JPS5910979Y2 - 多目的レントゲン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、断層撮影用レントゲンに関し、特に、患者の
頭部部位の断層撮影を行なうための多目的レントゲン装
置に関する。

従来、断層撮影写真は、正常部と患部の対比を行なうこ
とができる点や、深部の断層像を知り得る利点から歯科
又は外科等の分野で広く用いられている。

しかしながら、断層撮影に際しては、撮影対象に応じて
特定の断層曲線を使用する必要上、従来の断層撮影レン
トゲンは歯列用又は内蔵用等の特定の目的をもったもの
として作られる。

このため、従来の歯列用断層撮影レントゲン装置を患者
頭部の他の部位の撮影に利用しようとしても、有効な断
層像が得られなかった。

本考案は、このような従来の断層撮影レントゲンの不都
合を解消するため、患者の頭部部位の各部、例えば、歯
列、内耳腔、鼻腔、副鼻孔、頭蓋骨内縁部等の断層像が
得られる多目的レントゲンを提案するものである。

以下、図面に示す本考案の実施例を説明する。

第１図及び第２図において、基台１上には患者の座高に
応じて上、下動できる機体２が設けられ、この機体２の
水平方向に延長した腕３には、固定３軸変換機構を介し
てアーム４が懸吊されている。

この固定３軸変換機構は、歯列撮影用、断層撮影機にお
いて歯車機構、溝カム機構、チェン機構等を用いるもの
として多く提案されかつこれらは周知技術に属するので
、図示乃至説明は省略するけれども、これらの周知固定
３軸変換機構の何れも適用できるのは指摘するまでもな
い。

また前記アーム４の一端４ａには前記アーム４０回転運
動に同期して回転される軸５により支持されたフイルム
ホルダ６が設けられ、このフイルムホルダ６の前面は前
記アーム４から垂下されたフイルムスリット７により覆
われ、このフイルムスリット７から露呈されたフイルム
のみがＸ線に被曝されるようにしてある。

一方、前記アーム４の他端４ｂにはハンガー８によって
Ｘ線ヘッド９が懸吊してあり、このＸ線ヘッド９は撮影
部位に応じて俯仰することができる。

前記機体１の下部には側部前面に片持的に固定された水
平方向の案内腕１０が設けられ、この案内腕１０の長さ
方向には撮影目的に応じたセファロスタット機構（後述
する）の位置を示す目盛が付されている。

そしてこの案内腕１０には案内腕１０に沿って移動可能
なスライダ１１が位置され、止めねじ１１ ａによって
前記案内腕１０の任意位置に半固定できる前記スライダ
１１には前記Ｘ線一・ツド９の照射野直下まで延長され
た支持腕１２が一体化される。

この支持腕１２の先端には、詳細を第３図及び第４図に
示した支持装置を介してセファロスタット機構１３が支
持される。

このセファロスタット機構１３は取付台１４上に取付け
られたチンレスト１５及び左右方向に対向された頭蓋お
さえ１６を備え、これらの頭蓋おさえ１６は患者の頭蓋
を左右よりおさえて患者の頭部の向きを規制することが
できる。

また、前記チンレスト１５は、第４図に示すように、取
付台１４に回転可能に支持した送りねじ１６にねじ込ま
れたスリーブ１７に固定されており、したがって、前記
送りねじ１６に固定した調節ねじ１８を手動操作するこ
とにより患者の前後方向の位置を微調整することができ
る。

前記支持装置は、前記支持腕１２に対し回転可能に支持
されかつ前記取付台１４を固定された垂直方向の回転体
１９を備えており、この回転体１９は前記スライダ１１
にねし込んだ固定ねじ２０により支持腕１２に固定する
ことができる。

そして、前記支持腕１２の下面には、第３図に示すよう
に、位置規制ピン２１が突起され、この位置規制ピン２
１は前記回転体１９の下部に戸定した環状部材２２に形
戊された半円弧状の案内溝２３中に位置される。

したがって、撮影部位に応じて前記セファロスタット機
構１３は、第５図に示すように、第１図に示した位置か
ら１８０゜だけ反転した位置とすることができる。

一方、前記支持装置は、前記取付台１４から垂下された
ねし付スリット２４を備え、このねじ付スリーブ２４は
前記回転体１９中に挿入された案内棒２５により回転体
１９に対する回転運動を防止される。

また、前記ねし付スリーブ２４中には、前記回転体１９
に対して回転可能に支持した送りねじ２６が挿入される
。

前記送りねじ２６には調節ノブ２７が固定されこの調節
ノブ２７の手動操作により前記取付台１４は上下動され
る。

第６図は、本考案による多目的レントゲンの原理図であ
って、図中、０１，０２，０３は前述した固定３軸変流
機構の各回転中心を示し、Ｘ線ヘッド９及びフイルムホ
ルダ６の移動に伴ってアーム４の中心が０１→０２→０
３へ変化することを示している。

また図中Ｙ，Ｚは頭蓋骨の輪郭及び断層軌跡を表わして
おり、図示の状態にあっては、断層軌跡Ｚが内耳腔αを
よぎる状態を示している。

したがって、この状態においては、左右対称の内耳腔α
の断層撮影を行ない得るわけであるが、案内腔１０に沿
ってセファロスタット機構１３を平行移動させることに
より、歯列、鼻腔、副鼻腔、眼腔等の断層撮影を行なう
ことができるのは明らかである。

そして、本考案の多目的レントゲンにあっては、セファ
ロスタット機構１３を第５図示の状態に反転することに
より、患者の頭蓋に対する断層軌跡Ｚは第６図に仮酸線
で示した状態となる。

したがって、この反転状態においては、頭蓋骨の後頭部
又は脊椎骨上部の断層を得ることが可能である。

この場合の反転操作を具体的に説明すると、まず、止め
ねじ１１ａを緩めてスライダ１１を案内腕１０の目盛で
示された撮影目的位置へ摺動させ、同位置に支持腕１２
を固定する。

この後、固定ねじ２０を緩めて取付台１４を手で水平面
内で１８０゜だけ回動ずれば、セファロスタット機構１
３は第１図の状態から第５図示の位置に反転される。

この反転位置では、患者の頭部の向きを考慮した案内腕
１０の目盛により、Ｘ線ヘッド９の焦点位置が目動修正
されるため、反転時に他の操作が要求されることはない
。

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、患者
頭部の各種断層を得ることができるため、歯科は基より
眼科、脳外科等の診断資料として適切な断層写真が得ら
れる。

そして、本発明の多目的レントゲンは、従来より歯列撮
影に用いられているレントゲン装置の断層軌跡及びセフ
ァロスタット機構の支持部等を改変するだけで、達或で
きる優れた利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による多目的レントゲンの側面図、第２
図は同レントゲンの正面図、第３図は同要部拡大断面図
、第４図は第３図に対し直角な方向の拡大断面図、第５
図はセファロスタット機構を反転した状態の第１図と同
様の図、第６図は本考案による多目的レントゲンの原理
説明図である。 ２・・・・・・機体、４・・・・・・アーム、６・・・
・・・フイルムホルダー、９・・・・・・Ｘ線ヘッド、
１０・・・・・・案内腕、１１・・・・・・スライダー
、１２・・・・・・支持腕、１３・・・・・・セファロ
スタット機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体と、予め定められた水平面内での断層軌跡をもつよ
   うに前記機体に中間部を支持されたアームと、このアー
   ムの両端部に対向的に支持されたＸ線ヘッド及びフイル
   ムホルダーと、前記機体の側部に片持的に固定された水
   平方向の案内腕と、基部を前記案内腕に摺動可能にかつ
   任意の摺動位置に止着可能に支持された支持腕と、撮影
   目的に応じて患者の頭部の位置を規定できるセファロス
   タット機構と、このセファロスタット機構を搭載されて
   前記支持腕の先端に取付けられかつ前記セファロスタッ
   ト機構を水平面内で略１８０゜だけ回動させる支持装置
   とを備える多目的レントゲン。