JPS5911500B2 - 管巻機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は管巻機に関するものであつて、特に例えば複数
本の糸を揃えて糸巻管（木管）に管巻を行うような場合
等において、巻上つた糸巻管を織機のシヤツトルに装着
して使用するときに引き出される糸に撚を生じては困る
ような場合に、これをなくする目的から用いられるとこ
ろの糸巻管のまわりに糸案内を回転させて糸に撚を与え
ながら管巻を行う所謂回転ガイド式の管巻機に関するも
のである。

上記の目的で用いられていた従来一般の回転ガイド式の
管巻機は、軸方向に往復綾振運動する糸巻管支持スピン
ドルに糸巻管を装着支持せしめ、この糸巻管の側方にこ
の糸巻管と平行に配した複数本（普通は２本）の案内棒
にフライヤーを支持させ、フライヤーを案内棒と共に糸
巻管のまわり１０にふりまわし回転させながら案内棒に
そつて糸巻管の長さ方向に移動させるようにすることに
よつて、糸をフライヤーに具わる糸案内を介して糸巻管
に供給して巻き付けていくような構造のものであつた。

ところがこのような従来構造のものでは、１５糸巻管の
側方に糸巻管のまわりをふりまわし回転されるフライヤ
ーの案内棒が存在しているために、それが邪魔になつて
糸巻管支持スピンドルに対しての満巻になつたときの糸
巻管の取外しと新管補給装着との管交換作業が厄介で簡
単に能率的になし難く、またそれ故にその管交換を自動
化して自動管巻機として装置化することの困難度が高か
つたのであり、この点において管巻作業の高能率化にと
つてきわめて不利な構造というべき難点を有するもので
あつた。そしてその難点に加えて、糸２５巻管のまわり
にフライヤーの案内棒をふりまわし回転しながらフライ
ヤーを案内移動するものであるために、構造複雑で高速
回転に不向きであつて、管巻速度の高速化を望み難いと
いう難点をも有していた。３０本発明は上記の問題を解
決するようにした新規な構造の回転ガイド式の管巻機を
提供するものであり、その特徴は、軸方向に往復綾振運
動する中空回転スピンドルの先端に糸巻管の受入れ筒を
形成し、この受入れ筒先端の糸巻管受入れ口部には３５
受入れられる糸巻管の根元傾斜部に係合し得る口部を回
転自在に取付け、軸方向に後退移動可能な糸巻管支持ス
ピンドルの先端に装着支持させた糸ク７−巻管を前記口
筒から前記受入れ筒に挿入して受入れさせ、前記中空回
転スピンドルの内部を通して前記受入れ筒の側部に設け
た導出孔から導出した糸を、前記受入れ筒の先端側部に
設けた糸案内を介して前記糸巻管に供給させ、前記糸が
前記糸巻管に巻かれていくに従い、この糸巻管が前記中
空回転スピンドルの往復綾振運動によつて前記口筒に押
されて前記受入れ筒から次第に押し出されていくように
してなるものである。

以下に本発明を実施例について図面を参照して説明する
。

図示の管巻機において、機枠１を貫通してパイプ状の中
空回転スピンドル２が回転及び軸方向移動可能に支承さ
れており、このスピンドル２は機枠１に内装の回転駆動
機構３と綾振駆動機構４とによつて回転しながら一定ス
トロークで軸方向に前後の往復綾振運動をするようにな
つている。

回転駆動機構３は、スピンドル２に並設した回転駆動軸
５の回転運動を、この駆動軸５に取付けた歯車６から中
間歯車７を介してスピンドル２に取付けた歯車８に伝達
してスピンドル２を回転させる構造である。また綾振駆
動機構４は、上記の駆動軸５の回転運動に伴なう中間歯
車７の回転運動を、この中間歯車７の軸に取付けた別の
歯車９からスピンドル２の下方に設けた綾振りカム１０
のカム軸１１に取付けた歯車１２に伝達して綾振りカム
１０を回転させ、この綾振りカム１０の回転運動により
、この綾振りカム１０に下端部が係合して中間部を支点
に上部が前後に往復揺動される揺動レバー１３と、この
揺動レバー１３の上部に設けたスロツト１４に前端部が
係合して後端部が前記スピンドルに取付けの歯車８の後
部に形成した係合溝１５に係合する連結杆１６とによつ
て歯車８と共にスピンドル２を軸方向に前後の往復綾振
運動させる構造である。なおスピンドル２に取付けの歯
車８は、往復綾振運動によつて中間歯車７から外れてし
まわないだけの長さを有している。

また駆動軸５は、これに取付けたプーリ−１７によつて
図示しない別の位置に設けられる原動機等からなる駆動
源部分からベルト駆動される。上記のようにして回転し
ながら軸方向に往復綾振運動する中空回転スピンドル２
の機枠１から前方に突出する先端には、内部に糸巻管（
木管）２０を軸方向移動可能に融通をもつて受入れ可能
な糸巻管受入れ筒３０を形成してある。

その受入れ筒３０の先端の糸巻管受入れ口部には、受入
れられる糸巻管２０に具わる根元傾斜部２０ａに係合し
得る先開き形の傾斜孔３１ａを有する口筒３１を回転自
在に取付けてある。その口筒３１の取付けは、受入れ筒
３０の先端部外周に取付けたリング状の保持筒３２に対
して口筒３１をボール３３を介して回転自在に嵌込み保
持させるようにしてなされ、これにより口筒３１が受入
れ筒３０に対してボール３３によつて滑らかに転動回転
し得るようにしてある。上記受入れ筒３０の前方には、
この受入れ筒３０に対向して中空回転スピンドル２と同
一軸線上にのびる適当長さの糸巻管支持スピンドル４０
を設け、このスピンドル４０の先端４０ａに装着支持さ
せた糸巻管２０を口筒３１から受入れ筒３０の内部に挿
入して受入れさせ得るようにしてある。

上記糸巻管支持スピンドル４０は、受入れ筒３０の前方
に適当距離をおいて設けた保持枠４１に対し、その貫通
挿入孔４２に滑動自在に貫通挿入させることによつて軸
方向移動可能に保持させてある。

またこの糸巻管支持スピンドル４０は、その側部に穿設
した軸方向にのびるキー溝４３に対し、保持枠４１にね
じ込んだねじ棒からなるキー４４を係合させることによ
つて回転しないようにしてある。さらにこの糸巻管支持
スピンドル４０は、保持枠４１の部分に設けた逆移動防
止装置４５によつて、保持枠４１に対する軸方向移動に
関し受入れ筒３０の側へ向つての前進移動が防止され、
受入れ筒３０から離れていく方向へ向つての後退移動の
みを可能とするようにしてある。上記逆移動防止装置４
５は、保持枠４１の前方に糸巻管支持スピンドル４０を
挿通させた係合孔４６を有する板金状の逆止片４７を設
け、この逆止片４７の一側端部に形成の切欠溝４８の部
分を保持枠４１の前面にねじ込んだねじ棒からなる係止
棒４９に係合させて抑止し、逆止片４７と保持枠４１と
の間に逆止片４７を前方へと離反する方向に弾力付勢す
るばね５０を介装してなる構造のものであり、これによ
つて上記の逆移動防止作用が有効に果されると共に、逆
止片４７を保持枠４１に向つて押圧してばね５０を圧縮
させるようにしさえすれば、その逆移動防止作用を解除
することができて保持枠４１に対する糸巻管支持スピン
ドル４０の前進と後退の両方向への軸方向移動を可能に
し得るものである。中空回転スピンドル２の機枠１から
後方に突出する後端の口部には、糸のガイドキヤツプを
装着して形成してなる糸の導入孔６０を設けてある。

また受入れ筒３０の後寄り側部には糸のガイドキヤツプ
を装着して形成してなる糸の導出孔６１を設けてある。
さらに受入れ筒３０の先端の口筒保持筒３２の側部には
、管状の糸案内６２を設けてある。これによつて機枠１
の後方の図示しない供給源から導いた糸Ｓを、中空回転
スピンドル２の後端導入孔６０からその内部に導入する
ことによつて、中空回転スピンドル２の内部を通して受
入れ筒３０の側部の導出孔６１から側方に導出し、さら
にそのように導出した糸Ｓを受入れ筒３０の先端側部の
糸案内６２を介して、受入れ筒３０の内部に受入れの糸
巻管２０の外周に対し口筒３１の先端部分において供給
するようにしてある。以上の管巻機において、糸巻管支
持スピンドル４０の先端に装着支持させた糸巻管２０を
、その根元傾斜部２０ａが口筒３１の傾斜孔３１ａに係
合するところまで口筒３１から受入れ筒３０の内部に挿
入して受入れさせ、この状態で回転駆動機構３と綾振駆
動機構４によつて中空回転スピンドル２を、従つて受入
れ筒３０を回転させながら軸方向に往復綾振運動させる
。すると受入れ筒３０の先端の糸案内６２が糸巻管２０
のまわりを回転すると共に、その糸案内６２と口筒３１
とが糸巻管２０に対してその軸方向に図面にＴで示す一
定ストロークで往復綾振運動する。この場合、糸巻管支
持スピンドル４０が回転しないこと、及び口筒３１が受
入れ筒３０に対して回転自在であることにより、口筒３
１の傾斜孔３１ａが糸巻管２０の根元傾斜部２０ａに係
合しても糸巻管２０は回転され得ない。また糸巻管支持
スピンドル４０が逆移動防止装置４５によつて保持枠４
１に対して前進の軸方向移動を防止され、後退の軸方向
移動のみを可能とされていることにより、保持枠４１を
定位置に静止させておくことで、口筒３１の往復綾振運
動に随行して糸巻管２０が軸方向の前後往復運動を生ず
ることなく、糸巻管２０は必然的に口筒３１がその往復
綾振運動のストロークＴに）おける最前進位置にきたと
きに口筒３１の傾斜孔３１ａが糸巻管２０の根元傾斜部
２０ａに係合する位置に留められ、それ以上の乱りの前
進を生じ得ない。

従つて中空回転スピンドル２の内部を通して導出孔６１
から糸案内６２を介して糸巻管２０の外周に供給される
糸Ｓは、糸案内６２の一回転毎に一回の割合で撚を与え
られながら一定ストロークＴの綾振りをされつつ糸巻管
２０に巻付けられていく。

そしてそのようにして糸Ｓが綾振りされながら糸巻管２
０に巻かれていくと同時に、これにつれて、その際の口
筒３１の往復綾振運動によつて糸巻管２０は口筒３１に
押されて受入れ筒３０から次第に押し出されていくこと
となり、このようにして管巻が達成される。すなわち、
糸Ｓは一定ストロークＴの綾振り毎に糸巻管２０の根元
傾斜部２０ａの方から次第にその根元傾斜部２０ａに従
う傾斜形状に糸の巻層を積み重ね形成していくものとし
て巻かれていくこととなり、そのように形成されていく
糸の巻層がこれに伴う口筒３１の最前進位置への綾振り
の前進運動の際毎に口筒３１の傾斜孔３１ａに押圧され
ることとなるのであり、これによつて糸巻管２０は糸Ｓ
が巻かれていくにつれて正確にそれに対応して僅かずつ
次第に保持枠４１に対して後退移動のみを可能とする糸
巻管支持スピンドル４０と共に保持枠４１に対し矢印で
示す軸方向に後退移動せしめられて受入れ筒３０から押
し出されていくこととなり（第２図参照）、このように
して乱れなく整然と管巻がなされていくものである。

このようにしてこの管巻機では、従来の回転ガイド式の
管巻機のように糸巻管２０のまわりにふりまわし回転の
フライヤー案内棒のようなものが存在しないと共に、糸
巻管２０を綾振り運動させるものでなく、糸巻管支持ス
ピンドル４０は単に糸巻管２０を軸方向移動可能に支持
するものであつて、その糸巻管支持スピンドル４０の先
端４０ａに装着支持させた糸巻管２０を受入れ筒３０に
挿入して受入れさせるだけで、その受入れ筒３０を先端
に形成した中空回転スピンドル２の側において回転と綾
振り運動と糸の供給との一切の必要動作がなされて、糸
巻管２０は糸が巻かれるに従つて受入れ筒３０から次第
に押し出されていつて管巻がなされるものであるから、
糸巻管２０が満巻になつたときにそれを取外し新たな糸
巻管を補給装着する管交換作業をきわめて容易にできる
ものである。すなわち糸巻管２０が受入れ筒３０から押
し出されていつて先端近くまで糸Ｓが巻かれていつて満
巻になつたときには、回転駆動機構３と綾振り駆動機構
４の運転を停止して中空回転スピンドル２の回転と綾振
運動を停止させ管巻を停止して後、糸巻管支持スピンド
ル４０をさらに軸方向に後退移動させることにより糸巻
管２０を受入れ筒３０の口筒３１から完全に離脱させる
ことができ、これによつて糸巻管支持スピンドル４０の
先端４０ａに対する満巻になつた糸巻管の取外しと新管
補給装置との管交換を簡単にでき、新管補給装着の後は
糸巻管支持スピンドル４０を軸方向に前進移動させて先
と同様に受入れ筒３０へ挿入して受入れさせて管巻を開
始させることができる。

なおこの管交換に際しての糸巻管支持スピンドル４０の
軸方向の後退移動と前進移動とは、保持枠４１に対して
それがなされるものとされ得るばかりでなく、これと共
に保持枠４１自体をある程度後退及び前進させてなされ
るものとされ得る。またこの場合の糸巻管支持スピンド
ル４０の保持枠４１に対する前進移動は、前述のように
逆移動防止装置４５の作用を解除してなされる。しかし
てこの管巻機では、上記のようにして管交換作業がきわ
めて容易であり、さらにはこの管交換作業を自動化して
自動管巻機とすることが容易にできるものである。

すなわち、この管巻機において、図示していないがたと
えば管巻に際して糸巻管２０が受入れ筒３０から押し出
されるのに伴なつて後退移動される糸巻管支持スピンド
ル４０の後端４０ｂ等に係合して糸巻管２０が満巻にな
つたことを検知するような満巻検知装置を設けると共に
、保持枠４１を一軸を中心に回転され得るものとして、
その保持枠４１の周囲の三箇所等の複数箇所に糸巻管支
持スピンドル４０を装備させ、一回の管巻毎にその保持
枠４１の所定角度の回転で装備された複数の糸巻管支持
スピンドルが夫々受入れ筒３０に対向する管巻位置と、
別の満巻糸巻管取し位置と新管補給装着位置とに順番に
循環的に転移され得るように装置し、さらにその保持枠
４１の回転制御装置、保持枠４１の前後移動制御装置、
保持枠）４１に対する各糸巻管支持スピンドルの前後移
動制御装置、逆移動防止装置４５の作用解除制御装置、
満巻糸巻管取外し位置での満巻糸巻管取外し装置、糸の
切断装置、及び新管補給装着位置での新管補給装着装置
等を設けて、上記の満管検知装置の指令に基づいて各装
置の作動が回転駆動機構３と綾振駆動機構４の制御と共
に順次相互連系的になされるようにすることができ、こ
のようにして管巻と管交換とが自動的に順次連続してな
される自動管巻機とすることができる。

なおこの場合、管巻開始時においての受入れ筒３０に受
入れさせた新たな糸巻管２０に対する糸Ｓの巻付け開始
は、その糸巻管２０の根元傾斜部２０ａの外周に対して
糸案内６２からの糸Ｓが接触されていさえすれば難なく
実現され得るところであ゜り、これにはその受入れ筒３
０に受入れさせた新たな糸巻管２０の根元傾斜部２０ａ
をよぎるように、先に満巻になつて取外し位置に転移さ
せた糸巻管と糸案内６２との間に連続している糸を接触
させた状態で管巻を開始して直後に、その糸を先に満巻
になつた糸巻管から切断装置によつて切断せしめるよう
に装置すればよいものである。またこの管巻機では、前
述のように糸巻管２０のまわりにふりまわし回転のフラ
イヤー案内棒のようなものが存在しないこと、糸巻管２
０を綾振運動させるものでなく、糸巻管支持スピンドル
４０は単に糸巻管２０を軸方向移動可能に支持するもの
であること、その糸巻管支持スピンドル４０の先端４０
ａに装着支持させた糸巻管２０を受入れ筒３０に挿入し
て受入れさせるだけで、その受入れ筒３０を先端に形成
の中空回転スピンドル２の側において回転と綾振運動と
糸の供給との一切の必要動作がなされて、糸巻管２０は
糸が巻かれるに従つて必然的に受入れ筒３０から次第に
押し出されていつて乱れのない整然とした管巻が実現さ
れること、さらには糸Ｓの糸巻管２０への供給が中空回
転スピンドル２の内部を通してなされることにおいて、
従来の回転ガイド式の管巻機に比して、構造が簡単であ
ると共に、回転速度を上げても常に安定した管巻が達成
されて高速度の管巻を問題なく可能とし、格段に高能率
の管巻を可能にするものである。

以上の実施例の説明から明らかなように、本発明の管巻
機によれば、管交換がきわめて容易で能率的にでき、そ
の管交換の自動装置化が容易にできて自動管巻機とする
ことが容易であり、さらに構造が簡単で高速度の管巻を
可能にするといつた効果があつて、従来の回転ガイド式
の管巻機の難点が解消され格段に能率的な管巻作業を可
能にするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の管巻機の実施例を示す側断面図、第２
図はその管巻動作中の状態を示す要部の側断面図である
。 １・・・・・・機枠、２・・・・・・中空回転スピンド
ル、３・・・・−・回転駆動機構、４・・・・・・綾振
駆動機構、２０・・・・・・糸巻管、２０ａ・・・・・
・根元傾斜部、３０・・・・・・受入れ筒、３１・・・
・・・口筒、３１ａ・・・・・・傾斜孔、４０・・・・
・・糸巻管支持スピンドル、４０ａ・・・・・・先端、
４１・・・・・・保持枠、３・・・・・・キー溝、４４
・・・・・・キー、４５・・・・・・逆移動防止装置、
６０・・・・・・導入孔、６１・・・・・・導出孔、６
２・・・・・・糸案内、Ｓ・・・・・・糸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 軸方向に往復綾振運動する中空回転スピンドルの先
   端に糸巻管の受入れ筒を形成し、この受入れ筒先端の糸
   巻管受入れ口部には受入れられる糸巻管の根元傾斜部に
   係合し得る口筒を回転自在に取付け、軸方向に後退移動
   可能な糸巻管支持スピンドルの先端に接着支持させた糸
   巻管を前記口筒から前記受入れ筒に挿入して受入れさせ
   、前記中空回転スピンドルの内部を通して前記受入れ筒
   の側部に設けた導出孔から導出した糸を、前記受入れ筒
   の先端側部に設けた糸案内を介して前記糸巻管に供給せ
   しめ、前記糸が前記糸巻管に巻かれていくに従い、この
   糸巻管が前記中空回転スピンドルの往復綾振運動によつ
   て前記口筒に押されて前記受入れ筒から次第に押し出さ
   れていくようにしてなることを特徴とする管巻機。