JPS589164B2 - ポリエステル部分配向繊維の製造法 - Google Patents

ポリエステル部分配向繊維の製造法

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JPS589164B2
JPS589164B2 JP699875A JP699875A JPS589164B2 JP S589164 B2 JPS589164 B2 JP S589164B2 JP 699875 A JP699875 A JP 699875A JP 699875 A JP699875 A JP 699875A JP S589164 B2 JPS589164 B2 JP S589164B2
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四郎 熊川
一成 林
巌 藤本
啓文 吉川
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【発明の詳細な説明】 本発明は延伸仮撚加工に適したポリエステル部分配向繊
維(partially Qriented Yarn
)を経済的に製造する方法に関するものである。
最近、ポリエステル未延伸繊維に同時的又は遂次的な延
伸仮撚加工を施すことによって、未延伸繊維から一挙に
嵩高加工糸を製造する方法が実施されるようになり、か
かる延伸仮撚加工々程へ供給するポリエステル未延伸繊
維としてポリエステルを3000〜4000ヤード/分
(約2700〜3600m/分)の紡糸巻取速度で高速
紡糸した部分配向繊維を用いることも知られている(例
えば米国特許第3771307号)。
このよう彦高速紡糸による部分配向繊維は、通常の紡糸
巻取速度(約1500m/分前後)で紡糸した未延伸繊
維に比べて、経時安定性が良好で長時間の保存、輸送に
耐えることができ且つ高温(200℃以上)のヒータを
有する延伸仮撚加工機へ容易に糸掛けするととができる
という利点を有するが、その反面、紡糸工程において3
000〜4000ヤード/分という高速で巻取りを行う
ため、特殊々高速ワイングーを必要とし設備コストが莫
大になる。
しかも紡糸開始時に高速ワインダーへ糸掛けするのに特
別な熟練を要し、また紡糸巻取中にも巻崩れが起り易い
等の問題がある。
本発明者らは、通常のワインダーでも安定な紡糸巻取が
可能な2600ml分以下の紡糸巻取速度で延伸仮撚加
工に適したポリエステル部分配向繊維を製造すべく研究
を重ねた結果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、紡糸口金より溶融吐出したポリエ
ステル紡出糸を、〔該ポリエステルのガラス転移温度(
Tg)+40℃〕よりも低い温度にまで冷却し、引続き
90〜140℃の温度に保持された長さ80〜180c
mの加熱雰囲気中を走行せしめて熱処理した後、110
0〜2600m/分の速度で巻取ることにより、延伸仮
撚加工に好適なポリエステル部分配向繊維を製造する方
法である。
本発明において言う「ポリエステル」とは、ポリエステ
ル繰返し単位の85モル%以上がエチレンテレフタレー
ト単位であるポリエステル又は該ポリエステルを王成分
とするブレンド物を総称する。
かかるポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレー
トが代表的であるが、15モル%以下の割合で第3成分
を共重合したコポリエステルでもよく、またこれらのポ
リエステルにポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート等の他のポリエステル
やナイロン6、ナイロン66、ポリカーボネート等の他
のポリマーを少量混合したブレンド物でもよい。
更に前記のポリエステルには、艶消剤、着色剤、安定剤
、難燃剤、帯電防止剤あるいは表面改質剤等を含んでも
差しつかえない。
本発明では、前記のポリエステルのうち極限粘度(35
0℃のO−クロロフェノール溶液にで測定)が0.5以
上、とくに0.55〜0.95のものが好適である。
本発明によれば、前記ポリエステルを溶融紡糸するに当
り、紡糸口金より溶融吐出した紡出糸を先ず〔Tg+4
0℃〕よりも低い温度、好ましくは〔Tg−20℃〕乃
至〔Tg+20℃〕の温度まで冷却する。
ここでTgは該紡出糸を構成するポリエステルのガラス
転移温度を表わし、ポリエステルTgは米国特許第25
56295号明細書に記載の方法によって測定される。
無定形ポリエチレンテレフタレートのTgは約70℃で
ある。
紡糸口金としては、通常の円形紡糸孔を有するものでよ
いが、4〜8本のスリットが中心から放射状に伸びた紡
糸孔を有するものでもよい。
後者の紡糸口金を用いると延伸仮撚加工によるフィラメ
ント断面の扁平化による悪影響の少ないマルチローバル
形断面の繊維を製造することができる。
紡糸口金より溶融吐出する際のポリマ一温度は、該ポリ
エステルの融点より20〜50℃高い温度が好ましく、
また溶融吐出した紡出糸を冷却するには、紡糸口金から
その下方1〜1.5mの冷却ゾーンにおいて紡出糸に対
し横方向又は周囲から冷却用の気体(例えば常温の空気
)を吹きつけて均一に冷却するのが好ましい。
所定温度まで冷却された紡出糸は、引続き90〜140
℃の温度に保存された長さ80〜180cmの加熱雰囲
気中に導いて、該加熱雰囲気中を80〜180cmの距
離だけ走行させて熱処理する。
この熱処理直前の(即ち加熱雰囲気中に導入される直前
の)糸条温度が〔Tg+40℃〕より高いと加熱雰囲気
による熱処理が均一に行われ難いために、得られる糸条
の均質性が劣るので糸条が〔Tg+40℃〕より低温、
好ましくは〔Tg+20℃〕より低温まで冷却された段
階で熱処理を行うべきである。
しかし、糸条が完全に冷却固化した段階で熱処理しても
効果が小さく、糸条温度が〔Tg+20℃〕より低温に
ならないうちに熱処理を行うのが好ましい。
熱処理を行う加熱雰囲気の温度は、90〜140℃、好
ましくは100〜130℃にする必要がある。
該加熱雰囲気の温度が90℃未満では熱処理の効果が之
しく本発明の目的とする延伸仮撚加工に適した部分配向
繊維を得ることができない。
一方140℃より高温では得られる糸条の繊度斑や配向
斑が大きくなり延伸仮撚加工で要求される均質な糸条が
得られない。
なお、ここで言う加熱雰囲気の温度とは走行繊維束の外
側から5mm離れた位置で測定した糸条近傍の雰囲気温
度である。
加熱雰囲気の長さは、糸条走行方向に沿って80〜18
0cmとすることが必要であり、80cm未満では熱処
理の効果が之しく、また180cmより長いと均質な糸
条が得難く、何れの場合も本発明の目的を達成し得ない
このような熱処理を工業的に実施するには、紡糸口金よ
り1〜1.5mの冷却ゾーンを隔てて加熱筒、スリット
ヒーター等を設け、走行糸条所傍の雰囲気を所定温度に
加熱するのが適当である。
該加熱雰囲気の温度は全長にわたって均一であることは
必ずしも必要でなく、所望により、紡糸口金に所い糸条
入測と巻取部に近い糸条出測との間に温度勾配を設けて
もよい。
本発明では、加熱雰囲気中に導入される糸条は各単糸が
互いに密着しない程度に集束されるのが好ましく、この
ため紡糸口金直下の冷却ゾーンとそれに続く加熱雰囲気
からなる熱処理ゾーンとの境に、適当なガイドを設けて
紡出糸を軽度に集束するのが好ましく、このようにする
と、紡糸工程における断糸やデニール斑を大幅に減少さ
せることができる。
ここで使用するガイドとしては、直径0.5〜3.0c
mのリング状ガイドが好適であるが、U字形又は■字形
のガイドを2個以上組合せて使用することも出来、また
、ガイド内部から適当な油剤(仕上剤)が浸出するよう
にして走行糸条とガイドとの摩擦による悪影響を防止す
るようにしてもよい。
前記の加熱雰囲気を出た糸条は、所望により適当な油剤
を付与したのち、一対のゴデットローラによって引取ら
れワインダーによって巻取られる。
この際紡糸巻取速度は1100〜2600m/分とする
必要があり、特に1250〜2600m/分、就中18
00〜2600m/分が好ましい。
紡糸巻取速度が1100m/分未満では加熱雰囲気によ
る熱処理効果が殆んど認められないばかりでなく紡糸調
子が悪化する。
一方2600m/分より高速では特殊な高速ワインダー
を必要とするばかりでなく、紡糸開始時の糸掛け性や紡
糸中の巻取安定性も劣るので好ましくない。
1100〜2600m/分での巻取りに際しては通常の
ワインダーを使用することができ、糸掛け作業も容易で
巻取安定性もきわめて良好である。
なお、巻取前に糸条に気体撹乱流又は施回流を作用させ
てインターレース又は交互撚を付与し糸条に集束性をも
たせるのが好ましい。
上述の如き本発明によれば、紡糸巻取速度が1100〜
2600m/分と比較的低速であるにも拘らず、従来の
高速紡糸と略同様の強度1.5〜3.0g/de、伸度
100〜300%、複屈折率0.02〜0.07という
物性を有する部分配向ポリエステル繊維が製造される。
そして、該部分配向ポリエステル繊維は十分な経時安定
性を有し、また高温(200℃以上)のヒーターを有す
る延伸仮撚加工機への糸掛けも容易である。
そして本発明によれば特殊な高速ワインダーを必要とせ
ず、また紡糸巻取の糸掛性、安定性もすぐれているため
屑糸量も減少し、きわめて経済的である。
本発明により製造されたポリエステル部分配向繊維を延
伸仮撚加工する場合は、加工温度150〜240℃、延
伸倍率1.4〜2.5倍の条件で同時的又は遂次的な延
伸仮撚加工を行うことにより、良好な捲縮性能、染色性
を有する嵩高加工糸とすることができる。
特に、本発明によるポリエステル部分配向繊維は後述に
示す如く複屈折率が高く結晶化度も高く、その割りに伸
度が大きいという特性を有するため、延伸仮撚加工によ
るフィラメント断面の扁平化が比較的小さく、また同等
の複屈折率を有する高速紡糸による部分配向繊維に比べ
て延伸倍率が幾分大きくなり生産性が向上する。
次に、本発明の実施例を詳述する。
なお、実施例における各特性値のうち、密度(9)、ウ
ースター斑(U%)及び捲縮糸の特性値は次の如く測定
した値である。
密度(9) n−へプタンと四塩化炭素との混合液を用い浮沈法によ
り求めた20℃における密度である。
ウースター斑(U%) スイス、ツエルベーカー社製ウースター糸斑試験器を用
いてハーフイナートテストを行い、積分計によって求め
た値である。
全捲縮率(TC)および染着(L値) 英国特許第1333679号明細書に記載の方法により
測定した値である。
筋斑 捲縮糸をメリヤス編にして染色し、染色したサンプルを
肉眼で判定した結果である。
扁平率 捲縮糸の単糸断面における内径(対角線)の最も長いも
のをbとし、該最長径と直交する径のうちで最も長いも
のをaとしたときのb/aで表わされ、扁平率が1に近
いほど真円に近いことを意味する。
実施例では20本について測定した値の平均値で示した
実施例1 極限粘度が0.64のポリエチレンテレフタレート(融
点261℃、Tg68℃)のチップを288℃で孔径0
.35mmφ、孔数30の紡糸口金から押し出し紡糸口
金とその下方1.0mの区間において紡出糸に対し約2
5℃の空気を横方向から吹き付けて該糸条を70℃まで
冷却した後、直径15mmのリング状ガイドによって集
束し、引続き長さ150cmの加熱筒内へ導入して該筒
内に形成される加熱雰囲気中を通過せしめたのちオイリ
ングローラーにより仕上げ剤を付与し、一対のゴデット
ローラーで引取ってワインダーによりパッケージに巻取
った。
この際加熱筒内の雰囲気温度及び巻取速度を第1表の如
く変化させた。
それぞれの条件で得られた未延伸糸の物性を第1表に示
す。
実施例2 実施例1において紡糸口金から加熱筒までの距離を変え
て紡出糸条が130℃の加熱雰囲気中に導入される前の
糸条温度を変化させる以外は同様の条件で紡糸し250
0m/minの速度で巻取った。
このときの加熱雰囲気中に導入される直前の糸条温度及
び未延伸物性を第2表に示す。
実施例3 実施例1において加熱筒(雰囲気温度120℃)の長さ
を変化させる以外は全く同様に紡糸し2500m/mi
nで巻取った。
加熱筒の長さに伴う未延伸糸の物性変化を第3表に示す
実施例 4 実施例1、実験No.2及びNo.7の未延伸糸パッケ
ージを紡糸後25℃、65%RHの室中に1日放置後、
スクラップ社製CS12−6000型延伸仮撚加工機に
供給し第4表の条件(ヒーター長100cm)で延伸と
同様に仮撚加工を行い、4係のオーバーフイードで巻取
った。
このとき得られた「O−タイプ」のテキスチャードヤー
ンの特性を第4表に示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 紡糸口金より溶融吐出したポリエステル紡出糸を、
    〔該ポリエステルのガラス転移温度(Tg)+40℃〕
    よりも低い温度にまで冷却し、引続き90〜140℃の
    温度に保持された長さ80〜180cmの加熱雰囲気中
    を走行させて熱処理した後、1100〜2600m/分
    の速度で巻取ることを特徴とするポリエステル部分配向
    繊維の製造法。
JP699875A 1975-01-17 1975-01-17 ポリエステル部分配向繊維の製造法 Expired JPS589164B2 (ja)

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