛直筒状部材２７と、水平筒状
部材２８と、これら両部材２７．２８を連結するＬ字形
の連結部材２９とにより構成され、全体として略逆り字
形とされている。

連結部材２９は、垂直筒状部材２７の先端に対しその鉛
直方向の軸線を中心として回転自在に嵌め合っている。

そして、この連結部材２９にねじ合って先端が垂直筒状
部材２７に対向するロック操作ねじ３０を締付けること
により、適宜これら両部材２７．２９を回を止め操作で
きるようになっている。

また、連結部材２９は、水平筒状部材２８に対しその水
平方向の軸線を中心として回転自在に嵌め合っている。

そして、この連結部材２９にねじ合って先端が水平筒状
部材２８に当接するセットボルト３１によって、通常、
これら両部材２８ 、２９は回り止めされている。

連結部材２９には上方プレーＩ・３２が固定され、また
鉛直筒状部材２７には下方のプレート３３が回転自在に
嵌め合わされている。

これら上下一対のプレート３２．３３は２本のガイドロ
ッド３４．３４によって連結されている。

そして、これらのガイドロッド３４．３４には、バラン
スウェイＩ・３５の上下のフランジ部３６．３６が上下
動自在に嵌め合わされている。

したがって、このバランスウェイト３５は、ガイドロッ
ド３４ 、３４によって上下動自在にガイドされており
、また、その重さは前述した可搬式木造建築用仕口加工
機１の重さと略同じとされている。

また、このバランスウェイト３５の上部には連結環３７
が固定されている。

水平筒状部材２８の先端には、プーリー支持部材３８を
介して一方のガイドプーリー３９が回転自在に取付けら
れ、また、連結部材２９に一体成形されたプーリー支持
部４０には、他方のガイドプーリー４１が回転自在に取
付けられている。

そして、これら両ガイドプーリー３９．４１間にはワイ
ヤー４２が架は渡されている。

このワイヤー４２の中間部は水平筒状部材２８の中空内
部を移動自在に貫通され、またその一端は２又状とされ
ている。

この２又状の各先端には、前述した仕口加工機１の上部
に設けられた２つの吊りフック４３．４３に連結可能な
環状の吊り下げ金具４４．４４が取付けられている。

ところで、２つの吊りフック４３．４３は、仕口加工機
１自体を第３図に示すようにバランス良く吊り下げるこ
とができるような位置に設けられている。

他方、ワイヤー４２の他端は、連結金具４５を介して前
記バランスウェイト３５の連結環３７に連結されている
。

なお、図中４６は、プーリー支持部材３８にねし合わさ
れて先端が一方のガイドプーリー３９と対向するロック
操作ねじを示し、必要に応じてガイドプーリー３９をロ
ックできるようになっている。

しかして、上記構成の作業台によれば、ワイヤー４２の
一端側に仕口加工機１を吊り下げることにより、バラン
スウェイト３５との吊り合いで仕口加工機１自体を適宜
の位置に吊り下げ保持することができる。

したがって、仕口の成形作業に当たり、仕口加工機１自
体を上下の所定位置に極めて容易に移動させて支持する
ことができる。

また、スタンドアーム２４の鉛直筒状部材２７と連結部
材２９との相対回転により、仕口加工機１自体を極めて
容易に旋回移動させることができる。

ゆえに、仕口加工機１の吊り下げ保持に関し、何ら特別
の労力を要しない。

しかも、被加工木材Ｗを左右の田−ラコンベア１５．１
５間において容易に移動できると共に、この被加工木材
Ｗの適宜の移動位置にて、その両側部を左右のバイス８
，８によって挾持することができるから、仕口加工機１
の加工作業位置に対し、被加工木材Ｗの加工されるべき
端部および側部を極めて容易にかつ確実に位置決めする
ことができる。

例えば、被加工木材の中間の側部に補講Ｗ１を加工成形
する場合には、この被加工木材Ｗを左右のローラコンベ
ア１５．１５間に架は渡して、左右のバイス８，８によ
り挾持する。

また、被加工木材Ｗの端部に補講Ｗ２および柄Ｗ３を加
工成形する場合には、この被加工木材Ｗを一方のローラ
コンベア１５上に位置させて、一方のバイス８により挾
持する。

以上説明したように、この考案に係る作業台によれば、
可搬式木造建築用仕口加工機自体をバランスウェイトを
利用して移動自在に吊り下げ保持すると共に、被加工木
材を仕口の加工成形に適する状態に適宜位置決め可能で
あるから、仕口加工機の作業操作性を充分に向上させる
ことができ、極めて便宜である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ、ｌ）、ｃは可搬式木造建築用仕口加工機の概
略説明図、第２図は柄と補講が加工成形された被加工木
材の斜視図、第３図はこの考案の一実施例を示す正面図
、第４図は第３図のＩＶ矢視図である。 １・・・・・・仕口加工機、５・・・・・・スタンドベ
ース、８゜８・・・・・・バイス、１５．１５・・・・
・・ローラコンベア、２４・・・・・・スタンドアーム
、３５・・・・・・バランスウェイト、４２・・・・・
・ワイヤー（線条連結体）、４４．４４・・・・・・吊
り下げ金具（吊り下げ具）、Ｗ・・・・・・被加工木材
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スタンドベースと、該スタンドベースの両側のそれぞれ
   に設けられ１つの水平線に沿って被加工木材を挟持可能
   な一対のバイ又と、前記スタンドベースの両側のそれぞ
   れに着脱自在に連結されかつ前記１つの水平線に沿う被
   加工木材を移動自在にガイドする複数のローラを有する
   一対のローラコンベアと、前記スタンドベースに立設さ
   れかつ上端が水平に延出するスタンドアームと、該スタ
   ンドアームの水平状部の両端の相互間に移動自在に架は
   渡されて両端がそれぞれ下方に向く線条連結体と、該線
   条連結体の一端に取付けられて可搬式木造建築用仕口加
   工機を吊り下げ保持する吊り下げ具と、前記線条連結体
   の他端に取付けられたバランスウェイトを具備してなる
   ことを特徴とする可搬式木造建築用仕口加工機の作業台
   。