JPS5913296B2 - 鋳型造型機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鋳枠内に充填された鋳物砂にスクイズ動作を与
えて鋳型を造型する鋳型造型機に関する。

従来の鋳型造型機では模型の形状が複雑な場合に、スク
イズ動作だけでは所定の硬度及び成型状態を有する鋳型
を得ることが困難であるため、ジョルト機構を付設して
鋳物砂にジョルト動作を与えて後、スクイズ動作をする
ようにしている。

その結果、ジョルト機構によって振動・１騒音公害が発
生する欠点があり、しかもジョルト動作に耐え得るよう
に造型機を過剰な程に強固なものにしなげればならず、
それに伴ない装置全体が大型化し、且つその設置のため
の基礎工事も大規模となり、総じて設備費が膨大なもの
となる。

また、ジョルト動作を受けた鋳物砂は模型の表面近傍が
固くなって、スクイズ力が模型の表面近（に及ばない所
謂かつぎ現象を呈するためスクイズ力を太き（しなけれ
ばならず、スクイズ機構が大型化して高価なものとなり
、しかもスクイズ力が大きいため模型板の摩耗が激しい
欠点もある。

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、鋳物砂
にジョルト動作を与えなくても所定の硬度及び成形状態
を有する鋳型を造型することができる鋳型造型機を提供
することを目的とする。

以下本発明の一実施例を図面を参照して説明する。

１は基礎Ａ上に設置された直方体状の基台でこれの中央
部にシリンダ２が基台１を貫通するように設置され、ピ
ストンロッド３を上方に指向させている。

４は中央部がピストンロッド３の上端部に固着された水
平な板状をなすテーブルで、これは図示しないガイドピ
ンにより水平面内の回転が防止されており、上面に排気
口５を介して図示しないマフラーに連結された凹部６が
適宜設けられている。

７はテーブル４の上面に固着された模型板で、これは模
型部８と、この模型部８を上面に固着した外装部材９に
よって構成されている。

１０は模型部８を上下に貫通するように形成された通気
孔で、これの上端部に気体だけ通過できる大きさの網目
を有するベントプラグ１１が埋設されている。

そして、通気孔１０はスクイズ造形時に鋳物砂に圧力が
かかりにくく所定の硬度を得にくい箇所に設けられてお
り、ベントプラグ１１の網目は模型部８０表面と同レベ
ルとなるように形成されている。

１２は通気孔１０を凹部６に連通するように外装部材１
０を上下に貫通するように形成された通気孔、１３は後
述する鋳枠を模型板７上の所定位置に載置させるための
ガイドピンである。

１４は基台１の四隅所に立設された柱部材で、これらの
中間部には前後方向に指向する補強用の固定フレーム１
５，１５が橋設されている。

１６は固定フレーム１５，１５及び基礎Ａから立設され
た支柱１１との間にわたって左右方向に水平ニ設置され
たローラコンベアで、これは対向する面に多数個のつば
付ローラ１８を回転自在に枢支した二本の水子基枠１９
（一方のみ図示）をテーブル４等が通過し得るように前
後に所定間隔をもって配置したもので、矩形状の鋳枠２
０の前後両端部がつば付きローラ１８上に載置されて、
左右に移動されるようになっている。

２１は内、外側寸法が鋳枠２０のそれと略同−寸法に設
定された矩形枠状の盛枠で、これの四隅所に脚部２２が
外方に向けて突設されている。

２３は柱部材１４に夫々内方向けて略水平に延設された
四個のブラケット（２個のみ図示）で、上面にガイドピ
ン２４が立設されており、盛枠２１は脚部２２がブラケ
ット２３上に載置され、且つガイドピン２４に昇降自在
に係合されて、模型板７の上方に対向位置されている。

２５は盛枠２１の下面全周にわたって埋設されたシール
部材で、これは下端部が若干下方に突出されていて、鋳
枠２０の上端部に当接された時鋳枠２０と盛枠２１との
間を気密状態に密封し得るようになっており、脚部２２
がブラケット２３上に載置された第１図に示す原位置に
おいてはそのシール部材２５の下端部力爾−ラコンベア
１６上に載置された鋳枠２０の上端部と所定の間隔を有
するようになっている。

２６は柱部材１４の上端部に位置されて左右方向に水平
に設置されたローラコンベアで、これは対向する面に多
数個のつば付きローラ２１を回転自在に枢支した二本の
固定基枠２８（一方のみ図示）を柱部材１４の上端部に
互いに平行状態をなすように固着したもので、基枠１の
直上より左右に夫々所定長突出されている。

２９は略矩形板状の走行台で、これの上面に延設された
断面逆り字形の支持部材３０の支持部３０ａを夫々つば
付きローラ２７上に載置することにより該走行台２９は
ローラコンベア２６に左右に移動可能に設置されている
。

３１は走行台２９の上面に固着されたスクイズ用のシリ
ンダで、これのピストンロッド３２は走行台２９に設け
た貫通孔３３を介して下向きに指向されている。

３４は中央部がピストンロッド３２の下端部に略水平に
固着されたスクイズプレートで、これは鋳枠２０及び盛
枠２１の内側寸法より僅かに小さい外側寸法に設定され
た矩形板状に形成され、内部に中空部３５が形成されて
いる。

３６はスクイズプレート３４の下面に中空部３５と連通
ずるように多数穿設された吐出孔、３７はスクイズプレ
ート３４の上面に中空部３５と連通ずるように穿設され
た給気孔で、ここに例えば図示しない開閉弁を介して圧
縮空気源に連結されたエアホース３８が接続されている
。

３９はスクイズプレート３４の外周部に埋設されたシー
ル部材で、これはスクイズプレート３４から外方に若干
突出されていて盛枠２１及び鋳枠２０の内側面に圧接す
るようになっている。

そして、このスクイズプレート３４の下面は第１図に示
す原位置において盛枠２１の上端部から所定長上方に位
置するように設定されている。

４０はスクイズプレート３４の上面に立設されたガイド
ピンで、これは走行台２９に設げたガイド孔４１を摺動
可能に貫通して、該スクイズプレート３４０回転を阻止
している。

４２は固定基枠２８の対向する面に突設された四個のス
トッパ部材（二個のみ図示）で、これらは第１図に示す
原位置において走行台２９の上面四隅所に形成された当
接部４３の所定長上方に対向位置されている。

４４は一鋳型造型分の鋳物砂量を収納し得る鋳物砂供給
用のホッパで、これはローラコンベア２６のつば付きロ
ーラ２１上に走行可能に載置され、且つこのホッパ４４
の右側面に突設した連結部材４５と走行台２９の左側面
に突設した連結部材４６とを接手ピン４１で連結して走
行台２９とともにローラコンベア２６上を左右に移動し
得るようになっている。

そして、接手ピン４Ｔは連結部材４６に摺動可能に嵌入
されていて、走行台２９が第１図に示す原位置から独立
して所定長上方に移動し得るようになっている。

４８はホッパ４４の底部を形成する複数個のダンパ部材
で、これらは図示しない駆動装置によって回動されて開
閉するようになっている。

４９は固定基枠２８に支持されたシリンダで、これのピ
ストンロッド５０の先端部がブラケット５１を介して走
行台２９に連結されており、このシリンダ４９を作動さ
せることによって走行台２９をホッパ４４とともにロー
ラコンベア２６を左右に移動させるようにしている。

尚、２０ａは鋳枠２０の下面にガイドピン１３と対向す
るように穿設されたガイド孔である。

次に以上のように構成された本実施例の作用について説
明する。

まず、シリンダ４９が作動されて走行台２９及びホッパ
４４力舘１図に示す原位置から右方向に移動され、ホッ
パ４４が盛枠２１の直上方に位置される。

次に、シリンダ２が作動され、テーブル４とともに模型
板７が上昇され、ガイドピン１３がガイド孔２０ａに嵌
合してローラコンベア１６上の鋳枠２０が模型板７上に
載置されて上昇し、更に、鋳枠２０上にシール部材２５
を介して盛枠２１が載置された状態となって盛枠２１も
上昇される。

盛枠２１の上面がホッパ４４の下面に当接する寸前にシ
リンダ２の作動が停止され（第２図参照）、引続いてダ
ンパ部材４８が図示しない駆動装置によって回動されて
開放し、ホッパ４４内に収納された鋳物砂が鋳枠２０及
び盛枠２１内に投入充填される。

この後、シリンダ４９が逆作動して走行台２９が盛枠２
１の直上方に復帰移動され、引続いてシリンダ３１が作
動されてスクイズプレート３４が下降される。

そして、スクイズプレート３４が盛枠２１の上部に挿入
された状態でシリンダ３１の作動が停止され、シール部
材３９が盛枠２１の内面に圧接することにより模型板γ
上に鋳枠２０、盛枠２１及びスクイズプレート３４によ
って密閉空間が形成される。

この後、エアホース３８を介して給気孔３７からスクイ
ズプレート３４の中空部３５内に圧縮空気を供給すると
、この圧縮空気は吐出孔３６を貫流して盛枠２１及び鋳
枠３０内に流れ込み、ここで鋳物砂の粒子を（スクイズ
造形時に圧力のかかりに（い適宜の部位に設けられた）
ベントプラグ１１に向けて流動させて模型部８０表面に
緻密に、且つ強固に堆積させ、以って模型部８０表面に
沿って固化した鋳物砂の層を形成し、空気だけがベント
プラグ１１、通気孔１２及び１０を介して排気口５から
排出される。

所定時間給気孔３７から圧縮空気を供給した後その供給
が停止され、引続いて再びシリンダ３１が作動されてス
クイズプレート３４が下降され、鋳枠２０及び盛枠２１
内の鋳物砂がスクイズされ、所定の硬度及び成型状態に
成形される。

スクイズプレート３４で鋳物砂がスクイズされると、そ
の反力でシリンダ３１及び走行台２９が上昇されるが、
当接部４３がストッパ部材４２に当接することにより、
その上昇移動が阻止されて、鋳物砂にスクイズ力が伝達
される（第３図参照）。

さて、スクイズ動作が完了すると、シリンダ３１が逆作
動してスクイズプレート３４が上昇されると同時に、シ
リンダ２も逆作動して、走行台２９が支持部材３０を介
してローラコンベア２６上に支持された原位置に復帰移
動され、且つ、盛枠２１及び鋳枠２０がブラケット２３
及びローラコンベア１６に載置された原位置に復帰移動
され、模型板７が鋳枠２０をローラコンベア１６に載置
した状態から更に第１図に示す原位置に下降する間に離
型が行われる。

一方、ホッパ４４内にはシリンダ４９が逆作動して原位
置に復帰されてから離型動作完了迄の間に図示しない手
段により一鋳型造型分の鋳物砂が収納される。

そして、離型終了後鋳型を内蔵した鋳枠２０は図示しな
い移動手段によってローラコンベア１６上を例えば右方
向に移動され、空の鋳枠２０が模型板７の直上方布移動
され、上記した一連の作動が繰返されて連続的に鋳型が
造型される。

このように本実施例によれば、適宜の部位にベントプラ
グ１１を埋設して通気性を持たせた模型板γ上に鋳枠２
０及び盛枠２１を順次載置し、中空部３５を有するスク
イズプレート３４を盛枠２１の上部に挿入して模型板７
上に鋳枠２０、盛枠２１及びスクイズプレート３４によ
って密閉空間を形成し、給気孔３７から中空部３５内に
供給された圧縮空気を吐出孔３６から前述の密閉空間内
に供給する構成としたので、模型板７上の鋳物砂を圧縮
空気によってベントプラグ１１方向に流動させて模型板
７０表面（スクイズ動作時に圧力がかかりにくい適宜の
部位）に緻密に、且つ強固に堆積させることができるか
ら、その後のスクイズ動作によって全体が略均−に圧縮
された所望の状態の鋳型を造形することができる。

そして、ジョルト動作を行わなくても所望の状態の鋳型
が得られるもので、ジョルト機構による振動・騒音公害
の発生が確実に防止できるとともに、装置はジョルト機
構を付設した従来構造のもののように強固に製作する必
要がなく、所定の強度を有する小形なもので済み、小形
軽量化が可能となり、基礎工事も従来構造に比して小規
模なもので済み、総じて設備費を大巾に低廉化できる。

更に、圧縮空気の供給によって模型板７のベントプラグ
１１近傍の鋳物砂を強固に固化した状態にできるが、そ
れ以外の部分はジョルト動作を与えた場合のように固（
なることはなく、従って小さなスクイズ力で均一な硬度
を有する鋳型を得ることができ、スクイズ機構も小型で
済み、模型板７の摩耗も最小限に抑えることが可能とな
る。

尚、模型板７はテーブル４上に固定的に取り付けること
な（、テーブル４の直上方に進退自在に配置するように
してもよ（、或いは模型板７はその上面に鋳枠２０を載
置し、且つ鋳枠２０内に鋳物砂を充填した後にテーブル
４上に載置される構成としてもよく、更には、模型板７
が昇降せずに鋳枠２０がローラコンベア１６とともに昇
降し、且つスクイズグレート３４が昇降する構成として
もよく、種種変更することが可能である。

また、シール部材３９は必要に応じて設ければよ（、盛
枠２１も模型部８に対して鋳枠２０が充分な高さを有し
ておれば省略することができ、必要に応じて設けるよう
にすればよい。

更に、離型時にベントプラグ１１から模型部８０表面に
向けて圧縮空気を噴出させなから離型を行うようにして
もよい。

本発明の詳細な説明から明らかなように、鋳物砂にジョ
ルト動作を与えなくても所定の硬度及び成形状態を有す
る鋳型を造型することができる鋳型造型機を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明の一実施例を示し、夫々異な
る作用状態を示す縦断面図である。 図面中、４はテーブル、７は模型板、１１はベントプラ
グ、２０は鋳枠、２１は盛枠、２９は走行台、３４はス
クイズプレート、３５は中空部、３６は吐出孔、４４は
ホッパである。 ８３−

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 適宜の部位が通気性を有する模型板と、この模型板
   の上方に模型板上に載置された鋳枠内に挿入し得るよう
   に設けられ下面に圧縮気体の供給源に連結された吐出孔
   を有するスクイズプレートとを具備してなる鋳型造型機
   。