JPS588899Y2 - 内燃機関 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関に関し、特にスワール度調節手段を
もつ内燃機関の吸気通路の構造に関する。

内燃機関の吸気通路に、該吸気通路を通って燃焼室に吸
入される空気に旋回を与える装置を付加することにより
、燃焼室内で旋回流を発生させ、それにより噴射燃料の
均等な燃焼を行わせるようにしたディーゼル式内燃機関
は、公知である。

このような形式の内燃機関では、どの程度の旋回流が最
適であるかということを決定することが極めて重要な課
題となっている。

即ち、その機関の常用回転数、燃焼室の形状、吸気ポー
トの形状等に応じて、最適の旋回度（「スワール比」と
もいう）を、量産に先立って、試作エンジンを用いて試
行−錯誤をくり返えしながら、選定しているというのが
現状である。

というのは、一度、ある値のスワール比のものを製造し
てしまうと、後に、この機関のスワール比を調節（変更
）しようとすると、機関の吸気弁組立部分を解体し、吸
気ポート内に設けたスワール発生用突起に加工を施し、
その後、清浄、組立、再スワール比テストという大巾な
工数を必要とするため、量産に先立って、極めて厳重な
テストを行い、量産機についてのスワール比の調整をな
るべく行わないようにしている。

したがって、はんの少しの性能を変更したような機関を
開発しようとするときにも、スワール比をどの程度にす
るかというテストを、新機種の開発と同じ程度の手順の
もとに行う必要があるというのが現状である。

したがって、機関組立後に、機関の外部からスワール比
の調節が可能であれば、少し性能に変更のある機関の場
合、従来と同じスワール比のものを用いて機関を組立て
、これを運転しながら、最適のスワール比となるようｆ
こ、外部から、スワール発生装置を調節すれば、該機関
のための最適スワール比決定のためのテストを省略する
ことができることになり、それだけ機関の製造コストを
低下することができることになる。

本考案は、このような目的のために考案されたものであ
って、スワール付内燃機関において、先端部横断面形状
が軸心に対して非対称の棒状のスワール調整バーをその
先端部がシリンダヘッドの吸気弁近傍の吸気ポート内に
吸気の流れ方向に対して略直角方向に突出し、かつ突出
調整自在にシリンダヘッドに螺着させ点を特徴とするも
のであり、その結果、量産機において、機種の要目によ
る異種スワール比が、組立後において選定でき。

また同一形式のシリンダヘッドの流用が可能となる等の
効果を奏することができる。

次Ｏこ、図面により、本考案の一実施例を説明する。

第１図は、従来のスワール発生装置の１例であって、吸
気路２の吸気ポート５の吸気弁軸４には、弁案内支持部
９が設けられており、該支持部には張出し部７が突出し
ている。

該張り出し部７は、羽根形の部分１１と、流路壁１と支
持部９とを結ぶ部分１０とから成り立っており、吸気は
、羽根形の部分１１で主気流１２と副気流１３とに分れ
て吸気弁３からシリンダ６内に吸入され、シリンダ６内
で旋回流となる。

このように、この例では、スワールは１羽根形の部分１
１と部分１０とによって発生するようになっていて、こ
れら両部分１０．１１の形状、寸法は、予め試作エンジ
ンを使って、テストにより決定され、これを変更するに
は、両部分１０．１１のいずれか或は両方に、切削等の
加工を施すより外はない。

そして、そのような加工は、吸気弁装置等を分解した後
でないと行えないから、エンジンの組立後ニ、組立た状
態のま＼でのスワール比の変更（調節）は不可能である
。

第２〜４図は、本考案の実施例であって、同図において
、吸気ポート５の内径に接するように、シリンダヘッド
１４には小径のネジ孔１５が穿設される。

そして、該ネジ孔１５には、スワール調整用バー１６を
螺挿穴する。

該スワール調整用バー１６は、第４図の如くその吸気ポ
ート５内に突出す部分２０の断面形状が、半円形状或は
平板状又は、三カ月状のような、非対称形状である方が
望ましく、また、その上端には、ドライバ・みぞ１７が
穿設される大径部１８が形成され、該大径部１８には、
シリンダヘッド１４と気密接着するための０１Ｊングを
挿入するみぞ１９が穿設されている。

このような形状、寸法をもつスワール調整用バー１６を
、図示のように、スワール発生用羽根形の部分１１から
、吸気ポート５内に、その突出部分２０が、少し突出し
た状態で機関を組立てる。

そして、機関を運転しながら、ドライバ・みぞ１８にド
ライバを係合して、スワールを測定しながら、ドライバ
を回動することにより、スワール調整用バー１６を吸気
ポート５内への突出量を調節する。

突出部分２０の突出量が増加すると、スフワール比は低
下するから、スワールを測定しながら、スワール調整用
バーの突出量を変更することにより、最適のスワール比
を得ることができる。

なお、スワール調整用バーの突出部２０の形状ヲ該バー
１６の回転軸に対して非対称としておくときは、該バー
１６の回転により、その突出量だけでなく突出部分の吸
気流に対する抵抗が変化するため、さらに広い範囲にわ
たったスワール比の調整が可能となる。

このように、本考案は、シリンダヘッド１４に棒状のス
ワール調整バー１６を吸気の流れ方向に対して略直角方
向に突出調整自在に螺着させ、シリンダヘッドの吸気弁
近傍の吸気ポート５内に突出するスワール調整バー１６
の突出長さを調整するとともに、スワール調整ノ、く−
１６の先端部横断面形状を軸心に対して非対称となした
ので、吸気ポート５内に突出するスワール調整バー１６
の突出長さに比例して吸気ポート５内の吸気抵抗が変化
するのみならず、吸入気流に対向する面の形状も変化す
るので、上記吸気抵抗の変化は倍加される。

従って、スワール比を極めて容易に変更することが出来
るようになる。

また、本考案によれば、同一形式のシリンダヘッド１４
を備えた内燃機関であっても、予め、スワール調整バー
１６のみを調整することによってスワール比の相違する
異種の内燃機関として出荷できるので、量産性に富み、
低コストとなる等、極めて実用的な効果を挙げることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の要部説明図、第２〜４図は本考案の実
施例を示し、第２図は吸気ポート付近の断面側面図、第
３図はスワール比調整バーの側面図、第４図はその突出
部の断面形状の一例を示す図である。 ５・・・・・・吸気ポート、１１・・・・・・羽根状の
部分、１４・・・・・・シリンダヘッド、１５・・・・
・・小径のネジ孔、１６・・・・・・スワール調整バー
２０・・・・・・突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダヘッド１４内の吸気ポート５を通って燃焼室に
   吸入される過程で吸入気流にスワールを生起させるよう
   にした内燃機関において、先端部横断面形状が軸心に対
   して非対称の棒状のスワール調整バー１６を、その先端
   部が前記吸気ポート５内に突出し、かつ突出調整自在に
   シリンダヘッド１４に螺着させたことを特徴とする内燃
   機関□。