JP3594440B2 - 密閉型電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウムイオン電池、リチウム一次電池等の円筒形電池に係り、特に、有底筒状の金属外装缶の開口部を封口するとともに外部端子となる封口体の耐腐食性の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の円筒形電池は、正極活物質および負極活物質をそれぞれ金属製の芯体に塗布して正極板および負極板とし、セパレータを間に入れて巻回して電極体とする。この電極体を有底筒状の金属製の外装缶内に挿入した後、外装缶内に電解液を充填し、この外装缶の開口部を封口体により封口することにより組み立てられるものである。
【0003】
この種の封口体として、フランジ部の付け根部に下方に突出する突起部を有するキャップ状の天板と中央部に開口(弁孔)を有する底板との間に、この弁孔を閉塞する弁孔閉塞板を前記突起部間に配置し、底板の端部をガスケットを介して天板のフランジ部にかしめることにより弁孔閉塞板を弁孔に圧迫して固定狭持するようにしたものがある。このような封口体においては、弁孔閉塞板の端部をフランジ部の付け根部に下方に突出して設けられた突起部間に配置してこの突起部により押さえ付けるようにしている。このため、弁孔閉塞板の面積が大きくなるとともに、かしめ時の不均一な圧迫力により、弁孔閉塞板に皺が発生し、長期間の高温保管時に電池内圧が上昇して内部の電解液が上昇し、弁孔閉塞板に発生した皺の部分より電解液が電池外部に漏れるという問題を生じた。
【0004】
そこで、弁孔閉塞板の面積を減少させて、弁孔閉塞板の端部をフランジ部の付け根部に下方に突出して設けられた突起部により押さえ付けることに代えて、図4に示すように、弁孔閉塞板を底板の弁孔の周囲に熱溶着により固着して形成する封口体が提案された。図4に示す封口体50は、側壁にはガス抜き孔52が設けられた凸部51aと平板状のフランジ部51bとを備えた略キャップ状の天板51と、中央部に開口(弁孔)54を有する底板53とから構成されている。底板53の弁孔54の上面は金属箔に樹脂をラミネートした熱溶着性の弁孔閉塞板55により熱溶着して固着されている。そして、天板51のフランジ部51bと底板53とを重ね合わせ、底板53の端部53aをフランジ部51bの端部に向けてかしめることにより封口体50が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように形成した封口体50においては、天板51のフランジ部51bと底板53とがほんの僅かな隙間を残して対向することとなる。このため、電池の組立過程における注液工程において、例えば、注液装置の誤動作に基づく2回注液あるいは設備停止に基づく長期滞留等により、このようなほんの僅かな隙間に電解液が浸入する恐れが生じる。浸入した電解液が保持された状態で高温の雰囲気中で電池が保管されると、電解液が保持された部分に隙間腐食といわれる現象が発現し、フランジ部51bと底板53との間が腐食されて、やがては電解液漏れが発生するという問題を生じた。
【0006】
ここで、隙間腐食とは、金属材料と金属材料、金属材料と非金属が接する一定面積で僅かな隙間がある所に電解液等の液体が浸入し、電解液中のハロゲン等の濃度勾配に基づく酸素濃淡電池が形成されて腐食が進行するといわれている現象である。
【0007】
詳しくは、隙間に浸入した液体は、浸入当初はこの液体中に溶存する酸素が十分に存在するため、隙間を構成する金属がこの液体中に溶けて金属イオン(M)となり、この金属イオンが水酸化物イオンと結合して金属の水酸化物となる。しかしながら、時間が経過するに伴い、液体が移動しないことに起因して液体中に溶存する酸素が減少するため、水酸化物イオンが減少し、液体中に溶けた金属イオンの濃度が大きくなる。すると、このイオンにバランスするためにアニオン(特にCl)が隙間内に泳動してくる。その結果、MClが形成され、このMClが加水分解し、水酸化物と塩酸ができる。したがって、隙間内は低pHとなり、腐食が起こりやすい状態となる。
【0008】
このような隙間腐食が発生しないようにするには、完全に隙間をなくするか、あるいは隙間を拡大させて浸入した電解液が移動できるようにすればよいが、完全に隙間をなくすためには、天板と底板の加工精度を向上させる必要があるため、製造工程が複雑になるとともに高価になるという問題を生じる。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、天板と底板との接触部の隙間を拡大させて浸入した電解液が移動できるようにし、隙間腐食が生じない封口体を得ることにある。
【0010】
本発明は、外部端子となるガス抜き孔を有する略キャップ状の天板と、中心部に弁孔を有して前記天板の環状フランジ部に重ね合わせて組み付けられる底板とを備え、前記天板の環状フランジ部に前記底板の外周端部をかしめて形成した封口体を金属製の電池外装缶の開口部に取付け、同外装缶内に挿入した電極体の一方極から延出する導電タブを前記底板の下面に溶接するようにした密閉型電池であって、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明においては、前記天板の環状フランジ部の付け根部分から下方に突出する第1突起部と同環状フランジ部の外周部分から下方に突出する第2突出部を設けて、これらの突起部を前記底板の上面に当接させて電解液が流動する空間を形成し、前記第1突起部の下方に位置する前記底板の下面を前期外装缶内に挿入した電極体の一方極から延出する導電タブの溶接部とした
【0011】
上記した構成のように、天板の環状フランジ部と底板との間に電解液が移動できるような空間を形成すると、注液工程においてこの空間部に電解液が誤って浸入したとしても、浸入した電解液は常に酸素が溶存されるようになるので、この電解液中に溶けた金属イオン(M+)は常に水酸化物イオンと結合して金属の水酸化物となるため、この空間内の電解液は低pHとはならず、隙間腐食を防止できるようになる。
【0012】
また、この種の封口体は外部端子を兼用しているため、天板と底板との間および電極体の一方の電極から延出する導電タブと底板の底面との間を電気的に接続する必要がある。そして、一般的に、導電タブと底板の底面との接続はスポット溶接がなされるため、スポット溶接部にはある程度の機械的強度が必要になる。そこで、請求項に記載の発明においては、天板の環状フランジ部の付け根部から下方に突出する第1突起部と同環状フランジ部の外周部分から下方に突出する第2突出部を設けて、前記第1突起部の下方に位置する前記底板の下面を外装缶内に挿入した電極体の一方極から延出する導電タブの溶接部とした。
【0013】
上記のように第1突起部と第2突起部を形成すると、両突起部間が電解液が移動できるような空間となって隙間腐食を防止できるようになるとともに、第1突起部の下をスポット溶接部とすれば、第1突起部は天板の環状フランジ部の付け根部より下方に突出して形成されているため機械的強度が大きくて、スポット溶接を行っても溶接の不具合を生じない。また、フランジ部の外周部に第2突起部を形成しているので、この部分の機械的強度が大きくなるため、底板の端部をフランジ部にかしめてもこの部分に変形を生じることがなく、封口性が向上する。
【0014】
しかしながら、第1突起部および第2突起部を形成し、特に、第1突起部の下方の底板の下面を溶接部にする場合、第1突起部と底板との間にある程度以上の間隙が存在すると、導電タブと底板の底面とをスポット溶接した場合に溶接不良などの不具合を生じる。そこで、請求項に記載の発明においては、第1突起部および第2突起部と底板との間隙を0.35mm以下に規定している。このように規定すると、溶接不良などの不具合を防止できるようになる。
【0015】
そして、一般的に、この種の密閉型電池は電池内部圧力が上昇した際に、電池外にガスを放出することにより電池内部圧力を低下させる必要がある。そこで、請求項4に記載の発明においては、金属箔に樹脂をラミネートした熱溶着性薄膜よりなる弁孔閉塞板を弁孔に熱溶着している。このような金属箔に樹脂をラミネートした熱溶着性薄膜を弁孔に熱溶着するようにすると、弁孔閉塞板の面積を減少させることが可能になり、かつこの弁孔閉塞板の弁孔への取り付け時に皺等が生じないので、上昇した内部ガス圧を確実に外部に放出できるようになって、液漏れも防止できるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の密閉型電池をリチウム一次電池に適用した場合の一実施形態を図に基づいて説明する。なお、図1は本実施形態の封口体の要部の断面を示す図である。また、図2は本実施形態のリチウム一次電池の外装缶に封口体を取り付けた状態の断面を示す図である。
本実施形態の封口体10は略キャップ状に形成されたステンレス鋼(例えば、SUS304)製の天板11と、中央部に開口(弁孔)14を有するステンレス鋼(例えば、SUS304)製の底板13とから構成される。
【0017】
天板11は、電池外部に向けて膨出する凸部11aと、この凸部11aの底辺部を構成する平板状のフランジ部11bとからなり、凸部11aの側壁にはガス抜き孔12を設けている。また、フランジ部13の凸部11aの付け根部には、フランジ部11bから電池内に向けて円周状に突出する第1突起部11cを形成している。また、フランジ部11bの端部(外周部)近傍の凸部11aの中心に対して対称的な位置には、フランジ部11bから電池内に向けて突出する4個の第2突起部11dを形成している。
【0018】
一方、底板13は、その中央部に開口(弁孔)14を備えるとともにその底部13aから弁孔14に向けて立ち上がり部13bとを備えている。なお、底板13に設けられた弁孔14の周囲上面には、金属箔(例えば、アルミニウム箔)に熱溶着性ポリエチレンフィルムをラミネートした薄膜からなる弁孔閉塞板15を熱溶着性ポリエチレンフィルムが底部13aに接するようにして配置し、140℃の温度で10秒間加熱して、弁孔閉塞板15を底板13に熱溶着して固着している。
【0019】
これにより、電池内部のガス圧が上昇して所定の圧力以上になると、弁孔閉塞板15が上方に伸び上がって半球状になる。そして、半球状の付け根部に当たる熱溶着部と未熱溶着部の境界に、ガス圧の上昇による力が集中し、この半球状の付け根部において弁孔閉塞板15が破れ、開口が生じて天板のガス抜き孔12より電池外に排出されることとなる。
【0020】
そして、これらの天板11と底板13とは、ポリプロピレン(PP)製の封口体用ガスケット16を介してそれらの端部を重ね合わせ、底板13の端部を上方にかしめることにより、天板11と底板13は封口され、封口体10が作製される。この封口の際に、フランジ部11bの外周部に第2突起部11dを形成しているので、この部分の機械的強度が大きくなるため、底板13の端部をフランジ部11bにかしめてもこの部分に変形を生じることがなく、封口性が向上する。
【0021】
ついで、上述したように構成した封口体10を用いたリチウム一次電池の作製法について説明する。
【0022】
a.正極の作製
正極活物質として二酸化マンガンと、導電剤としてグラファイトと、結着剤としてポリテトラフルオロエチレンとを適量の水と混合して正極合剤を作製した。この正極合剤をステンレス製のエキスパンドメタルにコーティングして、ローラで圧延後、所定の大きさに切断して乾燥させて正極板31を作製した。この正極板31の正極合剤を部分的に剥離してエキスパンドメタルを露出させ、この露出したエキスパンドメタルにステンレス薄板からなる正極導電タブ34をスポット溶接する。ついで、この正極導電タブ34を覆うように両面から絶縁テープで固定した。
【0023】
b.負極の作製
一方、負極活物質とリチウム板を所定の大きさに切断し、このリチウム板の表面にニッケル薄板を圧着して負極導電タブ36とし、ポリエチレン製微多孔膜のセパレータ33上に配置させ、その両端を粘着テープで貼り付けたものを負極板32とした。
【0024】
c.渦巻電極体の作製
上述のようにして作製した正極板31と負極板32とを、ポリエチレン製微多孔膜のセパレータ33を間にして重ね合わせ、図示しない巻き取り機により卷回する。この後、最外周部分をポリエチレンテレフタレート(PET)テープで固定して渦巻状電極体30を作製した。
【0025】
b.リチウム一次電池の作製
ついで、1枚板からプレス加工により成形したステンレス製の負極端子を兼ねる有底筒状の円筒形外装缶20の開口部より、上述のようにして作製した渦巻状電極体30を外装缶20内に挿入する。このとき、渦巻状電極体の負極板32より延出する負極導電タブ36を外装缶20の底面にスポット溶接する。この後、電極体30の上部にスペーサ35を載置した後、外装缶20の上部20aを絞り加工し、この絞り加工した外装缶20の上部にポリプロピレン(PP)製のガスケット21を挿入する。
【0026】
一方、封口体10の天板11の第1突起部11cが底板13に当接する下面に渦巻状電極体30の正極板31より延出する正極導電タブ34を配置し、この下方にスポット溶接棒を当接させて、底板13の下面に正極導電タブ34をスポット溶接する。この後、外装缶20内にプロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとの体積混合比が1:1である混合溶媒に1mol/dmの濃度になるようにLiCFSOを溶解して調整した非水電解液を注入する。ついで、外装缶20の開口部にポリプロピレン(PP)製のガスケット21を介して封口体10を載置し、外装缶20の上端部20bを内方にかしめることにより封口して、リチウム一次電池を作製する。
【0027】
c.比較例の封口体
図3は比較例の封口体の要部の断面を示す図である。この比較例の封口体40は略キャップ状に形成されたステンレス鋼(例えば、SUS304)製の天板41と、中央部に開口(弁孔)44を有するステンレス鋼(例えば、SUS304)製の底板43とから構成される。天板41は、電池外部に向けて膨出する凸部41aと、この凸部41aの底辺部を構成する平板状のフランジ部41bとからなり、凸部41aの側壁にはガス抜き孔42を設けている。また、フランジ部41bの端部(外周部)近傍の凸部41aの中心に対して対称的な位置には、フランジ部11bから電池内に向けて突出する4個の突起部41cを形成している。
【0028】
一方、底板43は、その中央部に開口(弁孔)44を備えるとともにその底部43aから弁孔44に向けて立ち上がり部43bとを備えている。なお、底板43に設けられた弁孔44の周囲上面には、金属箔(例えば、アルミニウム箔)に熱溶着性ポリエチレンフィルムをラミネートした薄膜からなる弁孔閉塞板45を熱溶着性ポリエチレンフィルムが底部43aに接するようにして配置し、140℃の温度で10秒間加熱して、弁孔閉塞板45を底板43に熱溶着して固着している。
【0029】
そして、これらの天板41と底板43とは、ポリプロピレン(PP)製の封口体用ガスケット46を介してそれらの端部を重ね合わせ、底板43の端部を上方にかしめることにより、天板41と底板43は封口され、封口体40が作製される。
【0030】
このようにして作製した封口体40を用い、上述の実施の形態と同様にして作製した電極体30を外装缶の開口部に載置して作製したリチウム一次電池を比較例1のリチウム一次電池とする。また、図4に示す従来例の封口体50を用い、上述の実施の形態と同様にして作製した電極体30を外装缶の開口部に載置して作製したリチウム一次電池を比較例2のリチウム一次電池とする。
【0031】
d.腐食試験および溶接試験
上述のように作製した本実施形態の封口体10を用いたリチウム一次電池(本発明の電池)10個を3組と、図3に示すような比較例1の封口体40を用いたリチウム一次電池(比較例1の電池)10個を3組と、図4に示すような従来例の封口体50を用いたリチウム一次電池(比較例2の電池)10個を3組づつそれぞれ用意する。これらの各10個ずつのリチウム一次電池の各封口体10,40,50内に電解液を入れた状態で、70℃で20日間、40日間および60日間保存した後の、各封口体10,40,50の腐食率を測定した。その結果、下記の表1に示すようなデータが得られた。
【0032】
【表1】
Figure 0003594440
【0033】
なお、表1の溶接性はこの表1より明らかなように、本実施形態の封口体10を用いた電池は耐腐食性および溶接性の両方において優れた結果となった。一方、図3に示す封口体40を用いた比較例1の電池は腐食率は優れている反面、溶接性が劣っている。また、図4に示す従来例の封口体50を用いた比較例2の電池は溶接性は優れている反面、腐食率が劣っている。
【0034】
このことから、本実施形態のように天板11のフランジ部11bから下方に突出する第2突起部11dを設けると、あるいは比較例1のように天板41のフランジ部41bから下方に突出する突起部41cを設けると、天板11と底板13との間あるいは天板41と底板43との間に電解液が移動できる空間部形成されるため、これらの封口体10,40に腐食が発生することが防止できるようになる。しかしながら、比較例1の封口体40のように、天板41のフランジ部41bの付け根部から下方に突出する突起部を設けないと、スポット溶接時に底板43の溶接部がへこみ、溶接不良を生じた。
【0035】
そこで、天板11のフランジ部11bの付け根部から下方に突出する第1突起部11cを設けた本実施形態の封口体10において、天板11の第1突起部11c下面と底板13上面との間の長さを変えて、この長さがどの程度になると溶接不良が生じるかについての実験を行った。その結果、下記の表2に示すようなデータが得られた。
【0036】
【表2】
Figure 0003594440
【0037】
上記表2より明らかなように、天板11の第1突起部11c下面と底板13上面との間の長さが0.40mm以上になると急激に溶接不良率が上昇した。このことから、天板11の第1突起部11c下面と底板13上面との間の長さは0.35mm以下になるようにする必要がある。
【0038】
以上に述べたように、本実施形態においては、天板11のフランジ部11bの付け根部より下方に突出する第1突起部11cと、フランジ部11bの外周部にフランジ部11bより下方に突出する第2突起部11dをそれぞれ形成するようにして、天板11のフランジ部11bと底板13との間に電解液が移動できるような空間を形成しているので、注液工程においてこの空間部に電解液が誤って浸入したとしても、浸入した電解液に常に酸素が溶存されるようになる。このため、電解液中に溶けた金属イオン(M)は常に水酸化物イオンと結合して金属の水酸化物となるため、この空間内の電解液は低pHとはならず、隙間腐食を防止できるようになる。
【0039】
また、第1突起部11cは円周状の突起部とし、この第1突起部11cの下方に底板13の下面で導電タブ34とスポット溶接するようにしているので、この部分の機械的強度は大きいため、スポット溶接を行っても溶接不良の不具合を生じない。また、フランジ部11bの外周部に第2突起部11dを形成しているので、この部分の機械的強度が大きくなるため、底板13の底部13aの端部をフランジ部11b側にかしめてもこの部分に変形を生じることがなく、封口性が向上する。
【0040】
なお、上述の実施形態においては、本発明をリチウム一次電池に適用する例について説明したが、リチウム一次電池以外に、リチウムイオン電池、アルカリ電池、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池などの各種の密閉型電池においても本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の封口体の要部の断面を示す図である。
【図2】図1の封口体を外装缶に取り付けた状態の断面を示す図である。
【図3】比較例の封口体の要部の断面を示す図である。
【図4】従来例の封口体の要部の断面を示す図である。
【符号の説明】
10…封口体、11…天板、11a…凸部、11b…フランジ部、11c…第1突起部、11d…第2突起部、12…ガス抜き孔、13…底板、13a…底部、13b…立ち上がり部、14…開口(弁孔)、15…弁孔閉塞板、20…外装缶、30…電極体、31…正極板、32…負極板、33…微多孔膜(セパレータ)、34…正極導電タブ、35…スペーサ、36…負極導電タブ、60…スポット溶接棒

Claims (3)

  1. 外部端子となるガス抜き孔を有する略キャップ状の天板と、中心部に弁孔を有して前記天板の環状フランジ部に重ね合わせて組み付けられる底板とを備え、前記天板の環状フランジ部に前記底板の外周端部をかしめて形成した封口体を金属製の電池外装缶の開口部に取付け、同外装缶内に挿入した電極体の一方極から延出する導電タブを前記底板の下面に溶接するようにした密閉型電池であって、
    前記天板の環状フランジ部の付け根部分から下方に突出する第1突起部と同環状フランジ部の外周部分から下方に突出する第2突出部を設けて、これらの突起部を前記底板の上面に当接させて電解液が流動する空間を形成し、前記第1突起部の下方に位置する前記底板の下面を前記外装缶内に挿入した電極体の一方極から延出する導電タブの溶接部としたことを特徴とする密閉型電池。
  2. 前記第1突起部及び第2突起部と前記底板の上面との間隙を0.35mm以下としたことを特徴とする請求項1に記載の密閉型電池。
  3. 金属箔に樹脂をラミネートした熱溶着性薄膜からなる弁孔閉塞板を前記弁孔に熱溶着したことを特徴とする請求項1又は2に記載の密閉型電池。
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