JPS5911402B2 - 回転体の支持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は回転体の支持装置主として作業時に駆動軸に
対し角度を異にする回転体を安定的に支持するための支
持装置に関する。

内燃機関のシリンダヘッドにおけるパルプシートのシー
ト面は、一般に高い真円性とバルブガイドのステム穴に
対する同心性とが要求されており、この要求を実現する
ための加工手段が従来より種種工夫されているが、満足
すべきものはみられないので、その一つの加工手段とし
て本件出願人は先に第１図イに示すような加工装置（特
願昭５６−３１９３７号）を提案した。

すなわち、バルブガイドｇのステム穴を仕上げるための
リーマｌを中心部に備えると共に中央部外周にバルブシ
ートｖｓを加工すべきカッタなどの刃物ｃを備えた刃物
ホルダａをスピンドルｓに自在継手ｊなどを介して屈折
自在に連結し、一方多軸頭Ｈから前方に張出したガイド
バーＧにはリング状のサポートプレートＰを摺動可能に
吊持し、このサポートプレートＰの前面には前端部内側
に自動調心ベアリングをを取付けた筒状のベアリングホ
ルダｄを滑動可能に配設し、そのホルダｄのつばをロッ
クシリンダｅを備えたロックプレートｆによつて抱持し
ており、その加工に当たつては、スピンドルｓを回転さ
せながら多軸頭Ｈを前進させてリーマｌをバルブガイド
ｇのステム穴に挿入し、同図口のようにリーマｌをステ
ム穴位置に適合させながら進行させ、その過程において
刃物ホルダａを自動調心ベアリングをに嵌合させ、その
後の刃物ホルダａの傾きの変化を調芯ベアリングをの調
心作用とベアリングホルダｄの微細な滑動によつて吸収
し、リーマｌが充分にステム穴に倣い終つた時点で、ロ
ックシリンダｅを作動させてそのピストンピンによつて
ベアリングホルダｄをサポートプレートＰに対し一定状
態に固定し、かくて、刃物ｃの前後の位置をバルブガイ
ドｇと調芯ベアリングをとで軸受した状態で、刃物ｃに
より真円性とステム穴に対する同心性を維持してバルブ
シート面を加工するものである。

ところで、このものでは調芯ベアリングをを内蔵するベ
アリングホルダｄの外径が大きくなりそれだけ重量も重
くなり、そして、上記のように刃物ホルダａがリーマ２
の進行途中において調心ベアリングｂに嵌合し、これが
一定の状態に固定されるまでの間には、刃物ホルダａに
調心ベアリングｂとベアリングホルダｄの重量がかかる
ことになり、回転体としての刃物ホルダａの軸心を移動
させる恐れがあり、また、調心ベアリングｂの内面は刃
物ホルダａが嵌合した状態で軸方向に移動するためのク
リアランスが必要であるため、現合等の高精度の部品加
工を必要とする。

そこで、この発明は上記の問題点を解消すべく工夫され
たもので、刃物ホルダのように作業時にスピンドルに対
し軸線の角度を異にする回転体に不必要な荷重をかける
ことなく安定して支持することができ、回転体との間に
精度の高いクリアランスを設ける必要がなく、しかも長
期の使用に耐える支持装置を提供するものである。

以下図面参照の上その実施例について説明する。

第２図において１は前記加工機のサポートプレートＰの
中央部円形空所の前側に軸線をスピンドルＳの軸線に一
致させて取付けられるサポート筒であつて、リーマｌの
繰り出し長さにほぼ等しい長さを有しサポートプレート
Ｐに直接取付けられる角形の外筒１ａと、その中に気密
に嵌合され刃物ホルダａの後方部の外径よりもかなり大
きな内周面を有する内筒１ｂとからなり、内筒１ｂの前
端部には円周方向に所要の間隔をおいて砲金などの軟質
金属製のサポートピン２が所要数（少なくとも３個以上
）放射方向に出入自在に埋設されていると共にその長手
方向には各サポートピン２に連通する大径の弁室３ａと
細路３ｂとがサポートピン２に対応してそれぞれ穿設さ
れており、各大径の弁室３ａ中には中央部に十字路４ｄ
を備えたバルブボデー４がそれぞれ嵌挿され、それらの
バルブボデー４内には十字路４ｄの前後にスプリング４
ｃで後方に付勢された球状のチェックバルブ４ａとその
解除用のピストン４ｂが収容されており、そしてバルブ
ボデー４の内部は十字路４ｄおよび内筒１ｂに穿設され
た縦孔５および第１環状みぞ７ａを介して外筒１ａに設
けられた第１開口６ａに連通し、また、バルブボデー４
の後端は内筒１ｂの後端部において形成されたかぎ状の
第２環状みぞ７ｂを介して外筒１ａに設けられた第２開
口６ｂに連通しており、さらに内筒１ｂ中の細く路３ｂ
は環状バッキング８の通孔および外筒１ａの後端部に形
成された第３環状みぞ７ｃを介して第３開口６ｃに連通
している。

そして、第１、第３の開口６ａ，６ｃは管路によりオイ
ルタンク９ａ，９ｃにそれぞれ接続され、これらのオイ
ルタンク９ａ，９ｃは切替弁１０ａと圧力調整弁Ｒ，，
ｒ，、エアフィルタｆを介して空気圧源Ａに接続され、
第２の開口６ｂは管路によりオイルタンク９ｃに接続さ
れ、このオイルタンク９ｂは切替弁１０ｂ１圧力調整弁
ｒ１、エアフィルタｆを経て空気圧源Ａに接続されてお
り、非作動時には切替弁１０ａ，１０ｂは第２図の状態
にあつて、第１開口６ａに通じる管路は大気に解放され
、第３開口６ｃに通じる管路は二個の圧力調整弁Ｒ２，
ｒｌを介して空気圧源Ａに結ばれていて、第３開口６ｃ
にはオイルタンク９ｃから比較的低圧のオイルが入り、
これが第３環状みぞ７ｃを通じて各細路３ｂに分配され
、各サポートピン２の下側に作用し、一方第２開口６ｂ
に通じる管路は一つの圧力調整弁ｒ１を介して空気圧源
Ａに結ばれていて、第２開口６ｂにはオイルタンク９ｂ
から比較的高圧のオイルが入り、第２環状みぞ７ｂを通
じて各バルブボデー４の後端に分配され、各バルブボデ
ー４中のピストン４ｂの背面に作用し、これによりチェ
ックバルブ４ａがスプリング４ｃのばね力に抗して実線
位置に押し進められ、十字路４ｄを介して弁室３ａ中の
オイルがオイルタンク９ａに戻る状態にあつて、各サポ
ートピン２は実線状態に引き込んでいる。

第２図において１１はサポートピン２の埋設部の空気抜
きであり、１２はサポートピン２のストッパ、１３はバ
ルブボデー４の止めピンである。

しかして、第４図は上記のようなサポート筒１を加工装
置のサポートプレートＰの前面中央部に取付け、多軸筒
Ｈを前進させてサポートプレートＰをシリンダヘッドｈ
をセットした治具Ｄ上のガイドポストに当接させた加工
寸前の状態を示すものであり、この状態でスピンドルｓ
を回転させて多軸筒Ｈを前進させれば、リーマｌの先端
がバルブガイドｇのステム穴を捨いつつ中に入り、ステ
ム穴の内面を切削しつつ進行するが、その際、バルブガ
イドｇの組付けが適切でなくそのステム穴位置に多少の
ばらつきがあり且つ工作物ごとにそのばらつきが異なつ
ていても、リーマを保持している刃物ホルダａは自在継
手ｊを介してスピンドルに屈折自在に結合されているの
で、ステム穴位置の若干のずれや傾きに対応して第５図
のように上下左右いずれかの方向に傾いてその不具合を
吸収し、リーマ！は無理な力を受けることなくステム穴
によく適合して曲がらずに内面を仕上げていく。その間
において刃物ホルダａはサポート筒１中に入り前方に進
むことになる。

かくて、リーマ２の先端がバルブガイドｇのステム穴か
ら突出し始め、刃物ホルダａの後部がサポート筒１の前
端部に至つた時点で、加工装置に組込んだタイマーによ
り第２図における流体圧管路の切替弁１０ａおよび１０
ｂを切替えて、第１開口６ａ側の管路を空気圧源Ａに連
通させ、第２、第３の開口６ａ，６ｃ側の管路を大気に
開放させるようにすれば、オイルタンク９ａから比較的
低圧のオイルが第１開口６ａからサポート筒１中に入り
、内筒１ｂの第１環状みぞ７ａおよび縦孔５を介して各
バルブボデー４に分配され、十字路４ｄを通じてバルブ
ボデー４内に入り、一方ではピストン４ｂを点線のよう
に後退させると共に他方ではボデー４の中心部および弁
室３ａを通つて各サポートピン２の上部に作用し、それ
らの内端が点線のように刃物ホルダａの外周面に当接す
るように移動させ、また、各サポートピン２の下側のオ
イルを第３環状みぞ７ｃおよび第３開口６ｃを介してオ
イルタンク９ｃに戻す。

このようにして、刃物ホルダａはサポート筒１の内部に
おいて傾いた状態で第３図のように所要数のサポートピ
ン２によつて外側から円周方向に均一に支持されること
になる。

その際、回転体である刃物ホルダａに多少の振れがあつ
て、刃物ホルダａの外面が或る位置のサポートピン２の
内端から離れようとしても、サポートピン２はオイル圧
によつてその変位量だけ突出することになり、また逆に
ホルダ外面がサポートピン２を押し込めるように作用し
ても、一度突出したサポートピン２は非圧縮性のオイル
の存在によつて引き込むことなく、その押し込め力に見
合つた液圧を弁室３ａ中に生じるに止まる６−このよう
な現像が円周方向に配置されているサポートピン２の全
部について起きるので、結局刃物ホルダａの振れは求心
的に吸収され、刃物ホルダａおよびリーマ２は一定した
軸線を維持するようにサポートピン２によつて支持され
る。

上記の過程において、各バルブボデー４中のチェックバ
ルブ４ａの前後に圧力差がなくなれば、チェックバルブ
４ａはスプリング４ｃのばね力によつて点線位置に移動
し、流路を閉じるので、刃物ホルダａを支持するサポー
トピン２は突出した状態にロックされることになる。

このような状態で、さらに多軸頭Ｈと共にスピンドルＳ
を前進させれば、刃物ホルダａはサポートピン２中を回
転しながら摺動し、刃物ホルダａ上の刃物ｃがバルブシ
ートＶ８のシート面を力旺することになる。

その際には、刃物ｃは前側においてリーマ２がバルブガ
イドｇに軸受され、後側では刃物ホルダａがサポートピ
ン２によつて軸受されているので、刃物Ｃは横振れする
ことなく高い真円性とステム穴との同心性を維持してシ
ート面を加工する。

このようにして、バルブシートＶ８の力旺が終了したな
らば、多軸筒Ｈを僅かに後退させ、再び切替弁１０ａ，
１０ｂを切替えて、第１開口６ａ側の管路を大気に解放
し、第２開口６ｂと第３開口６ｃ側の管路を空気圧源Ａ
に連通させる。そこで、一方では高圧の圧縮空気がオイ
ルタンク９ｂに供給され、それに見合つた高圧のオイル
が第２開口６ｂからサポート筒１内に入り、第２環状み
ぞ７ｂを介して各バルブボデー４の後部に分配され、ピ
ストン４ｂが実線位置に前進してチェックバルブ４ａを
押しのけて流路を開き、他方ではオイルタンク９ｃから
低圧のオイルが第３開口６ｃを通じてサポート筒１中に
入り、第３環状みぞ７ｃを介して内筒１ｂ中の各細路３
ｂに分配され、細路３ｂを通つて各サポートピン２の下
側に作用することになり、各サポートピン２は外方に移
動して第２図の実線位置に戻り刃物ホルダａに対する支
持状態を解除する。その際、弁室３ａ中のオイルはバル
ブボデー４の中心部および十字路４ｄを経て第１開口６
ａからオイルタンク９ａに戻され、そして、この状態が
非作動の状態として維持される。

なお、第６図は内筒１ｂの大径弁室３ａ中に上記のバル
ブホデー４に代えて前端部に弁室３ａに通じる流路みぞ
４ａ′を備えたステムバルブｌを配設し、各サポートピ
ン２の突出時にステムバルブ４′の後端に高圧のオイル
を作用させて、各サポートピン２をロックするようにし
た他の実施例を示すものであるが、回転体である刃物ホ
ルダの支持機能は上述のものと変らない。

また、サポートピン２の内端には同図図示のように適宜
のパット部材を設けてもよい。そして、図示の例ではシ
リンダヘッドにおけるバルブガイドのステム穴とバルブ
シートのシート面を加工するものについて説明したが、
これに限らず、作業時において駆動軸に対しその角度を
異にする回転体であれば、同様に適用しうるものである
。

以上のようにこの発明では、作業時に軸線の角度を駆動
軸に対し異にする回転体を支持する装置として、回転体
を包囲する筒状体の壁部に少なくとも３個以上のサポー
トピンを出没自在に配設すると共に筒状体の壁部中には
各サポートピンが回転体の外面に当接した状態を一定の
状態に保持するロック部材を配設したので、回転体は振
れを起こすことなく安定して支持され、通常の調心ベア
リングのように高精度のクリアランスを考慮する必要が
なく、そしてサポートピンが回転体との接触により摩耗
しても、その摩耗分だけ突出することができるので、回
転体の支持機能は低下せず、また、回転体を支持する必
要のない間はサポートピンは引き込んでいるので回転体
に不必要な荷重をかけず軸線を変更させたり、かじりを
起こすことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図イは自動調心ベアリングを使用したバルブガイド
とバルブシートの加工装置の加工前の一部切断側面図。 同図口はその加工状態の一部切断側面図。第２図はこの
発明の一実施例の半断面図。第３図はその一部切断正面
図。第４図はその使用状態を示す加工装置の加工前の一
部切断側面図。第５図はその加工状態の一部断側面図。
第６図は他の実施例の半断面図。図中、１・・・・・・
サポート筒、１ａ・・・・・・外筒、１ｂ・・・・・・
内筒、２・・・・・・サポートピン、３ａ・・・・・・
弁室、３ｂ・・・・・・細路、４・・・・・・バルブボ
デー、４ａ・・・・・・チェックバルブ、４ｂ・・・・
・・解除ピストン、ｌ・・・・・・ステムバルブ、５・
・・・・・縦孔、６ａ，６ｂ，６ｃ・・・・・・第１、
第２、第３の開口、７ａ，７ｂ，７ｃ・・・・・・第１
、第２、第３の環状みぞ、９ａ，９ｂ，９ｃ・・・・・
・オイルタンク、ａ・・・・・・刃物ホルダ、ｃ・・・
・・・刃物、ｇ・・・・・・バルブガイド、Ｈ・・・・
・・多軸頭、ｊ・・・・・・自在継手、Ｐ・・・・・・
サポートプレート、ｓ・・・・・・スピンドル、Ｖｓ・
・・・・・バルブシート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 駆動軸の前端に自在継手を介して連結され作業時に
   軸線の角度を駆動軸の軸線に対し異にする回転体を包囲
   する筒状体を加工機のサポートプレートの前側中央部に
   その軸線を上記駆動軸の軸線に一致させて装着し、該筒
   状体の壁部前端部に少なくとも３個以上のサポートピン
   を放射方向に出没自在に配設し、筒状体の壁部中には各
   サポートピンに対応させて各サポートピンが回転体の外
   面に当接した状態を一定に保持するロック部材を配設し
   てなる回転体の支持装置。