JPS5911656B2 - 高硬度耐摩耗鋳鉄 - Google Patents
高硬度耐摩耗鋳鉄Info
- Publication number
- JPS5911656B2 JPS5911656B2 JP51074745A JP7474576A JPS5911656B2 JP S5911656 B2 JPS5911656 B2 JP S5911656B2 JP 51074745 A JP51074745 A JP 51074745A JP 7474576 A JP7474576 A JP 7474576A JP S5911656 B2 JPS5911656 B2 JP S5911656B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cast iron
- hardness
- wear
- resistant cast
- chromium
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- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
- Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は鉱山、土木、セメント、窯業、浚渫、製鉄等の
業界で使用される装置、機械等の苛酷な摩耗条件にさら
される部品に用いる高硬度な耐摩耗鋳鉄に関するもので
ある。
業界で使用される装置、機械等の苛酷な摩耗条件にさら
される部品に用いる高硬度な耐摩耗鋳鉄に関するもので
ある。
耐摩耗部品の寿命はほゞ硬度に比例すると言われる。
従来高硬度の耐摩耗鋳鉄としては高クロム鋳鉄あるいは
高炭素高クロム、バナジウム鋳鉄が知られているが、高
クロム鋳鉄はロックウェル硬度C65以下であり、高炭
素高クロム、バナジウム鋳鉄はロックウェル硬度C65
以上である。しかし、この硬度を得るためには1000
〜1100℃に加熱、保持後油冷する熱処理が必要であ
る。 またこの熱処理によシ焼入れ時の亀裂が発生しや
すく、その上耐衝撃性が著しく劣化する。
高炭素高クロム、バナジウム鋳鉄が知られているが、高
クロム鋳鉄はロックウェル硬度C65以下であり、高炭
素高クロム、バナジウム鋳鉄はロックウェル硬度C65
以上である。しかし、この硬度を得るためには1000
〜1100℃に加熱、保持後油冷する熱処理が必要であ
る。 またこの熱処理によシ焼入れ時の亀裂が発生しや
すく、その上耐衝撃性が著しく劣化する。
七のため高炭素高クロム、バナジウム鋳鉄の適用は衝撃
を受けない簡単な形状で軽量の耐摩耗部品に限定され、
余わ広く使用されていない。本発、明はかかる諸事情に
鑑みなされたもので、簡単な熱処理により確実に得るこ
とのできる高硬度耐摩耗鋳鉄を提供せんとするものであ
る。
を受けない簡単な形状で軽量の耐摩耗部品に限定され、
余わ広く使用されていない。本発、明はかかる諸事情に
鑑みなされたもので、簡単な熱処理により確実に得るこ
とのできる高硬度耐摩耗鋳鉄を提供せんとするものであ
る。
以下その詳細を説明する。第1図は従来の高炭素高クロ
ム、バナジウム鋳鉄の顕微鏡写真であり、第2図及び後
記の第1表〜2表に本発明による高硬度耐摩耗鋳鉄の顕
微鏡写真及び成分、試験結果を示す。第1表に示すとお
り本発明の高硬度耐摩耗鋳鉄はC、Si、Mn、Cr、
Vを基本成分とする高炭素高クロム、バナジウム鋳鉄に
Mo、Niを添加したものである。この組成のものを高
周波炉にて大気溶解し、1500℃より125%×12
5%×125、汲び500%×500%×30%の2種
類の砂型に鋳込み、放冷後1000′Cに加熱、2時間
保持後大気中空冷という熱処理を行なつた。フ これら
の試験片の試験結果を第2表に示す。この表より明らか
なように従来の高炭素高クロム、バナジウム鋳鉄は大気
中空冷の熱処理では高硬度が得られず、マスの大きい程
その傾向は顕著である。それに対しMo、Ni、を添加
した例1〜例5に示5 す組成のものは、硬度の増加が
同じ傾向を示しており、さらにMo、Niの添加量を調
整することによりロックウェル硬度C65を超える硬度
のもの】C−−が容易に得られる。
ム、バナジウム鋳鉄の顕微鏡写真であり、第2図及び後
記の第1表〜2表に本発明による高硬度耐摩耗鋳鉄の顕
微鏡写真及び成分、試験結果を示す。第1表に示すとお
り本発明の高硬度耐摩耗鋳鉄はC、Si、Mn、Cr、
Vを基本成分とする高炭素高クロム、バナジウム鋳鉄に
Mo、Niを添加したものである。この組成のものを高
周波炉にて大気溶解し、1500℃より125%×12
5%×125、汲び500%×500%×30%の2種
類の砂型に鋳込み、放冷後1000′Cに加熱、2時間
保持後大気中空冷という熱処理を行なつた。フ これら
の試験片の試験結果を第2表に示す。この表より明らか
なように従来の高炭素高クロム、バナジウム鋳鉄は大気
中空冷の熱処理では高硬度が得られず、マスの大きい程
その傾向は顕著である。それに対しMo、Ni、を添加
した例1〜例5に示5 す組成のものは、硬度の増加が
同じ傾向を示しており、さらにMo、Niの添加量を調
整することによりロックウェル硬度C65を超える硬度
のもの】C−−が容易に得られる。
表中例1〜例5の試験片は溶湯に取鍋でCa−SiO.
6%を接種したものであつて、その組成はいずれも接種
後の成分?を示している。即ち、Si量について言えば
、接種材中のSiの一部が接種によつて基本成分である
Siの量を補い、全体として例1〜例5に記載されたS
iの量となるのであつて、残部のSi及びCaはいわゆ
る鉱滓となる。本接種は試験片の硬度増加に影響を与え
るものではない。この接種により晶出炭化物は著しく微
細化し、衝撃値を従来の高炭素高クロム、バナジウム鋳
鉄よジはるかに増加させたばかDか、一般に使用される
高クロム鋳鉄と同等にすることが出来た。前記のCa−
Siを接着したものに対し、Ca−Siが無接種のもの
の1試1験結果を後記の第3表に示す。
6%を接種したものであつて、その組成はいずれも接種
後の成分?を示している。即ち、Si量について言えば
、接種材中のSiの一部が接種によつて基本成分である
Siの量を補い、全体として例1〜例5に記載されたS
iの量となるのであつて、残部のSi及びCaはいわゆ
る鉱滓となる。本接種は試験片の硬度増加に影響を与え
るものではない。この接種により晶出炭化物は著しく微
細化し、衝撃値を従来の高炭素高クロム、バナジウム鋳
鉄よジはるかに増加させたばかDか、一般に使用される
高クロム鋳鉄と同等にすることが出来た。前記のCa−
Siを接着したものに対し、Ca−Siが無接種のもの
の1試1験結果を後記の第3表に示す。
以上のように本発明の高硬度耐摩耗鋳鉄は、ロツクウエ
ル硬度C65以上の硬度を空冷処理によつて得るために
高炭素高クロム、バナジウム鋳鉄に対し、特にMOを1
,0〜2.1%、Niを0.9〜2。
ル硬度C65以上の硬度を空冷処理によつて得るために
高炭素高クロム、バナジウム鋳鉄に対し、特にMOを1
,0〜2.1%、Niを0.9〜2。
0%単独あるいは複合添加し、Ca−Siを0.1〜0
.7%接種して得られたものである。
.7%接種して得られたものである。
次に各成分の範囲を限定した理由を説明する。
Cが3.2%未満では晶出炭化物の総量が少く、ロツク
ウエル硬度C65以上の硬度が得られない。3.3%を
超えると硬度の上昇が見られずに鋳造時割れ易くなるの
で製造上からも好ましくない。
ウエル硬度C65以上の硬度が得られない。3.3%を
超えると硬度の上昇が見られずに鋳造時割れ易くなるの
で製造上からも好ましくない。
Siはこのような高合金に訃いて0.5%未満では脱酸
効果が不充分となり、流動性を悪化する。また1.0%
を超えると靭性を害する。Mnはこのような高合金に}
いて0.6%未満では脱酸効果が不充分となジ、流動性
を悪化する。また0,65%を超えると靭性を害する。
Crが16%未満ではマトリツクス中のCr濃度が減少
して炭化物の出成量が減少するため高硬度が得られない
。
効果が不充分となり、流動性を悪化する。また1.0%
を超えると靭性を害する。Mnはこのような高合金に}
いて0.6%未満では脱酸効果が不充分となジ、流動性
を悪化する。また0,65%を超えると靭性を害する。
Crが16%未満ではマトリツクス中のCr濃度が減少
して炭化物の出成量が減少するため高硬度が得られない
。
17%を超えるとC量の範囲から過共晶組成となジ、六
角棒状の初晶炭化物が晶出して耐衝撃性を劣化する。
角棒状の初晶炭化物が晶出して耐衝撃性を劣化する。
Vが2.2%未満ではCrとVとFeの複合炭化物(C
r,Fe,V)7C3とV4C3の炭化物の生成が少く
、高硬度が得られない。
r,Fe,V)7C3とV4C3の炭化物の生成が少く
、高硬度が得られない。
また2.5%を超えても硬度の上昇はなく、原材料費も
高価である。MOの添加量が1。0%未満では焼入性に
対して効果的でなく、2.1%を超えても硬度の上昇は
余b見られない。
高価である。MOの添加量が1。0%未満では焼入性に
対して効果的でなく、2.1%を超えても硬度の上昇は
余b見られない。
Niは添加量が0.9%未満では焼入性に対して効果的
でなく、2.0%を超えると組織中に残留オーステナイ
トが増加して逆に硬度が低下する。
でなく、2.0%を超えると組織中に残留オーステナイ
トが増加して逆に硬度が低下する。
MO,Niは鋳込製品のマスにより、上記の範囲で添加
量を加減して、ロツクウエル硬度C65以上の硬度が得
られる。Ca−Siの接種量が0.1%未満では晶出炭
化物を微細化する効果がなく、また0.7%を超えると
Si量の増大に伴う炭化物の粗大化が見られるので、前
記のと卦V)0.1〜0.7%の範囲を最適とする。
量を加減して、ロツクウエル硬度C65以上の硬度が得
られる。Ca−Siの接種量が0.1%未満では晶出炭
化物を微細化する効果がなく、また0.7%を超えると
Si量の増大に伴う炭化物の粗大化が見られるので、前
記のと卦V)0.1〜0.7%の範囲を最適とする。
以上の成分組成の本発明の高硬度耐摩耗鋳鉄は、非常に
簡単な熱処理により硬度の高い、耐摩耗性の優れたもの
となる。
簡単な熱処理により硬度の高い、耐摩耗性の優れたもの
となる。
例えば本発明の高硬度耐摩耗鋳鉄と従来の高クロム鋳鉄
の中衝撃下に卦ける摩耗試験を行ない、耐摩耗係数(一
定時間における高クロム鋳鉄の摩耗量/同一時間の本発
明鋳鉄の摩耗量)を算出したところ1.4〜1.8であ
つた。以上詳記した通沙本発明の高硬度耐摩耗鋳鉄は、
一般の高クロム鋳鉄あるいは上記高炭素高クロム、バナ
ジウム鋳鉄に比し、よシ硬度が高く、耐摩耗件が優れて
いる。
の中衝撃下に卦ける摩耗試験を行ない、耐摩耗係数(一
定時間における高クロム鋳鉄の摩耗量/同一時間の本発
明鋳鉄の摩耗量)を算出したところ1.4〜1.8であ
つた。以上詳記した通沙本発明の高硬度耐摩耗鋳鉄は、
一般の高クロム鋳鉄あるいは上記高炭素高クロム、バナ
ジウム鋳鉄に比し、よシ硬度が高く、耐摩耗件が優れて
いる。
又、本発明は高硬度耐摩耗鋳鉄は、特に耐衝撃件を必要
とする場合にも適合する優れた特姓を有する。
とする場合にも適合する優れた特姓を有する。
第1図は従来の高炭素高クロム、バナジウム鋳鉄の組織
を示す顕微鏡写真、第2図は本発明による高硬度耐摩耗
鋳鉄の組織を示す顕微鏡写真である。
を示す顕微鏡写真、第2図は本発明による高硬度耐摩耗
鋳鉄の組織を示す顕微鏡写真である。
Claims (1)
- 1 成分組成がC3.2〜3.3%、Si0.5〜1.
0%、Mn0.6〜0.65%、Cr16〜17%、V
2.2〜2.5%と、少くともMo1.0〜2.1%、
Ni0.3〜3.0%のいずれかと、残部がFe及び不
純物からなる微細炭化物を有する高硬度耐摩耗鋳鉄。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP51074745A JPS5911656B2 (ja) | 1976-06-24 | 1976-06-24 | 高硬度耐摩耗鋳鉄 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP51074745A JPS5911656B2 (ja) | 1976-06-24 | 1976-06-24 | 高硬度耐摩耗鋳鉄 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS531122A JPS531122A (en) | 1978-01-07 |
JPS5911656B2 true JPS5911656B2 (ja) | 1984-03-16 |
Family
ID=13556082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP51074745A Expired JPS5911656B2 (ja) | 1976-06-24 | 1976-06-24 | 高硬度耐摩耗鋳鉄 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5911656B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA1162425A (en) * | 1981-02-20 | 1984-02-21 | Falconbridge Nickel Mines Limited | Abrasion resistant, machinable white cast iron |
JPS5858223A (ja) * | 1981-09-30 | 1983-04-06 | Nippon Steel Corp | 耐摩耗材の製造方法 |
JP2914634B2 (ja) * | 1989-09-08 | 1999-07-05 | 日産自動車株式会社 | ロッカーアームの製造方法 |
JPH04109056U (ja) * | 1991-03-01 | 1992-09-21 | 吉田製薬株式会社 | 液体容器 |
DK176544B1 (da) * | 2006-09-08 | 2008-07-28 | Smidth As F L | Temperaturstabil stöbejernslegering samt anvendelse heraf |
CN103572146A (zh) * | 2013-11-04 | 2014-02-12 | 虞雪君 | 一种具有高耐磨性球墨铸铁合金 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4869718A (ja) * | 1971-12-24 | 1973-09-21 | ||
JPS4912811A (ja) * | 1972-04-26 | 1974-02-04 | ||
JPS4939371A (ja) * | 1972-08-14 | 1974-04-12 |
-
1976
- 1976-06-24 JP JP51074745A patent/JPS5911656B2/ja not_active Expired
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4869718A (ja) * | 1971-12-24 | 1973-09-21 | ||
JPS4912811A (ja) * | 1972-04-26 | 1974-02-04 | ||
JPS4939371A (ja) * | 1972-08-14 | 1974-04-12 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS531122A (en) | 1978-01-07 |
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