JPS5910694Y2 - 扁平型電池 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は扁平型電池、特に有機電解質電池に関するもの
で、内部短絡や漏液のない信頼性の高い扁平型電池を提
供することを目的とする。

電池ケースの開口部と封目板との間にガスケットを介在
させて密封する構造の電池においては、ケースいっぱい
に正極合剤を充填すると、合剤上にガスケットを置くこ
とになるので、電池の薄形化には限界がある。

そこで、電池ケースの底面をガスケットの座とする構造
が試みられている。

このような扁平形電池では、正極合剤とケース側壁部に
は空隙部が生じ、従って、正、負極間の短絡を生じやす
い。

従来におけるこの種電池の正、負極の隔離方法としては
、（１）第２図のように、セパレータ９の周縁をガスケ
ット３の底部とケース１内底面との間に挾み込むもの、
（２）第３図のように、正、負極間に外径がガスケット
の内径よりも小さいセパレータを介在させたのみで、セ
パレータ周縁部を固定してないものなどが主として用い
られてきた。

（１）の方法は、負極リチウム５を圧着し、かつガスケ
ット３を装着した封口板２をケース１に組み込む際に、
予め正極上に載置したセパレータ９がずれて、セパレー
タ周縁部がガスケットとケースとの側面部に挾み込まれ
、電解液がセパレー夕を伝って漏液することがあった。

また、セパレー夕が定位置に組み込まれても、特に正極
の上部周縁部に荷重が加わり、電池の振動試験をすると
、正極の上部周縁部の崩れによる内部微小短絡が発生し
た。

（２）の方法もセパレータのずれが起こり、中には電極
の一部が露出するものもあった。

また、（１）と同様に振動試験をすると、やはり正極の
崩れによる内部短絡が観察された。

また、正極の崩れ防止のために、正極の周囲に金属製の
支持枠体を装着する方法もあるが、中には支持枠体のパ
リによって内部短絡するものあり、セパレー夕のずれに
関しては解決されない。

本考案は、上記のような従来の欠点を除去するもので、
正極の外周に耐電解液性の熱可塑性樹脂からなる正極リ
ングを装着し、このリングの負極と対向する面に、セパ
レータの周縁部を溶着するものである。

この構戒によれば、セパレータが正極リングに固定され
るので、電池組み立て過程でセパレー夕がガスケットと
ケースとの間に挾み込まれることもなく、かつセパレー
タの位置ずれも生じない。

従って、従来のような内部短絡や漏液がなくなる。

また正極の崩れによる内部短絡も生じない。

以下本考案をその実施例により説明する。

第１図において、１は厚さ０．３０ｍｍのステンレス鋼
板を加工した外径２２．９ｍｍ、高さ２．３０ｍｍの電
池ケース、２は同材料からなる外径２１．２ｍｍ、高さ
１．２０ｍｍの封目板でその周縁にはポリプロピレン製
ガスケット３を装着している。

４は封口板３の内面にスポット溶接した負極集電体で、
直径１８ ｍｍ、厚さ０．１ｍｍのニッケル板をエキス
パンデッドネットに加工したものである。

５は直径１７ ｍｍ、厚さ０．２５ ｍｍのリチウムシ
一トがらなる負極活物質で集電体４に圧着されている。

６はチタン板をエキスパンデツドネットに加工した直径
１６ｍｍ、厚さ０．１５ ｍｍの正極集電体で、ケース
１の内底面にスポット溶接されている。

なお、この正極集電体６および゛ケース１の内面はその
ま）で′もよいが、さらに導電性炭素皮膜あるいは酸化
ルテニウム皮膜を形戊させれば保存性が一層向上する。

７は正極で、活物質であるフツ化炭素１００重量部にア
セチレンブラック１０重量部、フッ素樹脂結着剤ｌ５重
量部を混合したもの０．１５ｇを正極集電体６の上に充
填後、ケース内で或型するとともに、外周に熱可塑性樹
脂からなる正極リング８を装着し、再度加圧成型したも
のである。

なお本実施例ではポリプロピレン製のリングを使用した
。

次にリング８の負極との対向面と、直径２２ ｍｍ、厚
さ０．１５ｍｍのポリプロピレン不織布製セパレータ９
の周縁部とを熱溶着する。

この熱溶着部は部分的であってもよい。

電解液には、例えば炭酸プロピレンと１，２−ジメトキ
シエタンとの等容積混合溶媒に１モル／１の濃度で硼弗
化リチウムを溶解したものを用い、正、負両極に注液し
た後、ケース１に絶縁パッキング３を装着した封口板２
を組み合わせてかしめ封目する。

この電池は総高２．０ｍｍ、容量１００ ｍＡＨである
。

なお、上例では正極活物質としてフツ化炭素を用いたが
、他に有機電解質電池の活物質として知られる二酸化マ
ンガン、クロム酸銀、酸化モリブデンなどを導電材、結
着剤とともに混合し或型したものを用いることができる
。

また、正極の崩れ防止のために用いたリングは、金属枠
体に熱可塑性樹脂をモールドしたものを使用してもよい
。

上述した如く本考案は、正極の外周に崩れ防止のため熱
可塑性樹脂からなるリングを装着し、さらに前記樹脂リ
ングの負極との対向面とセパレータ周縁部とを熱溶着し
たので、内部短絡や漏液を防止することができ、信頼性
を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案電池の一実施例を示す縦断面図、第２図
および第３図は従来の電池の縦断面図である。 １・・・・・・電池ケース、２・・・・・・封口板、３
・・・・・・ガスケット、５・・・・・・負極、６・・
・・・・正極、８・・・・・・正極チノング、９・・・
・・・セパレータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電池ケースと封目板及び前記両者間に介在し電池ケース
   の底面を座とするガスケットにより発電要素を密封した
   扁平型電池であって、前記電池ケース内に配した正極合
   剤の外周に熱可塑性樹脂からなる正極リングを装着し、
   前記正極リングの負極と対向する面にセパレータの周縁
   部を溶着してなる扁平型電池。