JPS5912886B2 - 軸方向電磁軸受 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は高速で回転するロータ端部支持用の１５電磁
式軸受に関し、そのロータは、ロータと一体になつたデ
ィスク状アーマチュアと、このディスク状アーマチュア
から軸方向に小さな空隙が形成されるようにディスク状
アーマチュアから近距離隔てて配設された環状の固定ア
ーマチュアとを備２０えておわ、かつ固定アーマチュア
は強磁性体のコアと励磁巻線とを備えたロータの軸受に
関するものである。

電磁式軸受で回転軸を軸方向或いは半径方向に支持する
方式は摩擦が抑制されるとともに、軸直２５径の影響を
受けないので、軸の慣性と剛性が増加する等の種々の利
点がある。

それ故、高速での振動が低減する。さらに軸位置検知器
の補助によつて、軸方向或いは直径方向の変位力に対し
て軸を所定位置に維持させることが出来る。３０しかし
ながら軸方向の電磁式軸受の作動にはいくつかの問題が
ある。

実際には、軸受のロータを構成しているディスク状のア
ーマチュアは高速度で回転するものである一方、積層材
料は機械的強度が弱いためにディスク状アーマチュアを
積層材３５料で作ることができない。このようにディス
ク状アーマチュアを積層材で形成できないので、連続し
た固体材で形成されたディスクの内部は大きいｏクー
−渦電流が誘導され、この渦電流によつて電磁軸受を制
御する制御系の通過帯域を限定するダンピング効果を招
来する。

渦電流の大きさを低減するために、第３図と第４図に示
すように、デイスク２１の周縁に直径方向のスロツト２
２を切るようにすることが提案されている。

この方式では確かにうず電流は低減するけれども切欠部
分によつてデイスクの周縁面に不連続な部分を生じるの
で機械的強度が低減する。そしで結果として高速回転時
には異常な応力が歯の根元に加わり、デイスクを破壊す
るに至る。この発明の目的は上述の欠点を除去し、軸方
向電磁軸受のデイスクにおいて、機械的強度を低減する
ことなく、うず電流を低減することを目的とするもので
ある。この発明によれば、軸に装着されたデイスク形式
のアーマチユアと、このアーマチユアに対して軸方向の
小さな空隙を形成するようにデイスクアーマチユアから
短距離だけ離れて設置された環状の固定アーマチユアを
備えて、固定アーマチユアは強磁性体のコアと励磁巻線
とを有し、高速で回転する軸の端部を支持する軸受であ
つて、この軸受は、固定アーマチユアに対面するデイス
クアーマチユアの外面分に放射状の溝を設けたことを特
徴とする電磁式軸受が提供される。

このようにして、放射状の溝はうず電流がしや断され、
うず電流によつて生じるダンピング効果とこのダンピン
グ効果によつて軸受の軸周りの制御力が低下する影響を
低減せしめている。

さらに回転軸に磁気的に吊ｂかけられ一体化されたデイ
スクの機械的強度は実質的に低減されず、デイスクは高
速回転にも耐えることが出来る。実際にデイスクの厚さ
は部分的に薄くなつているがデイスク周縁での不連続性
はない。上記した溝はアーマチユアの外面部分で規則的
に離隔して設けられるようにしてもよい。

この発明の特定の一実施例においては、軸の軸受におい
て２つの環状の固定アーマチユアの間にデイスクアーマ
チユアが配設されている場合においては、放射状の溝は
、環状アーマチユアに対面するデイスクの外面部で両面
に設けられる。

デイスクの両面に設けられた放射状の溝は反対側面の溝
に対してずれた位相で規則的に離隔するように設けられ
るようにするのが良い。デイスクの各面のそれぞれの溝
は、該デイスクの反対側面にある最近接の２つの溝から
等距離にあるように設けられるようにするのが良い。

これらの溝は両側面で互いに半サイクル分ずつ位相がず
れている場合に、即ち、デイスクの一方の面の各溝が他
方の面の溝に対して直径方向に対称の位置になつている
ときに渦電流を減少させるための最大効率が得られる。
以下にこの発明の一実施例を図面とともに説明する。

図面中第１図はこの発明の軸受を示す第２図の１−１線
断面図、第２図は第１図の軸受の回転アーマチユアを構
成するデイスクの側面図である。

第１図に示すように、デイスク１は電磁式の軸方向軸受
或いはスラスト軸受のロータアーマチユアを備えている
。このデイスク１は２つの環状のステータアーマチユア
２，３の間に設けられており、ステータアーマチユア２
，３はそれぞれ強磁性体のコア２ａ，３ａと励磁巻線２
ｂと３ｂとを備えている。回転軸８と一体化されたデイ
スク１は両表面６，７と端面９を有する。溝４と５がデ
イスク１の環状ステータアーマチユア２と３に対面する
外周部にそれぞれ設けられる。第２図から判るように、
放射状の溝４と５とはそれぞれデイスク１の表面で、規
則的に離隔して設けられ、一方の面の溝は他方の面に設
けられた溝に対して位相がずれるように設けられている
。デイスク１の各表面６と７の各溝４と５は、反対側の
面７と６上の溝に最も近く位置している２つの溝５と４
から等距離にあるように配置するのが好ましい。第１図
に示すように、デイスク１のそれぞれの表面６と７の各
溝４と５は、このデイスク１の反対側の面７と６のそれ
ぞれの溝５と４に正反対の直径方向に対称な位置にある
。それ故、一方の面の溝は他方の面の溝に対して半サイ
クルだけ位相がずれている。軸８と同心のステータアー
マチユア２，３の強磁性体コアを備えたリング２ａ，３
ａは一体に構成しても良いが、うず電流による電磁部分
の熱と損失を防止するために横方向に絶縁して並べられ
たシートの束或いは積層鉄心で構成するのが好ましい。

軸方向の電磁式軸受のステータアーマチユア２と３とデ
イスクアーマチユア１とのそれぞれの間の空隙１０と１
１とは軸方向検出器（図示せず）の補助によつて軸８の
軸方向の所定位置に関連して匍卿され、規制される。

この軸方向検出器は、空隙１０と１１とを一定に維持す
るように軸方向軸受の励磁力を匍脚する。デイスク１は
その中心に穴１２が設けられ、第１図と第２図に示すよ
うに軸８に同心に装着されているが、Ｔ字形の水平方向
の交又部材のような受台を軸８上に備えるようにしても
良い。

この発明によればデイスク１の端面９は切込まずに幅Ａ
を持たせるようにする。

デイスク１の厚さはその端面９での溝の深さ分のみ薄く
なるようにする。溝４と５とは種々の形状でも良いが、
溝を容易に形成出来るとともに、取除く材料を最小にし
て最大の効率を得るために、また溝形状が誘導される磁
界の磁力線に実質的に対応するために曲面状とするのか
有利である。上述の実施例は本発明の特許請求の範囲を
限定するものではなく、上記の実施例から本発明の範囲
内で種々の変形や追加が当業者によつてなし得るもので
あることはいうまでもないことである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す図で、第２図のＩ−
１線での断面図、第２図は第１図の軸受の回転アーマチ
ユアを構成するデイスクの側面図、第３図はデイスクの
従来例を示す正面図、第４図は電磁軸受の従来例を示す
断面図である。 １・・・デイスク、２，３・・・ステータアーマチユア
、２ａ，３ａ・・・強磁性体コア、２ｂ，３ｂ・・・励
磁巻線、８・・・回転軸、６，７・・・表面、４，５・
・・溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高速回転する軸の端部を支持するための軸方向電磁
   軸受であつて、軸に装着されるディスク状のアーマチュ
   アと、上記ディスク状のアーマチュアとの間に軸方向に
   小さな空隙を形成するようにこのディスク状アーマチュ
   アから短距離を隔てて設けられた環状の固定アーマチュ
   アとを備え、固定アーマチュアは強磁性体のコアと励磁
   巻線を有し、ディスク状のアーマチュアは固定アーマチ
   ュアと対面する外面に放射状の溝を設けてなることを特
   徴とする電磁軸受。 ２ 溝はディスク状のアーマチュアの外面において規則
   的な間隔で設けられている特許請求の範囲第１項記載の
   軸受。 ３ ディスク状のアーマチュアは２つの固定アーマチュ
   アの間に設けられ、固定アーマチュアに対面するディス
   クの２つの面に放射状の溝を設けてなる特許請求の範囲
   第１項或いは第２項に記載の軸受。 ４ ディスクの両面に設けられた放射状の溝は、規則的
   に隔てられているとともに、一方の面の溝と反対側の面
   にある溝との位相が相互にずれている特許請求の範囲第
   ３項記載の軸受。 ５ ディスクの各溝は反対側の面にある２つの最接近の
   溝から等距離ぞけ隔てて配置された特許請求の範囲第４
   項記載の軸受。 ６ ディスクの一方の面の各溝は他方の面の溝に対して
   直径方向に対称的に配置された特許請求の範囲第５項記
   載の軸受。