JPS5914127Y2 - 工作機械におけるスライドカバ−の切削屑排除装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作機械のコラム及びニーの摺動面を保護する
スライドカバーにおける切削屑の排除装置に関するもの
である。

フライス盤等の工作機械においては、コラムやニーの摺
動面を切削屑等から保護するために、スライドカバーを
雨宿動面に沿って張架させている。

即ち、スプリングによってカバーを捲き取る筒体をコラ
ムの上端に付設し、ここからコラムの摺動面に沿って引
き下げたカバーをニーの奥縁部に装架させたガイドロー
ラーで前方へＬ字状に屈曲させてニーの摺動面上に沿わ
せ、そのカバー先端をニーに嵌合するサドルの後端面に
結着させた構成を採っている。

このためスライドカバーに切削屑を載せたよ・スライド
カバーが捲取側へ移動するときなどに、切削屑がガイド
ローラーに捲き込まれてしまい、スライドカバーに傷付
きを生ずるのは勿論のこと、スライドカバーの捲取及び
引き出しを不能にしてしまうという問題があった。

本考案は上記問題を一掃させるべく、ガイドローラーに
切削屑の排除装置を装備させるふとで、ガイドローラー
への切削屑の掬き込みを防止して、円滑なスライドカバ
ーの捲取及び引出し作用を確保することに成功したもの
である。

次に本考案を図面の簡単な説明する。

第１図において、１は立型フライス盤であり、２はベー
ス３の後側部（図示では左側部）に樹立したコラムで、
この摺動面４にニー５が上下に移動できるよう嵌装され
ている。

ニー５はベース３上の円筒柱６内に螺合する立送り杆（
図示なし）によって支持され、ハンドル７の左舷及び右
舷によってニーは立送り杆に伴われて上下動する。

９は二５の摺動面８に載って前後方向に移動するサドル
で、加工物Ｋを取付けたテーブル１０はサドル９上を左
右に移動する。

１１はコラム２の頂部に片持ちされた主軸頭で、これの
先端寄りに主軸１２を垂直に挿着し、この主軸の下端に
カッター１３を取付けて加工物Ｋに向けられている。

２０は内蔵するつる捲ばね（図示なし）によってスライ
ドカバー２１を捲取る筒体で、コラム２の摺動面４の上
端に付設されている。

そして筒体２０からつる捲きばねの捲き込み力に抗して
引き出されるスライドカバー２１は、雨宿動面４，８と
はパ同−寸法幅に定められている。

２４はガイドローラーで、ニー５の摺動面８における奥
縁部の両側にポル）−２３，２３で付着シ、７たブラケ
ツｌ−２５，２５によってその支軸２４ａ、２４ａを承
持され、これでガイドローラーはニーの摺動面８上にお
ける奥縁部に回動自在に装架されている。

これで筒体２０からコラム２の摺動面４に沿って引き下
げ゛られたスライドカバー２１は、この屈曲部か゛ガイ
ドローラー２４で前方へＬ字状に屈曲されてニー５の摺
動面８上に沿い、そのカバー先端２１ ａをニーに嵌合
するサドル９の後端面にセットボルト２６で結着されて
いる。

しかして、スライドカバー２１は雨宿動面４，８を覆い
ニー５の上昇及びサドル９の後退で筒体２０内へ捲き込
まれ、かつニーの降下及びサドルの前進で筒体から引き
出される構成となっている。

３０は本考案に係る切削屑の排除板で、ガイドローラー
２４を覆うことができる幅と長さをもちかつその断面が
逆く字型に屈曲されていて左右両端から後方に突設した
支持片３０ａ、３０ａをローラー２４の支軸２４ａ、２
４ａに枢支している。

これで排除板３０は、サドル９側へ傾斜しているその下
端縁３０ ｂをスライドカバー２１上に自重で載せてガ
イドローラー２４を覆い、上端縁３０ Ｃは垂直姿勢の
スライドカバーとの間に若干の間隙ｇが残され、この間
隙だけ回動自在に枢支されている。

本考案は上述の如く構成され、次のように作用する。

カッター１３が加工物Ｋを切削すると、切削屑Ｓがスラ
イドカバー２１上に散乱するも、ガイドローラー２４は
排除板３０に覆われているから切削屑をかぶせることが
ない。

そしてサドル９をコラム側へ切削送りするときには、ス
ライドカバー２１は第３図に見るよう実線矢印方向に移
動することになり、この上に乗る切削屑Ｓは排除板３０
の下端縁３０ ｂによって掬い上げられ、ガイドローラ
ー２４への捲き込が完全に除去される。

一方、サドル９が手前側へ送られるときには、スライド
カバー２４は鎖線矢印方向に移動される。

このとき排除板３０の上端縁３０ Ｃは、スライドカバ
ー２１との間に間隙ｇがあって接触していないのである
が、摺動面８上のスライドカバー２１及び排除板上に乗
る切削屑Ｓは、スライドカバーの前方への移動に伴われ
てここから遠ざかり、間隙ｇからガイドローラー２４内
へ侵入することが回避される。

尚、本考案は上記実施例に限定されることなく各部の設
計変更が可能である。

例えば排除板３０の承持箇所も、ガイドローラー２４の
支軸２４ ａに限定されず、ブラケツ） ２５．２５に
植着させたピンに遊嵌させてもよい。

また切削屑Ｓをより効果的に除去すべく、スライドカバ
ー２１と接触する排除板３０の下端縁３０ ｂにブラシ
群やフェルトを付設させたり、スライドカバーとの密着
性及び滑動性を向上させるために、下端縁３０ ｂをナ
イロン等でコーテングしてもよい。

更に、排除板３０の下端はスライドカバー２１に対して
直立させた姿勢であってもよく、又若干凸状縁に湾曲さ
せて切削屑の両脇への排除効果をもたせてもよい。

本考案によるときは、コラムとこれに係合して昇降動す
るニーの雨宿動面を覆うべく、コラム摺動面の上端とニ
ー摺動面上のサドル後端間に巻込自在にスライドカバー
を張架し、該スライドカバーをニー摺動面の奥端部に回
動自在に支持されたガイドローラで屈曲させて雨宿動面
上に沿わせたスライドカバーにおいて、切削屑の排除板
は前記ガイドローラを覆うことができる幅と長さをもち
且その断面か逆く字型に屈曲され両端から後方に突設し
よ支持片をガイドローラの支軸に枢支させ、前記排除板
はサドル側へ傾斜した下端縁をスライドカバー上に自動
で載せてガイドローラを覆い、上端縁を垂直姿勢のスラ
イドカバーと少しの間隙を残したから、排除板がガイド
ローラへの切削屑の付着やスライドカバーの移動に伴な
うガイドローラへの切削屑の巻き込みを完全に防止でき
、これで円滑なスライドカバーの捲取及び引出し作用を
確保しうるとともに、ニー摺動面上のスライドカバー位
置が上下方向に移動してもこれに追従して回動自在の排
除板が上下動し、切削屑の排除作用を損うことがない優
れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は本考案装
置を装備する立型フライス盤の側面図、第２図は本考案
装置の斜視図、第３図は本考案装置の作用状態を示す側
断面図である。 ２・・・コラム、４・・・コラムの摺動面、５・・・二
８・・・ニーの摺動面、９・・・サドル、１０・・・テ
ーブル、２０・・・筒体、２１・・・スライドカバー、
２１ ａ・・・カバーの先端、２５・・・ブラケット、
２４・・・ガイドローラー、２４ａ・・・支軸、３０・
・・排除板、３０ ａ・・・支持片、３０ ｂ・・・下
端縁、３０ Ｃ・・・上端縁、ｇ・・・間隙、Ｓ・・・
切削屑。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コラムとこれに係合して昇降動するニーの雨宿動面を覆
   うべく、コラム摺動面の上端とニー摺動面上のサドル後
   端間に巻込自在にスライドカバーを張架し、該スライド
   カバーをニー摺動面の奥端部に回動自在に支持されたガ
   イドローラで屈曲させて雨宿動面上に沿わせたスライド
   カバーにおいて、切削屑の排除板は前記ガイドローラを
   覆うことができる幅と長さをもち且その断面が逆く字型
   の屈曲され両端から後方に突設した支持片をガイドロー
   ラの支軸に枢支させ、前記排除板はサドル側へ傾斜した
   下端縁をスライドカバー上に自重で載せてガイドローラ
   を覆い、上端縁を垂直姿勢のスライドカバーと少しの間
   隙を残したことを特徴とする工作機械におけるスライド
   カバーの切削屑排除装置。