JPS5910432Y2 - デイスクブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はケーブル等によって与えられる入力を回転方向
に受け、この回転入力を、摩擦パッドを押圧する直線方
向の出力に変換してブレーキ作用を行なう機械式ディス
クブレーキに関する。

これまで知られている回転入力を直線方向出力に変換す
る機構（例えば同一出願人の出願に係る特開昭４９−９
５０８３号及び同５０−５５７６５号など）においては
、ナット部材は外部入力を直接的に受けて、テ゛イスク
ヘ摩擦パッドを押圧するプッシュロツド周りに回転し同
時に該ナット部材は該ナット部材と一体的に形威されて
いる傾斜したカム溝を有するランププレートと該溝内を
移動する鋼球の作用によって該ロツドの軸線に沿って該
ロツドと共に直線運動する。

しかしてナット部材の一部分は、キャリパーハウジング
の脚部に設けた貫通孔又は該キャリパーハウジングに取
付けられた固定部材によって保持されていた。

即ち、該ナット部材は、キャリパーハウジングに対し貫
通孔又は固定部材を介して保持されると共に上記出力変
換機構の鋼球を介して保持されていた。

このことは、部品製作上のばらつきにより、特に前記貫
通孔の中心と、鋼球の回転中心とのずれ、換言すると、
複数個（多くは３ヶ）の鋼球によって定まる回転中心と
貫通孔によって定まる回転中心とのずれによって、ナッ
ト部材の円滑な回転が妨げられたり、キャリパーハウジ
ングの貫通孔又は固定部材のナット支持部が著るしく摩
耗するという欠点を発生していた。

更にまた該貫通孔又はナット支持部に所定の回転隙間が
あるために、ブレーキ装置の振動によってその隙間に容
易に摩耗が発生したり又は騒音を発生するという欠点を
有していた。

本考案は、このような公知のディスクブレーキの欠点を
解消することを目的とするものであり、貫通孔等によっ
て画定されるナット回転中心と、鋼球によって画定され
るナット回転中心との偏差をなくすために、ナット部材
をキャリパーハウジングに設けた貫通孔又は固定部材に
対して浮上係合させ単にリターンばねによって該ナット
部材をディスクと反対方向に強制すると共に該ナット部
材をキャリパーハウジングに対し実質的に鋼球によって
のみ保持せしめ、これによってナット部材の摩耗又は騒
音振動等を完全に防止し、同時にナット部材の加工部分
を少なくしたディスクブレーキを提供することを目的と
しているのである。

以下本考案の具体例について述べる。

図において、キャリパーハウジング１とキャリパーハウ
ジング２とはボルト３にて一体的に締結されている。

該ボルト３にはＯリング６が装嵌されかつ該Ｏリングに
はブラケット４が該ボルト３上を摺動出来るように載置
されている。

該ブラケット４のボルト貫通両側部はブーツ５，５によ
って保護され、ボルトとブラケットとの摺動面に異物が
入り込むのを阻止している。

ディスクＤの両側部にはパツド７，１０が配置してある
。

パツド７はキャリパーハウジング１へ止ねじ８、ばねワ
ツシャ９によって固定されており、パツド１０はブラケ
ット４に設けられた中央孔３０に嵌嵌している。

パツド１０の裏側にはプッシュロツド１７の先端の段付
拡大部３１が衝接している。

プッシュロツド１７は、先端部付近に段付拡大部３１を
有しその後部に多角形望ましくは４又は６角形断面の回
転保持部３２を有し、その後部に調整ねじ部３３を、後
端部にスリット３４を有している。

調整ねじ部３３には、ナット部材１２のねじ部３５が螺
合している。

ナット部材１２は先端に拡大フランジ部３６ ａをまた
、その後方に足部３６ ｂを有している。

フランジ部３６ ａの前面にはケーブル等による回転入
力を該ナット部材１２へ伝達するレバー１４が設けられ
、更に該レバー１４の前面の前記回転保持部３２周辺に
は板ばね１６が設けられ、ナット部材１２のフランジ部
３６ ａとレバー１４と板ばね１６とは、等角度に配置
された複数個のリベット１５によって一体的に固着され
ている。

板ばね１６は中央前方に折曲った部分にて回転保持部３
２を扶持している。

該板ばね１６の外周部分とロツド１７の段付拡大部との
間にはダストブーツ１８が取付けられ、ナット部材１２
等ヘテ゛イスクＤから異物が導入されるのを防止してい
る。

フランジ部３６ ａの後面に対置してランプ部材１１が
キャリパーハウジング２の内面側即ち段付部３７の前面
に止具３８によって固着されている。

フランジ部３６ ａの後面とランプ部材１１の前面とに
は公知の如く傾斜した曲状溝が設けられ、該溝内に鋼球
１３が配置されている。

溝形状及び溝の配置等は当業者に公知のものであり、詳
細に述べることを省略する。

ナット部材１２の足部３６ ｂは段付部３７に貫通して
設けられた孔３７ ａを遊嵌し、その後部には止輪２１
が嵌装され、該止輪２１は環状板２０を支持している。

該板２０と前記キャリパーハウジング２の外面側即ち段
付部３７の後面との間にばばね１９が装架されている。

ばね１９はナット部材１２を、鋼球１３を介してランプ
部材１１に強圧している。

ナット部材１２のフランジ部外周とキャリパーハウジン
グ２の所定部所との間にはダスト力バー２６が配置され
、ナット部材１２等へ異物が入り込むのを防止している
。

本考案のテ゛イスクブレーキにおいて、ケーブル等によ
ってレバー１４を回動すると、該レバーと共にナット１
２、板ばね１６、ロツド１７が回転し、公知の如く、傾
斜した曲状溝を有するフランジ部３６とランプ部材１１
と鋼球１３との作動によって、ナット部材１２ヘディス
クＤ方向への推力が生じ、その推力によってパツド１０
がロツド１７を介してディスクＤの右面を押圧すると同
時に、ランプ部材１１へ後方（図面で右方）への推力が
生じ、その推力によってパツド７がキャリパーハウジン
グ２、ボルト３、キャリパーハウジング１を介してテ゛
イスクＤの左面を押圧して所定の制動作用を行なつ。

パッドが摩耗した場合にはレバー１４の回動ストローク
が大きくなるので、その時にはキャリパーハウジング２
の右面に、パッキング２５、ワツシャ２４、と共にねし
２３にて固着されている蓋２２を取外し、ロツド１７の
後端のスリット３４ヘドライバなどの工具を差込んでこ
れを回転前進させ、パッドとディスクとの間隙をせばめ
て調整する。

ばね１９は、好ましくは取付荷重が１０〜２０ ｋｇ程
度の比較的強いものがよい。

このばね１９は、ナツト部材１２を好ましくは３ヶの鋼
球１３を介してランプ部材１１へ圧着してキャリパー／
’％ウジング２に対しては浮上支持関係におくので、公
知の装置のように該ナット部材１２シたがってまたレバ
ー１４、プッシュロツド１７等はキャリパー／’ｔウジ
ングの振動による直接的影響を受けることがない。

該ばね１９はレバーのガタツキを防止し同時にまた該レ
バーのリターンスプリングの作用も行なっている。

本考案は以上述べた如く、これまでの装置と異なり鋼球
を出力変更機構の構戊要素としてのみならずナット不承
要素としても機能させることにより、ナット部材の円滑
な回転を図り、キャリパーハウジングの貫通孔又は固定
部材の支持部の摩耗を減少し、こうして従来装置の諸欠
陥を完全に解消した実用上極めて有用なディスクブレー
キを提供するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案装置の断面図である。 符号の説明、１，２・・・・・・キャリパーノへウジン
グ、３・・・・・・ボルト、４・・・・・・ブラケット
、７，１０・・・・・・ノ々ツド、１１・・・・・・ラ
ンプ部材、１２・・・・・・ナット部材、１３・・・・
・・ボール、１４・・・・・・レバー、１６・・・・・
・板ばね、１７・・・・・・ロツド、３６ ａ・・・・
・・フランジ部、３７・・・・・・段付部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 板状テ゛イスクＤと、 該ディスクＤの片面に制動係合する第１摩擦パツド７を
   載置しているキャリパハウジング１と、該キャリパハウ
   ジング１へ対しボルト３によって剛結され、前記ディス
   クＤの他面側に位置しているキャリパハウジング２と、 前記ボルト３を介して両キャリパハウジングを軸線方向
   に移動可能に支持しているブラケット４と、 該ブラケット４に設けた中央孔３０内に軸線方向に移動
   可能に案内されディスクＤの他面に対向配置している第
   ２摩擦パツド１０と、 該第２摩擦パッド１０をディスクＤへ対し押圧する位置
   にあるプッシュロツド１７であって一端に多角形状断面
   部３２を他端にねじ部３３を有しているプッシュロツド
   １７と、 回転力を生起するブレーキレパー１４と、該ブレーキレ
   パー１４に固定された拡大フランジ部と、前記プッシュ
   ロツド１７のねじ部３３に螺合しかつキャリパハウジン
   グ２へ設けられた孔３７ ａに遊嵌している足部３６
   ｂと、を有しているナット部材１２と、 該ナット部材１２に連動して回動しかつ前記プッシュロ
   ツド１７の多角形状断面部３２へ係合して該プッシュロ
   ツド１７の回転を規制している係合片を有している回転
   規制部材１６と、 前記キャリパハウジング２との間において前記ブレーキ
   レパー１４の回動力を軸線方向力に変換して前記プッシ
   ュロツド１７を軸線方向に移動し第２摩擦パツド１０を
   ディスクＤの他面へ押圧すると共にその押圧力の反力に
   よって第１摩擦パツド７をディスクＤの片面へ押圧する
   回転力を直線方向の出力に変換する出力変換機構と、を
   含み、該出力変換機構が、キャリパハウジング２の内壁
   面に対して収容されている鋼球と、該内壁面に対置して
   おり該鋼球を収容すると共に制動時には該鋼球が乗り越
   えようとする傾斜した曲状溝を有している前記ナット部
   材の拡大フランジ部と、から或り、 前記ナット部材１２がキャリパハウジング２に対し、一
   端をキャリパハウジング２の外壁面に他端をナット部材
   の足部３６ ｂに係合しているばね１９により該ナット
   部材のフランジ部をキャリパハウジング２の内壁面へ常
   時弾圧すると同時に該ナット部材をキャリパハウジング
   ２に対し力学的に安定な位置に浮上支持している、 ことを特徴とするテ゛イスクブレーキ。