JPS5910526B2 - 陰極線管 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、管体の内面に管軸に沿ってジグザグパターン
の静電偏向電極を被着して成る陰極線管の改良に係わる
。

例えば撮像装置においては、その管体外側に集束用の電
磁コイルを配置すると共に、管体の内面に導電層よりな
る２対の静電偏向電極を被着形成し、この偏向電極によ
って静電的に電子ビームの偏向を行うようにしたいわゆ
る電磁集束静電偏向型の撮像装置が提案されている。

第１図は従来の電磁集束静電偏向型のビジコン管を示す
もので、１はガラスよりなる管体、２は管体１内の前面
に配されたターゲットを示し、このターゲット２に対向
してカソードに１第１グリツドＧ１、第２グリツドＧ２
及びリミッティングアパーチャＡを具備してなる電子銃
３と、メツシュ電極４が配される。

さらに、管体１の外側には集束コイル５が設けられると
共に、メツシュ電極４と電子銃３との間の管体内面に導
電層よりなる２対の静電偏向電極６が被着される。

この偏向電極６は、第２図の展開したパターンより明ら
かなように、管軸方向ａ −ａに沿ってジグザグパター
ン、例えば正弦波形状にパターニングされた夫々水平偏
向電極となる対の電極６ａ及び６ｂと、垂直偏向電極６
Ｃ及び６ｄとを有して成る。

この偏向電極６は通常クロムＣｒの真空蒸着膜を用い蒸
着後フォトエツチング手段、或はレーザ加工によって所
定のジグザグパターンに形成される。

ところで、このような電磁集束静電偏向型の撮像管にお
いては、エージング中画面に白きずが多発する。

本発明者は、この日きず所謂映像欠陥の多発する原因を
追求した結果、偏向電極６に高圧が印加された場合に、
偏向電極６の相互間で沿面放電が起り、偏向電極６の一
部が破壊され、そのクロムの飛沫の一部がターゲット２
に及び、クロムの飛沫で汚染された個所が映像欠陥とし
て現われることを確認した。

また、第３図の拡大図で示すようにジグザグパターンの
電極６の各折曲部の先端７が先鋭状に形成されるために
、この先鋭端に電界が集中し、主としてこの先鋭端で放
電破壊が生ずることも確認した。

第４図は静電偏向電極６において放電破壊が生じた先鋭
端７ａの状態を示す写真の写しであり、斜線の部分８が
放電破壊してクロム膜が飛ばされた部分である。

他の斜線部９は電極６ａと６Ｃを分離するためのクロム
膜が除去されたスリットである。

一度このような放電破壊があると多数の映像欠陥が生じ
映像としては極めて見難いものとなる。

このような放電破壊はエージングの他通常の動作状態、
即ち偏向電極６にテレビ走査用の鋸歯状波信号が印加さ
れた場合、或は外部回路の起動時に偏向電極６にスイッ
チングノイズ等が印加重畳された場合にも起り得る〇 一方、偏向電極６のこのような放電破壊を防止するには
、第３図に示すように各電極６ａ、６ｂ。

６Ｃ及び６ｄの相互間を分離するスリット９の巾ｄを広
くし放電開始電圧を下げること、或は動作電圧を下げる
こと等が考えられる。

しかし、例えば電極間のスリット巾ｄを広くしたような
場合には放電破壊に対しては一応回避されるも、その広
くなったスリット９に帯電される電荷が無視できなくな
り、偏向の直線性が悪くなる。

又、この直線性についてはジグザグパターンのピッチＰ
の数が多い程直線性が良好となり、現在例えば１００藺
の長さの間に６ピツチのジグザグパターンを形成したも
のが作られているが、このように偏向の直線性を上げる
ために一定の長さの間でジグザグパターンのピッチの数
を増すと、各折曲部の先端７はさらに先鋭となり、さら
に放電破壊が起り易くなる。

本発明は、上述の電磁集束静電偏向型の撮像装置におけ
る映像欠陥の発生原因に関する研究結果に基づいてなさ
れたもので、特にジグザグパターンの静電偏向電極を有
する陰極線管において、その静電偏向電極の放電破壊を
有効に回避し、斯種陰極線管の信頼性を向上せんとする
ものである。

即ち、本発明においては、管体の内面に管軸に沿って延
びるジグザグパターンの静電偏向電極を被着形成して成
る陰極線管において、そのジグザグパターンの各折曲部
の先端を非先鋭状に形成し、実効的にその電極の先端に
電界が集中することを防止して先端放電による偏向電極
破壊を阻止するようになすものである。

以下、図面を参照して本発明の実施例につき説明する。

第５図乃至第７図は、本発明を第１図と同様の電磁集束
静電偏向型のビジコン管に適用した場合であり、同図に
おいて、１はガラスよりなる管体、２は管体内の前面に
配されたターゲット、３はカソードに１第１グリツドＧ
１、第２グリツドＧ２及びリミッティングアパーチャＡ
を具備した電子銃、４はメツシュ電極、５は管体１の外
側に配した集束コイル、１０はメツシュ電極４と電子銃
３との間の管体内面に被着形成した本発明による２対の
静電偏向電極を示す。

本発明においては、静電偏向電極１０を例えば第６図の
展開図及びその一部を拡大した第７図で示すようなパタ
ーンをもって形成する。

即ち水平偏向電極となる対の電極５ａ 、５ｂ及び垂直
偏向電極となる対の電極５ｃ、５ｄを管軸方向ａ −ａ
に沿ってジグザグパターン、例えば正弦波形状に形成す
ると共に、そのジグザグパターンの各折曲部の先端７に
水平のスリット１１を形成して先鋭端７ａを電極本体よ
り電気的に分離し、折曲部先端Ｉの形状を台形状になす
。

具体的には、管体１の内面にクロム（Ｃｒ）の蒸着膜を
形成して後、この蒸着膜にレーザビームを所定パターン
に沿って、即ち４本のジグザグ線に沿って走査させるよ
うに照射して蒸着膜に４本のジグザグの分離用のスリッ
ト９を形成して４本の帯状のジグザグパターンの電極６
ａ、６ｂ、６ｃ及び６ｄを創成形成すると同時に、さら
に各電極の折曲部の先端７にレーザビームにより水平の
スリット１１を形成して先鋭端７ａを分離する。

尚レーザ加工によるときは偏向電極１０は容易且つ精度
よく形成でき、スリット１１の巾ｄとしても１５０μ程
度に形成できる。

また、スリット１１としては多少隣接する電極側（例え
ば第７図における電極６ａ側）に延びて形成されても問
題はない。

かかる構成によれば、ジグザグパターンの静電偏向電極
１０においてその折曲部の先端７が水平のスリット１１
によって台形状に形成されることにより、エージング中
、或は動作時にその折曲部の先端７には電界集中が起ら
ず、折曲部の先端７と他の電極との間での放電事故が回
避される。

従って静電偏向電極が放電破壊されその電極の飛沫によ
るターゲットの汚染、及びそれに基づく映像欠陥の発生
が阻止される。

また、偏向電極相互間の放電が回避されるために、隣接
する電極間のスリット９の巾ｄを狭くしスリット９にお
ける電荷の帯電を減らすことが出来、且つジグザグパタ
ーンのピッチＰの数をも増加することが可能となり、よ
り偏向の直線性の良好な電磁集束静電偏向型撮像管が得
られる。

又、偏向電極１０が放電しにくい構成であるので偏向電
極１０に与える動作電圧を全体的に低くする必要はなく
、動作電圧に関する設計の自由度が広くなる。

さらに、上側のスリット１１を設ける場合は、ジグザグ
パターンの偏向電極１０をレーザ加工によって形成の際
に、同時工程で容易にスリット１１を入れることが出来
るので、製造が容易となる。

尚、ジグザグパターンの折曲部の先端７の形状としては
、第７図に示す他に、例えば第８図に示すように折曲部
の先鋭端７ａを三角形状に切落して先端Ｉが台形となる
ように形成してもよく、或は第９図に示すように折曲部
の先端７を丸味があるように形成してもよく、さらには
、第１０図に示すようにジグザグパターンに創成形成す
るとき同時に折曲部の先端が台形となるように形成して
もよい。

このような第８図〜第１０図の構成においても第７図と
同様に折曲部の先端７での放電が回避され、映像欠陥の
発生が回避されると共に、ジグザグパターンのピッチの
増加を可能にしてその偏向の直線性の向上が図れる。

尚、上側では電磁集束静電偏向型のビジコン管に適用し
たが、その地位相分離方式の単一撮像方式によるトリニ
コン（商品名）等地の電磁集束静電偏向型の撮像装置に
も適用できる。

さらに、管体内壁面に上述のようなジグザグパターンの
静電偏向電極を形成して成る受像管においても適用でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の撮像装置の断面図、第２図はその静電偏
向電極の展開したパターンを示す展開図、第３図はその
要部の拡大図、第４図は本発明の説明に供する静電偏向
電極の折曲部の先端の放電破壊の状態を示す状態図、第
５図は本発明による撮像装置の断面図、第６図はその静
電偏向電極の展開したパターンの一例を示す展開図、第
７図はその要部の拡大図、第８図乃至第１０図は夫々本
発明の他の例を示す静電偏向電極の要部の拡大図である
。 １は管体、２はターゲット、３は電子銃、５は集束コイ
ル、６．１０は静電偏向電極、７は折曲部の先端、９は
分離用のスリットである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 管体の内面に管軸に沿って延びるジグザグパターン
   の静電偏向電極が被着形成され、該ジグザグパターンの
   各折曲部の先端が非先鋭状に形成されて成る陰極線管。