JPS5911433B2 - ナツト着脱作業設備 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、原子炉圧力容器の蓋のような円形の大型蓋を
開閉する場合等に使用されるナツトの着脱作業設備に関
する。

第１図は原子炉圧力容器の蓋の開閉を行う従来技術の一
例を示しているもので、原子炉圧力容器本体ａの上部に
、該原子炉圧力容器本体ａ上端部に埋込み固定してなる
締付スタッドｂに嵌合する孔Ｃをフランジ部ｄに備えた
蓋ｅを載置し、上部に設けた架台ｆに吊下げて設けたス
タッドテンショナーｇにより前記スタッドｂに張力を掛
けた状態でナツトｈを締付けることにより蓋ｅの固定を
行い、またナツトｈを弛めて取り外すことにより蓋ｅの
吊上げ除去を行うようにしている。

しかし上記従来方式においては、前記ナツトｈの取付は
及び取外し作業を、原子炉格納容器ｉ頂部に設けた燃料
棒交換時に水を張るための貯水槽ｊの底部に上で一般に
２名程の作業員が立って行うようにしているが、この貯
水槽底板ｋが原子炉圧力容器本体ａの上端と略同−高さ
であり、かつ、フランジｄの高さが約１ｍ、締付スタッ
ドｂの突出し長さく７７１）が約０．６ｍあるために作
業員は重い（２５ｋｇ前後）ナツトｈを貯水槽底板に上
とスタッドｂ上端部間の約１．６ｍの高さを持ち上げ下
げしなければならず大変な重労働であると共に危険を伴
い、更に取外したナツトｈは一且貯水槽底板に上に置き
、貯水に当って外部に運び出したり又運び込んだりする
作業が個々に必要であるために多大の手数と時間を要す
問題を有していた。

また従来方式においては前記スタッドテンショナーｇの
スタッドｂへの位置合せなどの作業のために前記作業員
の他にフランジｄ上に２名程の作業員を必要とし、更に
架台ｆ、及び架台ｆ上に設けたポンプ等の駆動装置ｌの
作動を架台ｆ上で行う作業員、並びに蓋ｅ上において前
記各作業の進行及び指示を行う作業員が必要であり、多
大の手数を要する割に作業能率が低いという問題点を有
していた。

本発明は上記従来方式のもつ問題点を解決すべくなした
もので、外周を複数のナツトにより締付は固定するよう
にした円形蓋上に支持可能な支持台を設け、前記ナツト
上にナツト着脱機構を吊下げ且つ前記ナツトの近接位置
にナツト着脱作業床を吊下げ得るように装備してなる旋
回架台を前記支持台上に旋回可能に設けたことを特徴と
するナツト着脱作業設備、に係るものである。

以下本発明の実姉例を図面を参照して説明する。

第２図〜第４図は本発明の一実施例を示すもので、原子
炉圧力容器本体１の上端に設けられた円形の蓋２を開閉
する際においてナツト３の着脱を行う場合を示している
。

蓋２上には該蓋２を吊上げるためのブラケット４が備え
られているので、該ブラケット４に脚部５の下端をピン
６を介して支持するようにした支持台７を蓋２上に設け
る。

前記支持台７上には、平面形状が十字状になるように四
方にアーム８を有し且つ蓋２の中心を中心として自在に
旋回できるようにローラ９を介して載置してなる旋回架
台１０が設けられており、該旋回架台１０は前記支持台
７に設けた歯車１１に噛合するピニオン１２を有した旋
回駆動装置１３を備えて旋回駆動されるようになってい
る。

前記旋回架台１０の各アーム８には、原子炉圧力容器本
体１上端に設けて蓋２のフランジ部１４を貫通するスタ
ッド１５上に位置する如くナツト着脱機構１６を吊下げ
装備している。

ナツト着脱機構１６はアーム８下部に位置するスタ゛ン
ドテンショナ−１６ａ、アーム８の旋回方向前側に位置
するスタッドねじ部清掃装置１６ｂ、及び後側に位置す
るナツト自動着脱装置１６ｃにて構成されている。

更に、前記旋回架台１０のアーム８先端相互間を円弧状
のビーム１７で連結することにより平面リング形状を形
成し、前記アーム８の先端及び円弧状ビーム１７の下部
に、その床部１８が蓋２のフランジ部１４上面と略一致
する高さを有する平面リング形状のナツト着脱作業床１
９を吊下げ装着する。

図示の場合吊下げ材２０と補強材２１にてナツト着脱作
業床１９を支持している。

図中２２は貯水槽底板２３上とナツト着脱作業床１９と
の間の作業員の往来を助けるための踏台、２４は旋回架
台１０上に作業員が往来するための梯子を示す。

前記旋回架台１０はナツト着脱機構１６及びナツト着脱
作業床１９を装備したままクレーン等により吊上げ搬出
及び搬入を行うことができ、また支持台７もピン６を外
して吊上げ搬出及び搬入を行うことができるようになっ
ている。

また前記旋回架台１０及び支持台７を一緒に搬出及び搬
入できるようにすることも可能である。

なお通常運転時は前記支持台７及び旋回架台１０は蓋２
から取外して搬出された状態となっている。

燃料棒の交換等のために蓋２を取外す必要が生じた場合
、まず支持台７をクレーン等にて吊って蓋２上に移動し
、ピン６にて脚部５をブラケット４に取付けることによ
り蓋２上に固定する。

続いて旋回架台１０を吊上げ移動し前記支持台７上に載
置することにより第２図のような状態とする。

次にナツト着脱機構１６のナツト自動着゛脱装置１６ｃ
が適宜のスタッド１５と一致するように旋回駆動装置１
３を駆動して位置調整を行った後、前記スタッドテンシ
ョナ１６ａおよびナツト自動着脱装置１６ｃによりナツ
ト３を弛めて回転させ、スタッド１５から外れたナツト
３をナツト着脱作業床１９上の作業員が受取ってナツト
着脱作業床１９上に置く。

続いて旋回架台１０をスタッド１５の間隔分だけ旋回さ
せ、前記操作を順次行い、取外したナツト３をナツト着
脱作業床１９上に並べて行く。

この際、ナツト着脱機構１６が４個所に設けられている
ので、旋回架台１０は１／４回転させるだけで総てのナ
ツト３の取外し作業を終了することができる。

ナツト３の取外し作業が終了したら、ナツト３をナツト
着脱作業床１９上に乗せたまま前記と逆の手順で旋回架
台１０及び支持台７を吊上げて搬出する。

これによりクレーン等にてブラケット４を介し吊上げる
ことにより蓋２を取外すことができる。

燃料棒の交換等の作業が終了し、クレーン等により吊上
げ搬入して原子炉圧力容器本体１上に載置した蓋２を締
付は固定するに当っては、前記と同様に支持台７を蓋２
上に搬入して固定すると共にナツト着脱作業床１９にナ
ツト３が乗ったままの状態で旋回架台１０を支持台７上
に載置する。

次にナツト着脱作業床１９上のナツト３を作業員がスタ
ッド１５上端に取付け、続いてナツト自動着脱装置１６
ｃによってナツトを回転させながらスタッド１５に挿入
する。

次いで、スタッドテンショナー１６ａによりスタッド１
５に張力を与え、固く締付ける。

旋回架台１０を順次旋回させな力ｊら上記操作を繰返し
、総てのナツト３の取付けを行う。

上記したように、ナツト３の搬入、搬出を、ナツト着脱
作業床１９に乗せたまま旋回架台１０の搬入、搬出と同
時に行うことができるので能率的な作業を行うことがで
き、またナツト着脱作業床１９上にナツト３を並べるよ
うにしているので作業員がナツト３を持ち運ぶ距離を短
かくすることができると共に、ナツト着脱作業床１９の
床部１８の高さをフランジ部１４上端と略同−高さとし
ているのでナツト３の持ち上げ下げ高さを減少させて作
業労力の減少と安全性の向上を図り得られ、更にナツト
着脱作業床１９を高くしたことにより前記ナツト３の取
付は取外しを行う作業員がナツト着脱機構１６とスタ゛
ンド１５及びナツト３との位置合せ作業を兼ねることも
できるので人員の削減を図ることもできる。

第５図は本発明の別の実施例を示すもので、ナツト着脱
作業床１９を旋回架台１０にロッド２５を介して吊下げ
、且つ該ロッド２５をシリンダ装置２６等にて上げ下げ
することにより前記ナツト着脱作業床１９の高さ位置を
作業し易い状態に調整できるようにしたものである。

また第６図はナツト着脱作業床１９を支持する吊下げ材
２０の上端を前記円弧状ビーム１７にローラ２７を介し
旋回自在に支持させるようにした実施例を示している。

この方式にすると、旋回架台１０が旋回する際にナツト
着脱作業床１９を固定しておくことができ、従って取外
したナツト３をスタッド１５間隔に応じてそのままナツ
ト着脱作業床１９上に並べておくことにより、ナツト取
付は時にナツト３が夫々のスタッド１５に近い位置にあ
るのでナツト３の取付作業を更に容易にすることができ
る。

尚、本発明は上記実施例にのみ限定されるものではなく
、種々の大型円形蓋の開閉時におけるナツトの着脱に適
用できること、各部構造の形状は図示のもののみに限定
されないこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内
において種々変更を加え得ること、等は勿論である。

上記した本発明のナツト着脱作業設備によれば次のよう
な種々の優れた効果を発揮する。

（［）ナツトをナツト着脱作業床上に乗せたまま旋回架
台ごと搬出、搬入を行うようにしているので、従来にお
ける面倒なナツトの搬出、搬入作業を省略することがで
き、労力の削減と作業能率の向上を図り得る。

（ｉｌ）ナツト着脱作業床をナツトの取付け、取外し作
業位置に近づけて設けるようにしているので、ナツトの
取扱い労力の減少を図り得られ、且つ高い位置に重いナ
ツトを持ち上げるようなことがなくなるので安全性が向
上する。

（曲 ナツト着脱作業床上にてナツト着脱機構をスタッ
ド及びナツトに対し位置合せすることができるので、位
置合せのための作業員を別に必要とする従来方式に比し
作業員の削減を図ることができ、且つ足元が安定してい
るので作業がし易く安全、能率的な作業を実施し得る。

ＧＶ） 前記（１）〜（＋ｉｉ）により、作業能率の
向上および作業員の削減を図ることができるので、原子
炉圧力容器における作業員の被曝低減が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来方式の一例を示す説明図、第２図は本発明
の一実癩例を示す説明用側面図、第３図は第２図の平面
図、第４図は第３図のＩＶ −ＩＶ線矢視図、第５図及
び第６図は夫々ナツト着脱作業床の旋回架台に対する取
付方式の別の実施例を示す説明図である。 １は原子炉圧力容器本体、２は蓋、３はナツト、４はブ
ラケット、５は脚部、６はピン、７は支持台、１０は旋
回架台、１３は旋回駆動装置、１４はフランジ部、１５
はスタッド、１６はナツト着脱機構、１８は床部、１９
はナツト着脱作業床、２６はシリンダ装置、２７はロー
ラを示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外周を複数のナツトにより締付は固定するようにし
   た円形蓋上に支持可能な支持台を設け、前記ナツト上に
   ナツト着脱機構を吊下げ且つ前記ナツトの近接位置にナ
   ツト着脱作業床を吊下げ得るように装備′してなる旋回
   架台を前記支持台上に旋回可能に設けたことを特徴とす
   るナツト着脱作業設備。