JPS5913332Y2 - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、チェンソー等の小型作業機用内燃機関の吸気
装置の改良に関するものである。

従来のこの種内燃機関の吸気装置においては、気化器収
容室の上側部に薄板状のフィルターを配設して、その上
方に形成される偏平な中空室（空気通路）の側方延長部
分にのみ空気入口が設けられている。

この場合、外部からフィルタ上面に至る空気通路が比較
的短かくなり且つ複雑な曲折部を設けるようにはされて
いないため、空気流に乗って鋸屑やゴミ等がフィルター
上面に堆積して目詰まりを生じ、その結果、気化器への
空気供給量不足による出力低下を招ぐという不具合があ
った。

本考案は、気化器収容室内に配設されたフィルタの上方
と下方とにそれぞれ空気通路を形成し、下部空気通路の
空気流量を上部空気通路より大きくし且つ下部空気通路
を経てフィルタ上面に至る空気流の経路を長くすること
によって、空気流中に含まれる鋸屑やゴミ等が前記フィ
ルタ上面に到達しないようにすることを目的とするもの
である。

以下、添付の図面を参照して本考案の実施例にかかる内
燃機関の吸気装置を説明する。

第１図は、本考案の実施例にかかる内燃機関の吸気装置
を備えたチェンソーを示している。

図面中符号１はチェンンー、２はハンドルフレーム、３
はソーチェン４を駆動させるエンジンを示している。

前記ハンドルフレーム２は、ハンドル５と該ノ１ンドル
５前方に一体に形成された燃料タンク６及び気化器収容
室７とからなっている。

このチェンゾ−１はエンジン３を駆動させることによっ
て、その回転力でソーチェン４を作動させて木材等を鋸
断するようになっている。

続いて第２図を参照して本考案の実施例を説明する。

前記気化器収容室７内には、下方位置に気化器８が配設
されている。

該気化器８の入口側には、蛇腹状軟質防振管からなる吸
気管９が上向きに取付けられている。

前記気化器収容室７内にあって前記吸気管９の入口開口
１０上側部には、上面１１ ａ及び下面１１ ｂを共に
網目状に形成してなる中空フィルタ１１が配設されてい
る。

該中空フィルタ１１は、その外周縁及び吸気管９との結
合部分を気化器収容室７内に形成された隔壁１２によっ
て支持され且つフィルタカバー１３に対してはボルト２
１で固定されている。

そして、気化器収容室７内は、隔壁１２によって中空フ
ィルタ１１の上方と下方とに形成される上部空気通路１
４と下部空気通路１５とに区画されている。

一方、気化器収容室７のハンドル６側の側壁１６には、
前記上部空気通路１４に通ずる小口径の上部空気人口１
８と前記下部空気通路１５に通ずる大口径の下部空気人
口１９とが形成されている。

更に、前記隔壁１２には、前記側壁１６と対向する、側
壁１７側に前記上部及び下部空気通路１４．１５を連通
させるための穴２０が形成されている。

尚、符号２２は吸気管９内に配設されるスペーサである
。

次に図示の内燃機関の吸気装置の作用を説明すると、エ
ンジン３駆動中に、気化器収容室７内には、上部空気入
口１８と下部空気人口１９との両方から空気が吸い込ま
れるが、上部空気入口１８を小口径とし下部空気人口１
９を大口径としているため、上部空気入口１８から吸い
込まれる空気Ａ１より下部空気人口１９から吸い込まれ
る空気Ａ２の方が流量大となる。

しかも、上部空気入口１８は小口径なので、鋸屑等が空
気Ａ１と共に侵入しにくくなり、中空フィルタ上面１１
ａには鋸屑等を含まない空気Ａ１が流通する。

一方、下部空気人口１９からの吸込空気Ａ２には鋸屑等
が含まれているが、この吸込空気Ａ２の大部分は中空フ
ィルタ下面１１ ｂを通って吸気管９に吸い込まれ、一
部が隔壁１２の穴２０を通って上部空気通路１４に入り
、中空フィルタ上面１１ ａより吸い込まれる。

即ち、吸込空気Ａ２は気化器収容室７内では常に上向き
に流通することとなり、このため吸込空気Ａ２中に含ま
れる鋸屑Ｂ等は重力によって気化器収容室７底部に落下
堆積される。

従って、鋸屑Ｂ等は中空フィルタ上面１１ ａに迄到達
しにくくなり、中空フィルタ１１の目詰りを未然に防止
できる。

又、吸込空気Ａ２は、気化器８のまわりを流通する際、
気化器８を冷却する作用をも有する。

更に、気化器収容室７底部に堆積された鋸屑Ｂ等は穴２
０より容易に清掃除去することができる。

続いて本考案の内燃機関の吸気装置の効果を以下に列記
する。

即ち、本考案によれば、 （１）気化器収容室７内において、少なくとも上面１１
ａと下面１１ ｂとを網目状に形成してなる中空フィ
ルタ１１の上方と下方とに、隔壁１２によって区画され
た上部及び下部空気通路１４及び１５を形成し、前記気
化器収容室７の一方の側壁１６に前記上部及び下部空気
−通路１４及び１５へそれぞれ通ずる小口径の上部空気
人口１８及び該上部空気入口１８より大口径の下部空気
人口１９を形成し、更に前記隔壁１２の前記側壁１６と
対向する側壁１７側に両空気通路１４．１５を連通せし
める穴２０を形成して、下部空気通路１５を流通する空
気量を上部空気通路１４を流通する空気量より著しく多
くし且つ下部空気通路１５から中空フィルタ上面１１
ａに至る経路が長くなるようにしたので、空気流中に含
まれる鋸屑等は気化器収容室７底部にほとんど落下堆積
されることとなり、鋸屑等による中空フィルタ１１の目
詰まりを防止し、エンジン出力の低下を未然に防止する
ことができる、 （２）気化器８は下部空気通路１５を流通する空気によ
って冷却されるので、エンジン熱による気化器８の温度
Ｅ昇がおさえられ、ペーパーロックあるいはパーコレー
ション等の発生を防止することができる、 （３）下部空気人口１９を大口径としたので、気化器収
容室７底部に堆積される鋸屑等を容易に清掃除去するこ
とができ、鋸屑等の堆積物が空気流通を妨げることはな
い、 等の実用的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる内燃機関の吸気装置を
備えたチェンソーの１部内部を開示した側面図、第２図
は第１図の要部拡大断面図である。 ７・・・・・・気化器収容室、８・・・・・・気化器、
９・・・・・・吸気管、１０・・・・・・入口開口、１
１・・・・・・中空フィルター、１１ ａ・・・・・・
中空フィルタ上面、１１ ｂ・・・・・・中空フィルタ
下面、１２・・・・・・隔壁、１４・・・・・・上部空
気通路、１５・・・・・・下部空気通路、１６．１７・
・・・・・側壁、１８・・・・・・上部空気入口、１９
・・・・・・下部空気入口、２０・・・・・・穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化器収容室７内において、気化器８に取付けられた吸
   気管９の入口開口１０上側部には、少なくとも上面１１
   ａと下面１１ ｂとを網目状に形成してなる中空フィ
   ルタ１１を配設し且つ該中空フィルタ１１の上方と下方
   とには、隔壁１２によって区画された上部及び下部空気
   通路１４及び１５を形成するとともに、前記気化器収容
   室７の一方の側壁１６には、前記上部及び下部空気通路
   １４及び１５へそれぞれ通ずる小口径の上部空気入口１
   ８及び該上部空気入口１８より大口径の下部空気人口１
   ９を形成し、更に前記隔壁１２には、前記側壁１６と対
   向する側壁１７側に前記両空気通路１４．１５を連通せ
   しめる穴２０を形成したことを特徴とする内燃機関の吸
   気装置。