JPS5912142Y2 - Ｍｉｇ溶接機用ト−チのチツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はＭＩＧ溶接機用トーチのチップに関する。

更に詳しくは、溶加材として用いられる電極線を送給す
る孔の先端部の形状を所定の角度の範囲で開いたテーパ
一孔に形或することによって電極線の焼付き現象を防止
し、もって溶接完了後次の溶接時に前記電極線の送給を
円滑に行なわしめるようにしたＭＩＧ溶接機用トーチの
チップに関する。

ＭＩＧ溶接では電極線はすべて自動送給で、この送給は
モータによって行なわれ、トーチ内に設けられた電導体
のチップに形或された送給孔より送り出されるとともに
、送り出しつつ溶融消耗して溶接が行なわれる。

従来、この種のトーチのチップにおいては特に溶接終了
時に電極線の送給速度と溶融速度とが合致しないとその
後の溶接に不都合な状態が生じる。

つまり、送給速度が溶融速度よりも速いとアークが短く
なって電極線の先部が母材に突っ込んだり、又反対に溶
融速度が送給速度よりも速いとアークが長くなり、つい
にはアークが電導体チップの先部に達して焼付き（ｂｕ
ｒｎ ｂａｃｋ）を生じることとなる。

上記問題のうち後者の焼付きについては、電極線がアー
クによって溶融した際に、玉状に溶融した電極線の先部
がチップ先端の送給孔開口周囲を溶かし始めることによ
って焼付き現象が生じるのである。

この後者の問題を解決する対策として、電極線を送給す
る孔の先端部の径を大きくしたり、チップの先端を被覆
する如く送給孔の開口部周囲に耐熱絶縁物を座覆させた
りした従来技術が先行技術として存在する。

しかしながらこれら先行技術においても種々の問題があ
り、例えば前者の技術ではチップ先部の電極線を支持す
る部分が少なくなるため母材の溶接線に対して電極線の
先端がずれる場合が起り、又後者の技術においては一Ｂ
Ｇこ１０時間以上も使用されると熱と衝撃で耐熱絶縁物
が電導体チップの先部からとれてしまうという不都合が
生じる。

以上の如く従来技術は前記問題を解決するのに有効な手
段とは戒り得なかった。

本考案者は上記した問題点に鑑み、これを有効に解決す
べく本考案を威したものである。

本考案の目的とする処は、電極線を送給する孔の先部を
断面形状にて略々６０゜乃至略々１２０゜の外方へ拡開
するテーパ一孔とするようにしたＭＩＧ溶接機用トーチ
のチップを提供する；とにある。

従って本考案は、トーチ内に設けたチップの先部に電極
線が溶融して焼付くのを防止し、溶接後における次の溶
接時の電極線の送給を円滑に行なわしめるようにしたＭ
ＩＧ溶接機用トーチのチツプを提供することができる。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述す
る。

第１図は本考案に係るトーチの先部を示す縦断面図であ
り、第２図乃至第６図は電導体のチップの先部の各種形
状を示した縦断面図である。

第１図においてＭＩＧ溶接機用トーチ先部のガスノズル
１の中央部の軸方向に電導体のチツプ２が配設される。

チツプ２の軸方向芯部には孔３が形瑯され、電極線（溶
加材ワイヤ）４がこの孔３を介して図示しないモータに
より下方へ自動的且つ連続的に送給される。

５はイナートガスの流れる状態を示し、６は被溶接物、
７は溶着金属である。

チツプ２は可換性の銅管で、その先部の形状は、｛Ｌ３
が開口部８に向ってテーパー状に外方に開くように形或
されている。

上記の構戒において、溶接時には母材７の溶接線に沿っ
てアルゴンの如き不活性ガス５が吹きつけられ、不活性
ガス５の雰囲気中において、電極線４と母材７との間で
アーク９を発生させ、アーク９の熱で電極線４の先端を
溶融し、母材７の上面において電極線の溶融物４ａで溶
着金属６を形威しつつ溶接を行なう。

チツプ２の先部の送給孔３の各種形状を第２図乃至第６
図に示す。

送給孔３で送給される電極線４は、孔３の先部のテーパ
一孔３ａにおいて溶融時その先部が玉状４ｂとなる。

従ってテーパ一孔３ａの開き角度θが小さいとき、θ〈
６０゜のときには、例えば第２図の如く玉状部分４ｂが
テーパ一孔３ａにくい込む現象が生じて好ましくない。

又テーパー”ＪＬ３ａの角度θ．が大きいとき、θ〉１
２０゜のときには、例えば第６図に示す如く孔３の先部
の周囲壁３ｂを熱で溶融し、電極線４がチップ２に焼付
くという問題を生じせしめるため好ましくない。

そこで本考案の実施例ではテーパー｛Ｌ３ａの角度θが
第３図乃至第５図に示す如＜６０゜≦θ≦１２０゜の範
囲に含まれるようにテーパーＪＬ３ａを形威した。

開き角度θが６０゜〜１２０゜のときには前記の如きく
い込み現象や焼付き現象が生ぜず、極めて好ましい状態
で溶接を行なうことができる。

以上の説明で明らかなように本考案によれば、ＭＩＧ溶
接機用トーチのチップの電極線を送給する孔の先部の形
状を所定の角度で外方へ拡開したテーパ一孔とすること
によって溶融速度が送給速度より速いときに電極線の先
部が電導体であるチップ先部に焼付くのを防止し、もっ
て溶接を能率よく円滑に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はトーチの先部
を示す縦断面図、第２図乃至第６図はチップ先部の断面
図を示し、第２図はテーパ一孔の開き角度６０゜以下の
場合、第３図は同角度が６０゜の場合、第４図は同角度
が９０゜の場合、第５図は同角度が１２０゜の場合、第
６図は同角度が１２０゜以上の場合を示す。 尚図面中、１はトーチノズル、２はチップ、３は送給孔
、４は電極線、３ａはテーパ一孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電極線を送給する孔の先部を断面形状にて略々６０゜乃
   至略々１２０゜の外方へ拡開するテーパ一孔とするよう
   にしたことを特徴とするＭＩＧ溶接機用トーチのチップ
   。