JPS588623Y2 - 農業機械におけるサイドクラツチ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は耕耘機、バインダ等の農業機械におけるサイド
クラッチ構造に関し、特に分離独立した左右車軸の端面
が対向する位置に嵌装されて独立回転するドリブンスプ
ロケット、ドリブンギヤ等のドリブン回転体を、２つの
ドリブン回転体半休で構成したことを特徴とするサイド
クラッチ構造を提案するものである。

耕耘機、バインダ等における従来のサイ ドクラッチは
、分離した左右車軸の端面が対向する位置に両車軸に対
して独立回転し得るトリフンギヤ又はドリブンスプロケ
ットが嵌装されており、このドリブンギヤ又はドリブン
スプロケットを駆動させるとともに、これらのドリブン
ギヤ又はドリブンスプロケットと左右の各車軸との間の
伝動をボールクラッチを用いて入断し、左右の車軸を夫
々に回転、停止させ得るようになっており、ｌた分離し
た左右車軸の軸心を一致させるために両軸体内に跨る芯
軸を配設していた。

ところで耕耘機、バインダ等の農業機械の作業走行時は
左右の車輪が夫々異なる凹凸状の圃場面等を走行するた
め左右の車軸には不等荷重が加って左右の車軸に共通に
嵌装したドリブンギヤ又はドリブンスプロケットには捩
れ力が加ることとなる。

そのためドリブンギヤ又はドリブンスプロケットは剛性
を大きくする必要があり大型化して重量が大きくなって
いた。

筐た分離した左右の車軸にはこれらに跨って車軸内に嵌
入させた芯軸を有するので、左右の車軸に不等荷重が加
った場合にはそれらの軸心線が歪曲して、一方の車軸を
サイドクラッチにより停止させた場合にもつき回りする
虞れがあり、それらの問題点を解消するためサイドクラ
ッチ及び車軸の軸支構造が複雑になっておジ犬型化して
いた。

本考案は前述した従来の問題点に鑑み、分離した左右の
各車軸の軸端面が対向する部分に、従来のドリブンギヤ
又はドリブンスプロケット等ドリブン回転体を２分割し
た構造の各１個のドリブン回転体半休を回転可能に嵌装
して配設し、分離した左右の車軸は芯軸を用いることな
く独立して軸支させることにより、サイドクラッチの剛
性を小さくし得て小型軽量化を図り、捷た他方の車軸の
回転にともなう、つき回りを防止するとともにサイドク
ラッチの構造を簡素化した耕耘機等の農業機械における
サイドクラッチ構造を提案したものである。

以下本考案に係るサイドクラッチ構造を耕耘機における
実施例を示す図面に基すいて詳述する。

第１図に釦いて１は夫々機体の左右に所定間隔離隔させ
て設けられた駆動輪２、耕耘部３、尾輪４を有する耕耘
機であって、該耕耘機１に搭載したエンジン５からの動
力を図示していない変速装置及び適宜伝動機構を介して
前記駆動輪２に伝達し、この駆動輪２を駆動して耕耘機
１を走行させるように構成している。

そしてこの耕耘機１には機体の後方に設けられた・・ン
ドル６の左方にはサイドクラッチレバ７１が設けられて
いて、右側にも同様のサイドクラッチレバが設けられて
いる。

そして左方のサイドクラッチレバ７１を握ることにより
、駆動輪２が取付けられた左側の車軸８１の駆動力を伝
達するサイドクラッチが離脱されて左方の駆動輪２が停
止し機体は右方の、駆動輪の駆動により左方に旋回させ
られ、また右方のサイドクラッチレバを握った場合には
同様にして右方の駆動輪が停止して機体は右方に回行し
得るようになっている。

しかして本考案の要部であるサイドクラッチは第２図に
示す如く構成されている。

８１゜８ｒは左右の車軸であって、両車軸８１．８ｒの
一方の軸端面は微小間隙ｄを隔てて対向させ・・ウジフ
グ９内に嵌挿されてかり、ハウジング９の左右に設けた
軸孔には夫々ベアリング１０を嵌着してこのベアリング
１０により車軸８１，８ｒを回転自在に支持させている
。

車軸８１．８ｒ夫々の対向軸端部には外周面に段部を形
成して先端に小径部８ａを形成しており、また両車軸８
１．８ｒの前記小径軸部８ａ、８ａに連なる部分の外周
面には後述するボールＢの約半分を嵌係合し得る深さの
複数の凹部１２を車軸８１，８ｒの周方向に適長間隔離
隔させて複数形成している。

前記小径軸部８ａ、８ａの夫々には同寸同形状の半割り
スプロケット状のドリブン回転体半休１１Ｌ’ｆｌｒが
夫々の背面を対面させて緩嵌されて独自回転がなし得る
ように配設されている。

Ｃはドリブン回転体半休１１１，１１ｒに跨って張設さ
れた駆動チェインである。

またドリブン回転体半体１１１゜１１ｒの正面側に延在
させた筒体部１１ａには記凹部１２と対応する位置にボ
ールＢの外径寸法よシ稍犬径のボール孔１１ｂが穿設さ
れていてボールＢはこのボール孔１１ｂに径方向への移
動自在に配設されている。

両車軸８１ ｓ８ｒの外周面上からドブリン回転体半休
１１Ｌ１１ｒの筒体部１１ａ、１１ａの外周面上にかけ
て左右のシフタｉ３１，１３ｒを嵌合し、この左右のシ
フタ１３１．１３ｒは内部に嵌入したコイルスプリング
からなる弾機１４Ｌ１４ｒの付勢力によりドリブン回転
体半休１１Ｌ１１ｒから離反するようになっている。

そしてシフタ１３１．１３ｒのドリブン回転体半体１１
Ｌ１１ｒ側端部の内周面である当面１３ａ、１３ａをボ
ールＢ、Ｂに押圧当接出来るように形成している。

ノ・ウジフグ９内の左左に設けた支軸１４Ｌ１４ｒには
回動自在に取付けた２又状の左右の作動杆１５１，１５
ｒを有し、この端部には左右のサイドクラッチレバにそ
れぞれ連動する連動杆１６Ｌ１６ｒを連結しており、作
動杆１５Ｌ１５ｒの先端部はシフタ１３１゜１３ｒの外
周面に形成した段部１３ｂに当接させてシフタ１３１，
１３ｒを夫々独立して駆動し得るように構成している。

しかして、第２図に示した実施例にお・いては、左側半
分は車軸８１に動力が伝達されない状態即ちサイドクラ
ッチが離脱している状態を、寸た右側半分は車軸８ｒに
動力伝達がなされている状態即ちサイドクラッチが係合
している状態を示している。

そしてサイドクラッチが係合している場合はサイドクラ
ッチレバが操作されていない状態であって、シフタ１３
ｒの段部１３ｂには作動杆１５ｒの先端部が単に当接し
ていて、弾機１４ｒの付勢力により右方のシフタ１３ｒ
がトリフン回転体半体１１ｒから離反する方向に押圧駆
動されていて、シフタ１３ｒの当面１３ａがボールＢを
軸心方向に押圧し、その昔まボールＢはボール孔１１ｂ
と凹部１２に跨って嵌係合し、チェインＣによって移動
回転されるドリブン回転半休１１１．１１ｒのうちドリ
ブン回転体半体１１ｒの回転駆動力はボールＢを介して
右方の車軸８ｒに直接伝達される。

左方の場合も同様にして弾機１４１による付勢力によっ
てシフタ１３１が抑圧作動されて左方の車軸８１に伝達
され得る。

渣た第２図の左側半分に示すように、左方のサイドクラ
ッチレバ７１を握ってサイドクラッチを離脱させるよう
操作すると、弾機１４１の付勢力に抗して２又状の左方
の作動杆１５１により左方のシフタ１３１はドブリン回
転体半休１１１側に移動させられるボールＢが遠心力に
よりシフタ１３１の外径方向に逃げて左方の車軸８１へ
の動力伝達が遮断され、車軸８１の回転を停止し得る。

右方の場合も同様にして弾機１４ｒによる付勢力に抗し
て右方のシフタ１３ｒを移動させることにより右方の車
軸８ｒへの動力伝達を遮断し車軸８ｒの回転を停止し得
る。

叙上の如き本考案のサイドクラッチ構造においては、左
右の各車軸８１．８ｒに対する伝動を行うための、チェ
インＣによって協動駆動されるものの別体となったドリ
ブン回転体半休１１１．１１ ｒ間には間隙ｄが存在し
、昔たチェインＣと両ドリブン回転体半休１１Ｌ１１ｒ
との係合状態には通常若干の裕度があるので各ドリブン
回転体半休１１１．１１ｒには他方のドリブン回転体半
体１１ｒ、１１１の回転に対する若干のズレが生じ得て
、左右の車軸８１．８ｒに加わった不等荷重による捩れ
力を前記したズレにより良好に吸収させることができ、
そのため両ドリブン回転体半休１１１．１１ｒは大きい
剛性を必要とせず小型軽量化がなし得る。

咬た左右の車軸８１．８ｒは独立しているので車軸８１
，８ｒが直接に干渉せず、一方の車軸を停止させた場合
に他方の車軸の駆動力が伝達されてつき回りをする等の
虞れが解消でき、左右の車軸８１．８ｒは完全に独立さ
せて回転又は停止の確実な動作を行わせることができる
。

更に前述の如き構造により車軸８１，８ｒの軸支構造を
簡素化することができ、サイドクラッチ全体を小型、軽
量にして信頼性を高めることができる等の優れた利点が
ある。

なお上述の実施例ではドリブン回転体半休を半割り形状
のスプロケットにより構成したが、これをギヤに替えて
構成してもよいことは勿論であって、その場合は夫々ギ
ヤよりなる２個のドリブン回転体半休は原動機側のドラ
イブギヤによって協動的に回転駆動される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図は本
考案に係るサイドクラッチ構造を備えた耕耘機の左側面
図、第２図は本考案に係るサイドクラッチ構造の正面断
面図である。 １・・・耕耘機、２・・・駆動輪、５・・・エンジン、
６・・・ハンドル、８１，８ｒ・・・車軸 １１１，１
１ｒ−ドリブン回転体半休、１２・・・凹部、１３１．
１３ｒ・・・シフタ、１４１＝１４ｒ・”弾機、１５１
，１５ｒ・・・作動杆、１６１，１６ｒ・・・連動杆、
Ｃ・・・駆動チェイン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 分離独立させてなり、夫々の一方の軸端面同士を対向さ
   せて配置した左右車軸夫々の対向軸端面の近傍に各１個
   のドリブン回転体半休を夫々の背面を対向させるように
   して回転可能に嵌装し、前記各ドリブン回転体半体夫々
   の正面側に延在させた筒体部に車軸の周方向に適長間隔
   嬢隔させて嵌合収納した適数個のボールを左右各車軸又
   はこれと一体回動し得る適宜部材の周囲に形成した凹部
   に対する係合及び離脱が自在となるようにして、前記各
   ドリブン回転体半休に協動的に伝えられた回転駆動力を
   左右の車軸に独立的に伝動、遮断し得るようにしたこと
   を特徴とする農業機械におけるサイドクラッチ構造。