JPS5912811Y2 - 厚みすべり圧電振動子

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【考案の詳細な説明】本考案は耐衝撃性にすぐれ、かつ電気的特性の良好な容
易に小型化できる厚みすべり圧電振動子に関する。

従来、ＡＴ板水晶振動子等の厚みすべり圧電振動子の保
持方法としては種々の方法が知られている。

しかしながらこの種の振動子の振動周波数・を時間基準
に用いる腕時計用等の極めて小型な振動子において耐衝
撃性にすぐれた保持構造にすることは困難であった。

さらにこのような振動芋では振動子素片を保持部材に接
着し、その電極を保持部材に電気的に導通させるために
用いる導電性接着剤の量の多少、支持の硬さ等を均等に
することは困難でありこのために特性にバラツキを生じ
る問題があった。

このため振動子の電気的特性にバラツキを生じない保持
構造の振動子が望まれていた。

第１図は従来のこの種の圧電振動子の一例を示す図であ
る。

すなわち振動子素片１の厚みに比して若干幅の広いスリ
ブ）２ａを形成した金属板製の保持部材２′（こ上記振
動子素片１をはさみ込む。

そして上記スリブ）２ａの部分で導電性接着剤３によっ
て振動子素片１と保持部材２とを接着するようにしてい
る□。

しかしながらこのようなものでは振動子素片１．と金属
板製の保時部材２との間に若干の間隙を生じることにな
る。

・そしてこの間隙に流れ込ｂｉ’４電性接着剤３の量を
均一にすることは困難であ′る。

したがって振動子素片１に付着した上記接着剤３の量の
多少によ・１つてその電気的特性にバラツキを生じる問
題があ□った。

また保持部材２のスリブ）２ａの幅を振動子素片１の厚
みと等しくすると、スリブｔ−２ａに振動子素片１をは
さみ込む際に振動子素片１に傷をつけることがあり、作
業能率も大幅に低下する問題があった。

本考案は上記の問題を解決するためになされたもので耐
衝撃性を高めるとともに電気的特性を良好に゛して容易
に小型化でき更には保持作業の能率向上を図る′；とが
できる厚みすべり圧電振動子を提供することを゛目的と
するものである。

以下本考案の一実施例を第２肉、第３図番図を参照して
説明する。

第２図は本考案の振動子素片の−例である。

Ｘ軸方向に細長い棒状の水晶ＡＴ板４の両端部の両側に
厚み方向に溝５を形成し設け、その主面に電極４ａを真
空蒸着等で設け、更には電極の引出し部４ｂを振動子素
片の側面にはみ出させている。

第３図は本考案による圧電振動子の斜視図である。

長さ方向に対してベベル処理した振動子素片４に対して
両端部の両側に合計４ケ所に厚み方向に溝５を設け、そ
の主面に電極４ａおよび側面まではみ出した引出し電極
４ｂを設けている。

そして保持用の基板６を貫通した保持用の支柱７を上記
振動子素片４の溝５に嵌装し、導電性接着剤、半田付８
で固着し電気的にも導通させるようにしている。

このように振動子素片４を支柱７で保持するものでは基
板６の板面に振動子素片４を平行に保持でき、圧電振動
子の形状を極めて薄型とすることができ、かつ小型化が
可能で電子腕時計用の振動子として極めて好都合である
。

また４本の支柱７で保持するので耐振性、耐衝撃性に充
分にすぐれていることが確かめられている。

以上詳述したように本考案によれば、耐振性、耐衝撃性
にすぐれ、良好かつ均一な電気的特性をもった小型厚み
すべり圧電振動子をつくることができる。

また、本考案の厚みすべり圧電振動子用の圧電材料とし
ては、水晶のみならずタンタル酸リチウム（ＬｉＴａＯ
３）、ニオブ酸リチウム（ＬｉＮｂＯ３）セラミクス等
にも応用できることはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の厚みすべり圧電振動子の一例を示す斜視
図、第２図は本考案の一実施例の振動子素片を示す斜視
図、第３図は上記実施例の振動子を示す斜視図である。４・・・振動子素片、５・・・溝、６・・・基板、７・
・・支柱。

【実用新案登録請求の範囲】