JPH04109056U - 液体容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 栓やキャップを取り外すことなく、容器内部
の液体の出し入れが可能な液体容器を提供すること。 【構成】 上部に口２を有する容器本体１と、容器本体
１の口２を塞ぐ比較的軟質で弾性を有する栓４と、栓４
を覆って容器本体１の口２に装着される上部に開口９を
有するキャップ８とを備え、キャップ８の開口９から栓
４に注射針等を挿し込んで容器内部の液の出し入れを行
なう。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、液体容器、特に滅菌精製液を収容するのに適した液体容器に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の液体容器は、上部に口を有する容器本体と、この容器本体の口 を塞ぐ栓と、この栓を覆って容器本体の口に装着されるキャップとを備えている 。栓は、一般にゴム栓が用いられており、容器が倒れたり傾いたりした場合にも 、内部の液体が外へ流出しないように容器本体の口を密封している。また、キャ ップは、やはり密封性を考慮してねじ込み式が一般的である。したがって、容器 内の液体の出し入れには、栓とキャップの双方を取り外し、または取り付ける作 業が必要となる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、容器内に収容する液体が、病院等において傷口の消毒や手術機器の 洗浄等に使用する滅菌精製液である場合には、次のような問題があった。

【０００４】 滅菌精製液は、液体が水であれば滅菌精製水となるが、一般的には、水そのも のまたは水に消毒薬等の他の液を混入したものを容器本体内に収容して栓および キャップを装着した後、オートクレーブ内で一定時間加熱して滅菌処理される。 このように滅菌処理された滅菌精製液は、消毒や洗浄等にそのまま使用される場 合もあるが、滅菌精製液の中に他の消毒液を注入したり、容器内の滅菌精製液を 取り出して他の消毒液に混入して使用したりする場合もある。このような調剤作 業は、キャップや栓を開けた際、空気中の細菌が容器内に侵入するので、作業後 に再度滅菌処理する必要がある。このような再処理をしない場合には、調剤作業 を滅菌室内で行なわなければならない。

【０００５】 しかしながら、このような調剤作業を滅菌室で行なったとしても、調剤作業後 に栓やキャップを完全に閉めておかないと、容器内の液の滅菌状態が損われるこ とになる。また、このような作業は、クリーンルーム内で大量にかつ迅速に行な わなければならない場合があり、このような場合、栓やキャップの着脱にかなり の時間がかかり、栓やキャップの装着が不十分になることがあった。

【０００６】 本考案は、このような従来の問題を解決するものであり、キャップや栓を外さ ずに容器内の液体の出し入れができる液体容器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために、上部に口を有する容器本体と、この容 器本体の口を塞ぐ比較的軟質で弾性を有する栓と、この栓を覆って容器本体の口 に装着される上部に開口を有するキャップとを備えたものである。

【０００８】

【作用】

キャップは、その上部に開口を有するため、その開口から注射針等を栓に挿し 込むことにより、容器内部への液の注入および容器内部の液の注出を行なうこと ができる。栓は、比較的軟質であるため、注射針等の挿し込みおよび引き抜きを 可能とし、また弾性を有するため、注射針等の挿し込み穴は、自身で塞がれて容 器内部は密封状態に保たれる。

【０００９】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示している。１はガラス製の容器本体であり、その 上部に小径の口２を備えており、口２の外周面にはねじ条３が形成されている。 ４はゴム栓であり、上部に小径の環状突起５およびその中心部に薄肉部６を備え 、下部に円筒状の密着部７を備えている。８は板金製のキャップであり、上部に 開口９を備え、円筒部周面には容器本体１のねじ条３に嵌合するねじ溝１０を備 えている。

【００１０】 容器本体１の内部には液体が収容され、口２にはゴム栓４が装着され、その上 からキャップ８が口２のねじ条３にねじ込まれる。ゴム栓４は比較的軟質で弾性 を有し、密着部７は、その外径が口２の内径よりも大きいので、口２の内周部に 十分に密着する。キャップ８が装着された状態では、ゴム栓４の環状突起５がキ ャップ８の開口９の中に入り込み、開口９の周縁に指先が触れないように保護す る。

【００１１】 図２は容器本体１の中に滅菌精製液１１を収容して密封した状態を示している 。滅菌精製液１１は、従来と同様に、容器本体１の中に水そのものまたは消毒液 を混入した水を充填してゴム栓４およびキャップ８により密封した後、オートク レーブ内で加熱処理して精製される。

【００１２】 このような容器に収容された滅菌精製液１１は、病院等において傷口の消毒や 手術機器の洗浄等に使用される。容器本体１内に収容された滅菌精製液１１は、 そのままの状態で使用される場合と、容器本体１内の滅菌精製液１１に他の消毒 液を混入したり、滅菌精製液１１を容器本体１内から取り出して他の消毒液に混 入して使用されたりする。後者の場合、注射器の針をキャップ８の開口９からゴ ム栓４の薄肉部６に挿し込んで、他の液を滅菌精製液１１に注入したり、または 滅菌精製液１１を注出したりすることができる。作業終了後は、注射器の針をゴ ム栓４から抜き取ることにより、ゴム栓４の弾性により針挿入穴は自然に閉じる ので、容器本体１内部の無菌状態はそのまま保持される。

【００１３】 このように、上記実施例によれば、栓４をゴムで形成し、キャップ８に開口９ を設けたので、ゴム栓４に注射針等を挿し込むことにより、容器本体１内部の滅 菌精製液１１を注出したり、他の液を注入したりすることができる。

【００１４】 また、ゴム栓４のキャップ８の開口９に対向する位置に薄肉部６を設けたので 、ゴム栓４に注射針等を挿入し、抜き取る作業が容易に行なえ、このような作業 を大量に行なう場合に極めて迅速に、かつ疲労を少なく行なうことができる。ま た、キャップ８は合製樹脂材料等で形成されてもよい。

【００１５】 なお、上記実施例において、ゴム栓４の代りに、比較的軟質で弾性を有するプ ラスチックやコルク等の他の材料により形成された栓を使用することができる。 また、キャップ８は合製樹脂材料等で形成されてもよい。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、上部に口を有する容器本体と、この容器本体 の口を塞ぐ比較的軟質で弾性を有する栓と、この栓を覆って容器本体の口に装着 される上部に開口を有するキャップとを備えているので、注射針等をキャップの 開口から栓に挿し込むことにより、栓やキャップを取り外すことなく、容器内部 の液体を注出したり、容器内部へ他の液体を注入したりすることができる。

【００１７】 したがって、容器内部の液体が滅菌精製液のような液体の場合には、クリーン ルーム外であっても、容器内部の液の無菌状態を損なうことなく、液の出し入れ を行なうことができ、しかもその作業を迅速にかつ容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す液体容器の部分分解斜
視図。

【図２】本考案の一実施例を示す液体容器の断面図。

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 口 ３ ねじ条 ４ ゴム栓 ５ 環状突起 ６ 薄肉部 ７ 密着部 ８ キャップ ９ 開口 １０ ねじ溝

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に口を有する容器本体と、前記容器
   本体の口を塞ぐ比較的軟質で弾性を有する栓と、前記栓
   を覆って前記容器本体の口に装着される上部に開口を有
   するキャップとを備えた液体容器。
2. 【請求項２】 容器本体に収容される液体が滅菌精製液
   である請求項１記載の液体容器。