JPS5910713Y2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高周波加熱装置、特にその安全機構に関するも
のでドア開或時に高周波電磁波が放射されるのを防止す
ることを目的とするものである。

従来の高周波加熱装置のドアスイッチは、ドアの開戒時
これに連動して安全スイッチを動作させ高周波発振器の
電源回路を開路させ、ドアと加熱室前板との隙間から高
周波電磁波が漏洩することを防止する構造のドアスイッ
チピンを有していた。

しかし上記ドアスイッチは、加熱室前板の後面内部に位
置し、ドアスイッチピンは加熱室前板の貫通孔を貫通し
て、ドアスイッチのアクチュエータ等を押しスイッチを
動作する構造になっている。

このためドアが開いている時細いピン状の棒でいたずら
してアクチュエータを押し込めば電源回路が閉路し、こ
の状態で操作パネルに装着された高圧印加用押しボタン
を押せば高周波電磁波が放射され非常に危険であった。

また、上記安全スイッチはドアスイッチの場合であるが
、ドアの把手の動きに連動し、電源回路が開閉するラッ
チスイッチの場合にも同様なことが発生し危険であった
。

そこで本考案は外部から操作できる各種安全スイッチを
いたずらしても最終的に高圧印加用スイッチをいたずら
できないようにし、これにより高周波電磁波の照射を受
ける危険を安全に防止するものであり、以下その一実施
例について説明する。

第１図において、高周波加熱装置本体１の加熱室前板２
の近傍に装着した操作パネル３には高圧印加用押ボタン
４がありドア５にはドアスイッチピン６が設けられてい
る。

この場合は横開きドアであり、ドア５は軸７を中心に開
閉する。

また、加熱室前板２の後面に沿って矢印方向にスライド
できるスイッチ操作阻止体８がある。

そして、ドア５を閉じる時、矢印方向にドア５が動き、
ドアアーム９はスイッチ操作阻止体８を矢印方向にスラ
イドさせる。

また、スイッチ操作阻止体８には上記高圧印加用押ボタ
ン４の操作部が貫通できる程度の孔１０を設けている。

このため、ドア５が閉じる寸前にスイッチ操作阻止体８
が所定の位置までスライドすると、操作パネル３の高圧
印加用押ボタン４の操作部とスイッチ操作阻止体８の孔
１０とが一致し、これにより押ボタン４の操作部は貫通
することができる。

そしてスイッチ操作阻止体８の後方には高圧印加用スイ
ッチ（この第１図では示していないが第２図のＡと同じ
もの）が位置し、高圧印加用押ボタン４の操作部に押さ
れて高周波発振器の電源回路を閉路させる構或である。

次に第２図に示すものはドアを縦開きした場合の実施例
で、構造をわかりやすくするため加熱室前板２を一部切
断して示してあり、ドア５はドアアーム９を介して、ド
アバネ１１で引張られ、矢印方向にドア５を引きつけて
いる。

そして、ドアアーム１０が内部に入るに従いスイッチ操
作阻止体８を矢印方向にスライドさせる。

すなわち、第２図はドア５が閉じる寸前の状態を示すが
、スイッチ操作阻止体８の孔１０は高圧印加用押ボタン
４の操作部と一致している。

なお、スイッチ操作阻止体８はガイドレール１２により
保持され、ドアアーム９の動きにともなって矢印方向に
スライドできる構或になっている。

また、上記第１図に示す実施例のドアスイッチピン６に
対向する加熱室前板２には孔２ａがあり、ドア５を閉じ
たときその孔２ａをドアスイッチピン６が貫通しドアス
イッチを動作させるものである。

第３図に示すものは同部の他の実施例であり、この実施
例では、スイッチ操作阻止体８によって高圧印加用スイ
ッチＡの前面を覆わずに、押ボタン４を固定するもので
゛ある。

本考案では高圧印加用押ボタン４をドア開或時に電気的
にＯＦＦの状態に維持する構或であるがこれを他の安全
スイッチ、例えば上述のドアスイッチや、ラッチスイッ
チ等に応用できないことはない。

しかしながら、ドアスイッチ、ラッチスイッチは例えば
調理中にドアを開くと１００ Ｖ， １２ Ａと言うよ
うな大電流を即断しなければならず、したがって高価な
スイッチを使用し、これによりその接点が溶着しないよ
う配慮しているが、上記高圧印加用スイッチを閉或した
状態でドアを閉戊すると１００〜２００Ａの突入電流が
流れ時として安全スイッチの接点を溶着させることがあ
る。

従って、そのような可能性のある安全スイッチをスイッ
チ操作阻止体にて覆ったとしても、完全に安全を保障で
きない。

これに対して高圧印加用スイッチはドアを開いても閉じ
てもこれに大電流が流れることはなく、したがって接点
溶着がおきることはない。

したがって、ドアの開放時にこの高圧印加用スイッチが
操作体によって操作されるのをスイッチ操作阻止体で阻
止する構或とすればきわめて安全性、および信頼性の高
いものとなる。

以上のように本考案によればドアの開放時に、子供がい
たずらをして安全スイッチを閉或しても、このドアの開
放時には高圧印加用スイッチを閉或することはできず、
したがって高周波電磁波が放射されず、きわめて安全性
の高いものとなる。

また、高圧印加用スイッチにはドアの開閉にともなって
大電流が流れることはないので、この高圧印加スイッチ
の接点が溶着することはない。

このため、このように接点溶着かない高圧印加用スイッ
チの操作体をドアの開放時にスイッチ操作阻止体で操作
できないようにすれば、上記安全性に対する信頼性はき
わめて高いものとなる。

さらに、本考案は上述のごとくドアの開放時に安全スイ
ッチの操作を阻止するものではないので、安全スイッチ
の接点溶着を考慮してきわめて高価なものを用いる必要
はなく、したがってその分高周波加熱装置を安価に提供
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す高周波加熱装置のドア
開戊状態を示す斜視図、第２図、第３図は同要部の他の
実施例を示す斜視図である。 ２・・・・・・加熱室前板、３・・・・・・操作パネル
、４・・・・・・高圧印加用押ボタン、５・・・・・・
ドア、８・・・・・・スイッチ操作阻止体、Ａ・・・・
・・高圧印加用スイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面に操作パネルが設けられた高周波加熱装置本体と、
   前記高周波加熱装置本体内に設けられた加熱室と、前記
   加熱室の前面開口部に開閉自在に設けられたドアと、前
   記加熱室内に高周波電磁波を供給する高周波発振器と、
   前記高周波発振器に高電圧を供給する高圧印加用スイッ
   チと、前記高圧印加用スイッチを操作してその電気回路
   を閉路させるために前記操作パネルに装着された操作体
   と、前記高圧印加用スイッチを前記ドア開或時には押印
   させないように前記操作パネルに対してスライド可能に
   設けられた操作阻止体と、前記ドアと前記操作阻止体と
   連結し前記ドアの開閉にともない前記操作阻止体をスラ
   イドさせるドアアームとを備えた高周波加熱装置。